次、その次、そのまた次   作:画鶴

4 / 6
主人公はキャスターのマスターであり、キャスターと深く接続した"子機"でもあるので、規格収縮はあるが同等の魔術、並びに宝具を有します。
まぁ使い方は本人じゃないんだからわかる訳無いのですけどね


#4 泊地鳴動

 

ザビ……岸波ちゃんですね、よろしくお願いします

 

「結構ウケると思ってたんだけど、こう返されるとキツイ……」

 

「其れはお主が悪い……で、美少年よ! 、お主もマスターなのだろう? 相手になるやも知れぬ輩に裸では向かうまい、サーヴァントは何処だ?」

 

 辺りを見回すがキャスターの姿は見えない……が、接続されているせいか身近にいる事はわかる。

 

 ……ここだ! 

 

 直感に任せて違和感を纏う空間へとダイブを決め込むと、質量を感じて共に崩れた。

 

「ひぇっ……あ、バレちゃった……!」

 

 微妙な雰囲気の2人に罪悪感すら感じてしまう。どうするんだろうかこの空気。

 

「……霊体化でそばにおったという訳か……ぬ!?」

 

「ねぇ、セイバー、あのサーヴァントとマスター……」

 

岸波さんと薔薇の如き赤の麗人は顔を合わせ、何度かこちらをのぞき込むのを何回も往復している。

 

「そのような些細なこと、大事を前にして気にするのか?」

 

 低く、凛々しい男の声。

 

「良く来たな 、薔薇のマスター」

 

 表情の薄い黒い礼服に身を包む男……神父であろうか。

 

 神父にしては身体がガッチリとしていて強そうに見える。きっと信心深い立派な人だろう。

 

「それと……ふ、そこの画家のサーヴァントとマスターは倒れているようだが、リタイアかね?」

 

 前言撤回だ、ただの嫌味おじさんだわ。

 

 

「私は君達が公平に戦う為のNPC、上級権限が与えられている特別なNPCだ、だから基本的には同じ様のNPCを見ることは無いだろう、よく覚えておきたまえ、テストには……出さないが、此処のことは私が説明しよう」

 

 口角を微妙に釣り上げて冷たい眼で見下ろして来る。

 

 この男、何かを考えているに違いない。

 

「右手に見える扉はアリーナ、苛烈を極める君たちの戦場だ、手前が売店、当たり前だが対価は頂くぞ、アリーナで稼ぐといい、他はおいおい説明しよう、アリーナについては十分かね?」

 

「まぁ大体「雑把すぎではないか!」……セイバー」

 

あら、可哀想なザビエル

 

「……」

 

 痛い、腕を抓らないで下さい。

 

「不満かね? ……口で説明してもいいんだが……百聞は一見に如かず、実際に体験するといい」

 

 薔薇のセイバーは明らかに不機嫌な顔をしている。

 

 ……正直キャスターと違って愛想も有るし、勇気も度量も兼ね備えている、何よりも彼女には華がある。

 

「マスター、比較ですか卑下ですか? 一応ゴッホだって凄いんですよ……少しは」

 

 キャスターの手の力はどんどん強まる。

 

 ん? どうして口に出さない言葉をキャスターは感じることができるんだ? 

 

「……本気で言ってます? 、契約、存在の近似化、深奥での接続、この3つを私達は行いました。つまりほぼ一心同体みたいなものですよ」

 

あ……なんかそんなこと言ってたなぁ

 

「お主のサーヴァント、1人でぶつぶつと怖いな!」

 

ああいや、こっちの話ですのね、気にしないで

 

「そうか、なら良い、ではあの神父めの言う通り、ありーな、とやらに赴くことにしよう!」

 

 気をつけてね、岸波。

 

「そっちも「何を言うのだ、キャスターのマスターよ!」……」

 

「奏者が危ない目に会ったらどうする!」

 

 真面目な顔で頓痴気を言われるのは初めてだ。

 

「彼女のサーヴァントである貴方が守れば……」

 

「勿論余も尽力を尽くす、が! 、もしもは怖い、奏者と分断される事もあるやもしれぬ」

 

「奏者の友人であるならば……多少は手伝ってくれてもいいのでは無いか?」

 

 ぐぎぎ、そんなこと言われると断るにも断れない。

 

 まぁでも友達になろうって言ったのは僕だしな……

 

キャスターの力も気になる。

 

 ……いいかな、キャスター

 

「マスターがしたいならいいですよ」

 

「その反応はいぇすで受け取るからな! ではこれよりネロ探検隊の輝かしい冒険記の幕開けである!」

 

「じゃあ、その、術のマスター、よろしく」

 

 探検はもうこなして来たからね、おまかせあれよ。

 

 快活な笑みのセイバー、卑屈な笑みのキャスター。

 鉄のマスター、空虚のマスター。

 相反するがどうにも波長は合うようだ。

 軽い足取りと重い気持ちで一同は歩を進める。

 




ゴッホちゃんの強さはいかに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。