〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

128 / 514
ミカ「例えば今の私達を他の人が目撃したとするじゃん?」酒泉「はい?」

 

 

 

 

「その人達には私達の関係はどう見えてるんだろうね?一緒にバイトしにきた友達?それとも……カ、カカカカップルとか……!」

 

「ゴリラの散歩をしてる飼育員じゃないっすかね」

 

「……えい」

 

「ひんっ!?……あっぶね!?脇腹突っつかんでくださいよ!?ラムネ溢すとこだったでしょ!?」

 

「そのままお客さんにかけてクレーム入れられたらよかったのに」

 

「ったく、本当に性根が腐ってますね……つーか、それよりも聖園さんに聞きたい事があるんですけど」

 

「ん?なーに?」

 

「なんで聖園さんが海の家でバイトしてるんすか?」

 

「んー……お小遣い稼ぎ?ほら、私のカードって止められちゃってるからさ」

 

「……聖園さん」

 

「なに?」

 

「ざまぁwwwwwwwwww」

 

「は?」

 

「ごめんごめんごめんごめんごめんごめん腕折らないでお願いだからマジでやめて謝るからヤバいしぬしぬしぬ」

 

「……で?酒泉君は?」

 

「いててててっ……ん?何がですか?」

 

「だから、どうして酒泉君も海の家でバイトしてるの?」

 

「あー……なんていうか、その……プラネタリウムの小型投影機を買いたくて……」

 

「プラネタリウム?酒泉君ってそんな綺麗な物に興味を示す性格してたっけ?花より団子ってタイプだと思ってたんだけど……」

 

「まあ、そっち寄りではありますけどね」

 

「ふーん……なに?もしかして突然そういうのに興味持っちゃったの?それなら……わ、私がそういう場所を案内してあげなくも……」

 

「違いますよ、ただのプレゼントです」

 

「プレゼント?誰の?」

 

「……秘密でーす」

 

「……もう、教えてくれてもいいじゃん」

 

「やだ……つーかどう説明すりゃいいのか分かんないし」

 

「……?」

 

(直接触れあえるシロコさんと違ってプラナには直接何かを与えるって事ができないからな……シロコさんにマフラーを渡したみたいに何か買ってあげられたらと思ってたけど────)

 

「うーん……喜んでくれるかは分からんなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませー……そういえばさ、この海の家ってバイト中の服装は指定されてるじゃん?」

 

「いらっしゃいませー……ん?まあ、そっすね……」

 

「その理由って去年水着を着てバイトしてた女の子がしつこい人達にナンパされちゃったからなんだって」

 

「ふーん……別に水着を着てようが着てまいが可愛い人はどのみちナンパされると思うんですけどねぇ……」

 

「例えば私みたいな女の子とか?☆」

 

「あんたの場合ナンパどころかプロポーズされてたじゃん、あの容姿だけイケメンのロボットに」

 

「……そういえばそうだった」

 

「にしてもナンパかぁ……懐かしいなぁ……」

 

「……え?酒泉君、もしかしてナンパしたことあるの?」

 

「ええ、ありますよ……苦い思い出になりましたけどね」

 

「……ふーん」

 

(まあ、前世での話だけど)

 

「そっかー、酒泉君そんなことしてたんだー」

 

「昔の話ですけどね……あ、なんかいっぱい人通りましたよ。さっさと呼び込みしましょうよ」

 

「……酒泉君一人でやれば?ナンパ好きなんでしょ?」

 

「はあ?別に好きってわけじゃ……てか、なんで怒ってるんですか?」

 

「……怒ってないもん」

 

「はぁ……まあいいや……すいませーん!そこのヴァルキューレの可愛いお姉さーん!」

 

「…………うぇ!?わ、私ですか!?」

 

「そうそう!海警の方ですかー?」

 

「は、はい……そうですが……」

 

「だったらずっと日に当てられ続けて大変でしょう?どうです?ラムネでも飲んで身体を冷やしませんか?」

 

「でも……仕事中ですし……」

 

「お姉さん可愛いんで今なら特別にもう一本サービスしちゃいますよー?」(さっき店長さんから休憩中に貰った未開封のやつだけど)

 

「か、かわっ!?」

 

