ホロメンとの高校生活 作:主義
この学校には高等部と中等部が年に数回、交流するために生徒会主催でパーティのようなものが開かれる。会場は体育館でこの時だけ飲食なども許可されるほど。こういうところから部活の勧誘なども始まっていたりする。大概は中等部から高等部から上がったとしても同じ部活に入ることが多いですけどね。
この交流会はあくまで参加は任意で参加しなかったとしても問題はない。だから僕も参加する気は全くと言っていいほどなかったんです。でも…これはいい機会じゃないかと思ったんです。ここを利用すれば部活動の勧誘が出来るんじゃないかと。前にも言った通りで運動部や吹奏楽部を除く、文化部に関しては中等部の学生だとしても一員として認められる。
体育館は飾りつけなども行われていて、料理なども色々と運ばれてくる。本当にパーティだ。
少し場違いな気はするものの…適当に食事を取って食べている。予想以上に多いし、こっちから話し掛けてみようかなぁなんて考えていると後ろから誰かに声を掛けられた。
「あ、あの…」
「うん?僕のこと?」
「はい。ちょっと話しませんか?」
「いいですよ」
なんでこの子が話し掛けてくれたのか全く分からないけど…制服を見る感じ中等部。
「僕の名前は天音かなたと言います。中等部3年です」
「あ、ご丁寧にありがとうございます。僕は高等部2年です。それでなんで僕に話し掛けてくれたんですか?天音さんと接点はないと記憶しているんですが……」
「…放送で…」
「放送?」
「は、はい。あの…三日前にお昼の放送にゲストで出演されていましたよね」
「…していたけど…よく知っていますね。中等部と高等部は校舎が違うのでお昼の放送も全て違うのに」
「ちょっと用事があって高等部の校舎に来ていたんです……」
「あ、そういうことですか。それでなんで放送で?」
「……せ、せんぱいの声っていいですよね…」
「そ、そうですか!?」
特段、自分の声が良いと思ったことはないんだけど。
「はい…。それで良い声だなぁと思って…調べたら……この交流会に先輩が参加するらしいから来たんです!!」
「あ、ありがとうございます」
「はい…」
その後もお互いのことなどを話して少しずつだが関係を深めていく。お互いの初対面だからかなり遠慮しているし。すると僕と天音さんに四人組が近づいて来る。
「あ、PP天使が先輩と話しているぞ!!」
「本当だ。かなたんが先輩と話してるね」
「ちょっとルーナどこに行ってたの?」
「あそこのお菓子おいしいのら~~」
急に近づいてきた四人組に少し後ずさりしちゃったけど、たぶん天音さんのお知り合いの人だろう。高等部の生徒は知っているが中等部に関してはあんまり知らない。元々エスカレート方式なのに僕は高等部から転入という形で入って来たから僕より下の学年の人たちに関しての情報は皆無に等しい。宝鐘さんだけは夏色先輩のご紹介で何度か会っているぐらいだ。
「あ、先輩。紹介しますね。左から桐生ココ、角巻わため、常闇トワ、姫森ルーナです。僕の仲のいい子たちです」
「そうなんですね。よろしくお願いしますね」
見た目だけで人を判断するのはあまり宜しくないのは分かっていますが、個性の塊のような集団のように感じる。髪色を見ても、装飾品を見ても本当にバラバラ。
「あ、この人がかなたんがとっても声が良いって言ってた人だよね」
「そうなのら?」
「そうだよ。この人が先輩。先輩はすごいんだ」
なぜか、天音さんは他の人たちに向けて僕の説明を始めた。本人を目の前にして説明するなんて。
すると隣から急に呼びかけられた。そして視線をそちらに向けるとそこには……天音さんの友達の一人が立っていた。多分この人は桐生ココさんだったかな。
「知っていますか?先輩」
「なにを?」
「PP天使はですね。あの放送を聞いてからずっと先輩に夢中なんですよ!!」
そこまで…僕の声ってすごいのかな。今まで気づかなかっただけ。でも、今まであった人に声が良いなんて言われたことないしな。
そんなことを考えていると天音さんが僕と霧生さんのところまで迫ってきた。
「ねぇ…ココ!!何か変なことを言ってないよね?」
「言ってないよ。ただPP天使のことについて話しただけ」
「本当に?」
「本当…」
「先輩、ココから変な話をされてないですか?」
「うん。されてないよ」
「そうですか、それなら良かった」
その後も天音さんたちと適当に話した。お互いに連絡先だけ交換して別れた。後輩の人たちと関係を持てただけでも交流会に参加した意味はあるのかもしれない。まだ勧誘が出来なかったが…次に会った時でも誘ってみようかな。