〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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最新ストーリー読んだ感想

・リオ再登場うれしい
・先生の弱音すき
・アインソフオウルちゃんかわいい、時械神とか使ってきそう


酒泉君と仮面ナギちゃん

 

 

 

 

デート場所に遊園地くらいしか思い浮かべない俺はやはり年齢イコール彼女いない歴の童貞野郎なのだろうか

 

でもこれが一番無難だし最善の選択よね、これで自分の趣味バリバリに表に出して特撮ショップなんて行こうものなら相手の子に引かれること間違いなし

 

服装も白の半袖Tシャツの上から黒のパーカー、ズボンも黒と極普通のファッションにしてきた

 

下手に気合い入れすぎても滑るだけだからな、この考えは前世で後輩ちゃんに女の子視点からモテるコツを聞こうとした時があったけど、その後輩ちゃん曰く〝カッコつけてる時の先輩は世界で一番ダサイのでいつもの先輩のままでいてください〟とボロクソに貶された経験から来ている

 

 

「酒泉さーん!」

 

 

ぼんやりと懐かしい思い出に浸っていると前方から桐藤さんの声が聞こえてきた

 

少々遅れますと連絡を受けてから十五分後に到着、桐藤さんは息を切らして……っ!?危ねえ!?

 

 

 

「お、お待たせしました!お仕事の方が中々終わらなくて……きゃっ!?」

 

────っと……大丈夫ですか?

 

「は、はい……ありがとうございます」

 

駆け寄ってくる際に躓き、前のめりに倒れそうになる桐藤さんを咄嗟に支える

 

……近くで見れば見るほど俺には勿体ない美少女っぷりだ、しかも今日はそれをより際立たせる私服で来ていた、白ワンピご馳走様です

 

 

「はぁ……申し訳ございません……待たせてしまった上にご迷惑をお掛けしてしまって……」

 

────こんなん待った内にも入りませんよ、むしろこの後の予定を考えるのに丁度良い時間でしたから

 

「……ふふっ、お気遣いありがとうございます」

 

 

宝物を扱うようにそっと丁寧に桐藤さんから手を離す

 

さて、互いに待ち合わせ場所に到着したしそろそろ行くとしますか

 

 

 

────桐藤さん、とりあえずどこ回るか決める前に先に入場しましょっか

 

「はい……酒泉さん」

 

────ん?

 

「その……手を……繋いでも……」

 

────……はい

 

 

 

めっちゃやわらかかった

 

 

 

 

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「あ、あの……これ……まだ上がるんですか……?」

 

────多分、そろそろ頂上だと思うんですけど……あ、止まった

 

 

 

きりきりきりと動き、ピタリと止まる

 

現在、俺達はジェットコースターに乗っております

 

この遊園地のジェットコースターは体が真横になりかけるくらい高い事で有名だが、別に事故ったりしない限り命の危機はないし怯えたりはしない

 

……が、桐藤さんはこういうアトラクションを体験する機会はあまりなかったのか、上から見える光景に小さくぷるぷると震えている

 

 

「こ、ここから落ちるんですか?少々……いえ、かなり高すぎる気が……」

 

────大丈夫です、シートベルトが急に外れたりしない限りは死にはしないんで

 

「ぶ、物騒な事を─────おおおおおおおおおおおおおおお!?」

 

 

 

ジェットコースターが急発進した事で桐藤さんの声は絶叫へと変わる

 

なんだろう、今まで押せ押せな桐藤さんばっか見てきたからこういう姿が新鮮に感じるな

 

あ、ちなみに桐藤さんは〝物騒な事を言わないでください〟って言おうとしたんだろうけどキヴォトスみたいな物騒な環境にある遊園地だとあり得なくもない話だぞ!

