〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

236 / 514
俺と問題児共

 

 

 

「退部・退学・退職代行サービス?はえ~……最近はこんな仕事もあるんだなぁ……」

 

 

なんて呟きながら今朝通学中に配られたチラシをなんとなく眺めてみる

 

〝今すぐ辞められます!〟なんて書いてあるがそれはこの物騒なゲヘナでも可能なのだろうか、ゲヘナの治安の悪さを鑑みると代行なんて使ってんじゃねえ!とキレられて殴り込みかけられそうなもんだが

 

 

「辞めたいなら自分の口で言えばいいのに……なんて、簡単に言っちゃ駄目だな」

 

 

人それぞれに事情というもんがある、例えば百件くらい面接落とされてきた人が〝ここを辞めても他に仕事があるとは限らない〟って悩んでいたり、もしくはトラウマレベルで上司への恐怖を植え付けられているせいで辞めるって言い出しにくくなってたり

 

こういうサービスはそういったワケアリの人達の為にもあるのだろう、特に対ブラック企業やブラック部活相手ならより頼りたくもなるだろう

 

……ブラック部活なんて言葉が出てくるこの世界ヤバイな

 

 

「ほんっと、理不尽な仕事押し付けてくるような輩は全員頭に隕石落っこちればいいのに」

 

 

脳内で笑い声が汚いタヌキをばちぼこにぶん殴る妄想をしながらどっかの誰かさんに向かって愚痴を吐く

 

あーあ、もういっそのこと風紀委員全員でクーデターとか起こしてみようかなー……なんてのは冗談、流石に俺個人の不満に周りを巻き込むつもりはない

 

あのアホが卒業した後でもいいからちょっとくらい万魔殿もまともになってくれると嬉しいのだが

 

 

「……さーて、今月の案件はどんな感じだー?」

 

 

そろそろ仕事が始まりそうだしデスクの上の書類に取り掛かろう

 

えっと……まずは美食研が爆破した建物の被害総額の計算やその店舗や付近の方々への謝罪回りだろ?次は温泉狂共が掘った穴を全部埋めるのと、その為の工事許可を貰う為に市に連絡するのと、便利屋の目撃情報を纏めて次の出現予測地点を視察しに行くのと……

 

 

「……なるほどねぇ?」

 

 

こりゃ退部代行サービスが流行る訳だわ、ゲヘナ程じゃなくても厄介な生徒がいる学園なんてそこら中にある訳だし

 

全国の社畜の皆さん、いつもお疲れ様です

 

 

「……青春する側はいいよなー、いつも好き勝手できて」

 

 

一切の悪事を企てるな……とまでは行かなくとも最低限他人に迷惑を掛けないレベルの悪戯なら構わない

 

ただ、便利屋も美食研究会も温泉開発部もどいつもこいつも平然と他者を巻き込んで暴れてしまっている(故意か否かは問わず)

 

勿論そういった連中と戦う道を選んだのは俺自身だし奴等が卒業するまで追っかけ続ける覚悟はある、が……その、もうちょい良心というか手心というか罪悪感というか……あってもよくないか?

 

こういう良くも悪くも自分の道を突き進む覚悟を持ってるような連中は多分取り返しのつかないところまでいかないと止まらないのだろう

 

 

「……そうだ、死んだフリでも仕掛けてみるか?」

 

 

戦闘中、偶然を装って

 

敵である俺が死んだところでアイツらは何とも思わないだろうけど一ミリでも後悔させる事が出来たのならちょっとは落ち着きを見せる様になる……かもしれない

 

……いや無いな、どうせ曇りの〝く〟の字も感じさせないほどいつも通り暴れるだけに違いない

 

それに不謹慎すぎるし風紀の為でもあまりやりたくはないな

 

 

「あーあ、アイツらが大人しくなる方法とかないかなー」

 

 

それが無いから空崎さんは社畜生活を送ってきた訳だが、そうとは分かっていてもどうしても高望みしてしまう

 

