ホロメンとの高校生活 作:主義
白上フブキの場合
白上は後輩くんのことが大好き。だから、後輩くんの頼みだったらどんなことでも断らないし、権力を使ってでも叶えてあげる。そんなことしちゃいけないことは分かってるけど、それぐらい白上は後輩くんのことが好きなんだ。
そんな時に後輩のこよりちゃんに会った。こよりは科学に強くてどんなものでも発明できるらしい。それを聞いてちょっと面白半分で『惚れ薬って作れるの?』って聞いた。そしてそれに対するこよりの回答は「作れますよ」だった。正直、耳を疑った。だけど、こよりの目は嘘を言っているように感じられなくて「作ってみて」と言ってしまった。
それから数日してこよりから『惚れ薬』らしきものを渡された。渡された液体はお世辞にも人間が飲むような色をしていない。ちょっと試しに一人の男子生徒に犠牲になってもらったけど、効果は抜群だった。
「…はぁ…お、おくれて…はぁ……すいま…せん」
「ううん。大丈夫だよ」
「そ、それなら…よかったです」
白上は今からキミに対してとても酷いことをするのに、キミはとっても良い笑顔を浮かべている。
「それで後輩くんを呼んだ理由なんだけど」
「どんなことですか?なるべく白上先輩の力になりたいですし」
「ありがとね。じゃあ、ちょっと付いて来てくれるかな?」
「はい、分かりました」
そして人気のない部屋にまで後輩くんを連れてきた。この惚れ薬の効果は2時間。惚れ薬を飲んで一番最初に目にした人に惚れてしまうらしく、たくさんの人がいるところで使うのは危険。もしかしたら、白上じゃない人を好きになっちゃうかもしれないですし。
「これを飲んでくれるかな?」
「わ、わかりました」
後輩くんはちょっと危険だと思ったのか、一瞬だけ『これを飲むの?』って顔をした。だけど、一気に飲み干してくれた。
それから後輩くんは苦しみだして、その様子をずっと見ていた。苦しみが収まると白上は後輩くんに近付いて声を掛ける。
「大丈夫ですか?」
「し、しらかみせんぱい……は…れて…」
そして次の瞬間に後輩くんは白上のことを押し倒した。普段の後輩くんでは絶対にあり得ない行動。そしてこれが惚れ薬が後輩くんに効いていることは確実ですね。
「後輩くん…」
「す、すいません……せん…い…」
「いいんですよ。後輩くんが好きな風にしたらいいです。白上は後輩くんにどんなことをされてもいいですし、その結果として起っちゃいけないことが起こったとしても大丈夫です」
もしものことがあったとしても白上はいい。それぐらいの覚悟は出来てるし、後輩くんの子供であれば白上は学校を辞めて育ててもいい。
「だ、だめです……はなれて!」
「いいんですよ。欲望を開放しても。白上はキミの全てを受け入れる覚悟はできていますし」
白上の目には葛藤しているキミの姿が映る。必死に爆発しよう性欲を理性で抑えつけようとしている姿はとってもカッコよくて可愛い。白上はキミのどんな姿であったとしても好きだし、愛したい。
「に、にげて!」
「大丈夫ですよ。その本能を開放しても」
それから1分もしないうちに後輩くんの理性は完全に抑えつけられたみたい。だって今の後輩くんの目は野生動物が餌を発見した時と同じような感じ。ちょっと白上もビクッとしちゃったぐらい。
「いいですよ」
後輩くんの唇が白上の唇に当たりそうになったところで…後輩くんは静止した。そして次の瞬間に立ち上がって白上から距離を取った。
「だ、だめです…。しらかみせんぱい…」
「し、しらかみはいいんだよ!後輩くんにファーストキスを奪われるなら全然いい!」
「…も、もっと…じぶんをたいせつにして…しらかみせんぱいはとっても…かわいいんですから…」
そこで後輩くんの意識は途絶えてしまった。
たぶん、理性が性欲を抑え込んだんだと思う。そうじゃないと説明がつかないですし。
「かっこいい…すき」
やっぱり白上はキミのことが大好き。キミは白上に「自分を大切にして」と言ってたけど、白上は自分のことを大切にしてるし、だから白上はキミに全てを奪って欲しい。その大切な体を奪うのはキミだけ。
「絶対にキミを手に入れたい…」
今度はもっとすごいものをこよちゃんに頼もうかな。それとも今度は白上のお家に招待しちゃうかな。キミの心を射止めるためなら白上はどんな手でも…。
