〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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クソボケくんとナギちゃん

 

 

 

〝緊急速報!ティーパーティー・桐藤ナギサ、ゲヘナ生と熱愛か!?〟

 

〝ナギサ様が!?嘘でしょ!?〟

 

〝ゲヘナとトリニティって仲悪いんじゃないの?〟

 

〝流石にデマでしょ〟

 

 

「……ほら、言わんこっちゃない」

 

「……また噂が広まってるのか」

 

 

ナギサが酒泉へのアタックを続けて早数週間、トリニティのSNSでは度々〝桐藤ナギサ〟の名が上がるようになっていた

 

その度にセイアやナギサの付きの生徒が噂を消すために奔走していたが、それでも完全に証拠を消す事は不可能なため毎回僅かな噂が残るという状況に陥っていた

 

そしてその僅かな噂が積み重ね、多くの人々の目に留まり、また噂が───それの繰り返しだ

 

 

「……ナギちゃんは?」

 

「今日も彼の所だ」

 

「……ゲヘナ?」

 

「ああ」

 

 

ナギサは別に仕事をサボっている訳ではない、誰も文句を言えないほど完璧に仕事を終わらせてからいつも酒泉の元へ向かっている────だからこそ、下手に文句を言えない

 

……ミカとセイアだけはそれとは別に文句を言えない理由があるが

 

「もう何度も何度も止めてるのに……全然私達の話聞いてくれないよね」

 

「……仕方ないさ、そもそも彼女に何も話そうとしなかったのは私達なのだから」

 

 

 

後悔した、幼馴染みを裏切ったことを

 

後悔した、友に何も打ち明けず一人にしてしまったことを

 

二人がナギサの異変に気づいたのは最近になってやっとだった

 

それまではただ恋に恋い焦がれているだけの、珍しく年頃の少女らしい感情を露にしているだけだと思っていた

 

初めて〝おかしい〟と思ったのは彼女が強引な方法で折川酒泉に接近した時、しかしその時はナギサからの当たり強い言葉や彼女に対する罪悪感によって強く指摘する事ができなかった

 

 

 

「ナギサからの信頼を切り捨てたのは────私達自身だ」

 

「…………うん」

 

 

 

それが本当に恋心なのか───それを問えずにいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「おはようございます、酒泉さん……ふふっ、お迎えにあがってしまいました♪」

 

「……はい?〝通ってる学園が違う〟ですか?ええ、ですから酒泉さんをゲヘナ学園前まで送ってから私も登校しようかと……」

 

「……好きな人と手を繋ぎながら一緒に登校したいと思うのは変でしょうか?」

 

 

 

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「酒泉さん、本日のご予定は……あら、今から緊急出動ですか?それは残念です……あ!でしたら此方をどうぞ!」

 

「これですか?これは酒泉さんとお出掛けした時用に作ったお弁当でしたが……折角ですので持っていってください」

 

「……もし、誰かに尋ねられたら〝愛妻弁当〟と答えていただいても構いませんよ?」

 

 

 

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「本日もトリニティまでお越し下さってありがとうございます……はい?ミカさんとセイアさんですか?あの二人には酒泉さんが来る事は伝えていませんが……?」

 

「〝心配してるかも〟ですか?…………?えっと、でもあの二人は私達とは何も関係ありませんよ?」

 

「……それに、今更心配されても……いえ、なんでも」

 

 

 

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「お帰りなさい、酒泉さん♪……?はい、もう夕方ですけど……それが何か?」

 

「ええ、仰る通り酒泉さんが帰宅するまで玄関前で待っていましたが……いえ、ご心配なさらず。つい先程まで読書して時間を潰していましたので特に苦も────くしゅん!」

 

「……あ……そ、その……今のは聞かなかったことに……」

 

「お風呂……ですか?いえ、そこまで気を遣って頂かなくても────くしゅん!」

 

「……えっと……やはりお借りしてもよろしいでしょうか……?」

 

 

 

