ホロメンとの高校生活 作:主義
授業の終わった放課後の教室に…僕を含めて五人の生徒が席に座っている。部活に行ったり、帰宅しているので僕たち以外に誰もいない。僕も本当は今頃、一人暮らしをしている自分の部屋に着いているはずだった。
そんな僕を引き留めたのは… 夏色まつり先輩だった。急に夏色先輩から声を掛けられて僕の方がびっくりした。学園ではその明るい性格と分け隔てなく接していることもあって人気が高い。
夏色「これで全員集まったね」
宝鐘「そうですね、まつり先輩からのお呼びということはどうせまた変なゲームをやらされるんでしょうね」
猫又「まつりちゃんはそういうゲーム好きだからね」
博衣「一体どんなゲームをやるんですか!まつり先輩!!」
この場には夏色先輩、猫又さん、宝鐘さん、博衣さんがいる。ウチの学校でも人気がある人たち。本当に僕からすれば高嶺の花のような人たちに変わりない。なのにそんな人たちと僕は一緒にいる。
夏色「前の時はキミを逃しちゃったからね。今日は授業が終わる前からずっとキミの教室の前でスタンバってたの!」
なんか胸を張って夏色先輩を言っているが、それはあまり褒められたことではないと思うんです。授業が終わる前からということは夏色先輩は授業をサボっていたのかもしれない。僕なんかの所為で。
「いや、そんなことをしなくても一言言ってくれればちゃんと教室で待ってましたよ」
夏色「…確かにその手があったか!」
まるで今、思い付いたかのような夏色さんの姿があった。
夏色「それじゃあ、あまり遅くなるとまずいし、始めようか」
「あ、あの…夏色先輩、一体なにをするんですか?」
夏色「今日はね~~~NGゲームだよ」
宝鐘「まつり先輩にしてはまともなゲームを選びましたね。もっとヤバい系かと思いましたよ」
NGゲームと言えば…自分以外の誰かが自分が言ってはいけない言葉を決めて、それを言わせたら勝ちという感じのゲームだったと記憶している。
そして一人一人が隣の人のNGワードを考えるという感じなり、NGワードをSTARTした。
最初に周りを見渡して四人のNGワードを確認した。
夏色先輩は『ダンス』、宝鐘さんは『薄い本』、猫又さんは『おにぎり』、博衣さんは『頭脳』と言った感じのNGワード。夏色先輩のは僕が考えた。夏色先輩はダンスが上手だと有名なので話が振りやすいかなぁと思って。皆、それぞれ相手が言いそうなセリフをよく考えましたね。宝鐘さんのだけは…ちょっとわかりませんけど…。
夏色「じゃあ、まずは皆の得意なことからでも聞こうかな」
それからお互いにNGワードを言わせようと色々とあったが…30分経っても誰もNGワードを言うことはなかった。自分のNGワードが分からないために話を振られたとしてもかなり躊躇してしまう。
そんなこんなで話している時に夏色さんが問いかけてきた。
夏色「キミって誰かに告白とかしたことあるの?」
急にそんなことを問われて動揺しない訳がない。NGワードの最中にそんな質問が飛んでくるとは予想していなかった。
「え…ど、どういう…?」
夏色「だからキミは誰かに告白とかしたことないの?」
「な、ないですけど…。僕はあまり勇気がないので告白とかは出来ないですね。今までの人生で一度もしたことはないですし」
博衣「そ、そうなんだ~~」
猫又「じゃあ、キミがもし、好きな人が出来たらどんな告白をするの~~」
「え、そんな話をしてどうするんですか?今はNGワードですよね」
宝鐘「え~いいじゃないですか~~マリンも先輩がどんな風な告白をするのか興味ありますよ~」
「僕の告白のセリフなんか聞いても何も価値はないですよ。それにそんなセリフないですし」
今まで誰かに告白を一度もしてこなかった人に告白する時に何ていうの?って聞かれても答えられないし。
博衣「こよりも興味ありますよ。先輩がどんな風に想いを伝えるのか」
「いや、そんなことどうでもいいですよ。それよりもNGワードの続きをしましょうよ」
これ以上、脱線すると色々と変な方向に行きそうなのでここで軌道修正しておかないと。それにこれ以上、僕の告白という誰も興味ない話題を続かせる訳にはいきません。
夏色「まつりも興味あるよ~キミの告白には~~ほらほら早く言ってよ~~」
猫又「ぼくもキミがどんな風に告白をするのかは興味あるけどな~」
なんでこの四人はこんな僕がどんな風に告白をするのかに興味があるんだろう。僕なんかの告白に…。
夏色「ねぇねぇ…言ってくれるまでずっとお願いし続けるよ」
四人は引き下がってくれる感じが全然しなくて…最終的に受け入れることにした。
「わ、わかりましたよ…言えばいいんですか?」
夏色「うん!」
「あ、あなたのことが…好きです」
四人の女子生徒に注目されながら告白の言葉を言うのは…地獄だ。今にも逃げ出してしまいたい。ここまで恥ずかしい思いをしたのは今までの人生で初めての経験かも。
反応がないと思って視線を上げるとそこには……なぜか顔を赤らめている四人がいた。何で僕よりもこの人たちの方が恥ずかしがっているんですか。
「…恥ずかしいなら聞かなければ良かったじゃないですか…」
言っている、僕も恥ずかしいし、聞いている皆も恥ずかしいなら絶対に言わない方が良かったじゃん。
夏色「う、うん…よかったよ…。ねぇ、マリン」
宝鐘「うん。とっても…いい…」
猫又「…ぼくもよかったとおもうよ…」
博衣「こ、こよもです」
明らかに気を使ってくれています。これなら本当に言わなければ良かった…。
そして最終的に僕のNGワードを確認するとそこには……『好き』と書かれていた。これなら他の言わせ方だってたくさんあったと思うんですけど。
――――――――――――――
主人公が立ち去った後、取り残された四人の女子高生は…なぜか興奮気味だった。
夏色「ねぇ、まつりに対して言ってくれたよね」
宝鐘「いや、マリンに言ってくれましたよ!」
猫又「え~~ぼくじゃなかった~」
博衣「こよにです!!」