もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、メンヘラーズ仮が姉だったら

 

僕には二人の姉さんがいる。とても優しくて、いつも助けてもらっている。

 

 

 

 

でも姉さんたちは…完璧そうに見えて完璧じゃない。

 

 

 

―――――――――

 

 

「ねぇ…今日はずっとるしあと一緒だよね」

 

「トワはもう離さないよ」

 

二人から両腕を掴まれているので動けない。でもこれはいつものこと。休みの日はほとんどこの状態で姉さんたちは僕から離れようにしない。

 

 

「姉さんたちって外と家の中でのギャップが凄いですよね」

 

 

「そうかな?」

 

二人は僕の一つ上の世代なので嫌でも二人の噂は耳にする。共通しているのは男子にも女子にも人気だということ。でも今の二人のように誰かに甘えるというよりもクールなので近寄りがたい雰囲気が漂っているように僕も学校の二人を見て感じる。だからといってクラスで孤立しているわけじゃなく、クラスには馴染めている。

 

 

「いやかなりあると思いますよ。るしあ姉さんはとってもクールな人っていうイメージを持たれていると思うんです。トワ姉さんもそうですけど、クールすぎて絡みづらいという男子もいるみたいですし」

 

 

「そうかな。トワは普通に接していると思うけど」

 

 

「その普通が絡みづらいんだと思いますよ」

 

 

「トワはただ普通に話してるだけ」

 

 

「僕に絡むようにクラスメイトにも話してみればいいんじゃないですか。それならクラスでも姉さんたちのことを誤解する人も少なくなると思いますし」

 

 

「「無理」」

 

なぜか姉さんたちは声を揃えて否定した。

 

 

「弟くんと同じように接するのは無理。るしあにとって弟くんはとっても大切なの。他の奴を弟くんと同じように扱うなんて無理に決まってるもん」

 

 

「トワもいやだ。知らない人にベタベタできない」

 

 

「いや、別にベタベタしなくてもいいんですよ。今、僕と姉さんが普通に話しているじゃないですか。こんな感じで話せば普通に学校でやっていけると思いますよ」

 

 

「トワは別に学校でやってけてるし」

 

 

「るしあも!」

 

 

「じゃあ、学校に友達ぐらいいるんですよね」

 

すると二人は黙って下を見てしまった。

 

 

 

 

僕よりも一つ上なので高校に入学して一年以上は経っている。それなのに姉さんたちから友人の話を聞いたこともなければ、僕が今年学校に入学してからも姉さんたちが誰かと話しているところを見たことがない。

 

もちろん、僕も学校での姉さんたちを全て見ているわけじゃないとしても…一度も見たことがないというのは…。

 

 

 

その疑問にやっと答えを得ることが出来た。今の姉さんたちの反応で確信。姉さんたちは友達がいない。たぶん、普通に話せば友達なんてすぐに出来るとは思う。それぐらい姉さんたちは魅力的な人。

 

 

「姉さんたちはとっても魅力的なんですから、普通に話すようにすれば友達なんて出来ますよ」

 

 

「べ、べつに友達なんて…」

 

 

「そ、そうだよ…いなくたって」

 

もうかなり拗らせつつある。さすがに一年以上も友達がいないとなるとこうなっちゃうのかな。クラスの人たちも姉さんたちに話し掛けようとは思っている感じだけど、ちょっと踏み出せずにいるんだよね。

 

 

「僕は別に姉さんたちがたくさんの友達に囲まれているところを見たい訳じゃなくて、一人でも友達と言えるような人ができたらこれからの学校生活も楽しくなると思いますよ」

 

やっぱり学校で誰とも話さないというのは…あんまりよろしくないかな。もちろん姉さんたちがそれでいいと思っているんだったら無理強いはできないけど…。

 

 

「それにやっぱり…僕は姉さんたちには笑っていて欲しいんで」

 

学校での姉さんたちは…『クール』とか言われてるけど、弟の僕から見ればクールとかじゃなくて寂しそうに映る。皆が誰かと楽しそうに話しているのに自分だけ一人だったら誰でも寂しいもの。

 

 

「だからちょっとだけ頑張ってみませんか?」

 

 

「が、がんばる!」

 

 

「トワも頑張る!」

 

二人がそう言ってくれて嬉しかったけど、ちょっと密着し過ぎな気がする。

 

 

「少し離れてくれませんか?」

 

 

「やだ。るしあは弟くんがあと一時間だけ抱きしめさせてくれるんだったら頑張れる」

 

 

「トワも弟くんを抱きしめないと動けない」

 

それからほぼずっと抱きしめられて、身動きが取れなかった。

 

 




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