もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、0期生が姉だったら⑤

 

僕には五人の姉さんがいる。そしてそれぞれ個性の塊のような人たち。

 

 

 

――――――――――――

 

そしていま、ちょっと問題が発生している。

 

 

「姉さんたちってどこまで付いて来るんですか?」

 

 

「え、なんで?」

 

 

「いや、どこまで付いて来るんだろうと思いまして」

 

今の僕は学校から直中で塾に向かっているところ。僕も少しずつ受験を意識するような時期になってきたので、塾に行く機会もかなり増えてきた。受験はまだ来年のことだけど、そろそろ準備を始めておかないといけないらしいですし。

 

 

「弟くんと一緒に塾にまで行くよ」

 

 

「なんでですか、そら姉さん」

 

 

「だってボクたちは弟くんと同じ場所に行くんだもん」

 

 

「同じ場所?」

 

 

「うん。すいちゃんたちも弟くんが行く塾に行かなくちゃいけないの」

 

 

「え、なんでですか?」

 

 

「それはまだ言えないにぇ…」

 

 

「言ってくださいよ。姉さんたちに付けられていると僕の方が落ち着かないんですけど」

 

 

「それはだめかな。もうちょっとしたら弟くんに教えてあげるから気にしないで」

 

 

「そ、そうですか。分かりましたよ」

 

これ以上、姉さんたちに何を言っても変わらないと分かってしまう。それに姉さんたちが塾に何の用があるのかも分からないし。

 

 

 

 

それから僕は塾に到着して中に入って行くとその後ろから姉さんたちも入って行くのだった。

 

「姉さんたちのこと教えてもらえませんか?」

 

 

「あ、そうだね。そろそろボクたちのこと教えちゃってもいいんじゃない?」

 

 

「どっちにしてもあと少しすればアズキたちがなんでここに来たのか、バレちゃうしね」

 

 

「まぁそうかも。これ以上、すいちゃんたちが隠し通すのは無理だと思うから」

 

 

「弟くんも本当のことを知ったら絶対にみこたちを尊敬するに間違いないにぇ」

 

 

「そ、そうかな。でも、弟くんを困惑させたくないし、言おっか」

 

すると五人の姉さんたちはお互いに顔を見合わせてから「せ~の」と言って話し始める。

 

 

 

「「「「「この塾でアルバイトをすることになったの!」」」」」

 

 

 

姉さんたちは何を言っているのだろうか。これは僕の反応が普通のはずだ。だって急に姉さんたちが塾でアルバイトをすることになった…なんて信じられるはずがない。それに一人だったらまだしも五人ともが同じ場所で。

 

 

「嘘ですよね?」

 

 

「すいちゃんたちがそんな嘘を弟くんに付くわけないじゃん」

 

 

「え…まじですか?」

 

 

「ロボ子たちは本当のことしか言わないよ」

 

 

「……ほんとうのことですか…」

 

自分が通っている塾に姉さんたちが来てしまったことの…モチベーションの低下は尋常じゃない。だって姉さんたちが先生側だってこともあると思う。その時の僕の心情はとても…いやだ。

 

 

「なんでこんなことを?」

 

姉さんたちは高校生でありながら、それぞれお仕事をしているのでお金に困っているとかはないはず。正直、普通の高校生のアルバイトの給料とか比べられない程の金額を貰っている。それなのに姉さんたちは塾でアルバイトを始めた…。そこには何かしらの理由があるはずなんだ。

 

 

 

「そんなの決まってるよ。弟くんと一緒に居たいから」

僕はアズキ姉さんの言った答えたが意味が分からなかった。だって家に帰れば普通に会えるし。

 

 

 

 

 

僕の困惑とか裏腹にどんどん姉さんたちは先生としての仕事を始めた。

 

 

「え、僕ってマンツーマンのはずじゃ…」

 

 

「今日から私が弟くんの勉強を教えてることになったの」

 

 

「ど、どうなってるんですか…」

 

こんなことが許されていいのだろうか。

 

 

だって僕の目の前に五人の姉さんたちがいる。まさか塾でこんな光景を見ることにはなるとは夢にも思わなかった。

 

 

「すいちゃんたちは弟くんが塾に行っているとお家が静かでいやなの」

 

 

「え…ほ、ほんとにどういうこと?」

 

 

「だから、みこたちも塾に行けば弟くんと一緒に居られるかなぁと思って」

 

 

「…それでここにいるんですか?」

 

 

「うん、そうだよ。でも、生徒としてだと弟くんと一緒になれるか分からないからロボ子たちは先生になることにしたんだよ」

 

 

「もう頭がパンクしよう…」

 

 

「アズキたちは少しでも弟くんと一緒にいたいの。そうなるためにはこの方法しかなかった。本当にごめんね」

 

 

「…謝られると何も言えなくなってしまいますよ」

 

 

「私たちはやっぱり弟くんと一緒がいいんだよ」

 

 

「そ、そうですか」

 

姉さんたちなりに僕のことを大切に想ってくれているのは前々から知っていた。弟としてこの人たちには愛されていると。でも、まさかここまで行動するとは微塵も考えていなかった。

 

 

たぶん、塾側もこんなことを普通は受け入れてないけど、姉さんたちの宣伝効果やもしかしたらそれなりにお金を払っているかもしれない。これって法とかに引っかからないのと少し疑問にが思ってしまうが…。

 

そして最終的に塾の責任者はこれを受け入れたからこそ、こんなことになっているわけだし。

 

 

 

でも、こうなった以上は目の前の事実を受け入れなくてはならない。

 

 

「わかりました。先生たち、よろしくお願いします」

 

ここで何を言っても変わらない。そうであれば今は姉さんたちを先生として受け入れて、授業をしてもらう。姉さんたちはそれぞれ得意ジャンルとかがある。全くできないジャンルもありますけど…。

 

 

 

そして僕はその日、塾という場所で姉さんたちから勉強を教えてもらったのだった。




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