ようIf ~2年生編~   作:たいたく

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生徒会へ(1)

 ホワイトルーム生は相変わらず、オレに対し大きな仕掛けを打って来る気配はない。

 こちらからアクションは起こして見たものの、1年生からの動きは皆無に等しい。

 そんな5月中旬の朝、オレはロビーで堀北と待ち合わせをしていた。

 

「……」

 

 周りからの視線は止むことを知らない。

 すれ違っていく同級生は、得にオレに対して警戒していることだろう。

 テスト結果で大きく集めることになったオレへの注目だが、最初ほどではないにしても今も止む気配はない。

 勉強が出来るというだけで大きな武器になり得るからな。

 堀北を待っている間、更新されたOAAを改めて開く。

 毎月成績が反映されていくシステムは、2年目の新体制を窺わせる。

 オレの合計点は全教科満点のため500点。

 結果、学力評価はA+と大きく上昇することとになった。

 その他に関しては1年次とそう変わらない評価で、似たようなものだ。

 

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2-D

 

綾小路 清隆(あやのこうじ きよたか)

 

2年次成績

 

学力    A+(100)

 

身体能力  B-(61)

 

機転思考力 D+(40)

 

社会貢献性 B (68)

 

総合力   A-(81)

 

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 全教科満点を取ったのは一度のみだが、これ以上ない評価を頂いたようだ。

 普通の生徒であれば、あの難度の問題を解くことは不可能に近いからか。

 だがこの100という数字については、今後のオレの行動で大きく上下するはずだ。

 他にも堀北やみーちゃんといった去年の学力でA判定をもらっている生徒たちはそのまま変わらずA判定を受けている。

 恐らく合計点が400点を超えた生徒は、A以上の評価を貰えるようになっているんだろう。

 

「お待たせしたわね」

 

 約束の時間の少し前になって、堀北が降りてきた。

 

「今来たところだ」

 

「ふざけているの?」

 

 お叱りを受けてしまった。

 異性との待ち合わせにはこう返すのがいいと本に書いてあったのだが、どうやら堀北はお気に召さなかったらしい。

 

「そう言えば、左手の怪我は大丈夫なの?」

 

「ああ。まだ時間はかかるが、利き手じゃない分影響はそこまで大きくない」

 

「それならいいのだけど……あれから宝泉くんから接触はあった?」

 

「いや何も。一回宝泉や七瀬とはすれ違うことはあったが会話すらなかった」

 

 実際に宝泉からは飢えた獣のような視線を受けたが、あまり関係ないため言う必要はないだろう。

 前置きは済んだのか、質問をぶつけてくる堀北。

 

「例の、あなたを退学させたら2000万ポイントを得るって話、アレは本当なのかしら」

 

「今のところ確証はない。けど、そんな報酬でもなければあんなことはしないだろ」

 

「……それもそうね」

 

 自ら大怪我と退学のリスクを負って、無駄なことをするとは考えられない。

 唯一あるとしたら、ホワイトルーム生である可能性だけだ。

 

「そう言えば七瀬さんが言っていたことを覚えているかしら?他のクラスにも伝わっているということ」

 

 最低でも3クラス、3人以上が知っていることになる。

 

「Aクラスの天沢さん……彼女には須藤くんと組んでもらった恩義しかないけれど、宝泉くんに加担していたのは間違いないのよね?」

 

 軽く頷く。

 1年Aクラスの天沢一夏は、ほぼ確定で2000万の特別試験を知る1人だ。

 残りのクラスからは、誰が知っているのか分からない。

 

「そうだが、これ以上この話はあまり気にしなくていい」

 

「どういう意味かしら?」

 

 突然のオレの言い分に疑問を持つ堀北。

 ここはハッキリと引いてもらった方が都合がいいだろう。

 ホワイトルーム絡みだと仮定すると、堀北の存在がウィークポイントになる可能性がある。

 

「オレが1人で対処するからだ」

 

「……それは1人の方が動きやすいからかしら?それとも私では力になれないということ?」

 

 ここで曖昧な答えを返してしまうのは得策じゃないな。

 

「両方だ」

 

「……そう。ただ覚えておいて。あなたが困ったら遠慮なく頼ってくれて構わないわ。なぜなら私たちは同じクラスの仲間なのだから」

 

 どこか不満そうな堀北はそう言うと、教室へと足を運び始めた。

 その後をオレは無言でついていく。

 すると、突然止まった堀北がこちらを見る。

 

「あなたのさっきの話だけれど、ポイントについてはどこから出るのかしらね?2000万なんて大金を簡単に動かせるような人物なんて……まさか」

 

 やはり納得出来ないか。

 切り上げたはずの話を掘り返してくる。

 

「ああ、大方お前が察している通りだろうな」

 

「―――生徒会長」

 

 生徒会長という肩書なら1年生も疑うことはないだろう。

 かかっているのは疑惑程度だが、それを否定出来る材料もない。

 

「まぁいいわ」

 

「何がいいんだ?」

 

「今日あなたに声をかけた本題。放課後になったら生徒会室に行くつもりなの。南雲生徒会長に会って生徒会入りを打診してみるつもりよ」

 

 紆余曲折あったが、これで学の心残りとなっていた南雲の件が前進するか。

 

「そこでなのだけれど、あなたには同席してもらいたいの」

 

「わかった」

 

 特に断る理由もないため、頷いておく。

 2000万プライベートポイントについても、何か分かるかもしれないしな。

 

「理由を聞かないのね」

 

「聞いた方がいいのか?」

 

「あなたには見ていて欲しいと思ったから、かしら」

 

「……そうか」

 

 今の堀北なら南雲の傀儡になる心配はなく、むしろ抑止力として機能してくれるだろう。

文字数について。(今までは2000~3000)

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