 

「あーもう……めんどくせぇ……」

 

どうにもならない事を理解しつつも嘆かずにはいられず、つい口からぽろっと愚痴を漏らす

 

すると後ろの方で何かがドサッと落ちる音がしたので顔だけ振り返らせてみる……気配はちょっと前から感じていたけどここに来て露骨になったな

 

 

「あら、銀鏡さんでしたか……こんちはー」

 

「…………」

 

「銀鏡さん?」

 

「……はっ!?う、うん……おはよう」

 

後ろに立っていた銀鏡さんに挨拶するが、ぽけーっと立ち尽くしたまま反応が無かったのでもう一度挨拶をした

 

すると身体を跳ね上がらせた銀鏡さんは一瞬だけ声を大きくして返事をし、床に落としたであろう鞄を拾い上げた

 

 

「今日の予定読みました?相当面倒そうですよ」

 

「う、うん……ねえ酒泉、ちょっと聞いてもいい?」

 

「ん?なんすか?」

 

「酒泉ってさ……風紀委員辞めちゃうの……?」

 

 

不安げにそう尋ねてきた銀鏡さん、尻尾がしゅんと垂れているのが印象的だ

 

しかしどうしてそんな話に、俺は風紀委員を辞めたいって思ったことは微塵も…………は嘘だけど、それでもあんまり無い

 

 

「別に辞めるつもりはありませんけど……どうしてそんな話を?どっかでそんな噂聞いたんですか?」

 

「だって……そのチラシ……」

 

「チラシ?……あ、これっすか?」

 

「……うん」

 

 

そうか、銀鏡さんは俺が退部代行のチラシを持っていたから風紀委員を辞めるかもって勘違いしたのか

 

これ以上変な誤解をされない様に貰ったチラシを適当に鞄に突っ込んで〝こんなの大事でもなんでもないですよー〟とアピールする、すぐに捨てるのはなんとなくチラシ配りバイトのロボットさんに申し訳ないのでやめておいた

 

 

「違いますよ、登校中に貰ったチラシを偶々見てただけですって。仕事前の暇潰しです」

 

「……ほ、本当か?問題児共の相手が面倒になったからとか、万魔殿の奴等に何か言われたとか、その……委員長以外不甲斐なくて戦うのが嫌になったとかそういうのじゃないか……?」

 

「前者二つに関してはともかく最後のは一度も思ったことはありませんよ、本当にただの暇潰しですって」

 

「……そ、そうか?何か嫌な事があったらすぐ相談するんだぞ?いいな?」

 

「はぁ……」

 

 

大丈夫だと伝えているのに何故か信じようとしない銀鏡さん、一体何が彼女の疑心をそこまで駆り立てるのか

 

ちょっとチラシを読んでただけで悩みを抱えてる奴扱いされるとは……他の人からも似た様な反応されるかもしれないし気を付けよう────いてっ

 

 

「銀鏡さん、尻尾で脚締め付けないでくださいよ……びっくりするじゃないですか」

 

「あ、うん……ごめん……つい」

 

「ついって……ははっ、そんな勝手に動いちゃったみたいな言い方……」

 

「……」

 

「あ、本当にそうなんですね」

 

 

……仕事疲れでも溜まってんのか?俺より銀鏡さんの方が心配だな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうする?二度と飲食店を爆破しないか……この場で俺に倒されるか」

 

「うふふ……今更やめられるわけがありませんわ!

