〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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おはなししました・現在

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

「……ハスミと話し合うんじゃなかったのか?」

 

「今はまだ俺が動く時ではありません」

 

 

この男、格好つけてこんな事を言っているが要するに気まずくて声を掛けられないだけである

 

つい先程食事を終えたセイアと酒泉、食事の準備を担当した二人は後片付けの仕事を先生とハスミに任せ、自分達はビーチチェアに座って休んでいた

 

そんな彼は心身休めるどころか先程から何度も忙しなくハスミにチラチラと視線を向け、目が合いそうになれば咄嗟に視線を外すという行為を何度も繰り返している

 

もしこの場にエ駄死担当大臣が居れば視線の意味を勘違いして〝ハスミ先輩をイヤらしい目で見てるんじゃないわよ!死刑!〟と言われていたかもしれないが、勿論酒泉にその意図は全く無い

 

……なんならハスミの方も酒泉に視線を送っては外すという行為を繰り返している、今の酒泉にそれに気づける程の余裕は無いが

 

 

(あー……完全に余計なこと言ったなー……)

 

 

セイアに〝今の聖園ミカ〟と話し合ってほしいから、その為の条件を自分から言い出した事を酒泉は後悔していた

 

ゲヘナの生徒が散々やらかした後で果たして自分なんかと話し合ってくれるのか、よりにもよって今日暴れてくれやがったなというテロリスト達への怒りと共に悩みも抱えていた

 

 

(これは長期戦になりそうだな……)

 

「どこに行くつもりだ?」

 

「ちょっと散歩してきます、聖園さん達がヨット点検から帰ってくる前には戻るんで心配しないでください」

 

 

ビーチチェアに背を預けていた酒泉は面倒そうに身体を起こし、気分をリセットする為に一人でミカ達が向かった方角とは反対の方へ歩きだした

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 

 

 

 

(百合園さんもあんな警戒しなくてもいいのに……なんて、軽々しく言えるわけないよな)

 

 

ビーチを適当に歩いていると偶々岩場まで辿り着いた

 

考え事をするには最適な静けさ、暫くここで呆けていたいがあまり長いしすぎると先生に心配を掛けてしまうだろう

 

特に百合園さんは聖園さんと二人きりになるのを避けたがっているし、面と向かう覚悟が決まるまでは俺がサポートしてやらないと

 

(……一応、桐藤さんとは普通に会話出来てるっぽいけど)

 

 

〝ナギサが勝手に仕事しようとしないか私が見張っておこう〟と言ってたし桐藤さんと関わる分には問題無い筈だ、百合園さん的には何かされた相手ってわけじゃないし当然だろうけど

 

むしろ桐藤さんを置いて姿を眩ます事に罪悪感を抱いている様子だったが、あの時は百合園さんだってそうせざるを得ない理由があったのだから仕方ないだろう

 

……なーんて言っても本人は納得しないだろうな、だからこそ桐藤さんを休ませる為のバカンスに参加してる訳なんだし

 

 

「……いや、マジで腹が立ってきたな」

 

 

勿論聖園さんにでも百合園さんにでもない、こんな大事な日に……桐藤さんを休ませようって日にトリニティで暴れやがった温泉開発部と美食研究会に対してだ

 

他人の土地に勝手に穴空けようとしたり他人の食料を強奪しようとしたり、よくもまあ他校であんな馬鹿げた事をやらかせんな……いや自校でも駄目だけどさ

 

羽川さんに対して〝全てのゲヘナ生が悪い奴だと思うな〟とは言ったが……あんだけ理不尽な目に遭わされたらそりゃ偏見に呑まれますわ

 

もし仮に俺に前世の記憶がなくて原作やらキャラクター設定やらを知らなければ、トリニティの生徒の性格とかを把握出来ていないその上でトリニティ生がゲヘナで暴れまわったら

 

その時は俺だって〝トリニティの連中はこんな奴ばっかなのかよ!〟とか愚痴ってたかもしれない、そう考えたら俺もすぐ喧嘩腰にならず羽川さんの意見もある程度尊重した上で〝こんな人ばかりじゃないんですけどね〟ってやんわり伝えた方が良かったのかもしれないな

 

