もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、夏色吹雪が姉だったら

 

僕には二人の姉さんがいる。僕は地元の高校に通っている高校二年生。姉さんたちは一つ上の学年。なので登下校は一緒なことが多い。僕としては姉さんたちと一緒だと目立つし、友達からもなんてからかわれるか分かったもんじゃないので避けたいから。

でもそんな僕の望みは叶わない。ほぼ強制的に姉さんたちと登校をさせられて姉さんたちと下校をする。これだけでもかなり目立つのに…。

 

 

 

―――――――――――――

 

今はちょうど休み時間ということもあって周りはかなり賑わっている。

 

 

そんな中…まつり姉さんがやってくるとクラスの皆が一瞬で静かになる。

 

 

「やっほ~~」

 

 

「…はぁ……」

 

 

「どうしたの?元気ないじゃん」

 

 

「それはそうですね」

 

 

今は休み時間ということもあって前の席の人がいない。そしてその席にまつり姉さんが座る。たぶんまつり姉さんは自分たちのことで弟が悩んでいるとは思いもしないだろう。

 

まつり姉さんはそんな僕の気持ちも知らずに僕の頬をつねってくる。

 

 

「そういう時は笑顔!笑顔!」

 

僕はまつり姉さんの行動に対して抵抗をする訳でもなく静かに従っている。まつり姉さんにいじけられると色々と面倒なので。

 

 

「そぉですね」

 

僕はつねられたまんまに答える。

そしてまつり姉さんは満足したようでやっと離れてくれた。

 

 

 

「それにしてもまつり姉さんはなぜここに?」

 

 

「そんなの弟に会うために決まってんじゃん」

 

いや決まっていないですよ。それにまつり姉さんが来てからクラスの視線を独占してしまっている。これは僕が望むところではない。別に人に注目されることを極端に嫌がっている訳ではないけど無駄に注目を集めるのは避けたい。只でさえ小学校、中学校と同じだったこともあって色々と苦労をしてきた。

 

だから高校は絶対に姉さんたちと違う所に行くと決めていた。そして僕は地元の違う高校に入学できた。これでやっと姉さんたちから学校生活の間でも解放されると思っていた。

 

でもどんなわけか…姉さんたちは急に僕が入学した高校へと転入してきた。さすがに僕もこのことについては驚いてしまった。まず姉さんたちがなんでこんなことをしたのか分からなかったですし…。

 

 

「いや別にいつも家で会っているじゃないですか」

 

 

「家の学校の弟くんと学校の弟くんじゃ全然違うし」

 

そんなに変わりませんって。もちろんちょっとは猫を被ったりすることはありますが、その程度。それ以上の違いはないはず。

 

 

「そう言えば昨日の夜は楽しかったね」

 

 

「あ、そうですね」

 

昨日夜はずっとまつり姉さんとフブキ姉さんに付き合わされてゲームをしていた。途中で眠くなっても解放してくれなくて、全てが終わったのは今日の午前三時ごろ。もう半分意識がない感じだったが、姉さんたちは全然元気だった。

 

 

それもあって今日はあんまり元気がない。それなのに目の前のまつり姉さんは本当に今日の朝方までゲームをやっていたのかと疑ってしまうぐらいに元気だ。

 

 

「今日も一緒にやらない?」

 

 

「さすがに勘弁してくださいよ、姉さん」

 

 

「え~~まつりは弟くんとゲームが出来てとっても楽しいのに」

 

さすがに二日連続でやると体を壊しそうな気がする。いつも日にちが変わるよりも前に寝ていることを考えるとキツイ。姉さんたちのゲームは必ず日付を超えるし。

 

 

「姉さんたちのゲームって長いので体力的にキツイんですよ」

 

 

「じ、じゃあ、弟くんがやりたいゲームでいいから!」

 

 

「でも僕ってあんまりゲームとかしませんし」

 

姉さんたちがゲームに誘ってくるので、やるだけで僕は個人的にあんまりやらない。僕はゲームをやっているよりもラジオを狂ったように聞いている。

 

 

「まつりは弟くんとゲームをしたい~」

 

 

「そう言われても…キツイで…」

 

言葉の続きを言おうとした瞬間に誰かが後ろから首に手を回してくる。急にやられたので体がビクッとしてしまった。

 

 

「フブキからも言ってよ。弟くんがまつりたちとゲームをしたくないんだって」

 

その言葉だけで後ろから手を回してきた人が分かった。フブキ姉さんだ。

 

 

「え、そうなの?」

 

 

「…いや、ゲームをしたくないんじゃなくて姉さんたちに付き合っていると体力が持たないんですよ」

 

 

「白上と一緒にゲームやりたくないってこと?」

 

 

「だ、だからそういうことじゃないですよ。別にまつり姉さんとかフブキ姉さんとゲームをしたくないわけじゃないです。ただ姉さんたちとゲームをすると体を壊してしまうって言ってるだけです」

 

 

「ちゃんとセーブするから大丈夫だよ」

 

 

「いや、姉さんたちのセーブは信用できないです」

 

姉さんたちの体の作りは僕と同じじゃない。僕は何度もオールが出来るような体の作りではない。

 

 

「でも、白上は弟くんと一緒にゲームしたい」

 

 

「まつりも!!」

 

 

「そ、それはうれしいですけど…」

 

 

「白上は弟くんがゲームをしてくれるって言うまで離さないよ」

 

いや離さないよって。チャイムが鳴ったら普通に帰って欲しいんですけど。

 

 

「まつりも帰らないもん!」

 

 

「普通に帰ってください。姉さんたちは…目立つんですから」

 

姉さんたちは人気だ。これはこの学校に通っている人であれば誰もが口を揃えて言うぐらい。

 

 

「まつりは弟くんとずっと一緒がいいし!ゲームも一緒にやりたい!!なんならこのクラスに入りたい!!」

 

 

「なに言ってるんですか…」

 

元々まつり姉さんの発言は少し常識を逸脱することも多いのであんまり気にしないことが多い。でも今回に関しては…本当に理解出来ない。

 

 

「ま、まつりちゃんだけずるい!白上だって弟くんのクラスに入りたいよ!」

 

 

「フブキ姉さんまで何言ってるんですか!?」

 

 

「だって弟くんと同じクラスになったら、いつでも弟くんのことを近くで見れるんだよ!そんなの最高じゃん!」

 

どうやらうちの姉さんは二人共おかしかったようだ。まつり姉さんだけかと思ったら、フブキ姉さんも同じだった。

 

 

 

それからうちの姉さんたちはチャイムが鳴っても自分の教室に戻ろうとせず、姉さんたちの担任の先生に半場引きずられる形で連れていかれていた。

 

 




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