 

「……そうか、残念だ」

 

 

最後っ屁とばかりに弾を放ちながら突っ込んでくる黒舘さん、スナイパーライフルから放たれる弾を首を傾げてかわしてから突っ込んでくる彼女に対して回し蹴りをお見舞いする

 

流石のキヴォトス人でも勢いが上乗せされた蹴りを顎に食らうのはキツかったらしく、後ろに倒れたのちに〝容赦ありませんわ……〟と呟いた

 

まさか美食研究会の被害を受けた店を回っている時に黒舘さんが暴れ出すとは……仕事を中断して応援要請に応える事にしたが、俺が現場に到着する頃には既に巡回中の風紀委員が全滅していた

 

強くて倫理観緩い奴は厄介すぎる、せめてどっちかにしてくれよ神様どうしてコイツに二物も与えちまったんだよ

 

 

「ったく、ただでさえ忙しい時期なのに余計な仕事増やさんでくださいよ……」

 

そう、忙しいのだ

 

ただでさえ便利屋だの温泉開発部だの今みたいに美食研究会だのが暴れまわるせいでちっとも休む暇が無いのに、それに加えて蛇腹キイロの行方も追わなければ……

 

 

「……おかしいな」

 

 

どうして問題児軍団の中に蛇腹キイロとその一味が居ない?風紀委員会は今挙げた奴等の対処で忙しいんだぞ?暴れるなら今のうちだ

 

何か準備でもしているのか?大規模な作戦でも立てているのか?最近になって活動を控える様になった理由は?今度は何を……

 

 

「酒泉君!大丈夫でしたか!?」

 

「あ、火宮さん」

 

足音と共に荒い息が聞こえてきたので振り向いてみると背後から火宮さん達が駆け寄ってきていた

 

気絶したメンバーの為に呼んでおいた救護班が到着したか……こっちはまだ仕事残ってるし連行まで彼女達に任せてしまおうか

 

「すみません、また間に合いませんでした……」

 

「気にすんな、俺が強すぎて戦闘が早く終わっちまったってだけの話だからな」

 

「……酒泉君」

 

 

少しでも場の空気を明るくする為にドヤ顔で自分の強さを誇ってみる……が、火宮さんはただ俯くのみ

 

あれ?いつもならくすりと笑ってくれる筈なんだけど今日は……反応悪いな

 

 

「その、無理はなさってませんか?怪我などは……」

 

「いんや?余裕だったぜ?」

 

「……念の為に身体を見せてもらっても?」

 

「身体?まあいいけど」

 

 

火宮さんに言われるがまま制服を脱いで上半身を露にする、後ろの方で他の風紀委員達が顔を赤くしながら手で顔を覆っているが……まあ、むさ苦しい野郎の肉体なんか見たくないとかで怒っているのだろう

 

最近はこういうのもセクハラ判定されるみたいな話を聞いたことあるがわざとじゃないので通報だけは勘弁してほしい、風紀委員が捕まったとあっちゃあのタヌキが何を言ってくるか

 

 

「……確かに新しい傷はありません、ですが疲労は溜まってますね」

 

「あいてててっ……よく分かったな、ここずっと身体中バッキバキだよ」

 

「……ずっと見てきましたから」

 

 

火宮さんに親指で肩を強めに押されるとごりっと鈍い痛みが走ってきた、実は連日外を駆け回っていたせいで肩だけじゃなく脚の方もパンパンだったり

 

どっかしらのタイミングでマッサージでも受けに行こうかな……行くとしても抱えてる事件全部解決してからだけど

 

 

「……その、偶にはお休みしてもいいのでは?最近は休暇も全て断っているとか……」

 

「休んでる間に厄介な連中が動き出したら現場まで間に合わないかもしれないからな」

 

 

まあ、それ抜きにしても美咲関連の事で手一杯であんま残業とかしてあげられなかったし……その分風紀委員会の力にならないとな

 

……ん?そもそも学生が残業する事自体可笑しな話じゃないか?何を当たり前のように言ってるんだ俺は

 

 

「……心労が祟る前にしっかり身体を休めてください、風紀委員を辞めたくなるくらい自分を追い込む必要は無いんですから」

 

「……ん?」

 

 

どこから〝風紀委員を辞める〟なんて話に繋がったのか分からないが、それを尋ねる前に火宮さんは負傷者達の回収に向かってしまった

 

あ、もしかしてアレか?銀鏡さんがさっきの会話の内容を他の人にも相談しちゃったとか?ったく……本当にそんなつもりはないというのに、たかがチラシ一枚でこんな尾ひれが付いてくるとは

