もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、イノナカが姉だったら

僕は姉さんたちと待ち合わせをしている。最近は仕事の方が忙しくて姉さんたちと会うことも無くなっていた。唯一、お正月にあったぐらいでもう半年近くは会っていない。

 

 

「弟くん!」

 

僕を呼ぶ声が聞こえて…そちらに向けると100人に聞いたら100人が『美人』と答えるような青髪の人がこちらに腕を振りながら近づいて来る。

 

 

「…あんまり大きい声で叫ばないでくださいよ。さすがに恥ずかしいです」

 

 

「ごめん、ごめん。久しぶりに会えて嬉しくて」

 

この青髪の美人さんは僕の姉さんの一人、すいせい姉さん。街を歩いているだけでも注目を集めるような人なので少しぐらい隠せばいいのにすいせい姉さんは全然、隠す気もないようで変装一つせずに来るんですよね。

 

 

そう言えば…僕の姉さんは二人に居る。二人一緒に来ると思っていたんだけど、今のところすいせい姉さんしかいない。

 

「アズキ姉さんはどうしたんですか?」

 

 

「アズキちなら後ろだよ」

 

後ろ?と思って振り返ろうとした瞬間に後ろから誰かが後ろから抱きしめてきた。

 

 

「やっぱり弟くんの匂いは落ち着く~」

 

 

「あ、あの…アズキ姉さん…」

 

 

「なぁに~」

 

 

「匂いを嗅ぐのは控えてくれませんか?」

 

 

「それはちょっと無理かも」

 

 

「え…別に僕の匂いなんて嗅いでもいいことありませんよ」

 

 

「アズキは好きなの」

 

この姉さんたちのスキンシップは今に始まったことではなくて、僕が物心付いた時からずっとこうだ。最初の頃は他の家庭でもこれが普通だと思った時期があった。でも、周りの姉がいる友達に聞いてもうちのような話はまるで聞こえてこなかった。

 

 

「え~すいちゃんもだきつく~」

 

するとなんの対抗心なのか、すいせい姉さんが前から抱きしめて来る。これの所為で僕は姉さん二人にサンドイッチにされてしまった。色んな人の視線がいたい。あの人たち何やっているんだろうって目で見られている。

 

 

「あ、あの…はなれてくれませんか?」

 

 

「すいちゃんはまだ弟くん成分を吸収できていないよ~」

 

 

「そんな成分ありませんから。周りの人が変な人たちって感じで見られていますよ」

 

僕としては恥ずかしいから今すぐにでもこの場所から走り去りたい。

 

 

「アズキは別にいいよ。弟君を抱きしめられるなら」

 

 

「いや、僕が良くないので。恥ずかしくて……」

 

 

「恥ずかしがっている、弟くんもすいちゃんは大好きだよ。世界で一番…いや、この世界の生命体の中で一番弟くんのことが大好きだよ」

 

規模が大きくなりすぎてもう分からないですよ。すい姉さんがそれぐらい自分のことを想ってくれているのは嬉しいが、今はそんなことよりも早くこの状況を打破したい。一向に離そうとしない、二人の姉さんに挟まれている僕。

 

 

 

それからもずっと二人に挟まれ続けて解放されたのは…三十分後だった。

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