〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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if世界~トリニティルート~その8

 

 

 

ヒヨリに狙撃の隙を与えまいとシスターフッドの生徒達が銃口を向ける

 

更に嫌らしいことに全員が同時に撃つのではなくヒヨリが銃を構えようとしたタイミング、そしてアツコがドローンを出そうとしたタイミングで撃ってくる

 

 

「皆さん焦らないでください、敵の手を潰してから確実に倒しますよ」

 

 

サクラコの統率により、一切の綻びなく確実に敵の体力を削っていくシスターフッド

 

 

「ま、また邪魔するんですかぁ!?」

 

「………っ!」

 

 

思うように行動できない二人は少しずつ追い詰められていく

 

「数が多い………一掃するよ」

 

 

一方でミネと戦闘中のミサキがその状況を何とかしようとミサイルランチャーを放つ

 

上空に放たれたそれはミネ達に降り注ごうと落下していき────

 

 

 

 

 

 

 

「はあっ!」

 

 

 

 

 

 

────次の瞬間、盾がミサイルに向けて投げつけられた

 

 

盾が一つのミサイルに直撃すると、他のミサイルを巻き込む様に爆発を起こす

 

 

「………は?」

 

 

それを呆然と見ていたミサキだったが、一瞬で意識を戻す

 

……しかしその一瞬がいけなかったのだろう、気付いた時にはミネが数歩先まで接近していた

 

ミサイルランチャーを投げ捨てて咄嗟に銃を構えようとするが、その腕をミネに掴まれる

 

 

「……っ!」

 

「この手首の傷………」

 

「はな……して!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら救護する必要がありますね」

 

 

ミサキの顔に拳が突き刺さった

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ……」

 

さっきと立場が逆転したな、錠前サオリ

 

一対一だと俺には勝てない……さっきの戦闘で薄々とそう感じていたはずだ

 

「……随分と余裕そうだな」

 

実際タイマンなら余裕……ってほどじゃないけど結構楽だったからな

 

「………言ってくれるな、だが私はまだ────」

 

それ以上動かない方がいい、アンタが〝ヘイローを破壊する爆弾〟を取り出すよりも俺の〝眼〟がアンタの動きを捉える方が早い

 

「────なっ………」

 

アンタの行動なんてお見通しなんだよ、その結論は予測済みだ………てね

 

ったく……そんな物騒なもん使おうとしやがって……聖園さんからの依頼はちょっと脅かすだけって言われてただろ?

 

「………」

 

何故知っているって顔だな?実は俺、この世界でこれまでに起こった出来事やこれから起こる出来事がある程度分かるんだよ

 

「これから起こる出来事………未来を知っているとでも言いたいのか?」

 

ああ、その証拠に幾つか当ててやるよ……まずは調印式襲撃の事なんてどうだ?

 

巡航ミサイルで開幕の花火を打ち上げてからアリウス生と亡霊共で楽しく愉快なパーティー、最後は巨大オブジェの登場で閉会……てとこか?

 

「……アズサから聞いた話をそれっぽく言っているだけだろう」

 

それならお前らの過去について話してやろうか?

 

「………何?」

 

例えば………そうだな、昔はアンタと戒野ミサキと槌永ヒヨリの三人だけで行動していたとか、秤アツコはロイヤルブラッドでマダムにとって必要な存在だとか

 

「………っ」

 

……まっ、別にアンタなんかに信用されなくても悲しくもなんとも無いけどな

 

だけど一つだけ教えてやる………このままだと秤アツコは死ぬぞ

 

「どういう意味だ……まさか!」

 

勘違いするな、別に俺達が殺す訳じゃない………マダムの儀式の生け贄にされるって話だ

 

「……そうならない為に、調印式を───」

 

言っておくがアンタらの計画が成功しようが失敗しようが結局あの女は秤アツコを殺すぞ

 

「────っなんだと!?」

 

あの女の目的は自身が〝上位存在〟に至る事、そこにアンタらの事情なんて関係ない

 

大体なぁ……痛みと恐怖で子供を支配するような大人が約束を守る確証なんてないだろ、それとも………まさか本当に逃がしてもらえるとでも思っていたのか?

 

「黙れっ!あの時、確かにマダムは約束してくれた!計画が成功したらアツコを解放してくれると───」

 

へえ?散々アンタらのことを痛め付けた奴の言うことをあっさりと信用するんだな?

 

まさに〝悪い大人に騙される可哀想な子供〟だな

 

「───っ!折川酒泉、貴様……!」

 

……なんだその眼は、睨みたいのはこっちだっての

 

アンタらのくだらねえ計画でトリニティの皆を傷付けようとしやがって……!本当ならこうしてボロボロの状態のアンタを何十回も何百回もぶん殴ってやりたいってのに……!

 

「ならそうすればいいだろう……!」

 

んなことしたら植え付けられた怒りや憎しみで道具の様に行動するアンタらと同レベルになっちまうだろうが

 

くそっ……白洲さんのような人もいるってのに、どうしてそれ以外のアリウス共は……!

 

「……アズサ」

 

今更名前を呼んでどうした………まさか、後悔してるのか?大事な仲間の手を汚させようとしたくせに後悔してるのか!?

 

「………」

 

ふざけるなよ………他者からの善意や絆を切り捨てておきながら後悔だと!?

 

いいか!?元はと言えばアンタらが聖園さんの善意を利用したりしなければこんな事にはならなかったんだ!

 

最初はアンタだってトリニティとの和解を望んでいたんだろ!?その為に白洲さんをトリニティに送ったんだろ!?