ゲヘナ嫌いの人が二回も連続でゲヘナ生に迷惑を掛けられている状況下でゲヘナ生の俺が簡単に買い言葉するべきじゃなかった、それは確かだ

 

でも……

 

 

「────だからってこんな人気の無いところで恨みを晴らそうとしなくてもいいじゃないですか、羽川さん」

 

「……そこまで恨みを抱えている訳ではありませんよ」

 

 

心の中での独り言としてではなくハッキリと〝背後の人物〟に向かって告げる

 

返ってきたのは羽川さんの声、予想通りだ

 

 

「食後の片付けは?担当は先生と羽川さんだった筈ですけど……ああ、もしかしてそれも代わりにやれって言いに来たんですか?何でも言う事を聞くって約束、まだ使ってないですもんね」

 

「……違います、片付けなら先生に任せてきました」

 

「……先生一人に仕事を任せてする事が嫌いなゲヘナ生と二人きりになる事だなんて、羽川さんも結構な変わり者ですね」

 

「先生に〝一度二人で話し合ってきな〟と言われたので仕方無くです」

 

「……先生が?」

 

 

俺と羽川さんの仲の悪さを見兼ねての提案だろうか、確かに俺自身どこかで話し合いたいとは思っていたが……まさか羽川さんの方から接触してくるとは

 

 

「……仲直りしろって事なんすかね」

 

「……いえ、話し合えとしか」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

いや気まずっ

 

ついさっきまで遠慮なく罵り合っていた相手とどんな話をしろというのか、もしこれが小学生同士の悪口の言い合いとかだったら「ごめんね(半ギレ)」「いいよ(半ギレ)」で解決出来たかもしれないが……

 

 

「……そっちから声を掛けてきたんですからそっちから何か言ってくださいよ」

 

「先に話しかけてきたのは貴方からです、私はただ後をつけていただけですので」

 

「話す為に後を追ってたんならやっぱり羽川さんの方から何か言うべきでしょ」

 

「……」

 

「……」

 

 

……いや、今のは無茶振りが過ぎたな、俺だって何話したらいいのかわかんねえもん

 

羽川さんも先生に言われて渋々来ただけで本気で仲直りしたいなんて思っていない筈だしな、そら極力話したくないだろうよ

 

 

「……貴方は、その……スイーツがお好きだと先生から御伺いしました」

 

「……え?」

 

「そ、そうなんですか……?」

 

 

羽川さんから話題を振られた時、俺は目を丸くした

 

正直驚いた、まさか羽川さんからアクションを起こしてくれるとは……てっきり顔も見たくないレベルで嫌われているものかと

 

 

「……まあ、そうですね。甘いもんは全部大好きですよ」

 

「……よくトリニティに現れるのもスイーツの為ですか?」

 

「はい、トリニティは色んなスイーツ店がありますからね。限定販売品の情報とか追っていると自然とトリニティの情報多めになってしまうんですよね」

 

 

勿論トリニティに限らずミレニアムだろうとゲヘナだろうとスイーツ店は存在する、しかしお嬢様校だけあってかそういった女子高生受けしそうなお店はトリニティの方が圧倒的に種類が多い

洋菓子を買うならトリニティ、和菓子を買うなら百鬼夜行がオススメだと個人的に思っている

 

 

「なるほど、道理で限定品を狙っている日に限って貴方と出会しやすい筈です」

 

「あー……確かによく会いますよね、話したことはありませんけど」

 

「……やはり気づいていたのですね」

 

「まあ、あんだけ睨まれたらそりゃあ……ねえ?」

 

「わ、私だって好きで睨んでいる訳ではありません!ただ、その……毎度毎度狙ったかの様に私の前で売り切れにされるのでつい……」

 

「別にわざとって訳じゃ────ん?待ってください、羽川さんが俺に当たり強くしてる理由って……もしかしてそれが原因だったりします?」

 

「…………」

 

「えぇ……」

 

 

まさかの大当たり、図星を突かれた羽川さんはぐぬっと口を閉ざして目を逸らした

 

「し、仕方ないでしょう!?まさか28回も遭遇して同じ事を繰り返されているのにただの偶然だなんて!そうすんなりと受け入れられませんよ!」

 

