もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、あやふぶみが姉だったら

僕には三人の姉さんがいる。それぞれが個性の塊のような人たちで三人に共通しているのはとても美人だということ。自分の姉さんだから褒めている訳ではなくて、本当に美人。

 

 

 

今日は文化祭の日。うちのクラスはちょっと変わったカフェをする。男女逆転のカフェ。男子は女装を女子は男装をするという感じのカフェ。僕も含めて男はかなり反対はしたものの女子の前に歯が立つわけなくて最終的にこれで決まってしまった。

 

さすがに女装なんてしたことないので服を着たりするのもかなり苦労はしたものの着替えた。

 

 

 

ちょっと恥ずかしいけど…全うしなくてはならないので恥ずかしさは心の奥底に押し込める。元々、男にしては髪も長くて、童顔で身内からは女みたいとずっと言われ続けていた。

 

 

 

 

 

 

そしてある程度、賑わい初めて忙しくなってきた頃に…廊下が騒がしくなってきた。文化祭であれば騒がしいのは当たり前なんですが、なんかちょっと違う気がする。それでもさすがにシフト中に外を見る訳にもいかないので

 

「あ、そこのメイドさ~ん」

 

なんか聞いたことがある声だった。でも、頭のどこかでそんなはずがないと言い聞かせた。だって今日はお仕事のはず。今日の朝、会った時に「余たちはお仕事があるから弟くんの文化祭には行けなそう」みたいな話をしていたし。

 

だけど……と思って振り返るとそこには帽子を被る程度の変装をしている、姉さんたちの姿があった。姉さんたちの手にはカメラがあって、それもうちにあんなカメラがあった記憶はないから買ったのかな。

 

そしてパシャパシャとシャッターを切る音が聞こえて来る。

 

 

「やっぱ弟くんって何でも似合うね~~」

 

 

「今度、家でも女装させようかな」

 

 

「余、新しい性癖に目覚めそう」

 

この人たちは弟のメイド姿をなんだと思っているのだろうか。僕の黒歴史を未来永劫残そうとしているのだろうか。それだとしたら全力で阻止しないとヤバいです。

 

 

「なんで姉さんたちがここに?」

 

 

「だって弟くんの文化祭だよ。白上たちはどんなことを指しおいても駆けつけるに決まっているじゃん!」

 

 

「で、でも…お仕事があるみたいな話をあやめ姉さんが言ってましたけど……まさか、サボってきたわけじゃありませんよね!??」

 

 

「あれは弟くんをびっくりさせるために余が嘘を付いたの。だって行くならやっぱりサプライズが一番いいから」

 

 

「…そ、そうですか…」

 

 

「あやめも言ってたけど、ウチも弟くんの所為で変な性癖に目覚めちゃいそうかも」

 

 

「いや、そんな性癖に目覚めないでくださいよ」

 

僕はいやですよ。姉さんの中で二人もそんな性癖に目覚めちゃったなんて。別に元々そういうことであればいいんですけど、僕の文化祭の所為でそれを目覚めさせちゃうのだけは勘弁したい。

 

 

そこで僕はお客さんが詰まっていることに気付いて、姉さんたちを急いで席に案内した。あんな入口で話していたら他の人たちに迷惑になるし。

 

それにしてもやっぱり姉さんたちへと視線が注がれる。

 

 

「弟くんのオススメは?」

 

 

「そうですね…『あなたの心に綺麗な紅茶』とかいいんじゃないですか!!」

 

今になって思うけど、この変なメニューはなんですか。なんで普通に紅茶じゃなくて『あなたの心に綺麗な紅茶』なんて名前なの!もう全てのメニューが冷静になってみると…おかしいですよ。文化祭テンションみたいなもので今までずっと気にならなかったけど…。

 

 

「へえ~~こっちのは」

 

 

「ただのオムライスですね」

 

 

「え~ちゃんとメニュー名で言わなくちゃだめなんじゃないの」

 

あやめ姉さんは僕にこのメニュー名を言わせようとしている。実の姉さんたちの前でこのメニュー名を読まされるというのは一瞬の拷問ではないだろうか。

 

 

「『あなたの心にハート、愛情オムライス』ですね……///」

 

メニューを読むだけで冷や汗をかいて、体温が上昇している。さっきまでは普通に出来ていたのに姉さんたちが来たことでメニューのことを気にしちゃって、余計に恥ずかしさが増大していた。今まではあんまりメニューのオススメを言ったりする時も気にしてなかったというか、意識してなかった。

 

 

「余、こんなに恥ずかしがっている弟くんのこと初めて見たかも」

 

 

「確かにウチも初めて見たかも。普段はクールな感じで赤面しているところとか見ないもんね」

 

 

「白上も」

 

 

「ね、ねえさんたちはこれでまんぞくですか……おとうとをはずかしがらせて」

 

 

「うん!!余はこれだけでも文化祭に来た意味があった余」

 

 

「あやめ姉さんは…Sですね」

 

 

「そ、そうかな?余は弟くんがやっていることならどんなことでも萌えるし、好きだ余」

 

あやめ姉さんは良い笑顔でそんなことを言っている。普通の男子ならこの笑顔で全てを許しちゃうんだと思う。たぶん、あやめ姉さんはそうやって今まで乗り切ったんだ。本人は別に誘惑するつもりがあるわけではないんだけど、それが自然と出てしまって誘惑してしまう。

 

 

「ウチも弟くんのあんな顔が見れてもう満足。普段の弟くんはクールだし、あんまり話してくれないしさ。意外な一面を見れてウチとしては嬉しい」

 

 

「こんな一面は知らなくていいんですよ。僕のことはずっとクールな人って思ってもらえれていれば」

 

ただの黒歴史ですし。たぶん、将来の自分まで悩ませてしまうほどの黒歴史。これを掘り返される度に僕はキツイと思う。

 

 

「え~~白上は今の弟くんは可愛いと思うけどなぁ~」

 

 

「いや、可愛くないですよ!どう考えて似合ってないですし!」

 

 

「「「似合ってるよ(余)」」」

 

姉さんたちは口裏でも合わせていたのかと疑ってしまうほどに揃っていた。

 

 

「絶対に似合ってる余!!」

 

 

「そうだよ。ウチたちが保証するよ!」

 

 

「白上も似合ってると思うよ!!」

 

 

 

 

 

 

それからも姉さんたちは「似合ってる」と言い続けて、僕が一番恥ずかしがりそうなオムライスを頼んだ。オムライスにはオプションとして「おいしくな~れ」とおまじないを掛けることになっている。いや、男にやられても嬉しくないだろうにと思いながらも…やり続けてきたけど、姉さんたちにやるのはやっぱり抵抗感がある、

 

「やらなくちゃだめですか?」

 

 

「だめ!!白上はそれを楽しみにして頼んだもん!」

 

僕は深呼吸をして…覚悟を決める。

 

 

 

 

「お嬢様のオムライスが美味しくなるようにおまじないをしますね」

 

姉さんたちはカメラを構えていて、撮影されることを免れることはできない。

 

 

「おいしくな~れ、おいしくな~れ……ど、どうぞ…」

 

まじでこの場から逃げ出したい。今すぐにでも…。

 

 

 

 

「かわいい!!」

 

 

「やっぱりウチの弟って可愛いよね!」

 

 

「かわいすぎる!これは永久保存版!」

 

 

「もうやめて…」

 

 

この文化祭は僕の黒歴史をたくさん作って終わった。

 

 




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