もし、〇〇〇が姉だったら   作:主義

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もし、かなラミが姉だったら

僕には二人の姉さんがいる。姉さんたちはとても魅力的な人だと思ってはいる。

 

 

 

姉さんたちは酔うと本当に面倒くさい。

 

ここまで面倒くさい人もあんまりいないんじゃないかと思うぐらいに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今日はそんな日だった。

 

 

「姉さんたち、まさかお酒を飲む気なんですか?」

 

 

「うん。ちょっと今日は飲みたい気分なんだ」

 

 

「ラミィは飲まないとやってられないからね」

 

 

「…まぁいいですけど、しっかりとお酒の量はセーブしてくださいね」

 

 

「は~い。分かってるよ、ボクも弟くんにあんまり迷惑を掛けたくないからさ」

 

 

「ラミィだって分かってるって!今日はそんない飲まないから!」

 

 

「じ、じゃあ…僕は部屋に戻っているので飲み過ぎないでくださいね」

 

そして姉さんたちをリビングに残して、僕は二階の自室へと戻っていくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間経てば…ドアが急に開けられた。そしてそこにはかなた姉さんとラミィ姉さんが完全に出来上がってしまった状態でやってきた。顔は真っ赤、足取りはおぼつかない、息も荒く、そして何より酒臭い。

 

 

 

「ほら、こうなると思ったんですよ」

 

かなた姉さんがこうなるのは珍しい方だけど、ラミィ姉さんがこうなるのは前々から分かっていた。あの人にはセーブしてという言葉が響かないのか、セーブしようとしても飲んでいるのか、それともラミィ姉さんにとってのセーブがこれなのか。

 

 

「おおとうとく~ん」

 

完全に呂律が待っていない感じでかなた姉さんは僕に向かって抱き着いてきた。

 

 

「う、うわぁ…酒臭!」

 

どれだけ飲んだらこれだけ臭くなるのか。この感じだと一回はもうお酒が飲み散らかしてる感じかな。そうなると姉さんたちを寝かしつけた後に後片付けしないといけない。

 

 

「おとうおくんはいいよぉ……ずっとここにいてぇね…」

 

 

引き探そうとしてもどうせ無駄なのは今までの経験で分かっているので大人しく抱きしめられている。そしてかなた姉さんの頭を優しく撫でながら語り掛けるように話す。

 

 

「かなた姉さんはもう少しセーブできるようになってくださいね」

 

ほんとにそれができれば……外で飲んできても心配がなくなる。かなた姉さんはあんまり外で飲んで帰って来ることはほとんどない。お友達と一緒に飲むことはある。その時も心配だけど、お友達であればかなた姉さんのこともよく知っていると思うのでそこまで心配していない。それに普通はここまで飲む前に自制心が働くはずだし。

 

 

「も、もっとのむぅ~」

 

 

「もう飲んじゃダメですよ。しばらくは飲んじゃダメですからね」

 

 

そして問題はこれからだ。ラミィ姉さんの方が一筋縄じゃいかないですし。

 

 

「おとうととくんがいじめるぅ~」

 

泣き上戸かぁ…。ラミィ姉さんは日によって笑い上戸だったり、脱ぎ上戸だとかたまに怒り上戸になることもある。本当にこういう人はお酒を飲む時は注意して欲しいと思ってしまう。

 

 

「いじめてませんから泣き止んでくれませんか?」

 

 

「むぅり…」

 

 

「いや、泣き止んでくださいよ。もうかなり良い時間なんですから、お隣さんのご迷惑になるかもしれませんし」

 

 

「お、おとうとくんはらみぃよりもおとなりさんのひとのほうがすきなんだぁ~~」

 

 

「別にそうは言ってないですよ。ただこの時間だと眠りに付いている人もいるので、あんまり大声で泣かれると後で苦情を言われてしまうかもしれないです」

 

今のところは苦情が来たことがない。でも、いつ来ても本当におかしくないような状況。

 

 

「らみぃにかまってよ~~」

 

 

「構ってますから大人しくしていてください」

 

 

「ぼくにもかまってぇ~」

 

 

「かなた姉さんにも構いますから少し声のボリュームを落としてください。本当にお願いします!」

 

このままだと明日は苦情が来る可能性が高くなってしまう。

 

 

「ぼくはふつうだよ」

 

 

「らみぃもしゃべっているだけだもん」

 

姉さんたちはずっとふらふらしていて酔いがかなり回って来たのが誰でも分かる。このまま静かに寝てくれれば一番いいんだけど、問題はやっぱりラミィ姉さんの方だ。かなた姉さんはあと少しすれば寝てくれるはず。でも、ラミィ姉さんに関しては持続時間が長すぎるんだよね。

 

 

「まずは…かなた姉さん、こっちに来てください」

 

僕はかなた姉さんを犬を呼ぶ時と同じように手招きする。するとかなた姉さんは四つん這いになりながらこっちに来てくれた。

 

 

「かなた姉さんは偉いですね」

 

 

「えらい~」

 

 

「はい、かなた姉さんは偉いですね。なので今日はもう時間も遅いですし、眠りましょうね」

 

 

「ぼくはまだおきたいよ~」

 

 

「その気持ちは分かりますけど、今日は静かに寝ましょうね」

 

かなた姉さんの背中をさすりながら優しく抱きしめる。こうすることでかなた姉さんを寝かしつけることはできる。これはかなた姉さんが素面の時にホラー映画を見て眠れなくなった時によくすること。

 

でも、これは酔っている時も有効だったようで前に酔った時にこれをしたらしっかりと眠ってくれた。

 

 

 

望み通り、かなた姉さんは可愛い寝息を立てて寝てくれた。

 

 

 

 

 

なので最後はもう一人の姉さん。

 

「かなたんだけずるいよぉ~」

 

急に床を叩き始めたり、一升瓶を持った手が震えているのを見てすぐに止めさせる。叩くのをやめさせ、一升瓶はラミィ姉さんの手の届くないところに置くことにした。

 

 

「ラミィ姉さん、あんまり飲んじゃダメですよ」

 

 

「のむもん!!まだまだのむもん!!!さかもりはこれからだぁ~」

 

 

「これからじゃないですって」

 

 

「これからだぁ~」

 

ラミィ姉さんの酔いっぷりは本当に関心してしまう。元々明るい人だけど、ここまでお酒は人を変えてしまうかと。

 

 

「仕方ないですね…」

 

このままだとラミィ姉さんが寝てくれそうにないので最終手段に出る時が来たようだ。僕は一度自室に戻って、あるおもちゃを取り出してくる。

 

 

 

 

そしてそれをリビングにまで戻って、ラミィ姉さんの目の前に投げた。

 

ラミィ姉さんの目がそれを捉えた瞬間に静かに後ろに倒れた。

 

 

「これは本当によく上手くいくなぁ…」

 

僕が自室から持ってきた、おもちゃというのは『ゴキブリの模型』だ。ラミィ姉さんは虫のことが苦手で、それは酔いが完全に醒めてしまうほど。

 

これも前の時に遊び程度でやってみたところ、ラミィ姉さんが急に後ろに倒れたので慌てたりもした。

 

 

 

 

そして僕はその後、かなた姉さんとラミィ姉さんをそれぞれの部屋のベッドにまで運んだのだった。次の日に苦情が来なかったのは奇跡だ。

 

 




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