「にしたって被害妄想拡大しすぎでしょう!?たった28回行く店が被ってたった28回時間帯も被ってたった28回買いたい物も被ってたった28回ほぼ同じ列に並んでたった28回目の前で売り切れさせちゃっただけじゃないですかごめんねそりゃ勘違いするわ!!!」

 

「でしょう!?」

 

 

なんだよこの偶然、偶然っていうかあまねく奇跡だろこれ

 

俺がトリニティで〝この人よく見かけるなー〟とか呑気に考えていた裏でこんな最悪な勘違いが発生していたとは……

 

 

「て、ていうかそんなに買いたきゃ俺より早く並びに行けばいいじゃないですか!なんでトリニティで暮らしてるのにゲヘナの俺より並ぶの遅いんですか!」

 

「平日は正義実現委員会としての仕事がありますからそう簡単に本部から離れる訳にはいかないんです!……ゲヘナ程ではないにしろ、トリニティにだって話を聞かない暴徒は居るんです」

 

「そりゃあ……どの学園にもそんな奴は居るでしょうね」

 

「というよりもどうして貴方は風紀委員の仕事があるであろう平日でも私より早く並べているんですか!?ゲヘナの治安を考えればそんな短時間で終わる様な仕事内容ではない筈でしょう!?」

 

「んなもん暴れてる連中速攻でぶっ飛ばせば問題無いでしょ」

 

「か、軽々しく言ってくれますね……!」

 

……つっても、速攻でぶっ飛ばして尚ギリギリで限定販売スイーツを買えてるんだけどな

 

販売日、整列開始時間、トリニティ行きのバスや電車の時刻表、それら全てを調べあげる

 

そして定時になった瞬間速攻でトリニティに向かう為、スイーツの販売日は暴徒制圧等の外回りの仕事に専念する、因みにこれ等は全て空崎さんから許可を得て行っているし、俺の先輩達も大体事情を察して〝お前この日スイーツの発売日だろ?〟と言って事件の後処理を代わってくれたりする

 

お陰で俺は後処理の事を考えず次の戦闘に専念出来るし、報告書を書く為に本部に戻る必要も無い……勿論、俺もその分全力で暴徒共の相手をするし定時ちょっと前に事件が起きれば残業だってするが

それでも個人的には書類仕事より肉体労働の方が圧倒的に楽なので先輩達からの心遣いは本当にありがたい

 

 

「羽川さんも他の部員達に相談して協力してもらっては?例えばスイーツの販売日だけ出勤日を代わってもらうとか」

 

「し、私欲を優先して周りに負担を掛けるなど……それに副委員長の業務の中には代わりが効かないものもありますし」

 

「じゃあもういっそ出勤時間をずらすのは?スイーツ買ってから出勤するとか、出来るだけ早めに食べたいってんならもう現地で食ってから……いや、それだけはないっすね」

 

「そうですよ、だって────」

 

 

 

「極上のスイーツってのは残った仕事を全部終わらせた後、何の気兼ねも無くなってから食べたいですもんね」

「極上のスイーツというものはなるべく仕事を全て片してから、何の気兼ねも無くゆっくり堪能したいですから」

 

 

 

「……お?」

「……おや?」

 

 

互いに目をぱちくりと開いて見つめ合う、ここに来て珍しく意見が一致した

 

「……やっぱそうですよね、こういうのは全部終わった後のご褒美に取っておくのが基本ですよね」

 

「ええ……とは言え、私の場合はどうしても我慢出来ずその場で……というパターンが多いですが」

 

「そういう時は常に軽食を持ち歩いてるといいですよ、我慢しすぎると逆に反動で食欲を抑えきれなくなりますから」

 

「し、しかし……それではカロリーが……!」

 

 

互いの意見が一致した瞬間、ほんのちょっぴりだけ歩み寄れた気がした

 

その証拠に此方から普通に話を振ってみたら羽川さんも普通に言葉を返してくれた……その代わりカロリー問題という女性にとってはそこそこ重そうな悩みを聞かされてしまったが

 

 

「体重なんて仕事してれば勝手に減っていくと思いますけど……さっき羽川さんも言ってたじゃないですか、ゲヘナ程ではないにしろトリニティにも暴徒は居るって。肉体労働するのはほぼ確定みたいなもんじゃないですか」

