もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、ししポルが姉だったら

 

 

僕には二人の姉さんがいる。うちの姉さんというか…特にぼたん姉さんの方からは色々とヒドイことを受けてきた。谷底に叩き落されたことはさすがにないけどそれに近いことはあった。それに比べてポルカ姉さんはかなり甘やかしてくれるのでその差で風邪を引いてしまいそう。どちらも僕のことを考えてやってくれているのは分かるんですけどね。

 

 

 

――――――――――

 

そして今は学校から帰宅して自室で漫画を読んでいる。ほとんどの漫画は自分で買ったものではなくて姉さんたちが買ったものを読ませてもらっている。それは今日も同じ。夕食が出来るまでの時間はいつもこうやって時間を使っている。

すると急に事件性のある悲鳴が部屋まで聞こえてきた。

 

「え…なに」

 

僕はベッドから急いで飛び起きてリビングへと向かった。急いでリビングに駆けつけたらそこには……ポルカ姉さんが片手に本を持って立っていて、キッチンの方でぼたん姉さんが何か作っている感じだった。

 

 

「さっきの悲鳴はなに!?」

 

 

「あ…それだったらポルカ」

 

 

「なにかあったんですか?」

 

 

「…ちょっと練習を…」

 

 

「練習?」

 

するとキッチンのぼたん姉さんが答えてくれた。

 

「ポルカは弟を呼びたかったんだよ」

 

「ち、ちょ、獅白!」

 

「ポルカは呼ぶのが恥ずかしくてさっきみたいな事件性の悲鳴をしてるんだよ。だからもうちょっとポルカに構ってあげな」

 

「おい…獅白。ちょっと表に出ろや。弟の前で恥をかかせたことを後悔してやる」

 

「それぐらい言わないと弟は気付いてくれないよ」

 

 

なんかポルカ姉さんとぼたん姉さんは話しているけど…どうやら僕を呼ぶためにあの悲鳴を出したってことかな。

 

 

「普通に呼んでくれれば来ますよ」

 

 

「…言えるわけないじゃん」

 

 

「なんで?」

 

 

「ポルカはお姉ちゃんだもん。やっぱり弟にはカッコいい所を見せたいし!」

 

なんかポルカ姉さんなりのものがあるんだと思う。

 

 

「僕はポルカ姉さんのどんなところも好きですよ。だから言ってください。それにポルカ姉さんから話したと言われて断る事はないので」

 

僕はそこまで薄情な人間ではないと思う。姉さんたちが話したいならそれを断るような事はしない。だって今まで姉さんたちには色々と苦労を掛けてきましたからね。

 

 

「ほんと?」

 

 

「本当ですよ」

 

 

「どんなに忙しい時でもポルカのことを絶対に優先してくれる?」

 

 

「優先しますよ。僕にとってポルカ姉さんはとても大切な人ですからね」

 

僕が答えるとポルカ姉さんは一瞬だけ口を空けてポカーンとしていたけどすぐに背中を向けてしまった。

 

 

「…そっかぁ……///」

 

 

「だから好きな時に呼んでくださいね」

 

 

 

 

これでやっとひと段落したかなぁと思っていると後ろから抱きしめられた。目の前にポルカ姉さんがいることを考えると抱きしめてきた人のことを特定するのは簡単だ。

 

「ぼたん姉さん」

 

 

「嫌だった?」

 

 

「そんなことはないですけど…」

 

 

「じゃあいいね。なんかポルカと話しているのを見ていたらさ、あたしだけのけ者にされている感じがしてさ」

 

 

「別に除け者にしているつもりはないですよ」

 

 

「それは分かっているけどさ。あたしも弟のことは好きだから」

 

普通にこういうことを言ってくるところがぼたん姉さんだ。家族に対してだからなのか分からないけどぼたん姉さんは全然は恥ずかしがらず『好きだよ』と伝えて来るんですよね

 

 

「…僕もぼたん姉さんは大切な人ですよ」

 

 

「ありがとう。やっぱりそう言ってもらえると安心するわ」

 

 

「安心?」

 

 

「うん。やっぱり言葉にしないと伝わらないからね。あたしたちは姉弟だけど話さなくても意思疎通が出来るわけではない。だからさ、大切なことは言葉にして伝えてくれないと何も分からないんだよ。だから、あたしはなるべく大切なことは言っておくことにしてるんだよ」

 

ああ、ぼたん姉さんが『好きだよ』とか直接伝えて来るのにはそういう意図があったのか。確かに僕たちは姉弟としてずっと近くに居るけど相手の全てを知っているわけでもなければ、テレパシーが使えるわけでもないですしね。

 

 

「それはいいことですね」

 

 

「そうおもう?」

 

 

「はい。僕もこれからは真似をしていきたいですね」

 

 

「それはどうも」

 

相手が全てをくみ取ってくれるわけでもないですし。家族間でこんな感じだから、友達関係とかではもっと重要だし。

 

 

 

「ポルカ姉さん」

 

「…なに?」

 

「ぼたん姉さん」

 

「どうしたの?」

 

ポルカ姉さんもぼたん姉さんも首を傾げている。

 

 

 

「本当に姉さんたちに感謝しているんです。僕がここまで育ってこれたのは姉さんたちのお陰ですから」

 

 

「なに改まって?」

 

「早速あたしの影響を受けたのかな」

 

 

「はい、言っておこうと思いまして」

 

いつでも『感謝』を伝えられるわけでもないから。伝えられる時にしっかりと伝えておいた方がいい。

 

 

 

 

「僕はポルカさんもぼたん姉さんも好きですよ」

 

姉としてここまで尊敬出来てすごい人はいないと思う。この人たちが姉さんでなかったら…今はない。

 

ポルカ姉さんの顔はどんどん赤く染まっていき最終的にはリンゴのようだった。そして何より驚きなのはぼたん姉さんが一瞬だけでも照れた気がするから。ぼたん姉さんでも照れたりするんだなぁと…思った。

 

 

「ぼたん姉さんって照れたりするんですね」

 

 

「……まあね。急にあんなことを言われたら照れるでしょ」

 

 

「まあそうですね」

 

急に『好きです』と言われたら誰でも照れますね。それは僕だってそうですしね。

 

 

次はポルカ姉さんの方に視線を向けるとそこにはまだ顔が赤く染まっていた。

 

「ポルカ姉さんは顔に出やすいですよね」

 

 

「…し、しかたないじゃん!急に『好き』とか言われたらこうなっちゃうよ」

 

 

「それは驚かせてすいません」

 

 

「で、でも…嬉しかったからいいよ」

 

 

「それなら良かったです」

 

 

これからもちゃんと思っていることは伝えておかないといけない。どうやっても相手の考えとかは読めませんからね。

 

 




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