まぁ使い方は本人じゃないんだからわかる訳無いのですけどね
ザビ……岸波ちゃんですね、よろしくお願いします
「結構ウケると思ってたんだけど、こう返されるとキツイ……」
「其れはお主が悪い……で、美少年よ! 、お主もマスターなのだろう? 相手になるやも知れぬ輩に裸では向かうまい、サーヴァントは何処だ?」
辺りを見回すがキャスターの姿は見えない……が、接続されているせいか身近にいる事はわかる。
……ここだ!
直感に任せて違和感を纏う空間へとダイブを決め込むと、質量を感じて共に崩れた。
「ひぇっ……あ、バレちゃった……!」
微妙な雰囲気の2人に罪悪感すら感じてしまう。どうするんだろうかこの空気。
「……霊体化でそばにおったという訳か……ぬ!?」
「ねぇ、セイバー、あのサーヴァントとマスター……」
岸波さんと薔薇の如き赤の麗人は顔を合わせ、何度かこちらをのぞき込むのを何回も往復している。
「そのような些細なこと、大事を前にして気にするのか?」
低く、凛々しい男の声。
「良く来たな 、薔薇のマスター」
表情の薄い黒い礼服に身を包む男……神父であろうか。
神父にしては身体がガッチリとしていて強そうに見える。きっと信心深い立派な人だろう。
「それと……ふ、そこの画家のサーヴァントとマスターは倒れているようだが、リタイアかね?」
前言撤回だ、ただの嫌味おじさんだわ。
「私は君達が公平に戦う為のNPC、上級権限が与えられている特別なNPCだ、だから基本的には同じ様のNPCを見ることは無いだろう、よく覚えておきたまえ、テストには……出さないが、此処のことは私が説明しよう」
口角を微妙に釣り上げて冷たい眼で見下ろして来る。
この男、何かを考えているに違いない。
「右手に見える扉はアリーナ、苛烈を極める君たちの戦場だ、手前が売店、当たり前だが対価は頂くぞ、アリーナで稼ぐといい、他はおいおい説明しよう、アリーナについては十分かね?」
「まぁ大体「雑把すぎではないか!」……セイバー」
あら、可哀想なザビエル
「……」
痛い、腕を抓らないで下さい。
「不満かね? ……口で説明してもいいんだが……百聞は一見に如かず、実際に体験するといい」
薔薇のセイバーは明らかに不機嫌な顔をしている。
……正直キャスターと違って愛想も有るし、勇気も度量も兼ね備えている、何よりも彼女には華がある。
「マスター、比較ですか卑下ですか? 一応ゴッホだって凄いんですよ……少しは」
キャスターの手の力はどんどん強まる。
ん? どうして口に出さない言葉をキャスターは感じることができるんだ?
「……本気で言ってます? 、契約、存在の近似化、深奥での接続、この3つを私達は行いました。つまりほぼ一心同体みたいなものですよ」
あ……なんかそんなこと言ってたなぁ
「お主のサーヴァント、1人でぶつぶつと怖いな!」
ああいや、こっちの話ですのね、気にしないで
「そうか、なら良い、ではあの神父めの言う通り、ありーな、とやらに赴くことにしよう!」
気をつけてね、岸波。
「そっちも「何を言うのだ、キャスターのマスターよ!」……」
「奏者が危ない目に会ったらどうする!」
真面目な顔で頓痴気を言われるのは初めてだ。
「彼女のサーヴァントである貴方が守れば……」
「勿論余も尽力を尽くす、が! 、もしもは怖い、奏者と分断される事もあるやもしれぬ」
「奏者の友人であるならば……多少は手伝ってくれてもいいのでは無いか?」
ぐぎぎ、そんなこと言われると断るにも断れない。
まぁでも友達になろうって言ったのは僕だしな……
キャスターの力も気になる。
……いいかな、キャスター
「マスターがしたいならいいですよ」
「その反応はいぇすで受け取るからな! ではこれよりネロ探検隊の輝かしい冒険記の幕開けである!」
「じゃあ、その、術のマスター、よろしく」
探検はもうこなして来たからね、おまかせあれよ。
快活な笑みのセイバー、卑屈な笑みのキャスター。
鉄のマスター、空虚のマスター。
相反するがどうにも波長は合うようだ。
軽い足取りと重い気持ちで一同は歩を進める。
ゴッホちゃんの強さはいかに。