 

「……それを上回る量のカロリーを摂取してしまった場合は?」

 

「…………もう食費を全部お宅らの委員長に預けるしかないんじゃないっすかね、そんで食費を取り戻そうとする度にボコしてもらうとか」

 

「私の命が持ちそうにないのですが」

 

「肥えるか死ぬかの二択ってだけですよ」

 

「くっ……自分は太る心配が無いからって好き勝手言って……!」

 

 

恨みがましい視線を向けられるがこればかりは体質なので仕方無い、他に要因を考えても風紀委員会で仕事してる内に勝手に痩せてくからとかしか思い浮かばないしな

 

 

「つーか、羽川さんがそこまで気にする話ですか?太る太らないって……俺から見たら普通の体型にしか見えませんけど」

 

「………さっき〝デブ〟だの〝親方〟だの言いたい放題言ってませんでしたか?」

 

「あれは俺もつい反射的に言っちゃっただけで…………いえ、すみませんでした、少なくとも話した事もない女性に吐くべき言葉ではなかったですね」

 

「……い、いえ。私の方こそ申し訳ありませんでした。ゲヘナの生徒に二度も騒ぎを起こされてしまったとはいえ、同じゲヘナ生だからというだけで貴方にも当たりを強くしてしまいました」

 

 

言い訳染みた事を言ってしまう前に素直に頭を下げて謝罪すると、羽川さんもこれまた改まって頭を下げ返してきた

 

なんというか……どっかの馬鹿共が暴れたせいでちょっとタイミングが悪くなってしまっただけで、割と普通に話が通じるんだなと思った

 

 

「その、なんていうか……ガキすぎましたね、自分」

 

「いえ、元はと言えば私が頭に血を昇らせすぎて貴方からのアドバイスを無視してしまったのが発端ですので……」

 

「……」

 

「……」

 

「……じゃあ、とりあえずトリニティ生の私有地で問題起こしたゲヘナの馬鹿共が全部悪いって事にしましょうか」

 

「そう、ですね……」

 

 

呆気ない幕切れ、しかし確かに和解は出来た

 

……なんだ、こんなあっさり話が済むならもっと早くこっちから声を掛けておけばよかった

 

 

「……そういえば羽川さん、来週の土曜日にトリニティの焼き菓子店〝ワチャチャファイヤー〟で新作出るの知ってます?」

 

「ええ、それが何か?」

 

「自分その日は17時頃に買いに行く予定なんですけど、もしまた時間帯が被りそうなのが嫌ならちょっとずらそうかなーって」

 

「い、いえ!そこまでしてもらわなくても結構です!今までのは全てただの偶然だったと判明しましたので……」

 

「そうですか」

 

「……それにしても17時頃に買いに行くとは、スイーツ好きの貴方にしては随分遅いですね」

 

「あー……その日はちょっと面倒な仕事が入りましてね、そこそこ大きい不良グループ潰しに行かなきゃならないんですよ」

 

 

しかもその不良グループ、ゲヘナの各地にこじんまりしたアジトを複数構えているときた

 

基本一ヶ所に留まる事はなくアジトからアジトを転々とし、メンバーもそれぞれ幾つかの部隊に別れて行動している

 

誰か一人でも逃してしまうと他のメンバーに連絡が行って姿を眩まされてしまう、そこで空崎さんの提案により大規模な同時制圧作戦が決まった

 

……あーあ、17時頃だと新作は売り切れてる可能性が高いだろうなー

 

 

「……貴方さえよろしければ、貴方の分も私が確保しておきますが」

 

「……え?羽川さんが?俺の分を?」

 

「はい……嫌というのでしたら、別に断っても────」

 

「───っ嫌じゃない!全然嫌じゃないです!お願いします!」

 

 

つい勢い余って前のめりに頼んでしまう

 

ここに来てまさかの提案、それも羽川さんの方から。先程まで喧嘩していたというのもあって困惑より歓喜の方が勝った

 

 

「帰る前に必ずお金渡しとくんで!えっと……俺とプラナとシロコさんと……プレ先の御供えで……四個お願いします!購入制限があった場合は可能な限りで大丈夫なんで!」

 

