ペルトス5   作:連邦士官

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第1話

 

 『私は貴様らで言う神だ。あるときは本に、あるときは学校にいたときもある。』

 (俺は誰だろうか?わけがわからない。俺は何なのだ?)

 

 『覚えていないだろうが、お前の願い3つ聞きとどけた。強い体だな。これは人間を超える身体能力。お前の記憶から私が選んだ。彼岸島の雅の体にしておこう。心配するな感染はしない上に血は必要ないようにしておいた。あとの2つ、喧嘩を強くだな。お前の記憶にある格闘技を使えるようにしておこう。最後に、目が悪いんだったな。お前の記憶の中にこの目は夜がよく見えるという目があったな。この写輪眼にしておこう。くれぐれも悪用はするなよ。何があっても前に進むのだ。』

 (そんな声が聞こえた気がした。だが、どうでもいい。)

 

 

 

 光が見える。そうか俺は。ベンチの上にいた。それは俺が空を見ていたので明らかった。夜だ。服は着ているこれは安いディスカウントストアの服だな。俺は立ち上がった。

 

 周りを見る渋谷公園と書いてあった。そして、日差しが強くよろけてしまった。近くを歩いていたチンピラ風の連中にぶつかってしまった。

 

 「あっ、いってえ。お前骨折れたかもしれないぞ!慰謝料払えやガキぃ!」

 そいつが俺の胸ぐらをつかもうとした瞬間に体が勝手に動き、そいつの背後に俺は立っていた。霧霞という単語が浮かんだ。そのまま、腕が動いてしまった。頭に文字が浮かんできた破心掌。そのまま、相手が倒れていた。

 

 もう一人のチンピラが俺の腕を掴もうとするが、頭を自然とビンタしてしまった。頭にもう一度文字が浮かんできた兜侵掌という言葉。

 

 「へぇ、お前やるじゃん。俺は金城潤矢、俺の部下になれよ。」

 カネシロは札束を投げてきた。俺は自然に体が動いてしまい札束を人差し指と中指で掴んで投げ返してしまった。二指真空把、それがこれの名前か。カネシロの顔を掠めて木の幹に突き刺さる。

 

 「へっ?なんだ!うわァァァァァァっ!」

 カネシロが逃げ出すが俺は「待ってくれ!」とカネシロの足を掴んだつもりだった。しかし、体は言うことを聞かない。そのまま反転してカネシロの顎に両足をつけて、俺の腕はカネシロの足を掴んだまま、地面に叩きつけてしまった。その時に、脳裏に言葉がよぎる。キャノン‥‥ドライバー‥‥。カネシロの頭はコンクリートを貫き、地面に50センチは埋まっている。

 

 俺は人を殺してしまった。しかも、3人だ。大量殺人鬼だ。俺はそのままに地面に突き刺さったままのカネシロの死体の後ろで蹲って泣いた。俺は何って罪深いのだ。体が勝手に動いたとはいえ、全部俺のせいだ。

 

 「なんでだ!!ふざけるな!!ふざけるなっ!!馬鹿野郎!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!!!!あぁ、俺が殺した!そうだ俺が殺した。」

 金城の死体は答えない。ただ地面に頭から50センチ埋まってるだけだ。俺は泣きながら殺してしまった男のことを考えた。彼にも母や父がいるのだろう。俺が殺したんだ。そうだ、俺が殺した。俺には名前がない。殺した人間を背負わなければいけない。だから、俺が今日からカネシロ・ジュンヤだ。

 

 俺がひとしきり泣いて、体が熱くなって衝撃が通り過ぎる。脳内に電流走る。顔を洗おうと水飲み場まで行き、顔を洗うと水に写った俺の目に文様が浮かんでいた。脳内で万華鏡写輪眼という単語が出てきた。

 

 どこからかサイレンの音が聞こえてきた。俺は3人も殺してしまった。一人は掌底、もう一人はビンタ、最後は頭がコンクリートに50センチもめり込んでいる。完全な凶悪犯だ。俺は、俺はただひたすらに逃げ出した。俺には正義や悪は分からぬ。ただ自分と世界への嘆きと怒りが湧いて口から飛び出してきただけだ。警察が俺を探しに来たんだろう。

