〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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もしもカヤに拾われていたら


番外編~落ちぶれカヤ~(超人ルート・未完結)
カヤと一緒に落ちぶれてえなあ!!?


 

 

「遅いですよ!一体どこをほっつき歩いてたんですか!?」

 

 

俺の目の前でピンク髪の女の子がプンプンと怒っている、信じられるか?元防衛室長なんだぜこの人

 

え?なんで〝元〟なのかって?色々やらかしすぎたんだよ………

 

孤児院を抜け出した時に拾ってもらった恩があるからとはいえ、まさかこんなところまで付き合う事になるとは思わなかったなぁ………あ、付き合うって別に男女のそれじゃないからね?そういう関係ではありませんからね?

 

 

 

「全く……同じ場所に住んでるのにどうしてここまで時間に差があるんですか……」

 

いやー……申し訳ないです……

 

「………まさか、また絡まれてたんですか?」

 

 

 

心配そうな表情で見上げてくる不知火さん、この人にこんな顔されると調子狂うんだよな………

 

ん?絡まれるって何のことかって?……まあ、色んな人達に恨みを買ってしまいましてね?主に市民とか

 

 

 

 

────いえ、絡まれてたわけじゃないですよ、腹が痛くてトイレに籠ってました

 

「なっ……!?もういいです!心配した私が馬鹿でした!」

 

まあまあ……そんな怒らないで……

 

「怒ってません!」

 

怒ってるじゃん

 

「怒ってないと言ってるでしょう!………はぁ、やはり貴方の相手は疲れますね……」

 

 

 

溜め息を吐いたかと思えば、呆れたかのような表情で再び見つめてくる

 

 

 

「それで?今日は何故私を連れ出したんですか?……も、もしかしてデーt───」

 

ん?ああ、半額セールに付き合ってほしくてですね……

 

「…………そうですか、貴方は超人である私に対してまた半額の品を食べさせるつもりなんですね?」

 

じゃあ不知火さんも働いてくださいよ……仕事も食事も全部俺じゃないですか……

 

「私に合った仕事が無い以上、仕方ないでしょう!」

 

 

 

なに大声でどこぞの元・キングみたいなこと言ってんだコイツ……

 

まあ、俺も恩返しでやってるみたいなところあるし、別に構わないんだけどさ────

 

 

 

「ほら……あの二人……」

「……で……防衛室長が……その時の汚職が……」

 

 

────っと……注目を集めすぎたか?

 

 

「……ふん、正面から堂々と文句を言うこともできない臆病者共が」

 

それ、暗躍してた不知火さんが言います?

 

「私はいいんですよ、口だけの奴等と違って行動に移したんですから」

 

そういう問題じゃない気がしますが……

 

「とにかく、あの程度の連中の罵詈雑言など私には全く────」

 

 

「折川酒泉なんてサーモバリック爆弾を使おうと……」

「人の良さそう顔をして………裏切って……」

「カイザーとも手を………良い子だと思ってたのに……」

 

 

 

 

「……っ、さっさと行きますよ!」

 

 

 

突然真顔で俺の手を引っ張る、痛い痛い痛い

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

……不知火さん

 

「……な、なんですかその眼は」

 

俺、カゴにコーヒーメーカーなんて入れた覚えはないですけど?

 

「…………」

 

………缶コーヒーで我慢しなさい!

 

「偶には贅沢をしてもいいじゃないですか!」

 

なら自分で働きなさい!

 

「私に合った仕事が無い以上、仕方ないでしょう!?」

 

 

 

さっきと全く同じ言い訳をしてくる、元防衛室長の姿か?これが……

 

……てか、そんなに買いたいなら自分で買ってください!生活費以外にも自由に使える金は渡してあるはずでしょう!?

「えっ!?そ、それは……」

 

 

不知火さんは何故か言い淀む

 

……まさか、またやったのか?