「……いえ、お代は結構です。これは私の八つ当たりの御詫びも込めてですので」

 

「そうはいきませんよ、それにこっちが買い言葉しちゃったせいで話が拗れたのも事実なんですから……そうだ!じゃあ金が受け取れないってんなら今度会うときにゲヘナのスイーツ持ってきますよ!」

 

「ゲヘナの?」

 

「はい、こっちにもトリニティに負けないくらい美味しい甘味が沢山ありますから!」

 

「……では当日はそれと交換という事で」

 

 

羽川さんと仲直り出来ただけでなくプラスでスイーツまでゲットできちまうなんて……やっぱ対話って大事だわ、キヴォトスにもダブルオークアンタを用意しよう

 

……ダブルオーならミレニアムに居るんだけどな

 

 

「ふふっ……そんなに甘味がお好きなんですね」

 

「……うぇ?」

 

「いえ、喧嘩していた時からは考えられないほど笑顔で詰め寄られたものですからつい……」

 

「あ……い、いやぁ……お恥ずかしいところを……」

 

「お気持ちは分かりますよ、私も楽しみですから」

 

 

だよな……嬉しい事を想起して笑顔になるのなんて皆当たり前だもんな

 

いやー楽しみだなー!ワチャチャファイヤーの新作!

 

 

 

「大判焼き!」

 

「ベイクドモチョチョ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ベイクド……モチョチョ?」

 

「大判焼き……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

〝俺は羽川さんと仲良くなる……までいけるかは分かりませんけど何とか折り合いをつけてみます、だから百合園さんも聖園さんと二人きりで話し合ってください〟

 

 

 

「────とは言っていたが……トリニティ生同士ですら裏切り合うというのに、果たしてゲヘナとトリニティの生徒がそう簡単に和解出来るものなのか」

 

「……おっと、噂をすればとやらだな。さて、二人の様子は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だーかーらー!あれは大判焼きですって!今川焼きとか回転焼きならまだしもベイクドモチョチョだけは絶対にあり得ませんって!」

 

「いいえ!あれはベイクドモチョチョです!私がよく通うお店ではベイクドモチョチョとして扱われていましたし、それに最近では商品名を〝ベイクドモチョチョ〟に変えているお店だってよく見かけます!」

 

「そんなの〝ベイクドモチョチョ〟って言葉が流行りだしたからそれに乗っかってるだけでしょ!それにトリニティでは大半のお店が〝○○焼き〟表記ですよ!」

 

「そ、そんな筈はありません!ベイクドモチョチョ派だって沢山居ます!」

 

「居ません!全て幻覚です!」

 

「…………いいでしょう、そこまで言うのであれば実際に確かめてみましょう!今度トリニティのスイーツ店を二人で巡り、貴方の言う〝○○焼き〟より〝ベイクドモチョチョ〟の方が多かったらその時は素直に謝罪してくださいね!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……仲直……り?」

 

 

 

 

「だいたい〝モチョチョ〟ってなんですか〝モチョチョ〟って!」

 

「そ、それは……ほら!生地がモチョォっとしてるから────」

 

 

 




オマケ~ティータイムでの一幕~


ハスミ「ミルクティーのミルクは紅茶の後に淹れます!」
ナギサ「いいえ!ミルクが先です!」
ハスミ「後!」
ナギサ「先!」
ハスミ「後!」
ナギサ「先!」



ギャーギャーワーワー


ハスミ「はぁ…はぁ…埒が明きませんね……!」
ナギサ「ぜぇ…ぜぇ…こうなったら皆さんにも意見を───」


酒泉「先生知ってます?コーラと牛乳って合体させると結構美味いんですよ、だったら多分ミルクティーでもいけますよね」ダバダバダバー
先生「よくこの空気でやろうと思えたよね」
酒泉「おっ、意外といけんな」


ナギサ「」
ハスミ「」

イチカ「し、死んでるっす……!?」
セイア「目の前の現実を受け入れる事ができず死を選んだか……」
ミカ「(酒泉君のコップ……!?)そ、そんなに美味しいなら私もちょっとだけ飲んでみよっかなー?」
酒泉「は?自分で作れよ」
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