 

 写輪眼がより深くなったように感じた。コンクリート、靴をすり減らし、転がるように人混みをかき分けビルの路地に入ると俺の体はどうなってしまったのか、看板を見ると市ヶ谷というところまで走っていたらしい。近くにあったビルのテレビを見ると時刻は午前0時にまもなくなる前であった。近くの柵に背中を預けると息をつくと視界が反転した。

 

 「何だここは?」

 周りを見渡すと銃を持った人間がそこら中に歩いており、もう一度近くのビルの掲示板のテレビを確認するとそこからは角刈りの男が現れた。

 

 「諸君、私は戒厳司令官の五島である!今の資本主義世界の 文明は腐りきっているのだ!それは、この母なる大地ガイアと発展途上国からの搾取のうえに成り立つ略奪文明だからである。少し見渡せば差別、貧困、戦いが世界を覆っている。今、

我々は一般的にはアクマと呼ばれる古の神々を目覚めさせ、秘密裏に進めていた日本による核兵器の建造を成功させたのである!それは、この真の危機に備えるためである。地脈が集中した日本抹殺計画!この恐怖の陰謀を阻止せんがために、我々は古の神々や英雄の力を借りた!我々の神々と人類が共存する真なる天壌無窮のユートピアを築き上げるために!」

 テレビの五島と名乗る男は更に動いている。

 

 「古くは大地に根付く地母神である彼女らも我々に協力している。大地の深くに神殿を作り、その穴の中に迷宮を作っている!東京においては各地のGHQが封印した神々がまた起き上がった!これにより、超國家機関が再び現れた!我々はかの組織とも戦わなければならない!我々が欲すのは日本民族が日本民族として生きられる社会である!奴らは自らの勤めを忘れて居たのだ!由々しき事態である!我らの同志はミャクミャクと‥‥」

 演説は続いている。俺は柵沿いに歩いていた。看板が見え、柵の前には市ヶ谷駐屯地と書かれていた。

 

 「貴官、怪しいな。IDカードを見せなさい。」

 自衛官らしき人間が話しかけてきたがIDカードなどは持ってない。俺が持っているのは名前も忘れ、人を殺したことを背負うためにカネシロ・ジュンヤ呼ばれるだけの存在に成り果てた俺だけだ。

 

 「そんなのは持ってない。離れるから帰ります。」

 それだけだったのだが、騒ぎを聞きつけたのか先程テレビに映っていた男が眼の前に現れた。刀を腰に指した男ゴトウだ。

 

 「やめたまえ、彼も同志になり来たのかもしれん。済まないな、いささか気が立っていてね。何、今は時間がある。客として君と話そう。私は五島公夫。君の名は?」

 ゴトウに聞かれて、決意を決めて俺は名乗ることにした。

 

 「カネシロ、カネシロ‥‥ジュンヤ。今はただそれだけです。」

 ゴトウは目を細めて施設内を歩きながら、隊員に敬礼をやめさせている。ある種のカリスマを感じていた。

 

 「ここが司令室だ。」

 司令室は畳張りの道場のようになっており、掛け軸には盡忠報國と書かれていた。そして、別の壁には黒と白の涙型のものが互いに追いかけ合うような形で書かれている壁掛けがある。

 

 「君はなぜこんなところに来たのだね?今や私は処刑を待つ身だ。しかし、君が外から来たのならば私の考えに賛同するかもしれない。手が震えているな、それに‥‥人を殺したのか。言わなくていい。わかるだが、それがどうした?」

 どうした?とは?

 

 「俺は人を殺してしまいました!それがどうしたなどとは‥‥。」

 渋谷公園出会った事の経緯を話すとゴトウは立ち上がり、俺の肩に手を置いた。敵意は全く感じなかった。

 

 「今の世の中で珍しい男だよ君は。今の世の中は大義や目的よりもよっぽど自己責任や正当防衛であればいくらでも何人でも害していいというアメリカ的アノミー、無規範状態がまかり通っている。だが、君は正当防衛だが責任を感じている。つまりはきみは卑怯者ではない。卑劣漢ではないのだ。ならば、彼らのために私と共に君は革命を起こすべきだ。悪い者をなぎ倒し、最後は自ら腹を切る。君にはその責任が発生してしまった。もはや、君と私は同志だよ。」