――――――――――
百鬼あやめの場合
余はキミのことが好き。あくあちゃんよりもシオンちゃんよりもちょこ先生よりもスバルよりも好き。キミへの気持ちなら他の誰にも負けない。でも、余の気持ちを正直に伝えちゃったらキミは今までのように余に話し掛けてくれないよね。
だから、余は自分の気持ちに蓋をすることにした。今までは少しでもキミに好きになってもらいたくて色々とアプローチをした。でもどんなことをやっても上手くいかなくてキミの心を余だけのものにすることはできなかった。
諦めようと思っていた時に…変な薬を校内で拾った。最初は得体のしれないものだし、どこかに捨てちゃおうかなぁとも思ったけど、気が付いてみると家に持って帰っていた。
そして次の日、友達に適当なことを言って飲ませるとこの薬の効果が分かった。この薬は飲んですぐに見た人に対して好意を抱くってかんじのもの。
余は諦めたはずなのに……いけない考えが頭をよぎる。これを使えばキミの心さえも余のものに出来るんじゃないかと。こんなものを使って手に入れたとしてもそれは本当の『気持ち』じゃないことは余だって分かってる。
「余の頼みを聞いてくれるかな?」
キミはとっても優しいから…どんな人の頼みでも聞き入れちゃう。そこはキミの良い所であって、悪い所でもある余。だってその優しさの所為で余に騙されちゃうんだもん。
「うん、大丈夫ですよ」
「じゃあ、ちょっと放課後、余に付いて来てくれないか?」
「いいですよ。ぜんぜん」
するとキミは普通に付いて来てくれた。ここまで疑いを知らないような人ってもしかしたら世界中広いけど、キミだけじゃないかなぁと余は思ったりする。
さすがにキミもちょっと違和感に思ったようで聞いてきた。
「で、でもここって百鬼さんのお家じゃないの?」
「うん、そうだよ。ちょっと家の中じゃないと話せないようなことなの」
「そっかぁ」
ちょっとキミは疑ったけど、すぐにいつものキミに戻る。本当にガードが薄すぎて、余の方が心配になっちゃう余。この感じだと、明らかに怪しい人に誘われても付いて行っちゃいそうだし。
そして余がカギを開けて、家の中に入るとキミも入って来る。
「百鬼さんって一人暮らしなんですか?」
「そうじゃ余。高校からは憧れの一人暮らしをしてみたくて」
「そうなんだ。一人暮らしなんてすごいですね」
だから…よかった。もし、母百鬼や父百鬼がいたらこんなことは出来なかった。余が男の子を連れ込んだなんて知れたら色々とめんどくさかったと思うし、何よりもここなら外に一切声が漏れることはない。このお家のある一部の部屋は防音室になっている。
そこでならどれだけキミが叫んだとしても絶対に外に漏れることがない。元々の目的は違ったけど、これは余にとって好都合。
「この部屋に入って」
「あ、はい」
キミは余に言われるがままに余の後ろから部屋の中へと入った。そしてキミが入ったことを確認してから部屋の鍵を閉める。
「え…鍵、閉めるんですか?」
「うん、ここは余のお家だから大丈夫だと思うんだけど、このお話が漏れちゃったら嫌だから」
余はそんな適当なことを話す。でも、キミはそんな適当な話でも信じてくれる。
「これを飲んで欲しいの」
「…こ、これ?」
「うん、だめかな…?」
「ううん。百鬼さんがそうして欲しいなら」
キミは一気に飲み干した。その瞬間、ちょっとだけ罪悪感が込み上げてきたけど、それ以上にこれから始まることへの期待の方が大きくなっている。
キミはすぐに苦しみだして……
余は初めて……背筋がゾクッとした。だってキミの目は肉食動物そのもの。今から余はキミに蹂躙させるんだと考えるだけで興奮する。
「や、や……ばい!」
そしてすぐに余に抱き着いてくれた。
それ以上に…余のことを甘噛みしている。
「え……///」
余の脳はショートしちゃった。
そして少しして意識が戻った時にはまた目を疑うようなことが……だ、だって余のことをキミが力強く抱きしめてくれている。こ、こんなこと!!夢にまでみた展開なのに…ど、どおすれば…。
「百鬼さんって可愛いですね」
「………///」
「ちょっと恥ずかしがって顔を赤らめているところもかわいいです」
こんな近くでそんなこと言われたら……むり…。
「僕は百鬼さんの全てが好きですよ」
おわった余。