「……警察をナンパするなんて度胸あるね、このまま迷惑防止条例違反とかで捕まっちゃえばいいのに」

 

「あっ、そっか!?そうなる可能性もあるのか……でも、こんな可愛い海警さんに捕まるのなら本望かも?」

 

「……あ、あの!」

 

「はい?」

 

「……ラ、ラムネ……一本ください!」

 

「へい毎度ぉ!」

 

「……さいてー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聖園さーん、苺練乳のかき氷出来たからお客さんのところまで運んでくれー」

 

「はーい」

 

「さて……次は……宇治抹茶とブルーハワイか、あー忙し忙し」

 

「でもここのバイト、賄いのかき氷に好きなシロップを好きなだけかけていいんだよな……それだけでモチベーションに繋がるわ」

 

「……よし、決めた!次の休憩は苺シロップと練乳たっぷりのかき氷を食べよう!」

 

「さて、そうと決まればもっと気合いを入れて……いらっしゃいませー!かき氷いかがですかー!?ラムネやアイスもありますよー!」

 

「そこのナイスガイなお兄さん!ラムネ一本どうですかー?……え?ロボットだから飲めない?大丈夫です!それならロボット用のラムネ味オイルもあるんで!」

 

「あっ!お姉さんお姉さん!ウチでちょっと休憩してかない?……え?ナンパかって?違う違う!そもそもお姉さんみたいな美人さんをナンパするならもっとオシャレな格好でやりますよ!」

 

「そんなに泣いてどしたん、ぼく?クラゲにでも刺された?……あ、本当に刺されたんだ……ほれ、お兄さんがアイス奢ってあげるから泣き止みなさい」

 

「おばちゃん大丈夫?なんかふらふらしてるけど……一旦休んでく?………てんちょてんちょー、ちょっと裏の仮眠スペース借りていいですかー?……はい、あと出来ればタオルと冷水も……」

 

「はいお待たせしましたー!こちらブルーハワイ味の……え?写真を撮ってほしい?それぐらい喜んでお受けしますよ!じゃあお姉さん達のスマホを……え?俺も一緒に?片手をハート型にしてほしいって?……まあいっか!じゃあ撮りますよー!」

 

「はい!ありがとうございましたー!また来てくださいねー!……ふぅ、さて……」

 

「……聖園さん遅くね?」

 

「……店の外のテーブルだったよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねーねー、ちょっとくらい良いでしょー?なんか奢ってあげるからさー」

 

「ほんのちょっと遊ぶだけだから!ね!?」

 

「あ、あはは……でも私、お仕事中だから……」

 

(うわぁ……なんか面倒そうな獣人とロボットに絡まれちゃった……)

 

「そんな事言わずにさー……ほら!好きなもん何でも買ってあげちゃうよ?」

 

「おっ?いつもはケチなのに今日はやけに太っ腹だねぇ!ほらほら!コイツがこんなこと言い出すなんて滅多にないよー?」

 

「いやー……別にいいかなー……」

 

「そんな遠慮せずに────」

 

「……あの」

 

「あ、酒泉君」

 

「……あん?誰?」

 

「お兄ちゃんあの店の店員さん?何の用?見ての通り俺達今忙しいんだけど?」

 

「ウチ、今の時間帯忙しくて……だからその人連れていかれると困るんですよ」

 

「へぇー……だったら面倒な時間帯が過ぎるまでここで一緒にお喋りしてようよ!」

 

「おっ!それいいねぇ!」

 

「い、いやー……私、ここには働きにきてるから……(殴って解決できたら一番手っ取り早いのになー)」

 

「ねーお願いだよーお姉ちゃんみたいな可愛い子とデートしたこと一度も無いんだよー」

 

「ここはコイツを助けてやると思って……なっ?頼むよ!」

 

「……ああもう駄目だ、しつこく食い下がってくる時点であのプロポーズ野郎と比べてもコイツらは話にならん……聖園さん、行くぞ」

 

「え?……きゃっ!?」

 

「おいおい!勝手に話を終わらせるなよ!」

 

「俺達その姉ちゃんと話してんだけど?最終的に決めるのはその姉ちゃんでしょー?」

 

