〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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ミカ「例えば私がこのまま傘を差さずにバス停の屋根下から出ていったとするでしょ?」酒泉「はい」

 

 

 

 

「そしたらどうなると思う?」

 

「聖園さんがもっとびしょ濡れになるだけじゃないっすかね」

 

「……だよね」

 

「……今朝の予報では晴れだったのに」

 

「本当に急だったね」

 

「聖園さんと偶然トリニティで会って」

 

「適当に会話しながら一緒に歩いてたら」

 

「突然の大雨……」

 

「……そしてお互いに折り畳み傘も持ってない、と」

 

「そこにバッドニュースを追加しますね、なんとこのバス停を通る予定のバスがどっかの交通事故とその影響で生まれた渋滞に巻き込まれておもいっきり遅延されてるらしいっすよ」

 

「……最悪」

 

「ほんとっすね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……暇だね」

「……そっすね」

 

「ねえ、酒泉君。何か面白い話してよ」

 

「やだ、めんどい」

 

「いーじゃん、減るもんじゃないし」

 

「白けるとメンタルが磨り減るんで」

 

「ねーねー酒泉くーん、なんか話してよー」

 

「……っ、やめっ……近づかないでくださいよ!」

 

「そ、そこまで怒んなくても……」

 

「あ……いや……べ、別に怒ってるわけじゃ……」

 

「怒鳴ったくせに……」

 

「それは……だって……離れてもらわないと目のやり場に困るから……」

 

「……?」

 

「……聖園さん、そういやなんで今日はジャージ着てないんですか」

 

「あっ!話誤魔化そうとしてるでしょ!?」

 

「別にそんなんじゃないっすよ……ほら、それよりさっさと答えてくださいよ」

 

「答えろって言われても……今日はボランティアがなかったからジャージを着る必要もなかったってだけの話だし……」

 

「じゃあいつものフリフリした服は?」

 

「別にしょっちゅうあの服ばっか着てるってわけじゃないし……」

 

「……くそっ……どうして今日に限って新しい服、それも薄着なんだよ……!」

 

「ほら、機嫌悪そう……やっぱりさっきの怒ってるんでしょ?」

 

「だからっ!別に怒ってるとかじゃなくて!ただ〝今のアンタ〟に近づかれたくないだけだ!」

 

「……そ、そんなに強く拒絶するほど私のことが嫌いなの……?」

 

「だあーっ!もうっ!そうじゃなくて────アンタ、今の自分の格好見てみろ!」

 

「今の自分の格好……?何か変な物でもついて───あっ」

 

「やっと気づいたか!?アンタ、雨でびしょ濡れになったせいで───色々と透けてんだよぉ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

「……」

 

「……あ……ぅ……い、いや……」

 

「だから言いたくなかったんだよ、こんな気まずい空気になるのが分かり切っていたから……」

 

「……み」

 

「み?」

 

「…………見た?」

 

「……何を?」

 

「その……し、下着……とか……」

 

「……………………………………………見てません」

 

「なに今のめちゃくちゃ長い間」

 

「見てません」

 

「……み、みたでしょ!?絶対に見たよねぇ!?」

 

「だから見てねぇっつってんだろぉ!?」

 

「嘘だ!本当は私が気づくまでじっくりと観察してたんでしょ!?」

 

「だったら自分から教えたりしねぇだろうがよぉ!?」

 

「しゅ、しゅせんくんのエッチ!バカ!クソボケ!」

 

「や、やめろぉ!俺を叩くのはいい!正直ゴリラパワーで叩かれるのはめちゃくちゃ痛いけどそれだけは我慢してやる!だけどその服が透けた状態で腕を振るな!」

 

「うるさい!酒泉君が悪いんだもん!」

 

「だからやめろって!雨のせいで服が変にピッチリと張り付いてるせいでアンタの〝物〟の〝揺れ〟がハッキリ見えるんだって!」

 

「────~~~っ!!!そ、そういうのは気づいてても言わないもんでしょ!?」

 

「さっきそれやろうとしたらアンタが〝誤魔化そうとしてる〟とか言ってきたんだろ!?」

 

「勝手に乙女の胸を凝視しないでよばかぁ!酒泉君の変態!だいきらい!責任とってよぉ!」

 

「凝視なんてしとらんわ!?人聞きの悪いことを言うな!?」

 

「うああああん!酒泉君に裸見られたあああ!」

 

「分かった!分かったよもう!全面的に俺が悪かった!だからもう黙っててくれ!」

 

「ぐすん……じゃあ、責任とってくれる……?」

 

「無理」

 

「うああああん!酒泉君に裸見られたああああ!!!」

 

「やめろおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……じゃ、じゃあ……今から身体拭くけど……絶対に振り向かないでよね!?」

 

「分かってますよ……」

 

「わ、私の裸が見たくなっても絶対に振り向いちゃ駄目だからね!?」

 

「ゴリラの裸なんて動物園に行けばいくらでも見られるでしょ」

 

「私、このまま後ろ向いてる酒泉君の首を折ることができるんだけど?」

 

「分かりました、聖園さんの魅力的なボディの誘惑に負けず必死に己の精神を抑え込みます」

 

「それでよし☆」

 

(……つーか、服の中にタオル突っ込んで身体拭くだけだし、別に裸になるわけじゃないだろ)

 

「うわぁ……さいっあく……びちゃびちゃだよ……」

 

(あーあ、なんでこんな事になったんだか……これも全部ゲリラ豪雨ってやつの仕業なんだ!)