 

 

 

「……し、仕方ないじゃないですか!私ぐらいの人間になるとシャンプーもリンスも服もコーヒーも質の良い物しか受け付けなくなるんですよ!」

 

や、やりやがった……!数ヶ月前と同じミスをしやがった……!

 

「ミスではありません!必要経費です!」

 

まったく……考え無しすぎませんか?

 

「なっ!?私が無計画だとでも!?」

 

無計画ではないけど、計画立てても詰めが甘いっていうか……

 

「そんなはずはありません!ただ時の運が悪いだけです!」

 

 

ムキになって抗議してくるが、残念ながら俺からの評価は変わらない

 

 

 

「あの時だって、何者かがRABBIT小隊やシャーレに情報を流さなければ……!今頃こんな事には……!」

 

…………

 

「一体……一体誰が……!」

 

サ、サア?ダレナンデショウネ?

 

「ぐぬぬ………」

 

 

 

めっちゃ悔しそうに歯噛みしてる………仕方ないなぁ……

 

 

────二ヶ月です

 

「……はい?」

 

二ヶ月間、不知火さんへの小遣いを半分減らします

 

それでも良いなら買ってきますけど?

 

「に、二ヶ月ですか………うぐぐぐぐ……!」

 

 

さあ、どうする……?

 

 

「……いいでしょう、それで手を打ちましょう」

 

 

渋々といった感じで答える不知火さん

 

残念ながら無償で何かを得るなんて相当難しいことなのだ、ましてや今の俺達では有償でも難しい

 

……さて、そうと決まれば────

 

 

 

 

「……まだ何か買う物があるんですか?」

 

何って……ほら、そのコーヒーメーカーって豆と粉どっちもいけるやつでしょ?

 

粉なら家にあるけど豆は無いですし……ついでに買っときましょうよ

 

「……え?」

 

ほら、選ばせてあげますから

 

「………いいんですか?」

 

 

今さら萎らしい態度でおずおずと尋ねられる、どこでスイッチが切り替わるか分からないな……

 

 

「……ふ、ふん!貴方も自分の立場が分かってきたようですね!」

 

 

 

………本当に分からん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、半額にしては中々悪くない味ですね」

 

半額って大体期限ギリギリの物とかなんで、逆に言えばまだ食えるってことなんですよ

 

「………知ってますよ、そんなこと」

 

 

 

不知火さんは不貞腐れながらパクパクと食事を口に運んでいく、お気に召したようで良かった

 

そもそも期限ギリギリの肉だろうとこうして野菜炒めとかにして食っちまえば問題ないのだよ、火力isパワー

 

 

 

「……偶には優雅な食事を堪能してみたいのですが?」

 

だったら自分で作ってくださーい

 

「むっ……大体、なんでこんな庶民臭いアパートで暮らさなければならないのですか!」

 

だったら野宿でもしててくださーい

 

「ぐぬぬぬぬ……!」

 

 

 

 

この人も懲りないな……いい加減慣れればいいのに

 

ほら、食べ終わった後にデザートも用意してあるんで機嫌直してください

 

「デザート?」

 

カップアイスですけどね

 

「……私はチョコレート味を所望します」

 

ちゃんと買ってますよ……その代わり、皿洗い手伝ってくださいね?

 

「……………いいでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

「一番風呂は私からですからね」

 

 

隣で皿を拭きながらそう言ってくる不知火さん

 

俺は後でも先でもどっちでもいいし、特に文句を言ったりはしない

 

 

 

「それと、その間に────」

 

洗濯でしょう?分かってますよ

 

「────なら良いです………一応言っておきますが、私の服で変なことをしないように」

 

あーはいはい、それも分かってますよー

 

「……それはそれでムカつきますね」

 

どうしろと……

 

「適度に反応してください」

 

 

めちゃくちゃ面倒な事を言ってくるアホ毛ガールを無視して黙々と皿洗いを続ける

 

全て洗い終わったから水を止めて皿拭きを手伝おうとすると、不知火さんが突然俺の服の袖を引っ張ってくる

 

 

「……貴方は本当にこれで良かったんですか?」

 

……何がですか?