「……すんません、実は黙ってたけどこの人俺の彼女なんすよ」

 

「……は?」

 

「……えっ!?な、何言ってるの酒泉君!?」

 

「偽装彼氏演じた時と同じ手だよ……穏便に済ませる為にここは我慢してくれ」

 

「うぅ……だからってこんないきなり……」

 

「なに?彼氏持ちだったの?」

 

「ええ……家族にも友達にも内緒で付き合ってたんで誰にもあまり他人に言う機会はありませんでしたけど」

 

「んだよ……お手付きかよ……」

 

「そりゃそうか……こんな極上の女、誰も手を出さないわけないもんなー」

 

「んじゃ、そういう事で……ほら、聖園さん、行くぞ」

 

「……あ、うん」

 

(偽装彼氏、一瞬で終わっちゃったな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね……ねえ、酒泉君」

 

「……」

 

「ねえってば!」

 

「……あ、すいません……なんですか?」

 

「その、もう大丈夫だから……腕、離して」

 

「……はい」

 

「……もう、強く握りすぎだよ」

 

「……すいません」

 

「……私の事、心配してくれてたの?」

 

「……かった……」

 

「……え?」

 

「無事で……よかった……!」

 

「そ、そこまで?流石に大袈裟じゃ……」

 

「よかった……何もなくて本当によかった……!」

 

「……ふふっ……大丈夫だよ酒泉君、私は絶対あんな人達にはついていかないから────」

 

「あの人達が無事でよかった……!聖園さんに顔を破壊されてなくてよかった……!海が真っ赤に染まらなくて本当によかったよぉ……!」

 

「────酒泉君、ちょっとこっち向いてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てんちょー、戻りましたー」

 

「ただいまー」

 

「おう、二人とも戻って……酒泉、お前どうして頬に紅葉ができてんだ?」

 

「アンパンのヒーローみたいに顔を吹き飛ばされなくて本当によかったです」

 

「パーじゃなくてグーだったらそれもできたけどね」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ酒泉君」

 

「なんすか」

 

「バイト終わったね」

 

「そっすね」

 

「店長さんいい人だったね」

 

「〝頑張ってくれたから〟って広告に書いてあった給料より多めに渡してくれましたね」

 

「……さて、ここで話は変わりましてバイト終わりの酒泉君に一つ朗報があります」

 

「なんでしょうか」

 

「なんと私、今日はバイト終わりにそのまま海で泳ごうと思っていたので水着を持ってきてます」

 

「なんと」

 

「しかも酒泉君が前に買ってくれたピンク色のやつ」

 

「ほう」

 

「そして今日一日頑張った酒泉君には特別に私の水着姿を拝む権利と一緒に遊ぶ権利をあげちゃいます」

 

「さて、ここで俺から悲報を一つ」

 

「なんでしょうか」

 

「なんと俺、今日はバイト終わったらそのまま直帰する予定だったので水着を持ってきてません」

 

「……」

 

「なので遊べません」

 

「……ここでもう一つ酒泉君に朗報です」

 

「なんでしょうか」

 

「さっきバイトしてたお店で水着を借りる事ができます」

 

「なんと」

 

「そして目の前には海を満喫したがっている、一人ぼっちの寂しい女の子が立っています」

 

「ほう」

 

「ここで問題です、酒泉君が今から取るべき行動はどれでしょうか。A・一緒に遊ぶ、B・一緒に遊ぶ、C・一緒に遊ぶ、D・一緒に遊ぶ」

 

「50:50で」

 

「50:50の結果、Aの一緒に遊ぶとCの一緒に遊ぶが選ばれました」

 

「オーディエンスで」

 

「皆Aを選んだって」

 

「友達に電話します」

 

「私はCの一緒に遊ぶがいいと思うな☆」

 

「……Cで」

 

「ファイナルアンサー?」

 

「ファイナルアンサー」

 

「……」

 

「……」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……正解!この問題に正解した酒泉君には私と一緒にバナナボートに乗る権利をあげるね☆」

 

「このクイズ番組簡単すぎて一日目で打ち切られそうだな」

 

「じゃあ私バナナボートに空気入れてくるねー!」

 

「……よくそんな元気余ってんなー」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。