 

今後はもっと周囲の反応に気を配ろうと反省しながら先程脱いだ制服を着直していると、ちょいちょいと服の袖を引っ張られる感覚が

 

少しだけ目線を下ろすと黒舘さんが倒れたままじーっと俺を見つめていた

 

 

「なんすか?言っておきますけど見逃したりはしませんからね」

 

「お辞めになられるのですか?」

 

「はい?」

 

 

辞める……ああ、風紀委員の事か

 

この人も何を本気に受け取ってるのやら……

 

 

「んな訳ないでしょ、アンタらみたいな歩く起爆剤ほったらかしにして辞めるなんて有り得ませんよ……期待が外れて残念でしたね」

 

「……ふふっ」

 

「……なーに笑ってやがるんですか?」

 

「いえ、むしろ今の言葉を聞けて安心しましたわ……うふふ♪」

 

「……てい」

 

「ぴゃっ!?」

 

 

なんとなーく余裕そうな笑顔がムカついたのでデコピンしておいた、ちょっとは懲りろよお嬢様

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「さあ、お前の罪を数えろ」

 

「アウトローに罪の数を尋ねるなんてナンセンスね……今更数えきれないわよ!」

 

「じゃあ起爆しますねー」

 

「えっ」

 

 

ちゅどーん!と小学生に人気な某ギャグ漫画満載雑誌みたいな音と共に爆発する後ろの爆弾、そこアンタの部下が爆弾仕掛けてた場所だぞ

 

ちなみに起爆スイッチは戦闘中にくすねておいた、今頃陸八魔さん以外は全員牢に連れてかれてるところだろう

 

 

「美食研究会の次は便利屋かよ……どいつもこいつも元気有り余ってんな」

 

『ええ、本当に……我々とは大違いですね』

「天雨さん」

 

 

美食研究会との戦闘を終えてまた仕事に戻ったところ、今度は便利屋が街中でどっかの悪徳企業とドンパチしながら逃走を開始したと報告が入ったのでまたまた現場に急行する事にした

 

どうしてそんな事態に陥ったのかはまだ判明していない、まあどうせ陸八魔さんの事だし悪徳企業に給料抜かれてそれにぶちギレた部下が会社を爆破したとかだろう

 

 

「ナビゲーションありがとうございました、お陰でスムーズに逃走ルートを押さえる事ができました」

 

『当然です、前以て彼女達の活動記録を探ってましたから』

 

「さっすが天雨さん、出来る行政官は違いますね」

 

 

逃走ルートから地形の把握まで、それらを完璧に把握していた天雨さんの力を借りて一人ずつ便利屋を追い込む事に成功した

 

つまりここで〝なんですってええええええ!?〟顔して倒れてる陸八魔さんを捕まえたらそれで終わりだ

 

 

『既に応援を寄越してますので貴方はそこで待機を、護送車が到着したら他の風紀委員と共に帰還してください』

 

「いや、まだ自分の仕事終わってないんでこのハーフボイルド見送ったらまた行ってきますよ。定時に間に合うかは微妙なんで俺が帰って来なくても勝手に解散しちゃってください、報告書は後日提出しとくんで」

 

『……何を馬鹿な事を言ってるんですか、美食研究会に便利屋と二連戦しておきながら通常業務まで続けるつもりですか?』

 

「いつもこんなもんじゃないですか」

 

『ここまでのハードスケジュールは然う然うありませんよ……ほら、さっさと帰って来てください。コーヒー一杯分程度の労いはしてあげますから』

 

「んーコーヒーかぁ……」

 

『……何か文句でも?まさか貴方まで私のコーヒーは不味くて飲めないと?』

 

「違いますよ、砂糖たっぷり入れてもらおうか悩んでただけです」

 

 

糖分大好きな俺だって何にでも甘味を追加しようとするほど依存してる訳ではない、気分によっては砂糖抜きでコーヒーを飲んだりする事だってある

 