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依存の前兆

 

・自分の中の優先順位が変動して何よりも第一に考えてしまう

 

・依存相手(または物)の近くにいる時間が増え始める

 

・周囲からの評価や人間関係の変化に気づけなくなる

 

・周囲から依存を指摘されても聞き入れなくなる

 

 

 

 

────……ふーん

 

 

 

スマホをポチポチと操作しながら〝依存〟についての記事を読み漁る

 

今頃風呂から出て着替えてるであろうあの人にも当てはまる項目が幾つかあった、やはり〝そういう事〟で間違いないのだろう

 

「酒泉さん?何か悩み事でも?」

 

 

風呂上がりの桐藤さんがソファの後ろからひょこっと顔を覗かせてくるめっちゃいいにおいする

 

廊下から足音が聞こえてきた時点でスマホの画面は消してたから記事を見られる事はなかった……また、見られたところでこの人にその自覚があるのか分からないけど

 

 

────……ちょっと風紀委員の活動の事で悩んでて

 

「まあ……でしたら私が相談に乗りましょうか?少しはお力になれるかと」

 

────いえ、気にしないでください。大した問題じゃないんで

 

 

 

それよりも顔が滅茶苦茶近すぎるせいでめっちゃドキドキする、あとシャンプーのせいでめっちゃいいにおいがもっとめっちゃいいにおいする

 

着ているのが自分の服でよかった、これで桐藤さんが俺の私服を着替え代わりにしてたら俺の理性はマックスハザードオンでドンテンカンドーンテンカーンしてたかもしれない

 

こうして何度も直接会っていると前世の自分がどれほど二次創作のヒフキチナギちゃんに毒されていたのかが分かる、本物のこの人可愛すぎる

 

(こんなヒロイン力の高すぎる相手と)どうやって戦えばいいんだ!

 

理性を……奪われた……!

 

 

 

「そうですか……ところで酒泉さん、お夕飯はもうお食べになられましたか?」

 

────いや、これから作ろうと思ってたところです

 

「でしたら今日は私に作らせていただけませんか?お風呂をお借りさせてくれたお礼という事で……」

 

 

 

むしろ玄関前で待たせてしまった罪悪感から風呂を貸したのだが……ここで礼を拒むとかなり落ち込んでしまうというのは過去の経験から学んでいる

 

なので素直に〝お願いします〟と頼むと桐藤さんは表情を明るく光らせてキッチンへ向かった

 

足は小走りで進み、羽は嬉しそうにパタパタと小さく揺れている

 

……ここ数週間で何度も桐藤さんと会ってきたが、俺の疑問は依然変わらずモヤモヤと残り続けていた

 

美少女に急に惚れられるなんて前までの俺なら目から血涙を流して喜んでいただろうが、いざ実際にその状況になると困惑や恐怖の方がでもめっちゃいいにおいするし尻も重いから別にいっか

 

…………いやいやいやよくないよくない、このままでは桐藤さんが原作から大きく外れた行動をとってあれがそれでこれがこうなって原作崩壊してバッドエンドに繋がる可能性だってある(クッソ雑)

 

まあ、それ抜きにしても俺個人としては元のティーパーティーの関係に戻ってほしいとも思ってるし……それに、もしこれが本当にただの依存心だったとしたら恋愛的な意味で好きでもない男に尽くさせるのは非常に心苦しく思う

 

……もうそろそろいいか、確証は得られた────とまではいかないけど多分俺の予想は当たっているだろうから

 

次で〝最後〟だ、答え合わせをしてから全て打ち明けよう

 

 

 

 

────……ねえ、桐藤さん

 

「はい!なんでしょう────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────今週の土曜日、デートしません?

 

 

 

 





???「風紀委員会にはこんな歌があるわ。想い人を寝取られし風紀の長は900年を経て脳を再生し、90年を経て育乳を終え、9年を経て身長を伸ばし────9日を以て想い人を寝取り返す」

マコト「頼むから働いてくれ」
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