 五島の目は物憂いげで悲しげな笑顔が浮かんでいた。俺はまぶたを閉じた。

 

 「革命とは?」

 革命というのが酷く気になった。まるで安い缶コーヒーのトゲトゲしげな渋みのように、苦味のように。

 

 「革命とはレボリューションだ。君が変えるんだ。君のような人間を作らないために。君は殺人ではなく大義の犠牲に彼らを変えるのだ。犠牲のための犠牲ではない。君が変えれば彼らの死も意味があるようになる。わかるだろう。報国だ。君が生まれ変わっても意味があることをするのだ七生報国だよ。」

 俺には優しすぎる言葉だ。七生報国、つまり俺がやるべきことは悪いものを社会から排除すること。それが人を殺してしまって俺がやるべきことか。

 

 「レボリューション‥‥。」

 ただそれをいっただけなのに視界の何処かで青い蝶が飛んでいる気がした。

 

 「もう一度聞く、君の名は?」

 そう俺の名前は背負うべき名は‥‥。

 

 「オレはカネシロ・ジュンヤ。今から、今日からカネシロジュンヤだ!」

 脳に直接、声が響いた。

 

 『汝は我、我は汝、問いかけに答えれた汝の力にならん。我が名は‥‥。』

 

 「そうか、お前の名は‥‥イザナミ!」

 ぶわりと広がる感覚に現れたのは甲冑のような頭、そして、それを見たゴトウは頷いていた。

 

 「本当の自分を見つけれたのならば、またここに来るといい。すでにこの国は霊的防御を失い、多くの役職は売国奴などに蚕食されている。カネシロ、この国を救うのが君のあり方だ。その先に破滅などがあろうともそれは意味がない。君の意志でやり遂げるのだ。それが大志であり、大義だ。この沈みゆく太陽を再び登らせるのは君しかない。わかるかね、今こうしている間にもこの国は利益に這い寄るアクマよりも悪魔な者たちが食指を動かしているのだ。君が奪った命を引き継いで君が世界を良くするのだ。その先に何があろうとも、死があろうともそれが君の運命だ。君は君なりの報国を目指し給え。我らが大地、海、空。全てを考えて取りこぼさないように進むといい。」

 そのまま、気づいたときには表に出ていた。しかし、最後にゴトウがいった言葉が頭に残っている。「まずは都内の寺と神社を巡り、GHQが施した封印を解き給え。君の背後の力は国産みの神、様々な神が助けてくれるだろう。ガイアこそが君の正体なのかもな。」と言うのが反復される。市ヶ谷の場所をあとにして、導かれるままに靖国神社の境内に入った。脳に直接わかる。そのまま、それに従い解呪を行い封印を解いた。

 

 一気に広がる青白い光とともに光の柱が登っていった。心なしかペルソナ?と言われるものが強くなった気がした。そして、警察がやってくる気配も感じて、俺は屋根の上から飛び上がって都内の雑踏に隠れてまたも神社や寺を解呪していく。

 

 1週間もするうちに俺はニュース番組で取り上げられていた。連続不法侵入犯として。しかし、カメラのコマがぶれて何一つわからないほどの高速で動いていることから、韋駄天とあだ名がつけられているらしい。

 

 「流石に寒いな。」

 風邪を引かない強靭な体らしいが何日もビルの屋上で寝ていると精神的にとても辛い。

 屋根があるところで寝たいなと空を見る。濃紺の空に映る星は数は少ない。俺はお前だ。

 

 「だが、俺の罪はまだ重い。」

 足で勢いをつけて思いっきり、起き上がるとそのまま、俺は夜空に飛んだ。酷く俺は自由だった。吉祥寺の空の下、俺は井の頭公園で謎の老人と会うこととなり、新宿では白い制服をきたわかめ頭と会合をし、オザワと名乗る中年や片目が隠れた少年、メガネをかけた少年に秘書のような女性やエレベーターガールとエレベーターボーイのような青年と出会うことになるがまだ未来の話である。

 





 なんだろうこれ

 続くのか?
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