 

「だって……私の分の罪まで……」

 

ちょっとでも罪が軽い方が成り上がりやすいでしょう?

 

「…………」

 

 

 

 

……また始まったか

 

この人は連邦生徒会を辞めた日から度々ネガティブモードになることが増えた

 

その時だけは自信満々な態度も見慣れたドヤ顔も鳴りを潜めてしまう

 

 

 

 

 

……もう、アンタは余計な心配してないで未来の事だけ考えていればいいんですよ

 

可能な限り支える………それが今の俺にできる恩返しですから

 

「酒泉……」

 

 

 

 

………なんかスッゲー恥ずかしいこと言ってる気がしてきた

 

気分転換に不知火さんが風呂入ってる間に散歩でもしてこようかな

 

 

 

「……酒泉」

 

……はい?

 

「私が再びキヴォトスのトップに返り咲くまで………いえ、返り咲いた後もずっと────」

 

 

 

 

 

 

《お風呂が沸きました♪お風呂が沸きました♪》

 

 

 

 

 

 

 

 

───っと……もう沸きましたね……じゃあ、先どうぞ

 

「………ええ、行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

朝のアラームが鳴る前に何かを焼いているような音と若干焦げたような匂いに釣られて目を覚ます

 

目をこすりながら台所に向かうと、不知火さんが料理をしていた

 

そう、不知火さんが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────えっ!?不知火さんが料理!!?

 

「きゃっ……!もう、朝から騒がしいですね!?」

 

あ、すんません……じゃなくて!これはどういう……

 

「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか!………偶には手伝ってあげようと思っただけですよ」

 

 

そう言って照れながら料理を続ける不知火さん

 

そっか……成長したんだなぁ……!俺ぁ嬉しいよ……!

 

 

「……なんですかその顔は……ほら、さっさと座ってください、もう出来上がるので」

 

 

急かされるように座らされ、その後に幾つかの料理がテーブルに置かれる

 

そのまま待っているとご飯と一緒に箸を手渡される

 

 

 

「さあ……どうぞ」

 

では……いただきます

そうだな……まずは卵焼きから────なんか焦げてね?

 

「どうしました?食べないんですか?」

 

……いえ、じゃあ……んっ……~~~~~っ!?

 

「………ど、どうですか?」

 

……不知火さん、一口どうぞ

 

「えっ?」

 

とりあえず……はい、どうぞ

 

「なんなんですか、もう………しょっ!!?」

 

………

 

「なんですかこれ!?なんでこんなにしょっぱいんですか!?」

 

俺に聞かれても……塩と醤油を入れすぎたのでは?

 

「しかも何でこんなに焦げてるんですか!」

 

それは単純に強火で焼きすぎたんじゃ……

 

「まあ、超人である私にだって失敗はありますからね………味噌汁の方はちゃんと美味しくなってる筈です!」

 

 

 

そう言いながら味噌汁に口をつけると、不知火さんは微妙そうな顔をする

 

 

 

「……不味くは……ないですけど……何か違うというか……いつも酒泉が作ってる味噌汁よりも味が……」

 

……これ、お湯に味噌ぶっこんだだけでしょう?

 

「……?それが何か?」

 

いえ、別にそれでも全然構わないんですけど………味噌汁と言っても、ダシとか食材を入れるタイミングとか色々あるんですよ

 

旨味の出る食材とかだとダシを使わないこともありますし……

 

「一体どこのどいつがそんな面倒な作り方を……!これは改定する必要がありそうですね……!」

 

 

 

味噌汁一つの為に動く連邦生徒会ってなんだよ

 

 

 

「仕方ありません……とりあえずパックのお惣菜を出すので、今日はそれで我慢を────」

 

いやいや、これはどうするつもりですか?