特にケーキを食べる時は砂糖控えめのコーヒーを用意したり、ケーキの甘さによっては完全に砂糖抜きにしたりする

 

だから今日はどうしよっかなーって考えてただけなんだけど……変な誤解をされてしまった

 

 

『別に正直に言ってもいいんですよ?どうせ言われ慣れてますから』

 

「勝手に被害妄想拡大して怒らないでくださいよ、別にそんなこと思ってませんから……それに俺、天雨さんが淹れてくれるコーヒー結構好きですよ」

 

『…………そうですか』

 

 

今言った言葉はお世辞とかではなく本心だ、苛烈な戦場を駆け抜けた後に本部でコーヒーを振る舞ってもらうとその優しさと暖かさで〝お帰りなさい〟って言われてる様な感じがして心が休まる

 

……なんて伝えると気持ち悪いとか思われそうなので絶対に言わないけど

 

 

『……実は、日々仕事に明け暮れている委員長を少しでも労う為にショートケーキを買ってきたのですが』

 

「お、それいいっすね……俺も帰りに甘いもんでも買ってこうかな」

 

『話は最後まで聞きなさい、そのケーキなのですが偶々……本っっっっ当に偶々二つ入りのしか売ってなかったんですよ。ですが委員長がお二つも食べるか分からないので……その……残りは貴方に処理させてあげなくも……』

 

「一つだけ食べてもらって残りは持ち帰らせればいいのでは?」

 

『…………ええそうですその方法がありましたね流石は酒泉ですとても優秀な頭をしてますね本当に素晴らしいです!!!』

 

「な、なんでキレてるんですか……?」

 

 

極普通の提案をしただけなのにキレながら褒められた……何かミスったか?相変わらず乙女心というのはよく分からん

 

 

『まったく……折角人が労ってあげようとしたというのに……』

 

「……あ、そういう事だったんですか。じゃあ最初から素直に言ってくれたら……まあ、天雨さんだししゃーないか」

 

『どういう意味ですかそれ!?』

 

 

音量バランスを間違えたのかはたまたわざと音量を上げたのか、通信機から天雨さんの叫びが耳を貫く

 

見えている地雷を踏んづけてしまった事を後悔しながら此方側で音量を下げ、さーせんと軽く謝罪する

 

 

『あんなに分かりやすく気遣ったというのに貴方という人は……』

 

「さ、さーせん……いやー、空崎さん一筋な天雨さんがこうもハッキリと気遣ってくれるなんて珍しすぎて逆に気付けませんでしたよ」

 

『……まあ、何も相談せず風紀委員を辞められても困りますからね。部下のガス抜きも上司の役目ですから』

 

「……え?」

 

『とにかく!今日はもうこれ以上働かずに直ちに帰投しなさい!これは命令ですからね!?』

 

 

それだけ言い残すと天雨さんは通信を切ってしまった

 

……もしや天雨さんにまで例の話が伝わってるのか?おのれポンコツイオリンめ、何の躊躇も無く言い触らしやがって

 

 

「……まあ、後で弁明すればいいか」

 

「……ねえ」

 

「あ、起きた……なんですか?金なら貸しませんよ?飯なら奢りますけど」

 

「そ、そこまで切羽詰まってないわよ!?」

 

 

通信機をしまいながら陸八魔さんでも見張ってようかと思っているとその陸八魔さん本人から声を掛けてきた、その表情は何故か不安気だった

 

 

「……貴方、風紀委員辞めるの?」

 

「アンタもそれ聞くんですか……辞めませんって、周りにそう誤解されてるだけですよ」

 

「……本当?」

 

「大体ねえ、俺が今辞めたら誰がアンタらを引っ捕らえるってんですか。いちいち空崎さんの手を煩わせる訳にもいきませんからね」

 

「ふ、ふふ……うふふふふ……!」

 

「……あん?」

 

