もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、3期生が姉だったら

僕は普通の高校に通っている。まあ、まだ高校に進学して4日しか経っていないんですけど。

 

そして僕は別に特段変わったこともなく、何かすごい特技や才能がある訳でもない。でも僕はこの学校においてそれなりの有名人なのだ。

なんでそんなことになっているのかと言えば…それは僕ではなくて僕の姉さんたちの所為だ。僕の姉さんたちはとても有名で学園でも人気もすごい。

 

――――――――

 

まずは1限が終わって次の授業の準備をしていると後ろから急に抱き着かれた。そしてその正体はすぐにわかる。

 

「ぺこら姉さん、何か用ですか?」

 

 

「ぺこ~らをかまって」

 

 

「え?」

 

 

「ぺ、ぺこ~らをかまって!!」

 

 

「あ、はい」

 

ぺこら姉さんはとってもゲームが上手で本当によくやってますね。そしてそれに僕も付き合わさられることが多いので。

 

 

ぺこら姉さんがこうなっちゃった時は絶対に何かあったんだ。

 

「今日はなにかあったんですか?」

 

 

「…お、おこられた…」

 

 

「またですか…」

 

 

「だ、だって…!」

 

今にも泣きだしそうな姉さんの頭を撫でた。これだけ見ると本当に姉と弟じゃなくて兄と妹みたいに見えるんじゃないかな。

 

まあ、そんなことよりも周りの視線が痛い。ぺこら姉さんも学園ではファンクラブが出来ちゃうぐらいに人気。うちの姉さんたちは皆、ファンクラブがあるんですけどね。

 

 

「大丈夫です。ぺこら姉さんは偉い子ですから機嫌を直してください」

 

 

「…まだたりない」

 

僕はひたすら姉さんのことを励ますような言葉を言い続けた。本当にぺこら姉さんのメンタルは弱すぎる。どんなことでもすぐに凹んじゃうし。

 

 

 

次の二限の休みこそ…小説でも読もうと思っていたけど世の中はそんな簡単にいかない。だって後ろから明らかに視線を感じる。そして振り返ると予想通りだった。

 

「な、なんですか…るしあ姉さん」

 

 

「あそびにきたよ~」

 

 

「い、いや…るしあ姉さん…」

 

るしあ姉さんは逆に僕の教室に来ない日がない。さすがに家でも話すし、学校まで用のないのに来なくてもと思ったりするけど、それを言葉にしたら確実にもっと過激になりそうだもん。

 

 

「るしあは弟くんのことが大好きなの」

 

 

「…う、うん…」

 

 

「だから、るしあたち以外の女のことなんか見ちゃだめだよ」

 

 

「は、はい…」

 

るしあ姉さんの目は…マジだ。さすがにずっと一つ屋根の下で暮らしてきてもるしあ姉さんの圧にだけは慣れる感じが全然しない。

 

「るしあは本当に大好きなの!」

 

 

 

 

そして今度は3限の終わり、今度はフレア姉さんが教室に来た。でも、フレア姉さんはるしあ姉さんやぺこら姉さんみたいな理由で来ることはない。しっかりとした理由がないとここまで来ることはない。

 

そしてその大抵は―――――――

 

「ねぇ、コンパスとか持ってる?」

 

 

「はい。持ってますよ。少し待っていてくださいね」

 

そして僕は筆箱からコンパスを取り出してフレア姉さんに渡す。

 

 

「ありがとう!本当に助かった」

 

 

「いえ、僕もフレア姉さんに忘れ物を借りる時、多いですから」

 

僕はかなり忘れっぽい性格なので姉さんたちに借りに行ったりすることも多かったりする。

 

 

「また今日もぺこらとるしあが迷惑を掛けたの?」

 

 

「い、いえ…迷惑なんて」

 

 

「あの二人にはちゃんと言っておかないと」

 

 

「あんまり強く言うのは止めてあげてくれませんか。あの二人の姉さんも悪気があった訳ではないと思うので」

 

 

「本当に…優しいね」

 

そして僕とフレア姉さんは別れた。

 

 

 

 

4限の終わりにも…予想通りでノエル姉さんが来た。もうこんな感じで来ていることを考えると…最後の姉さんも来そうだな。

 

「ノエル姉さんはどうしたんですか?」

 

 

「弟くんの様子を見に来たの」

 

 

「様子を?」

 

 

「うん!ちゃんとクラスに馴染めているかをさ」

 

