もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、ムラサキイーロデスが姉だったら

 

僕には二人の姉さんがいる。だけど、僕よりも子供っぽくてほっとくことが出来ないような人たち。姉さんたちはいずれ自立できるのだろうかと弟の自分が心配してしまうほどだ。

 

姉さんたちは『アイドルvtuber』事務所に所属していて…スタジオに行ったりする機会も多い。それは僕には関係なくて、姉さんたちのことにはあんまり関わらないという選択を取っていきたかった。でも、その望みはどうしても叶うことはなかった。

なぜなら、スタジオや事務所に行くときに僕が付き添い係として行かなくてはならないから。僕よりも年上だが、精神的なものはちょっと幼い。そんな二人だからなのか…。でも、これは高校からで姉さんたちが高校生で僕が中学生の時から彼女を送り届けてから中学に向かっていた。

 

 

「シオン姉さんにラプ姉さん」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「なに?」

 

 

「いつもこれで恥ずかしくないんですか?」

 

僕の問いかけに対して…二人は首を傾げている。どうやらこの二人に『恥ずかしい』という感情が抜け落ちてしまっているのかもしれない。僕はとっても恥ずかしいし、止めたい。

 

 

「ぜんぜん」

 

 

「シオンは弟くんと一緒に居られるからとっても嬉しいよ」

 

 

「…そ、そうですかぁ」

 

 

「吾輩は弟が好きだぞ」

 

 

「シオンも弟くんのこと好きだよ」

 

姉さんたちは息を吐くように甘い言葉を言ってくる。

 

 

「ここ外ですからね、まだ家の中ならいいですけど」

 

そんな感じで二人は外でも家でも構わずに甘い言葉を囁いてきたりするのだ。いくら「止めて」と言ったところで二人はまるで聞き耳を持ってくれない。

 

 

「ねぇ、ねぇ!!」

 

 

「なんですか?」

 

 

「今度のお休み、吾輩とお出掛けしないか!?」

 

 

「いいですけど…プランでもあるんですか?」

 

 

「やっぱりこういう時は美術館だろ!」

 

 

「あ、いいですね」

 

最近、出掛けることも少なかったですし、息抜きにはちょうどいいかも。そろそろテスト習慣に入って、遊ぶのがちょっと難しくなりますし。

 

 

「え~~シオンが弟くんと一緒に出掛けたい~~」

 

 

「別に皆で行けばいいじゃないですか。家族なんですし」

 

 

「え~~吾輩は二人がいい!」

 

 

「シオンだって弟君と二人で出かけたいの!」

 

なんでそんなことで揉めることになるんですかと言いたい。

 

 

「お二人共、次の土曜日と日曜日は空いてますか?」

 

 

「ちょっと確認してみないとシオンは分からないかも」

 

 

「吾輩は大丈夫だぞ!弟と一緒に出掛けるためなら仕事断るし」

 

 

「それはだめです。しっかりとお仕事はしてください」

 

ラプ姉さんに関しては本当に仕事をキャンセルしそうで怖い。前にもこんなことでラプ姉さんのマネージャーさんから「説得してください!!本当にお願いします!」と電話が掛かってきたことがあった。普通は身内にマネージャーさんから連絡が来るなんてことはないだろうに…うちに関しては特別なのかな。

 

 

「じゃあ、お二人と一回ずつ出掛けますのでそれでいいですか?」

 

 

「うん!!」

 

 

「やった~~」

 

シオン姉さんとラプ姉さんは姉妹ではあるものの、趣味とかも含めてそこまで合うものがないんですよね。だから行きたい場所とかでも絶対に割れますし。

 

 

そんな話をしていると姉さんたちが所属している事務所の目の前に着いた。

 

「はい、二人共、お仕事頑張ってきてくださいね」

 

 

「うん!!」

 

 

「じゃあ、いつもの吾輩にやって!」

 

それを言われる前に立ち去ろうと思っていたのにそうはいかない感じかな。

 

 

「本当にやるんですか?」

 

 

「もちろん!!吾輩はそれを活力に頑張るんだからな!」

 

 

「シオンも!」

 

姉さんたちは期待に満ちた目で僕のことを見て来る。僕的には走って逃げてしまいたいぐらいだけど、姉さんたちは下手したら追って来る可能性も全然ありますしね。姉さんたちのお仕事に悪影響が出るようなことはしたくない。

 

 

僕は覚悟を決めて、深く息を吸う。

 

 

「シオン姉さん、ラプ姉さん、大好きですよ!」

 

 

「うん!シオン、頑張って来る!」

 

 

「吾輩も弟のために頑張るか!」

 

そんなことを呟きながら二人は事務所の中へと入って行った。

 

 

 

 

取り残された僕は周りからの視線に耐えつつ帰路に就くのであった。

 

 




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