 

俺だってジェットコースターとは違うけど銃撃戦に巻き込まれてパンクした車に突っ込まれそうになったことあるし

 

 

 

「きゃあああああああああああああっ!!?」

 

────はっはっは、桐藤さんも気に入っていただけたみたいでよかったです

 

「そ、そういう訳ではあああああああああああああああ!!?」

 

 

 

上り坂で落ち着き、下り坂でまた絶叫

 

正直めちゃめちゃ楽しい、なんというか……〝素〟の桐藤さんとデートしてるみたいだ

 

 

 

「────あああああああああああああぁぁ……はぁ……はぁ……しゅ、酒泉さん。これは本当に人気アトラクションなのでしょうか……?」

 

────勿論っすよ、ちゃんと調べておきましたから……あ、それよりも桐藤さん、髪の毛めっちゃ乱れてますよ

 

「えっ!?あっ……そ、その……み、みないでくださ────」

 

────あ、それとこのジェットコースターもう一周しますよ

 

「────え?あ……きゃあああああああああああああっ!?!!?」

 

 

 

髪の毛を整えた側から再び風で滅茶苦茶にされる桐藤さん

 

再び落ち着く瞬間に〝この後もまだ一周分残ってますよ〟と伝えたら一体どんな表情をするのだろうか

 

当初の目的関係なく普通に桐藤さんの色んな表情を見たくなってきたな……よーし、このデートで依存心以外の感情をとことん表に出させてやる

 

ぐへへへへ!(心を)素っ裸にしてやるぜ!

 

 

 

 

 

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────桐藤さん、怖くないですか?

 

「ご心配なく、この空間にいる怪異の類いは全て偽物だと分かり切っていますから」

 

────そっすか……でも桐藤さん、さっきから俺の腕にしがみついてるその手が震えてるんですけど

 

「……武者震いです」

 

 

 

なんと、幽霊と戦うつもりなのか

 

ジェットコースターの次はお化け屋敷、やはり定番系のアトラクションは外れる心配がない

 

 

「し、しかし先程から何も出てきませんね……もしかしてこの部屋には何も────ぴぃっ!?」

 

 

床から突然起き上がったゾンビに驚く桐藤さん、鳴き声かわいっ

 

桐藤さんは俺の後ろに隠れたかと思えば背中からひょこひょこと顔を見え隠れさせている

 

 

 

「ゆ、油断したところで出てくるとは……姑息な手を……!」

 

────ぷっ……随分怯えてますね?いつものグイグイくる桐藤さんらしくないなぁ

 

「か、からかわないでください!大体、いきなりジェットコースターやお化け屋敷なんて最初から飛ばしすぎて────おや?」

 

 

 

どこぞの白き盾みたいな台詞を吐く桐藤さんを連れて部屋を進むと、その次の部屋は暗いトンネルのような道と繋がっていた

 

別れ道も曲がり角もない一直線、一見どこにも人が隠れられないように思えるが……

 

 

「こ、この部屋は安全そうですね────いえ、油断しては駄目です桐藤ナギサ!きっとここにも誰かしらが潜んで……!」

 

────はいはーい、独り言吐いてないで先に進みますよー

 

「あっ!?ま、待ってください……!」

 

 

 

一人でずかずかと進むと桐藤さんが小走りで後を追ってくる

 

道中もキョロキョロと前後左右を見渡して警戒しているところをみるにどうやら相当先程の驚かしが効いたのだろう

 

しかし先程も述べたがここにはどこも隠れられる場所はない、トンネルの天井も床も全て埋められている

 

何か仕掛けられるとすればそれは────〝壁〟とかだろう

 

 

「────え?」

 

 

トンネル内の壁に突如顔無しの怪物が映り、女性の悲鳴が響き渡る

 

それと同時に桐藤さんの足はピタリと止まって唖然と立ち尽くす

 

そう、なんとこのトンネル内は全て高画質モニターで出来ていました!つまり辺り一面をホラー一色の光景に塗り変える事も可能なのです!

 

 

「ぁ……あぁ……!」

 

────どうです?結構怖いで……っとお!?

