〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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ミカ「例えば私が卒業したとするでしょ?」酒泉「はい?」

 

 

 

 

「それで私が就職の為にキヴォトスの外に行っちゃったとしたら……酒泉君寂しがっちゃう?」

 

「多分一日ぐらい感傷に浸ると思いますよ」

 

「ふーん?結構素直じゃん───待って?一日だけなの?」

 

「そうですけど?」

 

「……一応聞くけど、酒泉君のところの風紀委員長ちゃんが卒業したら?」

 

「めっっっっっっっっちゃ泣き叫びます、でも一生引き摺るであろう事を覚悟した上で笑顔で送り出します」

 

「私の時と対応違いすぎない?」

 

「そすかね?」

 

「……ていうか、酒泉君の事だしてっきり〝俺も空崎さんについていきます!〟って言うもんかと思ってたんだけど」

 

「嫌ですよ、空崎さんに誘われてとかならともかく自分から言い出したらただのストーカーじゃないですか」

 

「キモいぐらいの偏愛向けてるんだしストーカー扱いされたところで今更じゃない?」

 

「失礼ですね、純愛っすよ……それにほら、卒業後に空崎さんが誰かを好きになる可能性も考えると俺が付いて回る訳にもいかないじゃないですか」

 

「……多分それはないんじゃないかなー」

 

「分かりませんよ?学生時代仕事に追われていた分、逆に大人になってから色恋沙汰に積極的になるかもしれませんよ」

 

「そういう意味じゃないんだけどなぁ」

 

「……?」

 

 

 

 

 

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「……つーか、どうして急に卒業の話を?」

 

「別に急ではなくない?私、三年生なんだし」

 

「まあ、時期的にはおかしくないですけど……」

 

「実はこの前久しぶりにナギちゃんやセイアちゃんとお茶会開いたんだけどその時に卒業に関する話題に触れてさ、キヴォトスでは誰が残って誰が外に行っちゃうのかなーって」

 

「ほほう」

 

「とりあえず二人はキヴォトスに残るみたいだけど……まあ、私は特に進路とか決めてないわけだし?これからどうしよっかなーって」

 

「えぇ……無計画すぎるでしょ流石に……」

 

「勿論計画自体はしてたよ?でもそれって全部クーデター成功した後の計画だったんだよねー」

 

「ああ!確かに先生や補習授業部に計画おじゃんにされてなきゃやれそうな事いっぱいありましたもんね!ゲヘナとの和平ぶっ壊したりゲヘナに喧嘩売ったり!」

 

「そうそう!」

 

「ははははははは!」

 

「あはははは!」

 

「バカじゃねえの?」

 

「ね」

 

「うちのトップもトリニティのトップも思考回路は大して変わりませんね、特に将来設計がふわっふわなところとか……案外仲良くできるかもしれませんよ?」

 

「冗談でもやめてくれない?ていうかそういう酒泉君の方こそ進路とか決めてるわけ?言っとくけど〝まだまだ卒業まで時間残ってるし余裕~〟とか思ってたらあっという間だからね」

 

「んなもん言われなくても分かってますよ。ただ……まあ……正直まだなんも考えてないっすね」

 

「酒泉君だって人のこと言えないくらいふわふわしてるじゃん」

 

「仕方ないでしょ、真面目に将来の事を考えたのなんてガキの頃作文で書いた〝ぼくのしょうらいのゆめ〟以来なんですから」

 

「酒泉君の将来の夢……なに?クソボケ王?」

 

「なんですかその富名声力の代わりに女女女を手に入れてそうな王様は……違いますよ、もっとカッコイイ夢です」

 

「カッコイイ夢?どんなの?」

 

「……仮面ライダー」

 

「なにそれ」

 

「悲しき涙を仮面で隠す戦士のことさ」

 

 

 

 

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「それにしても……卒業かぁ……」

 

「なになに?やっぱり寂しくなっちゃった?」

 

「そりゃ寂しいっすよ……空崎さん、学校から居なくなっちゃうんですもん」

 

「……まあ、当然そっちだよね」

 

「時々でいいからOGとして顔見せにきてくれないかなぁ……」

 

「泣いて懇願すれば私が顔見せに行ってあげてもいいけど?」

 

「……確かに聖園さんの顔見たら泣いちゃいそうですね」

 

「……一応聞いておくけどどういう意味で?」

 

「目の前にゴリラモンドが現れたら誰だって死を覚悟するでしょ」

 

「うーん、とりあえず馬鹿にされてるって事だけは理解できたかなー」

 

「馬鹿にしてるどころかバチクソ恐れてますよ」

 

「……酒泉君ってさー、ほんっっっっっとうに私に対する態度変わらないよねー。そんなんだからいつまで経ってもキヴォトス冴えない男ランキング堂々の一位から抜け出せないんじゃないの?」

 

「誰がそんなランキング作った言ってみろ今すぐクレーム入れにいくから」

 

「今考えた」

 

「なるほど、道理で頭の悪そうなタイトルしてる訳だ」

 

「はー?私、こう見えても結構賢い方なんだけどー?」

 

「〝こう見えても〟か、自分を客観視出来てるじゃん褒めてやるよ」

 

「わーいうれしー……お礼に抱きしめてあげるね☆」

 

「やめてくださいしんでしまいます」

 

 

 

 

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「……ていうか俺が今更聖園さんへの態度変えたとしてアンタそれで喜びます?」

 

「まず気持ち悪さが勝っちゃうかな」

 

「俺もです……つーわけで俺がアンタに対して態度変える事は一生ありませんよ、卒業した後でも同じです」

 

