もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、あくしおみこめっとが姉だったら

僕には四人の姉さんがいる。子供の頃はよく全員で集まったりしていたけど、最近は僕も高校などで『生徒会長』などをやっていることもあって色々と忙しい。休日に学校に足を運ぶことも多い。

 

 

そして姉さんは同じ事務所に所属しているタレント。四人ともアイドルとして活動しているんだから本当にすごい。確かに姉さんたちにはスターの才能がある感じはするけど、まさか四人共アイドルになるとは思わなかった。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

「弟くん!」

 

 

「…なんですか?」

 

 

「シオンは一人じゃ動けないのでリビングまで運んで」

 

 

「いやです」

 

 

「じゃあ、シオンはずっとここに立ってる。弟くんがシオンのことを運んでくれるまで絶対に動かないから」

 

こうされてしまうと僕が折れるしかなくなってくる。前にずっとシオン姉さんの頼みを断り続けたことがあったけど、その時のシオン姉さんは本当にずっと立ちっぱなしで微動だにしなかった。

 

 

そこまで頑張る精神力があるんだったらリビングまで歩いて行けばいいのにと思ってしまう。でも、これを口に出してしまうとまた面倒なことになるのが分かるので何も言わない。

 

 

「わかりましたよ」

 

僕は腰を落としてシオン姉さんのことをおんぶする。

 

 

「これでいいですか?」

 

 

「くるしゅうない」

 

 

「はいはい、姉さんはちゃんと僕に掴まっていてくださいね」

 

 

「うん。わかった」

 

そしておんぶをしながらリビングまで運び終えた。

 

 

「弟くんってさ、シオンに彼氏ができたらどう思う?」

 

 

「良かったと安心しますね」

 

 

「え、なんで?」

 

 

「だってそれはシオンさんのことを大好きな人がいるってことですよね。僕たち家族以外にシオン姉さんのことを大好きな人ができるのは弟としては嬉しいですよ」

 

それってすごいことですから。家族じゃない人がシオン姉さんのことを大切に想って、これから先の未来を一緒に歩んでいきたいと思ってくれているんだ。それはとても素晴らしいこと。

 

 

「嫉妬とかしないの?」

 

 

「どうですかね…。少しは寂しくはありますけど、たぶん嬉しいと思いますよ。それにシオン姉さんもそういう人が出来れば少しは自立してくれると思うので」

 

 

「シオンは万が一、恋人ができても弟くんに運んでもらうよ」

 

 

「恋人が出来たらそれぐらいは改善してくださいよ」

 

恋人さんにもあまり迷惑を掛けたりしないで欲しいけど、シオン姉さんのそういうところを含めて全て受け入れてくれる人の方がシオン姉さんには正しいかもしれない。

 

 

「いやだよ。シオンはいつまでも弟くんのお世話になるって決めているの」

 

 

「そんなこと決めないでください」

 

 

「決めてるんだもん。弟くんはずっとシオンの弟だもん。しっかりと最後までお世話してもらわないと困るよ」

 

 

「それじゃあ、僕はいつまで経っても一人暮らしをしたり、結婚できないじゃないですか」

 

 

「させないよ。シオン以外の女の子のことなんか考えちゃダメだからね」

 

 

「それはちょっと難しいですね」

 

シオン姉さんとそんな話をしていると…電話が掛かって来た。その相手はあくあ姉さん。

 

 

僕はリビングから廊下に出て、電話に出ることにした。

 

「あくあ姉さんですか?」

 

 

「う、うん…」

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

「…ち、ちょっと手伝って欲しいことがあって」

 

 

「分かりました。それでどこに行けばいいですか?」

 

 

「いつもお買い物をする食料品店に来て欲しい」

 

 

「すぐに向かいます。何か持って来て欲しいものとかありますか?」

 

 

「う、ううん。大丈夫」

 

 

「じゃあ、すぐに向かいますね」

 

 

「ありがとう…」

 

その後、シオン姉さんに事情を話して家を出る予定だったのだが、シオン姉さんが『シオンも行く!』と言うので仕方なく、シオン姉さんも連れて行くことになった。

 

 

いつも使っている食料品店は家から徒歩10分ぐらいだ。シオン姉さんと適当な話をしているとあっという間に着くと、あくあ姉さんは入口の前で重そうな荷物を持って立っていた。

 

 

「あくあ姉さん、その大荷物どうしたの?」

 

 

「ち、ちょっと事務所でサイン書きの色紙とか色々と渡されちゃって」

 

この事務所というのは姉さんたちが所属しているホロライブという会社。

 

 

「そうだったんですね。もちますよ」

 

 

「あ、ありがとう…」

 

 

「あくあちゃんってこんな荷物もモテないんだね~」

 

 

「な、なにを~」

 

 

「こんなところで喧嘩をしないでくださいね」

 

あくあ姉さんとシオン姉さんは顔さえ合わせれば煽り合いをするような仲。でも、とても仲が良いのを知っている。

 

 

「あくあ姉さんはこのまま家に帰りますか?」

 

 

「う、うん。その予定だけど……あ…」

 

そう言ってあくあ姉さんはある壱点を見つめていた。僕もそちらに視線を向けるとそこには…手を振りながらこっちに走って来る、みこ姉さんとすいせい姉さんの姿があった。

 

 

「あれ、あくたんだけじゃなくてシオンたんに弟くんもいたんだ!」

 

 

「すいちゃんはてっきり弟くんにドッキリでも仕掛けるんだと思ったのに…」

 

 

「いや、なんで僕にドッキリを掛けるみたいな話になるんですか?」

 

 

「面白そうじゃん!」

 

僕は姉さんたちみたいにどこかに所属しているタレントとかじゃないし…。ただの一般人だ。ドッキリなんか仕掛けられても良い反応とかできないし。

 

 

「あくあ姉さんがみこ姉さんたちを呼んだんですか?」

 

 

「う、うん。最近あんまりみんなで集まれてないし、今日ぐらいはみんなで集まってご飯を食べに行かないかなって…」

 

 

「みこもさんせい!!」

 

 

「シオンも賛成!!」

 

 

「すいちゃんもいいとおもう!」

 

 

「そうですね、最近はみんなで食事をする日も少ないですしね」

 

僕以外の四人はそれぞれお仕事があるので食事の時間帯があわないことなんて全然ある。なので僕も1日や2日なら姉さんたちの誰かと顔を合わせない日だってあるぐらいだし。

 

 

そういうのが日常だと考えるとこんな風にみんなで集まっているのは本当に奇跡と言ってもいいかもしれない。

 

 

そして姉さんたちと僕は外食をすることになった。外食の場所はいつも決まっている場所があるので、その場所へと向かう。

 

「みことすいちゃん、どっちが好き?」

 

 

「なんでそんな質問をしてくるんですか?」

 

 

「だってしたくなったんだもん。もちろん、弟くんはみこのことが大好きだよね?」

 

 

「ううん。もちろん、すいせいお姉ちゃんのことが世界で一番大好きだよね?」

 

 

「…どっちも素敵なお姉さんだと思いますよ」

 

必死に逃げようとしても姉さんたちは逃がしてくれそうにない。

 

 

「そんな答えじゃすいちゃん満足できないな~」

 

 

「みこもしっかりと答えて欲しい!」

 

 

「いや…どっちも大好きな姉さんです」

 

 

「すいちゃんだよね」

 

 

「みこだよね」

 

 

「…ど、どうすれば……」

 

そこからお店に着くまでみこ姉さんとすいせい姉さんからずっと詰められた。




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