僕には二人の姉さんがいる。二人ともとても美人だけど、ちょっとだけ変わっているところがある。たぶん最初に姉さんたちを見た人は「可愛い二人」だとか思うんだと思う。でも、僕は姉さんたちの裏の顔を知ってしまっているからそう思えない。
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「あの…おかゆ姉さん」
「な~に?」
「僕の体を触るのを止めてくれませんか」
なぜか姉さんたちは隙あらば僕の体を触って来る。そして思い出したくないけど、僕が朝起きた時に姉さんたちが僕の体を舐めていたことがあった。あの時は言葉を失った。今まで言葉を失うという言葉を聞いたことがあったけど、本当に言葉を失ったのは初めての経験だった。
あの日以来、僕は自分の部屋に鍵を付けることにした。
寝た後に姉さんたちが侵入して来ないように。
「え~いいじゃん~~ボクと弟くんの仲でしょ」
「僕とおかゆ姉さんは普通の姉弟ですよ」
「ううん。ボクたちは普通の姉弟じゃないよ。もう一つ上のステージに上がるんだよ」
「…上がらないですよ。このままただの姉弟でそれ以上の関係にはいかない」
そう突き放してもおかゆ姉さんが僕の体を触る手は止まらない。
「ボクは弟くんのことが好きだよ。だから弟くんの体を触るの」
「その意味が分かりませんって」
僕も家族としておかゆ姉さんたちのことは好きだけど、それで体を触ろうという発想には至らない。というか普通の人は至らないと思う。
「なんで分からないのかな。ボクたちは弟くんが大好きなの!」
「は、はぁ…それは有難いですけど、抱き締めてくるのはよくわかりません」
「ボクたちは弟くんの全てを愛しているの。だから弟くんの体も障りたいし、全ての弟くんの感触も知りたい」
やっぱり僕の姉さんたちはただの変態かもしれない。まだそこまで生きていないにしても、ここまでの変態は今まで一度も会ったことない。
「あの姉さんたちは…外と家の中でのギャップがすごすぎないですか?」
「だって他の人とか興味ないもん。ボクが興味あるのは弟くんだけ」
姉に興味があると言われても……。
そんなことを思っていると急に誰かが僕のお尻を揉んできた。
「ひゃ……ま、まりん姉さん」
「良い声でなくから止められない」
「いくら家族と言っても急にお尻を触るのはだめですよ」
これ姉弟だったとしても性別が反対だったら完全に問題だ。まだ女性から男性にやっているから問題じゃないけどさ。
「マリンは止めない。弟くんの体を全て知り尽くすまでやめないと心に決めている」
「そんなことを心に決めないでください」
おかゆ姉さんもマリン姉さんも…重症であることは間違いない。だけどこれを治す術を僕は持っていない。
「そろそろ弟くんもマリンたちに体をゆだねてくれればいいのに…」
「体をゆだねたら終わりですよ。姉さんたちに体をずっと触られ続けられるわけですよね」
「もちろん、マリンが弟くんの体に全てを教えてあげる」
「そんなもの知りたくないですし」
早く大学生になって一人暮らしを始めたい。このままだといつか僕は姉さんたちに浸食されてしまうかもしれない。
「ボクたちは弟くんのことが大好きなんだよ。だからその気持ちを体を触るだけで伝えているだけ」
「それがおかしいんですって」
「ねぇ、おかしくないよね、マリン?」
「うん。マリンたちはただ弟くんが好きなだけ」
おかゆ姉さんが目の前に立っていて、マリン姉さんがすぐ後ろに立つているという地獄。さすがに姉さんたちを付き飛ばしたりするわけにもいかないので、今の僕は身動きが取れない。
「姉さんたちの好きは本気の好きではないですよね」
「本気の好きって?」
「僕への好きは家族としての好きで、異性としての好きではないですよね?」
「なに言ってるの。ボクたちは一人の男性として弟くんのことが好きだよ」
「マリンも男として弟くんのことを見てるよ」
この姉さんたちは自分たちが言っている意味が分かっているのだろうか。血の繋がった弟のことを本気で好きになるなんてあり得ることなのか。
少なくとも僕は姉さんのことを姉としては好きでも一人の女性として見たことはない。
「なんで…そんなに?」
「なんでって弟くんが良い人なのがダメなんだよ」
「え?」
「ボクたちを好きにさせちゃうんだもん」
そう言いながらおかゆ姉さんは前から抱きしめて来る。
僕は抱きしめられても抵抗することはできずにされるがまま。
「全部、弟くんが悪いんだよ。マリンの心を射止めちゃうんだもん」
すると今度はマリン姉さんが背中の方から抱きしめて来る。
僕は前からも後ろからも…抱きしめられて身動きが取れない。
「離してくれませんか?」
「だめだよ」
「弟くんはマリンたちのものだから」
それから1時間以上も姉さんたちが僕を解放してくれることはなかった。
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