「…………ふ、ふーん?じゃあ私だって卒業してもずっと酒泉君への対応変えないから」

 

「別にそれで構いませんよ、むしろ急に変えられる方が困ります……気持ちわりーし」

 

「……えへへ」

 

「……なんで笑ってんすか」

 

「んーん、なんでもない!」

 

「わけわかんねー奴……」

 

「で、話は戻るんだけどさー……酒泉君って本当にやりたいことないの?別にどんな仕事に就きたいとかじゃなくてもいいからさ」

 

「やりたいこと……あ、そういえば一つだけありました」

 

「なになに?」

 

「キヴォトスの外を旅行してみたいです(前世との違いとか知りたいし)」

 

「……なんか普通だね」

 

「普通が一番っすよ」

 

「普通じゃない人生送ってる癖に普通を語っちゃうんだ」

 

「は?ちょっとテロと爆発事故と世界滅亡の危機に巻き込まれただけだろ?」

 

「ちょっと?」

 

 

 

 

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「……で?結局酒泉君は将来の夢とかないの?」

 

「んー……特撮ヒーロー以外の将来の夢なんてなぁ……」

 

「こういう時は自分の趣味とか好きな物を思い浮かべるといいらしいよ?まあ、趣味を仕事にすると後悔するぞとも言われてるけど」

 

「自分の好きな物……あっ」

 

「お?何か浮かんだ?」

 

「……パティシエ」

 

「パティシエ?」

 

「パティシエになってめっちゃ美味いスイーツ作りたいっすわ、そんで自分で食べたい」

 

「……自分で食べるだけならパティシエにならなくてもよくない?」

 

「確かに……じゃあねーわ夢」

 

「えーつまんなー……」

 

「……そういうアンタだってどうせ何もないだろ」

 

「私?ちゃんと考えてるけど?」

 

「うっそだー……」

 

「ほんとだもーん」

 

「じゃあ何になりたいんすか?」

 

「んー……お嫁さんかな☆」

 

「……まあ、いいんじゃないすか?アンタ程の容姿なら引く手数多でしょ」

 

「え、きもっ……素直に褒めるなんてらしくないね、何か悪い物でも食べた?キモ川君」

 

「前言撤回だわ一生独身でいろブス」

 

「はああああああああっ!?私に対してブス!?その眼壊れてるんじゃない!?ていうかこんな可愛い子に会いに来て言う事がそれ!?」

 

「テメェがキモいとか言うからだろうがよああん!?それと俺は自分からアンタに会いに行ったことなんて殆どねーよ!今日だって呼び出されたから仕方なく会いに来てやっただけだ!」

 

「とか言って!呼び出される度にドキドキしてるくせに!本当は影で喜んでるんでしょ!」

 

「ゴリラからの呼び出しなんざ死刑判決以外の何物でもねえわ!俺がテメェにデレるなんざ例え世界線が違おうと有り得ねえんだよぉ!」

 

「はぁああああ!?そんな態度取っておきながらこうして素直に応じてる時点でとっくにデレてるでしょ!?でも残念でしたー!私は酒泉君程度に攻略されるほど簡単な女の子じゃありませーん!」

 

「テメェの攻略ルート探るくらいなら今すぐデータ全消去してゼロから空崎さんの攻略始めるねぇ!テメェは大人しく負けヒロインルートでも辿ってろや!」

 

「あ゛ー!?言ったね!?この前セイアちゃんに〝君はよくヒロイン争いに敗北してそうな声をしてるな〟って煽られたばっかなのに!酒泉君まで!」

 

「事実を言ったまでですぅー!大体アンタは容姿と声を抜いたら壊滅的な性格しか残って────」

 

「そういう酒泉君だって肉体の98%がクソボケニウムで構成されて────」

 

 

 

 

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──────

 

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……!」

 

「はぁ……はぁ……!」

 

「……ったく、結局今日も口喧嘩してるだけじゃないすか。卒業の話から大分逸れちゃいましたけど?」

 

「酒泉君が余計なこと言うのが悪いんだもーん」

 

「アンタが余計なこと言わなけりゃこっちも大人しく話聞いてるんすけどね……ん?」

 

「なに?急に言葉止めちゃって……気になる物でも見つけた?」

 

「いや、あれ……」

 

 

イーシヤーキイモー

 

 

「ああ、焼き芋屋さん?酒泉君って本当に甘い物に目がないよねー」

 

「眼ならめちゃくちゃ良い方ですが?」

 

「いやそうじゃなくて……って、行っちゃったし」

 

 

スミマセーン!ヤキイモヒトツクダサーイ!

 

ハイヨー、カノジョサンノブンハカワナクテイイノカイ?

 

 

「……」ピク

 

 

カノジョサン?ナンノコトデス?

 

ホラ!アソコニイルカワイイジョウチャン!アレニイチャンノカノジョサンダロ?

 

 

「……」ソワソワ

 

 

アア!アレハヤセイノトリニティピンクゴリラ!デンセツジョウノイキモノサ!

 

ヘー…デンセツッテ?

 

アア!

 

 

「……」ブチ

 

 

ハイ,マイドー

 

アザマース!

 

 

「…………」

 

「すんません、お待たせしましたー」

 

「ううん!全然待ってないよ☆……ところでその焼き芋、美味しそうだね!私も一口貰っていいかな?」

 

「えー……俺が買ったやつなんすけど……」

 

「お願い!本当に一口だけでいいから!」

 

「しょうがないなぁ……はい、一口だけで────半分食われた!?」

 

「はふっ……はふっ……んー!おいひー!」

 

「醜女テメええええええええええええ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

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