 

「いやああああああっ!?」

 

軽くからかおうとしたらそれよりも先に桐藤さんが俺の腕を掴んで走り出してしまった、こんな時でも俺の事を忘れず引っ張ってくれるなんて……トゥンク

 

しかしこのモニター、本当にクオリティが高い。道中のモニター全てにそれぞれ種類の違う幽霊が映っている

 

上半身と下半身が別れた怪物に目が身体中に付いている怪物に髪が長いシンプルな幽霊に……待って目から血が垂れ流されてるペロロ様いんだけどあれだけ滅茶苦茶怖くね?

 

本当は他にもじっくりと観察していたかったが、桐藤さんに引っ張られている為それは叶わなかった、ちなみにこれが本物の幽霊とかだったらガチビビりして逃げ出してたと思う

 

 

 

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「マッキーマウチュだー!」

「こっちみてー!」

「ハハッ!」

 

 

ハハッ!……は著作権的に不味いですよ!?

 

……あ、でも確か前世でもうすぐ著作権が切れるみたいなニュースを……見た記憶が……

 

 

「まあ!大勢のお客さんがいらっしゃってますね」

 

────遊園地のメインイベントですからね……このパレードは

 

 

 

よくある船の上に乗ってのパレード、マッキーマウチュが子供達の声に答えて大きく手を振っている

 

船の甲板にはスタッフさん達が何人も乗っており、その全員が散水ノズルの付いたカラフルなホースを手に持っている

 

もうすぐ〝アレ〟が来るな……そろそろ準備しておくか

 

 

「マッキーマウチュー!こっちに水かけてー!」

「こっちもお願いー!」

 

 

 

「……はい?水?酒泉さん、あの方達は何を────きゃあ!?」

 

 

スタッフさんとマッキーマウチュがホースを上に向けるとそこから水が飛び出し、放物線を描いて此方側に降り注ぐ

 

散水が此方に直撃する寸前、事前に別のスタッフに配られていた小さな傘を展開して咄嗟に桐藤さんの肩を抱き寄せる

 

それでも全てを防ぐことはできず水しぶきがぱらぱらと顔に当たってしまったが……まあ、これはそもそもそういうイベントだし問題ない、それに服には直撃してないし

 

 

「び、びっくりしました……まさか急に……」

 

────ははは、すいませんね……先に説明しておくべきでしたかね?

 

「急に抱き寄せられるなんて……!」

 

 

そっちかい

 

 

「みてパパー!びしょびしょー!」

「ははっ!涼しそうになったな!」

 

「ぷっ……なんでそんな髪の毛濡れてんのよ」

「そっちこそ水当たりすぎでしょ!」

 

 

 

周囲では家族連れや友達連れ、種族違いのカップル達がわいわいとはしゃいでいた

 

こういう場だと何気ない事でもつい影響されてテンションが上がってしまう……学生の時は特に

 

 

 

────桐藤さん、どうする?このままもうちょいパレード見るか、それともそろそろお昼に……

 

「…………」

 

────……桐藤さん?どうかしました?

 

「あ、いえ……家族連れや恋人同士の方々が多いなと思いまして……」

 

────そっすね、土曜日なんで多分いつも以上に……

 

「その……私達も周りから見たら恋人のように思われているのでしょうか……」

 

 

 

……チョロくない、ちょっとドキっとしたけど俺はチョロくないぞ

 

 

 

 

 

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「お昼ご飯……とは言いましたけど……」

 

────まさか二人揃ってロールケーキを頼んでしまうとは……

 

 

 

デザートですらない、主食にロールケーキである

 

仕方ないじゃん、二人とも一瞬で目を奪われてしまったんだもん……この!虹色のロールケーキに!

 

ちなみに虹色というのは誇張でもなんでもなく本当に虹色の生地で出来ているのだ

 

多分、イチゴやメロンやオレンジ等のフルーツをそれぞれの色に該当する生地に使用しているのだろう……しかしご丁寧にクリームまで虹色だな

 

 

 

「では、頂きます……むっ、これは……!」

 

────ど、どうっすか……!?