いや、姉さんたちが来ることに僕がクラスで浮いているんですよ。それに休み時間も姉さんたちが来るからクラスの子たちと話せるタイミングが全然出来ないんですが。

 

 

「な、なじめてますよ」

 

 

「ほんと~?」

 

 

「な、なんですか。僕が姉さんに嘘を付いているって言うんですか?」

 

 

「でもねぇ…弟くんの性格からしても声を掛けられてないんじゃないかなぁって」

 

 

「…だ、だいじょうぶですよ。心配しないでください」

 

 

「そう~?それならお姉さんも安心できるけど。今日は私の当番だから何か食べたいものってある?」

 

 

「ないですけど…牛丼だけはやめてください」

 

 

「え~~」

 

ノエル姉さんに任せると全てが牛丼になっちゃう。前に皆が何でもいいって言っちゃって最終的に牛丼を作って…何よりも作り過ぎで三日三晩の間、牛丼ってことがあった。あれだけは本当に勘弁したい。今でも最後の日に牛丼が…美味しく感じられなかったのを覚えている。

 

ノエル姉さんの牛丼は美味しいんだけど…さすがにずっと食い続けると飽きと共に美味しく感じれなくなっちゃう。

 

そしてノエル姉さんとも今日の夕食は牛丼だけは勘弁してくださいって話をしていたらチャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

食事を挟んで…5限の授業が終わったのと同時に僕を呼ぶ声が教室の入口の方から聞こえてきた。そしてその声に聞き覚えがある。

 

「ねぇ~~船長がきましたよぉ~~」

 

視線を声のしている方に向けるとそこには片手を振って全力で呼んでいる……マリン姉さんの姿があった。本当にこの時が一番恥ずかしい…。クラス中から僕の方に視線を注がれて…マリン姉さんは別に恥ずかしがる様子もなく、ずっと呼んでくる。もし、僕が無視でもしようものなら廊下でずっと落ち込んでいますし。

 

 

僕は溜息を吐いてから廊下へに行くことにした。

 

「マリン姉さん」

 

 

「あ~やっときたぁ~~」

 

 

「あんまりここで騒ぐのは止めてください」

 

 

「え~お姉ちゃんが折角来たのに…」

 

 

「それでマリン姉さんはどうしたんですか?」

 

 

「うん?」

 

 

「ですから何か用があるんですか?」

 

 

「そんなのないよ。マリンが弟くんとお話したかったら呼んだだけ」

 

やっぱりそっか。

 

 

「…そ、そうですよね…。あのマリン姉さんにこんなことを言いたくはないんですけど、あんまり用がない時は呼ばないでください。家でも話せますし…」

 

ちょっと強い口調でなってしまったことを後悔した時には遅かった。目の前のマリン姉さんの顔が少しずつ歪んでいき、目に涙が溜まっている。

 

 

「え…ま、まりんはただ……きみがなじめるように…って…」

 

 

「ご、ごめんなさい!!僕が悪かったです!マリン姉さんが来てくれてとても嬉しかったです!!」

 

僕はマリン姉さんの頭を優しく撫でる。マリン姉さんのメンタルはお世辞にも全然ダメなんですよ。下手したら、ぺこら姉さんよりも打たれ弱いんですよね。

 

 

「…ほ、ほんと?」

 

 

「はい。マリン姉さんのお陰です」

 

 

「邪魔じゃない?」

 

 

「はい。邪魔じゃないです」

 

 

「そ、そっかぁ……」

 

 

「…今日はマリン姉さんの言うことを一つだけ聞くので今は教室に戻りませんか?もうそろそろ授業も始まりますし」

 

 

「え、言うこと聞いてくれるの!??」

 

 

「あ、はい。マリン姉さんにちょっと当たってしまったので」

 

 

「やったぁ~~」

 

両手を高くつきあげて喜んでいる。本当に子供みたいな喜び方をするんですよね。

 

そしてマリン姉さんは自分の教室へと戻っていった。去っていく時も僕へのお願いをずっと考えているようで口から漏れ出ていた。

 

 

「なにお願いしよう~~」

 

 

そしてマリン姉さんが去っていったのを確認して…僕はため息を付いた。毎日、こんな感じで来るようなら僕の体がもたない。唯一、フレア姉さんは忘れ物関係だから良いとして残りの四人は………。それに四人に関しては今のところ皆勤賞なんだよね。

 

「これからも疲れそうだなぁ」

 

 

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