「そう!それでいいのよ折川酒泉!負けっぱなしで終わるなんてアウトローの名が廃れるわ!勝ち逃げなんて許さないんだから!」

 

「なんだコイツ……」

 

黒舘さんも陸八魔さんも自分が捕まってる状況で何故笑っていられるのか、コレガワカラナイ

 

 

「ま、まあ……風紀委員を辞めたくなったのならその時は私達を頼りなさい!便利屋として相談に乗ってあげるし、どうしてもと言うのなら雇ってあげなくもないわよ!そうね、貴方は自炊が得意って聞いてるから食事担当や金銭管理の担当を……」

 

「やだよ、アンタらの会社年中赤字っぽいし」

 

「な、なんですってええええええ!?」

 

「ほんの数ヶ月でも黒字経営続いたらその時は考えといてやるよ」

 

 

絶対無理だと思うけど、だって陸八魔さんだし

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「風紀の為の犠牲となれ……!」

 

「なんか私の時だけ毎回雰囲気が物騒じゃないか!?」

 

 

他の温泉開発部部員をこてんぱんにした後、鬼怒川さんを壁際まで追い詰める

 

まさか帰投中に今度は温泉開発部が暴れ出すとは……護送車という足を手に入れたお陰で現場付近までの移動は楽だったけど

 

 

「ふ、ふふ……女性にここまで詰め寄るとはあまり紳士とは言えないな。それともなんだ?もしや風紀委員長じゃなくても相手が女なら誰でもよくなったのかい?」

 

「鬼怒川さん、この銃で口を塞がれるかケツの穴塞がれるか好きな方を選んでくれ」

 

「正直すまなかった」

 

 

勝ち目がないと悟ったのか、鬼怒川さんはこれ以上抵抗する事なく両手を挙げて降参の意を示す

 

これで一件落着、後はこの人も護送車にぶち込むだけ……とはいかないだろうな

 

 

「忘れるところだった……えい」

 

「えっ」

 

 

ぱん、とスナイパーライフルの弾を一発だけ瓦礫の隙間に撃ち込む

 

これで隠し爆弾のコード部分は切れたし逃走の心配は完全に無くなっただろう

 

 

「……い、いつから?」

 

「ん?戦う前から」

 

「……よし分かった、今度こそ本当に降参する。だからなるべく丁重に扱ってくれよ?」

 

「言われなくても暴れなけりゃこっちからは何もしませんよ」

 

 

先程の演技と違い今度こそ本当に降参した鬼怒川さんは自ら両腕を差し出してきた、手錠をかける際にも当然暴れられる可能性があるのです最後まで油断はしない

 

さて、これでゲヘナが誇る三大テロリストを全員捕らえた訳だが……残念な事にそれだけじゃ終わりとはいかず、事情聴取などそこら辺の仕事もまだ残っている

別に他の人達に任せてもいいのだがこういう取り調べは現場に出向いた人が行った方がスムーズに進みやすいだろう、直接現場の状況を見たかどうかの違いは結構大きかったりするし

 

 

「……酒泉」

 

「ん?……空崎さん!お疲れ様です!」

 

「……お疲れ様は私じゃなくてそっちでしょ」

 

「うぎゃあああああああああ!?空崎ヒナだああああああああああああ!?」

 

 

執務室で仕事中だった筈の空崎さんがいつの間にか現場に到着していた、現場には俺が向かうから応援は要らないって伝えた筈なんだけどな……

 

 

「酒泉、アコから帰投するように命じられていた筈でしょ?なのにどうしてこんな所に居るの?」

 

「ゲヘナ学園から事件現場までの距離を考えると俺が向かった方が早い気がしまして……」

 

「だからって三連戦するなんて無茶すぎる、もしこれで大怪我を負ったらどうするの?」

 

「あーそれは……なんというか……すんませんした」

 

「……酒泉が強くなって出来る事が増えたのは分かるけど、それが休息も取らずに働いていい理由にはならないわ」

 

 

