もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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AZkiさんの表記は『アズキ』になっています。


もし、AZKiが姉だったら

僕には姉さんがいる。姉さんを四字熟語で言い表すとしたら『才色兼備』という言葉が一番合っているかも。才能に恵まれていて、容姿もすごい整っている。他に勉強面においてもいつもTOP10に入るような成績を残している。

 

本当に僕の自慢の姉。

 

―――――――――

 

 

 

「ねぇねぇ…お姉ちゃんと遊ぼうよ」

 

 

「姉さん…今は勉強しているので少しほっといてくれますか?」

 

 

「え~~あそぼうよ」

 

 

「だから今はちょっと無理なので…また後でに」

 

 

「え~いまがいい~」

 

僕の姉さんことアズキ姉さんはとても甘えてくる。学校ではとてもしっかりとしていて、後輩から慕われている人。だけど、家に帰ると全てのスイッチがオフになって弟の僕に甘えて来る。

こういう姿を姉さんを慕っている後輩とかが知ったら驚くんだろうな。学校でのイメージとは正反対だし。

 

 

そしていつもこういう言い争いになった時は僕が折れるようにしている。だってこのまま言い争いを続けてもアズキ姉さんはかなり諦めが悪いので長引くのは目に見えているんだもん。

 

「それじゃあ…少しですよ」

 

 

「やったぁ~~」

 

姉さんは無邪気に喜んでいる。やっぱりこういうところを見ると…本当に僕の姉さんは……。

 

 

「それで何で遊ぶんですか?」

 

 

「…遊ぶというよりも…アズキがやりたいことがあるんだけど、いいかな?」

 

 

「姉さんがやりたいことでいいですよ」

 

 

「じゃあ…一緒に歌おう!」

 

 

「え…?」

 

 

 

 

 

うちの中には防音室がある。それは姉さんが配信をしているので夜中に声を出しても近所迷惑にならないようにするために。

今の僕は姉さんに防音室に連れて来られた。

 

「なんで歌なんですか?」

 

 

「だって弟くんの歌声、全然聞いていないしね」

 

 

「それはそうかもしれないですけど…」

 

僕はあんまり歌うことが好きじゃないんです。だってアズキ姉さんがいるから。ずっとアズキ姉さんの歌声を近くで聞いてきたからこそ、自分の下手さが嫌でも分かってしまう。だからあんまり歌を好きじゃないですし、特にアズキ姉さんの目の前で歌うなんて。

 

 

「アズキは弟くんの歌声が好きなの」

 

そう話している時のアズキ姉さんは何かを思い出しているかのような表情をしている。

 

 

「とっても綺麗でアズキのことを癒しくれるような歌声」

 

面と向かってそんなことを言われると断りたくても断れないような雰囲気になってしまう。それに僕の歌声なんかでアズキ姉さんが満足してくれるなら。

 

 

「わ、わかりましたよ」

 

 

「たのしみぃ~~」

 

アズキ姉さんはとっても期待した目で見て来るけど、こっちとしてはそんな期待をしないで欲しいと個人的には思う。

 

 

「それで何を歌えばいいんですか?」

 

 

「弟くんが歌いたい曲で大丈夫だよ」

 

それは本当に助かる。急に知らない曲を歌わされても無理ですし。

 

 

 

 

 

「弟くんが歌い終わったら二人でデュエットしてくれる?」

 

 

「デュエットですか!?」

 

 

「うん、弟くんとしてみたかったの」

 

 

「いいですけど、アズキ姉さんの邪魔をしてしまうかもしれませんよ」

 

学校で合唱とかはしたことありますけど、二人でデュエットはやったことがないです。上手くしないとアズキ姉さんの綺麗な歌声を打ち消してしまうかもしれない。

 

 

「大丈夫だよ。アズキは弟くんと歌えるだけで嬉しいよ」

 

 

「そ、それなら…」

 

 

 

 

 

そしてまずは僕が歌う。深呼吸をしてから僕は決めた曲を歌い始める。自分が歌っている時はなるべく前だけみて、隣のアズキ姉さんのことは見ない。だって見ちゃうと歌に集中できないですし。

 

「ど、どうでしたか…」

 

 

「やっぱり綺麗だね。透き通るような歌声なのに所々に力強く歌っていて、全てがマッチしてる」

 

 

「あ、ありがとうございます…///」

 

人に歌声を褒めれるのは久しぶり過ぎて緊張してしまう。特にアズキ姉さんのようにすごい人に言われると。

 

 

「アズキはキミの歌声が好きだなぁ。一度ぐらいアズキとデュエットで配信してみない?」

 

 

「それは無理です!!不特定多数の人に歌声を聞かせるなんて絶対に嫌です。それに僕の歌声でアズキ姉さんが身バレをしてしまう可能性もありますし」

 

僕の歌声に聞き覚えのある人がいるかもしれないですし。僕の所為でアズキ姉さんを危険にさらしたくないですしね。

 

 

「そんなことないと思うけど、弟くんがそこまで言うならもうちょっと我慢しようかな」

 

 

「我慢?」

 

 

「アズキはいつか弟くんと配信をしたいの!」

 

 

「な、なんでですか?」

 

 

「アズキがしたいから!」

 

 

「いや…無理ですって」

 

 

「無理じゃないもん!!アズキは絶対に弟くんと配信する!!」

 

いつものアズキ姉さんと比べるとちょっと幼児退行してしまっている気がする。アズキ姉さんがこうなってしまうのは年に数回ぐらいあるんですよね。

 

 

「やるもん!!絶対にやるもん!!弟くんと歌うし、配信もする!」

 

こうなってしまったら止めるすべを持っていないのでアズキ姉さんが落ち着くまで相槌を打ちながら待つのだった。

 

 

 

 

それから僕はアズキ姉さんとデュエットをしたり、「配信しよう」とお願いしてくる姉さんの頼みを断るのに大変だった。

 

 




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