〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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俺と美咲と前世の話

 

 

 

 

 

「……歓迎会?」

 

「おう、美咲がうちに来た時にやろっかなって」

 

 

相変わらずつまらなそうにベッドの上で寝ている美咲に尋ねると、美咲は〝はぁ〟と薄いリアクションを示す

 

歓迎会、これはシロコさんやプラナさんを迎え入れた時もやったけど別に大層なパーティーを開く訳ではない

 

 

「なんか食いたいもんとかあるか聞いとこうかなって、当日はそれ多めに作るからさ」

 

「別にそこまでして頂く必要は……ていうか先輩って料理できるんですか?」

 

「前世に比べたら大分出来るようにはなったぜ」

 

 

家事なんて全部一人でやってきたし、嫌でも得意になるしかなかったからな

 

……まさか学生の内から主婦みたいな生活を送る羽目になるとは思ってもいなかったけど

 

 

「では、お言葉に甘えて……その────」

 

「ああ、先に言っておくとイカの塩辛はちゃんと用意しとくからな!しかもちょっと高めのやつ!だからそれ以外の食べ物を────へぶっ!?」

 

「ちょっと黙っててください」

 

「えっ!?なんで枕ぶん投げられたの俺!?」

 

「……私にだって恥じらいはあるんですよ」

 

「恥じらい?……何が?」

 

「堂々と塩辛が好物だと宣言する乙女が存在すると思いますか?………………それも好きな人の前で」

 

 

もしかして女の子なのに塩辛を好んでいる事が恥ずかしいと思っているのだろうか、だとしたらそれは間違っているぞ美咲

 

こういうのは案外ギャップとかで魅力を感じる男が多いもんだ、美咲みたいなクールで可愛い子が〝実は塩辛大好物なんですよね〟と伝えればそれだけで堕ちる男だっているかもしれない

 

 

「なんでだよ美味いじゃん塩辛、めっちゃ米に合うじゃん塩辛」

 

「もういいです、分かりましたから黙っててください」

 

「じゃあ要らないのか?塩辛」

 

「…………いります」

 

 

改めて尋ねてみれば俯きながらボソリと呟く美咲

 

ぐへへへ……上の口は正直じゃねえか!やっぱ食に素直な女の子っていいよね(ただしテロリストは除く)

 

個人的に美食研究会はすっげー惜しい人達だと思う、あれで問題とか起こしてなけりゃ食いっぷりの良い女性達だと素直に思えるのに

 

 

「……先輩、今何考えてました?」

 

「ん?知り合いのことだけど……なんだ急に?」

 

「いえ、別に……それよりも先輩、私の退院日の事なんですけど」

 

「ああ、話は聞いてるよ。このまま何事も無ければ来週末、早くて週の始めには退院できるんだろ?」

 

「はい」

 

 

あの日以来特に怪我が悪化する事も新たに負う事も無かったので美咲の脚は順調に回復していった

 

今ではすっかり元気に……って程じゃないけど、全力で走ったりしなければ痛みも感じない程度にはなったらしい

 

 

「先輩」

 

「ん?なんだ?」

 

「やっと一緒に暮らせますね」

 

「そうだな」

 

「……」

 

「……?」

 

「〝やっと〟〝同じ屋根の下で〟〝一緒に〟〝暮らせますね〟」

 

「おう」

 

「………………」

 

「?」

 

何故二回も言ったのか分からないがとりあえず返事をすると、美咲は呆れてる時の愛清さんみたいな目をして黙り込んでしまった

 

ははーん、俺がこの目で見られてるってことは……さては俺が何かやらかしたな?

 

 

「よく分からんがすまんかった」

 

「いいですよ、小指の一本くらいは残してあげますから」

 

「大変申し訳ございませんでした」

 

 

身の危険を感じて咄嗟に両手を床につける!これぞ折川流忍法・DOGEZAの術!