珍しくブーメランをぶん投げられたけど純粋に心配してくれている空崎さんにそれを指摘するのは間違ってる気がするのでここはお口にチャックをしておく

 

すると空崎さんは少々怒りを滲ませたような皺寄せ表情から一転してへにょっと困り眉になって俯いてしまった

 

 

「……私を支えるっていう約束の為に仕事を頑張ってくれてるのは嬉しいけど、でもそれが理由で酒泉に何かあったら私は……」

 

「……すみません、空崎さんの気持ちを考えれてませんでした」

 

 

確かに肉体は疲弊してきたがそれでも昔みたいな自分を疎かにする様な戦い方はしてないのでこれは別に自己犠牲の範疇には入っていない、そう思ってた

 

しかし空崎さんからするとこれでもまだ心配してしまう程度には働きすぎていたらしい………昔に比べて相当スタミナが上がってたので自分じゃ気付けなかったな

 

 

「これからはもっと適度に働いて適度に休むよう心掛けます」

 

「分かったのならそれでいい、これからは私を支えるだけじゃなくてもっと私を頼って。それと……」

 

「?」

 

「……風紀委員を辞めるくらいなら心身共に完全に癒えるまで休んでもいいから」

 

「あー……またこの流れかぁ……」

 

 

本日四回目のこの流れ、これも全部銀鏡イオリって奴の仕業なんだ!

 

いや実際どこまで言い触らされているのだろうか、今のところ天雨さん火宮さん空崎さん以外には聞かれてないしこの四人しか知らないのかな

 

 

「おや?風紀委員を辞めるのかい?確かにあんな過酷な職場で毎日働いていたらその考えに陥ってしまうのも無理はないだろう……よし、辞めよう!」

 

「は?」

 

「うん!そうしよう!辞めてしまえそんな職場!毎日毎日私達を追っかけまわすのも疲れただろう!?その仕事は他の者達に任せてしまえ!だから酒泉!君はこれから自由に生きていくんだ!無理して私達を追いかける必要はない!」

 

「……」

 

「自由はいいぞぉ!規則にも風紀にも誰にも縛られる事なく自分の好きな事が出来るのだからな!そうだ!この際君も温泉開発部に入ってみるか?我々と共に汗水垂らして青春しようじゃあないか!それとついでにその力で我々を守ってくれると────」

 

「決めた、アンタだけは卒業した後も追っかけまわすからな」

 

「ぴぇえええええええええ!?」

 

 

過去一ムカついたので軽くビビらせておく、後ろから放たれてる空崎さんの殺気を直接ぶつけられないだけでもありがたく思えよ

 

(卒業した後も追いかける?それってつまり酒泉は私よりも鬼怒川カスミを優先するってこと……?)

 

「うぅ……ぐすっ……ぴぃ……」

 

「……温泉開発部、やっぱりここで潰しておくべきかしら」

 

「ぴゃああああああああああ!?」

「うおっ……ええい、離せ!腰にしがみつくんじゃあない!?俺を盾にするなぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嬉しいような悲しいような、皆が心配してくれてるのは分かるけど同時にそう簡単に風紀委員を辞めてしまいそうな男だと思われてるような気がしてちょっぴり複雑な気分になる

 

漢折川、一度交わした約束は決して破りません

 

「つーわけでだ、何度説得したところで意思は変わらんぞ」

 

「奇遇ですね、私も同じです」

 

 

帰宅後、こちらが着替えようとしたところで急に説得を開始してきた後輩にキッパリと拒絶の意を示す

 

ちなみにシロコさんはシャワー中、プラナは充電中だ

 

 

「何度でも言います。先輩、元の世界に帰りましょう。ここは先輩の様な人が生きていくには危険すぎます」

 

「おいおい、俺はもうこの世界で十六年も生きてるんだぜ?とっくに慣れっこだっての」

 

「慣れてしまってるからこそ危険なんです。銃を持ってる人間相手に平然と飛び込んでいけるなんて……感覚が麻痺しすぎています」

 