 

「これほど密接にくっついているにも関わらずフルーツ同士の味が中途半端に混ざることなくしっかりと切り離されており、クリームもフルーツの味を隠すことなく程よく調整されています!」

 

 

 

目を輝かせながら語る桐藤さん、この人ロールケーキのことになるとめっちゃ早口になるよねかわいい

 

此方も自分の皿のロールケーキにフォークを刺して頂く────っ!!!こ、これは……!?

 

 

 

────馬鹿な……美味すぎる……!

 

 

 

なんだこれは……俺が今まで食べてきたスイーツの中でもトップクラスの美味さだぞ!?

 

己の胃袋が暴れ出し、舌が寄越せ寄越せと踊り狂う。細胞はぐつぐつと沸騰し、体の全てが食材に支配される感覚を覚える

 

俺のフルコースを聞かせてやろう……冥土の土産にな

 

うおォン、俺はまるで人間火力発電所だ

 

 

「…………」

 

────ん?なんすか?……桐藤さん、フォーク止まってますけど

 

「いえ、とても美味しそうに頂いてるなと思いまして」

 

 

 

桐藤さんが手を止めてジーっと此方を見つめてくる、ここまで見られてると食べづらい……が、それでもフォークが止まらない

 

いや本当に美味いなこのロールケーキ、個人的には桐藤さんのロールケーキが一番美味いと思ってるけどそれに近い美味しさを誇っている

 

……そういや、今日でこの関係を終わらせたらもう桐藤さんのロールケーキを食べられなくなるのか

 

それに桐藤さんと一緒に居るのも普通に心地好かったし、色々と寂しく────いやいやいや、決意を鈍らせるような事を考えるんじゃない

 

 

 

────……よし、決めた

 

「はい?何が……ですか?」

 

────いえ、こっちの話………あ、桐藤さん

 

「?」

 

────口元にクリームついてますよ

 

「…………!?」

 

 

 

 

 

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その後も色んなアトラクションを楽しんだ

 

コーヒーカップに乗った桐藤さんが力加減が分からず全力でハンドルを回したせいでキヴォトス人との力の差をわからされたり

 

メリーゴーランドに二人乗りしてたら背中に柔らかいナニカが当たってアトラクションを楽しむどころじゃなくなったり

 

観覧車に乗ってたら緊張のあまりちょっと変な空気になって、桐藤さんが何か言いかけた瞬間に一番下に戻ってきて結局何も聞けなかったり

 

よくゲームセンターに置いてあるようなガンシューティング……の魔法の杖バージョンのゲームで対戦してたら圧勝しすぎて桐藤さんが拗ねたり

 

 

 

「あら、もう空が……」

 

────16時27分……もうすぐ夕方ですね

 

「はい……あっという間でした」

 

 

 

時間が経つのが早すぎる、俺も想像以上に遊園地を満喫していたのだろう

 

……遊園地を出て帰路に着くまで、途中から当初の目的を完全に忘れていたぐらいに

 

それほど桐藤さんと二人で過ごす時間は楽しくて、最高で……別れが惜しくなってしまう

 

 

 

「……えっと、本日はデートのお誘いをしてくださって本当にありがとうございました」

 

────……いえ、こっちこそ一緒に来てくれてありがとうございました

 

「……その……この後のご予定は……?」

 

 

 

手を前で組みながら上目遣いで見つめてくる彼女はとても魅力的で、思わず男として手放したくなくなるほど愛らしくて

 

それでも俺は自分の行動を止めるつもりはないし、間違っているとも思わない

 

 

「も、もしよろしければ……もう少しご一緒に……」

 

 

 

この、おずおずと遠慮がちに袖をつまんでくる彼女の指から離れることになろうと

 

ぴとりと静かにくっついてくる彼女の肩を突き放すことになろうと

 

 

 

────……良いんですか?男にそんなこと言っちゃ勘違いされますけど

 

「……良いんです、勘違いではありませんから」

 

────そっか……でも桐藤さん、残念ながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────貴女のそれは〝恋〟じゃない

 

「……え?」

 

 

 

 

 

俺は、桐藤ナギサの〝仮面〟を破らなければならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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