もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、かなココが姉だったら

大学に通っていて同じ講義を受ける。

 

 

 

僕には二人の姉さんがいる。同じ大学に通っていて、姉さんたちの噂はよく耳にする。どうやらとてもモテているようで男子からの告白もすごいらしい。弟の僕から見ても姉さんたちは美女。

 

自分が弟でなければもっと魅力的に映って、告白とかをしていたのかもしれない。だけど僕は弟なのでもちろん、姉さんたちに恋愛的な想いを抱くようなことはない。

 

 

早く良い人を見つけて幸せになって欲しいのが弟としての願い。

 

 

 

 

 

 

そして大学に通うようになって僕にも新しい友人ができた。姉さんたちのことは内緒にしている。姉さんたちの弟と広がると色々と面倒くさいし、姉さんたちとお近づきになりたい人たちが僕に色々と聞いてきたりすることは目に見えている。

 

 

後ろよりで端の席に座った。講義が始まるまでまだ少しあるので、まだそこまで人は多くない。僕は時間が来るまで端末をいじって待つことにした。

 

そんな風にして待っていると誰かが僕の隣に座ってきた。まだ席はほとんど埋まっていないのに僕の隣に座って来るような人って…と思って視線を隣に向けた。

 

「…か、かなた姉さん」

 

 

「うん、おはよう」

 

 

「おはよう」

 

 

「なにやってるの?」

 

 

「ただゲームだよ。それにしても姉さんもこの講義取ってたんだね」

 

 

「取ったんだよ。弟くんがこの講義を取ったって聞いたから」

 

 

「なんで?」

 

 

「だって同じ講義取りたいし」

 

 

「そっかぁ…」

 

僕と姉さんの考え方は違うようだ。僕だったら姉さんたちと同じ講義は取りたくない。だって姉さんとかは絶対に僕の隣に座るから変に注目を集める。そんな中、講義を受けても集中できるはずがない。

 

 

「かなた姉さんって僕のことを弟として誰かに紹介してたりする?」

 

 

「してないよ。ボクとしては自慢の弟だから皆に言いたいけど、キミがあんまり言って欲しくなさそうだし」

 

どうやらそこら辺は考えてくれているようだった。

 

 

「それは良かったです。姉さんの弟とバレたら色々と騒がれそうですし」

 

 

「そうかな?ボクとしては自慢の弟を皆に知って欲しいけど」

 

かなた姉さんは自分が有名人っていう自覚が足りない気がする。

 

 

 

 

 

そんな話をしていると急に背中を誰かに触られた。それもずっと触れている。すぐに離したら、もしかしたら何か間違いでとか考えられるけどずっと触って来るっていうことは…なんなんだ。

 

 

さすがにこのままだと居心地が悪いので…後ろを向くとそこには――――――――

 

 

 

「ココ姉さん」

 

 

「あ、やっと気づいた」

 

 

「ココ!」

 

 

「もう気付くの遅いって。ずっと後ろにいるのに二人共全く気付いてくれないし」

 

 

「来てたんなら声ぐらい掛けてくださいよ」

 

 

「弟なら姉が来たら気配で分かってくれなきゃ困るぜ」

 

 

「それはさすがに無理な話ですよ」

 

 

「いやいや、この私の弟なら気付いてくれよ!」

 

 

「だから無理ですって」

 

ココ姉さんはちょっとすごい人。自分の姉ではあるけど、発想が飛び過ぎて理解できないことも多い。でも何よりもこの人は本当にすごい人で…人気があるということ。

 

 

「ココ…って今日なにか用があるとか言ってなかったっけ」

 

 

「あった。でもなんか面白うそうだから来た」

 

この行動力の化身のような人間は世界を探してもそんなにいないんじゃないだろうか。

 

 

「いやそんな面白いって理由でその用をすっぽかしていいんですか?」

 

 

「いいって。元々大した用じゃなかったし。私からすればかなたんと弟がいるならば私がいなくちゃダメでしょ」

 

 

「なんで?」

 

 

「だって私たち姉弟じゃん」

 

 

「そ、それはそうですけど…」

 

家の中では三人で話すことも全然あるけど、大学内では初めてな気がする。僕があんまり姉さんたちと関わらないようにしてたし。

 

 

「そう言えば今日の夕食なにがいい?」

 

食事に関してはかなた姉さんとココ姉さんが交互に作ってくれている。

 

そして今日はかなた姉さんの日。

 

 

「僕はなんでもいいですよ」

 

 

「え、なんでもじゃだめ」

 

 

「そ、そうですね…。じゃあ…ハンバーグとか」

 

 

「じゃあ?」

 

 

「いえ、ハンバーグがいいです!」

 

 

「それでよろしい!」

 

かなた姉さんは僕の回答に満足したようだった。

 

 

 

するとココ姉さんがちょっとにやつきながら話し始めた。

 

 

「その感じだと彼女が出来て同棲した後も苦労しそうじゃん」

 

 

「そ、そうですか?」

 

 

「何が食べたいと聞かれた時に『何でもいい』は一番ダメだから」

 

 

「わかってはいるんですけど、反射的に何でもって答えちゃうんですよね」

 

これは良くないと自分でも分かっているんだけど、未だにそう答えちゃう。

 

 

するとかなた姉さんが急にすごいことを言いだす。

 

「弟くんに彼女なんて出来るわけないよ」

 

 

「え、なんで…?」

 

 

「なんでも。彼女なんか出来ちゃったらボクは嫌だもん」

 

 

「いや、弟に彼女ができたら喜ぶものなんじゃないですか?」

 

 

「ううん。ボクはいやだよ。ココは知らないけど」

 

 

「ココ姉さんもかなた姉さんみたいな感じですか?」

 

 

「私はかなたほど拗らせちゃいないけど、やっぱり弟が誰かのものになるのは嫌かも」

 

 

「…そ、そういうものなんですか」

 

僕に彼女が出来た時は…ちょっと面倒かも。

 

最悪、姉さんたちには伝えない方がいいかもしれない。

 

 

 

 

 

そしてそんなことを話していると講師が入ってきた。

 

「もう始まりそうですけど、ココ姉さんは受けていくんですか?」

 

 

「まあ受けてく。今更帰るのも面倒だし」

 

 

「そうですか…」

 

 

その後は僕とかなた姉さん、ココ姉さは一緒の講義を受けて帰った。

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日に『かなたとココに彼氏ができた』っていう話が大学中で話題になるのだった。

 

 




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