 

おかしい、前世に比べて圧倒的に強くなってる筈なのにどうして俺は美咲に怯えているのだろうか……多分遺伝子が屈服して敗北を認めているのでしょうね

 

よわよわ酒泉ですまない……あ、そうだ、今のでちょっと聞いてみたい質問が出来た

 

 

「美咲さんや美咲さんや、ちょいとお尋ねしたい事がありまして……百合園セイアって人、ブルアカで実装されてた?」

 

「さあ……私は事前知識を殆ど持っていない状態でアプリをインストールしただけですので」

 

「そっかぁ……」

 

 

という事はもしかしたら未だに実装されてない可能性があるのか……向こうでは相変わらずCV弄りが続いているのだろうか、だとしたらゲーム内の方の百合園さんには実装されるその日まで希望を捨てずに頑張ってほしい

 

ちなみに俺は普通にこっちの世界で百合園さんの声を聞いている、ここはゲームじゃないので当然の話だが

 

 

「あ、でもそれとは関係無いかもしれませんがちょっと前にブルアカ関連で何かがトレンド入りしてた様な記憶が……うろ覚えですけど」

 

「トレンド?何が?」

 

「確か……アヌビス?がどうとかで」

 

「アヌビス?……アビドスじゃなくて?」

 

「あ、それです」

 

 

アビドス関連の話題がトレンド入り……なんだろう、シロコテラー実装とか?それかアビドス新章とか?

 

シロコさんとの繋がりからアビドスの皆も赤の他人ではなくなったし、今度こそ借金問題が解決されるようなメインストーリーが追加されてるといいなーって思ったり

 

 

「ピンク色の髪の人が誰かと戦っている画像がツイートと一緒にあげられてたのは覚えているんですけど……」

 

「ピンク色……小鳥遊さんか?他に何か覚えてないか?」

 

「さあ、ここ一年の記憶とは言ってもブルアカ自体〝先輩がやってたゲーム〟以上の印象はありませんでしたのであまり……ああ、でもそのピンク髪の人が誰かに負けたーみたいなツイートでしたら幾つか見掛けましたよ」

 

「……は!?小鳥遊さんが!?」

 

 

んな馬鹿な、小鳥遊さんを下せる人間なんて空崎さんや剣先さんの様な同格の相手かシロコさんみたいな格上ぐらいしか存在しないと思っていたが……待てよ?

 

何も相手が人間とは限らないよな?ワンチャン総力戦クラスの敵が現れてそれに敗れたって可能性も……

 

 

「先に言っておきますけどこれ以上は何も教えられませんからね、今の情報でさえ先輩の為に興味の無いゲームの記憶を必死に絞り出した結果ですから」

 

「だよなぁ……まあ、でも助かったよ、ありがとな」

 

「……その代わり先輩が好みそうな話題でしたら幾つか用意してますよ」

 

 

俺が好みそうな話題?なんだろう……特撮絡みか?それともロボット系か?

 

いや、もしかしたら空崎さんの新衣装実装の話題かも……?

 

 

「先ずはガンダムシリーズの話から……えっと……なんでしたっけ、先輩が好きだったガンダム作品」

 

「え?いや、好きな作品と言われても……結構あるしなぁ」

 

「確か今作主人公が前作主人公に主役の座を奪われた……」

 

「ああ、SEED DESTINYか」

 

 

悲しきかな、乙女座の少年。主人公とは思えない扱いを受けてそれでも尚自分なりの正義を貫こうとした少年

 

議長の言葉に乗せられてるところはあったとはいえ、それでも平和な世界を作ろうと戦っていたのは事実で……個人的に報われてほしかったキャラの一人だ

 

 

「それです、その作品の続編映画が公開されましたよ」

 

「マジで!?」

 

「はい、あとシン・アスカって人が大活躍してたみたいですよ……話によると機体を分身させて幹部クラスの敵を複数撃破したとか」

 

「分身!?」

 

 

え?これって種運命の話だよね?Gガンとかじゃないよね?それかSDガンダムとか?

 

そっかぁ……シン君が大活躍かぁ……シン君もデスティニーもどっちも大好きなのでこれは確かに俺にとって嬉しい話題だな

 

 

「それと……なんでしたっけ、あの携帯で変身するヒーローの名前」

 

「ん?ファイズか?」

 

「はい、それの新作映画も公開しました」

 

「……!?」

 

 

マジか、まさかファイズもなんて……あの作品は本編で綺麗に完結してたけど、その後のたっくんが他作品の番外映画で存在を消滅させられたりと悲惨な運命を辿っていたのでまさか続編が出るとは思ってもいなかった

 

今だとVシネ枠かな?一体どんな映画になったのやら、新形態とか貰えたのか?草加の存在には触れたのか?オルフェノクの生き残り組のその後とか描かれたのか?

 

 

「それと……先輩が好きなロボットゲームの話題なんですが……」

 

 

ロボットゲーム……なんだ?エクバか?カスタムロボか?それかスパロボとか────

 

 

「ああ、思い出しました。確かアーマードコアの新作が出たとか……」

 

 

あっ♡ちょっと闘争求めちゃうっ♡

 

 

 

 

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