 

「一旦靴下も脱いで……」

 

(……まあ、聖園さんのところに雨が降るとゲリラ豪雨じゃなくてゴリラ豪雨になるんだけどなwwwwwww草wwwwww)

 

「折るよ?」

 

「すいませんでした」

 

「もう……」

 

(こわぁ……ニュータイプかよコイツ……)

 

「うわぁ……完全に水吸っちゃってるなぁ……」

 

(はぁ……にしても全く止む気配がないな……しゃーない、ソシャゲでもやって時間でも潰すか……イヤホンイヤホンっと)

 

「……しゅ、酒泉君!私、今から……その……ブラの内側とかも拭くけど、絶対に見ないでよ!?」

 

「はいはーい」(さーて、レッドアーカイブでもやるかー)

 

「や、約束だよ!?」

 

「わかってますよー」(ああ……今日もカラサキシナちゃんは可愛いなぁ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、着替え終わりました?」

 

「……まさか本当に全く振り向かないとは思わないじゃん」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ……雨、やまないなー」

 

「せめて近くにコンビニでもあれば傘とか買えたんですけどねー」

 

「だね……でも、こんなに激しい雨だと歩いて帰るだけでも億劫……に……なっ、て……」

 

「……?聖園さん?どうかしましたか?」

 

「……どうしよう」

 

「何がっすか?」

 

「私、服透けてるままなんだけど……このままバスに乗ったり、最悪歩いて帰らないといけないの?」

 

「……あ」

 

「いや本当にどうしよう絶対視線とか集めちゃうよねもしかしたら魔女の次は変態扱いされたりとかそっから噂が広まってナギちゃんとかセイアちゃんにドン引きされたりとかいやそんな事よりも一番最悪なのが酒泉君以外の人とかに肌が────」

 

「大丈夫っすよ、トリニティには水着姿で散歩してる人だっているんですから」

 

「……あー……あの子かぁ」

 

「つーわけで!ほら聖園!心の強さでもう一丁!」

 

「強い弱い以前の問題だよね、結局私が社会的に死ぬだけじゃんね」

 

「それは今更では?」

 

「あっ!そうだった☆」

 

「「あはははははは!!!」」

 

「……で?どうやって帰るんです?」

 

「どうしよっか……」

 

「……」

 

「……こうなったらバレないように腕で胸を隠して……」

 

「……」

 

「バスから降りたら全力ダッシュで……でも、そんなことすると傘を差しててもまた濡れちゃうよね……」

 

「……」

 

「うぅ……仕方ないよね……少しだけ我慢して────きゃっ……」

 

(背中に何かが……これは……ゲヘナの制服?)

 

「……それ、使っていいっすよ」

 

「……え?」

 

「とりあえず制服くらいの厚さがあれば透けたりはしないでしょ」

 

「……いいの?」

 

「別に制服の予備なら一着ぐらいは持ってますし、次会う時に返してくれたらそれでいいですよ」

 

「……じゃあ、借りるね」

 

「どうぞ」

 

「……」

 

「……」

 

「……ねえ、酒泉君」

 

「なんすか」

 

「男の子の制服っておっきいね」

 

「そっすね」

 

「……」

 

「……」

 

「……ねえ、酒泉君」

 

「なんすか」

 

「酒泉君の制服、あったかいんだね」

 

「そっすね」

 

「……」

 

「……」

 

「……ねえ、酒泉君」

 

「なんすか」

 

「ありがとう」

 

「…………そっすね」

 

「えへへ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ、バス来ましたよ」

 

「あ、本当だ」

 

「はー……これでやっと帰れる……」

 

「だね……ねえ、酒泉君」

 

「……まだ何が?」

 

「酒泉君さ、さっき制服の予備はあるって言ってたよね?」

 

「言いましたけど……それが?」

 

「じゃあさ?この制服、すぐには返さなくていいよね?」

 

「ええ……それとこれとは話が違うでしょ……すぐに返してくださいよ」

 

「んー……でも出来ればクリーニングとかに出してから返してあげたいしさ?」

 

「別に自宅でアイロン掛けるんでいいっすよ」

 

「だーめ☆」

 

「何故?何故?何故?」

 

「ほら、私ってこれでも元ティーパーティーでしょ?だから落ちぶれた後でも最低限の面子ってものがあるんだよねー」

 

「はぁ……仕方ないっすね、でもあまり時間は掛けないでくださいよ?クリーニングが終わったらできるだけ早めに返してくださいよ?」

 

「うん!」

 

「……じゃ、とりまバスに乗りますか」

 

「はーい……うわっ、結構席埋まってるね」

 

「でも幸いにも二人分の席は残ってますよ……隣り合わせですけど」

 

「……しょうがないなぁ、酒泉君には特別に私の隣に座る権利をあげるね☆」

 

「海の家でバイトしてた時も似たようなことを───おう待てや勝手に俺の膝の上に荷物を置くんじゃねえ」

 

「~~~♪」

 

「聞けや」

 

 

 

 

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