ホロメンとの高校生活 作:主義
理科と言えば…実験がある。そして実験は一人ずつやることもあればグループでやることもあるんです。そしてグループというのは大概…座っている席によって分けられるんです。
そして僕の席だと―――—
「し、シオン!!それは入れちゃダメだって!!」
「だって先生がこれを入れろって言ってたもん」
「余はここで日向ぼっこしてる~」
「あ、ああああ、な、なんか液体をこぼしちゃった…って…ど、どうしたら…」
「あくあ様、ちょこが拭いとくから今度はこぼさないようにしようね」
この五人ということになるんですよね。そして始まって数秒ぐらいでもう問題が起こってますし。前も実験をやったことがあったんですけど、その時は大惨事だった。最終的には平謝りをして許してもらった。
「あ、あの…皆さん…」
「なに~~?」
「…今日はこれ以上問題を起こさないようにしましょう。これ以上すると次は謝るだけじゃ済まなくなるかもしれないので…」
「キミがそういうのなら分かったっすよ」
「しょうがないなぁ…」
「じゃあ、余は何をすればいい~?」
「あ、あてぃしも…て、てつだう…!」
「じゃあ、ちょこも一肌脱ごうかなぁ」
これで団結したかに思えましたが…今までだって別にふざけてこんな状況ではなくて真面目に実験をやって今までの有様なんですよね。もちろん、実験が予定通りに行くわけもなかった。
「だ、だから…それはダメだって言ってるじゃん!シオン!!」
「でもこれが正しいの!!」
「もっとちゃんと実験手順を見て!!!スバル、さっきからずっと言っているじゃん!!その液体はまだ混ぜないって」
「だ・か・ら…スバルは大人しく見てればいいの!」
大空さんと紫咲さんが喧嘩ではないにしても言い合いのようなものを始めてしまった。まずはここを解決しないと。
「…どうしたんですか?」
「ねぇ聞いてよ!スバルがシオンに色々と言ってくるの!!」
「違うよ!!シオンが手順を間違ているのに進めようとしているからっす!」
お互いの主張がぶつかり合っている状態。どっちも一歩も引くような感じはしない。
「…まずは落ち着きましょう。それに僕は二人が喧嘩をしているところは見たくないので」
「……わ、わかったっす」
「…キミがそういうなら」
そしてまずは二人を落ち着かせることに成功した。周りの班は少しずつ順調に実験を進めているのが見て分かる。でも、こちらは全くと言っていいほどに進んでいない。
次に僕は日向ぼっこをしている百鬼さんの元へと向かった。一度はやる気を出した感じのあった百鬼さんだったけど…また日向ぼっこに戻ってしまった。百鬼さんは理科室の床に寝っ転がって窓から差し込む日差しを浴びていて、本人はとても幸せそうな顔をしている。
「あ、あの…百鬼さん」
「……う……う、ん」
どうやら半分寝かけていたようで目をこすりながらも体を起こしてくれた。
「百鬼さん、ちょっと手伝ってくれませんか?」
「いい余」
百鬼さんは日向ぼっこをしていますが、「手伝って」と言えば手伝ってくれる。これは少しだけど一緒に居てみて気付けたこと。
「ありがとうございます」
「…別にいい余。キミの役に手立てるなら余も嬉しいし」
「本当にありがとうございますね」
そして最後に湊さんと癒月さんのところに行ったが…この二人に関しては問題というよりも湊さんが本日二回目零してしまった薬品の後処理をしていた。簡単に言えば…掃除ですね。
「僕も手伝いますよ」
「…いいよ…。こ、これは…あてぃしが…やっちゃったし」
「ううん。そういう訳にはいきませんよ。僕も湊さんと同じ班の一員なので。それに一人でも多い方が早く片付きますので…」
「…あ、あ、あり…がとう」
「大丈夫ですよ。困った時はお互い様なので…」
五分もしないうちに…片付けは終わった。やっと全ての問題が片付いた。他の班はもう実験の最終段階に入っていますが、こちらはまだ始まってもいない。
「それじゃあ…始めましょうか」
「シオン、がんばる!」
「スバルはシオンより頑張る!」
「余は…何をしたらいいの?」
「が、がんばる…」
「ちょこも頑張る~~」
そしてかなり出遅れて実験を始めた、僕たちの班だけど…ギリギリ時間内に実験を終わらせることに成功した。予想以上に皆の手際が良くてスムーズに実験が進んでいった。一度だけ湊さんが液体の入っている、フラスコを倒しそうになっていましたけど……。
皆さん、ちゃんとやると…出来る人たちなんですよね。