 

「………そこまで知っているのか」

 

それなのに……その白洲さん本人に人を殺させようとしやがって……!

 

「……計画を持ち込んできたのはミカからだ」

 

それをねじ曲げたのはアンタらだろうが!誤魔化してんじゃねえ!

 

はぁ……はぁ……何も失わずに自分達だけ助かると思うなよ……!

 

「………何をする気だ」

 

……俺には幾つか選択肢がある、まず一つ目はマダムに秤アツコを引き渡すことで調印式襲撃を見逃してもらうという選択

 

「なっ!?」

 

アンタだって秤アツコを救う為に調印式を襲撃してシャーレの先生を殺そうとしてたんだ、俺がトリニティを救う為に秤アツコを殺したって文句無いだろ?

 

「ふざけるな……そんな事をさせると────」

 

そのふざけた選択をアンタらだってやろうとしただろうが!

 

「────っ!」

 

………二つ目はアンタと秤アツコが儀式の生け贄にされる前に俺が内密に殺すこと、ただこれだと巡航ミサイルを撃ち込まれる結果を変えることができない

 

「………」

 

………そして三つ目はトリニティで秤アツコを保護して全員でマダムを倒しに行く選択肢だ

 

「……は?」

 

メインプランに必要なロイヤルブラッドがトリニティに居れば迂闊にミサイルをぶっ放すことはできない

 

そしてその間に残ったアリウススクワッドのメンバーがマダムの所まで案内する、サブプランのアンタを連れていけばあのオバサンも逃げないだろ

 

「……何を企んでいる」

 

……百合園さんを襲撃した犯人も聖園さんが立てた計画もまだ一部の人達しか知らない、かといって完全に事件を揉み消してお咎め無しにするつもりもない

 

聖園さんにもアンタらアリウススクワッドにも〝悪い大人に脅された可哀想な生徒〟として捕まってもらう

 

「……あいつの為、か」

 

どうする、錠前サオリ………これ以上の譲歩はできないぞ

 

アンタらにも事情があるのは分かってる、だけどアンタらを赦すつもりも無償で救うつもりもない

 

自分達を救えるのは自分達だけだ、その為にはマダムと戦うしか道は無いんだ

 

「マダムと………」

 

さあ、どうする?……まあ、断ったとしてもアンタじゃ俺には勝てないが……

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……本当にアツコを救えるんだな?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「キヒッ………キケケケケケケ!ついに来たかぁ!?」

 

「ど、どうしたのですか?ツルギ……」

 

「ハスミ、ティーパーティーの護衛部隊を二隊ほど残して委員会の連中を全員呼んでこい………コハルもだ」

 

「え……?で、ですが……彼女は……」

 

「心配するな、全て終わる」

 

「………え?」

 

 

 

──────────

 

 

 

「うふふ……♡失礼します♡」

 

「へえあ!?み、水着!?なんで!?」

 

「古関先輩、貴女にお話があってここまで来ました」

 

「む、無視?………って、そ、そんなことよりも私と酒泉さんの部屋に勝手に入らないでください!」

 

「その酒泉君の為にも貴女の知識をお借りしたいのですが……♡」

 

「………へぁ?」

 

 

 

──────────

 

 

 

「な、なんだか騒がしくなってきましたね?」

 

「………」

 

「……アズサちゃん?」

 

「……ごめんヒフミ、ちょっと出掛けてくる」

 

「え?ア、アズサちゃん?もうすぐ先生が来ちゃいますよ!?」

 

「そのうち戻るって伝えておいて!」

「ええ!?そんな大雑把なっ!?」

 

 

 

──────────

 

 

「貴女がティーパーティーのナギサ様ですか!ご安心ください!自警団の《スーパーウルトラハイパーヒーロー》の宇沢レイサと、自警団の《走る閃光弾》のスズミさんが来たからにはもう誰にも触れさせはしません!」

 

「その……申し訳ありません……」

 

「ふふっ……元気なのは良いことですよ」

 

「………ところでレイサさん、さっきの呼び名は……その……」

 

「あれは酒泉さんが考えてくれました!」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

 

「……あっ、セイアちゃん」

 

「やあ、丁度いいところで会ったね」

 

 

トリニティ総合学園の廊下で二人の少女がすれ違う

 

片や目の前の少女を傷付けようとした者、もう片や目の前の少女のせいで危うく命を失いかけた者

 

 

「丁度いい……?私、暇じゃないんだけどなぁ……」

 

「まあ、そう言わないでくれ……酒泉のことで話がしたかっただけなんだ」

 

 

酒泉という名前を聞いた瞬間、ミカがピクリと反応する

 

しかしセイアはそんなことなど気にせずに喋り続ける

 

 

「できれば今すぐにでも話したいのだが……」

 

「………死んじゃった子の話なんかして何の意味があるの?」

 

「そうそう、その死人君から連絡が来たんだ」

 

「………え?」

 

「とりあえず事情を説明するから準備をしながら聞いてくれ………君の力が必要になるからね」

 

「ま、待ってよ!準備って何の……」

 

「ミカ……この戦い、事が更に大きくなる前に………シャーレやゲヘナを巻き込む前に終わらせる」

 

「さっきから何を言ってるの?ちゃんと説明してよ!?」

 

「………ミカ、彼はこう言っていたよ。〝全ての責任を大人に背負わせる訳にはいかない、子供には子供の責任がある〟と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ………君の責任を負う時だ、ミカ」

 

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