 

「捨てるに決まってるでしょう、そんな失敗作など………」

 

んなの勿体ないですよ……食わないなら全部俺にください

 

「……こんな不味いものを?」

 

この後仕事がありますし、腹が膨れればそれでいいんで

 

それに………不知火さんが作ってくれたんで……

 

「………次こそは舌鼓を打たせてみせますから、覚悟しておいてくださいね」

 

 

 

不知火さんはそのまま無言で食事を再開し────

 

「マッズ………」

 

………無理しなくていいですよ

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「どうした?昼休憩だってのに随分しけた面して飯食ってんじゃねーか!」

いえ……料理の味付けを少しミスってしまいまして……

 

「……ん?卵焼きだけ?今日は弁当の具が少ねえんだな?」

 

味噌汁もありますよ、こっちのスープジャーに

 

「おお……なんか珍しいな、手作り弁当で味噌汁なんてよ」

 

まあ、そうでしょうね………んー……

 

「なんだ?そんなにミスっちまったのか?………その卵焼き、一口くれよ」

 

どうぞ

 

「サンキュ………うおっ、これは………」

 

……しょっぱいでしょ?

 

「流石にこれ食うぐらいなら途中でコンビニ寄った方が良かったんじゃねえか……?」

 

いやー……それはなんか悪いですし……

 

「……悪い?」

 

あっ

 

「誰かに作ってもらったのか?………まさか、愛妻弁当ってやつか!?」

 

はい!?

 

「おいおい何だよ!そういうことは先に教えてくれよー!奥さんに悪いこと言っちまったじゃねーか!」

 

いやっ、別にそういう関係じゃ────

 

「いつからだ?何年目?馴れ初めは?」

 

はあ…………もういいです

 

「ははっ……悪い悪い、そう怒んなって………そういやぁ、奥さんはよくこの会社で働くことを許してくれたな?」

 

奥さんじゃないです……まあ、伝えてないんで

 

「……は!?伝えてない!?」

 

はい

 

「おまっ……それ本気で言ってるのか?自分の働いてる職場の事ぐらい聞かれないのかよ?」

 

一度聞かれたことがありますけど、その時に誤魔化したんで……

 

「……ちゃんと伝えた方がいいんじゃねーのか?結構危険な職場だしよ」

 

……この職場、よく不良共に襲撃されますよね

 

「そりゃあ、この辺りの土地は上流企業様が不良共を追い出して買い占めた場所だからな。そのせいで自分達の居場所を取り戻そうと度々喧嘩を吹っ掛けにくるのさ」

 

でも、その不良共が土地の権利を持ってた訳じゃないんでしょ?逆恨み?

 

「だな……つっても、追い出すにあたってかなり強引な手段を使ったらしいからな。それも仕方ねーだろ」

その代わり金払いは結構いいですけどね

 

「ある程度の腕っぷしがあればどんな奴だろうと雇ってくれるからな………まあ、何にせよこんな訳ありの連中が集まる警備会社なんてとっとと辞めるに限るぜ?まだまだ未来のある若者なんだからよ」

 

……まあ、いずれはね

 

「なんか説教臭くなっちまったな………うしっ!じゃあ午後からも頑張るか!お前も愛する妻の為にもたっぷり稼がねーとな!」

 

だからそんなんじゃ────って、待ってください!話ぐらい聞いてくださいよ!?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰ってください!私達には救いの手も下らない同情も必要ありませんから!」

 

「不知火元防衛室長……いえ、カヤ。落ち着いてください、私達は話し合いに────」

 

「私達には話したいことなんてありません!私達の生活を邪魔しないでください!」

 

「カヤ、聞いて?リンちゃんは君のことを心配して───」

 

「うるさいっ!消えろっ!」

 

 

 

 

 

 

 

仕事から帰ってきたら不知火さんが玄関前で七神さんや先生と喧嘩してた、なんで?

 

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