 

その辺に関しちゃ正直否定できない

 

危機感が薄れていけば薄れていくほど自分の身体に無頓着になり、結果的にとんでもない大事故を発生させる

 

自分が強くなっているのを実感すると嬉しくなる、その後はいつも決まって自分の身体の脆さを悔やむ

 

あとちょっと頑丈なら、せめてハンドガンの一発なら受け止めきれる程度の強度があれば、それが不可能である事を突き付けられる度に価値観が前世に引っ張られる

 

そうだ、普通の人間は撃たれたら死ぬんだ、それが普通なんだ、俺が今戦っている相手は俺を殺せる武器を持っているんだ

 

そうして何度も気を引き締め直してきたからこそ俺は未だにキヴォトスに染まり切らずにいられる。ただ、そんな俺でも敵を撃つ事には躊躇いが失くなってるあたり……美咲の言う通り感覚が麻痺してきてるんだろうな

 

 

「でもな、感覚が麻痺してるこの状態こそがキヴォトスではデフォなんだ。前世の俺にとっちゃ狂った考えでも今世の俺が生きてくには必要な考えなんだよ」

 

「私達の世界ならそんな事を考える必要はありません。誰を撃つとか撃たれたら死ぬとか、そんな物騒な事を考えることなく平穏な暮らしを送れます」

 

 

成る程、確かにそれは魅力的な生活だ

 

流れ弾を気にする必要がなく、世界が滅びるなんて大層な出来事も俺が生きている内は起きないだろう

 

戦闘訓練だってする必要が無いし肉体労働だってキヴォトスでの仕事に比べたら圧倒的に楽な部類に入るだろう

 

弾の点検もナイフ磨きもしなくて済むし、兵器の構造や運用方法も学ぶ必要が無い

 

 

「……悪いけど、それでも俺は帰る訳にはいかない。この世界で俺を必要としてくれてる人がいる以上、その人を放って自分だけ幸せになるなんて考えられない」

 

 

最初は一方的なエゴで推しを支えようとしてただけだった、でも多くの出会いを通して沢山の人が俺を頼ってくれた

 

その人達を裏切ってまで自分の幸せが欲しいとは思わないし、そもそもそんな事をして本当に幸せになれるとも思えない

 

 

「先輩を必要としているのは私達だって同じです」

 

「……」

 

「先輩の御両親も御友人も全員あの日から抜け出せていないんです。なんとか前を向いてるように取り繕ってますけど、先輩が居なくなったあの日からずっと心に穴が空いたままなんです」

 

「それは……悪いと思ってるよ、けど……」

 

「……この世界の人達より、私達の方が先輩を求めてるんですよ」

 

前世と今世、俺にとってどちらも大切な世界である事は間違いない。過ごしてきた時間も殆ど変わらず、周りに恵まれたのもあってか平和に……いや平和ではないな……幸せに暮らしていく事ができた

 

故にキヴォトスはもう俺の第二の故郷みたいなもんだと思ってるし、ちょっと物騒な街だけど愛着だってそれなりに湧いたりもしている

 

ならば、どちらの世界も愛しているというのなら〝折川酒泉が死んだ世界〟よりも〝折川酒泉が生きている世界〟に残るが妥当というものではなかろうか

 

 

「……そもそも、どうしても先輩が必要になる程この世界は切羽詰まってるんですか?」

 

「は?」

 

「〝ブルーアーカイブ〟の〝主人公〟は先生でしょう?あの人さえ居れば先輩がこの世界から居なくなってもどうにでもなる筈です」

 

 

確かに先生が居れば俺は何もしなくてもよかったのかもしれない、この世界にもう一人の砂狼シロコが来た時点で〝この世界はバッドエンドスチルの世界ではない〟と確定したのだから俺が原作に一切関わらずとも何も問題は無かっただろう……これは結果論だけどな

 

別に俺が何もしなくても空崎さんは死ななかったし、原作での描写を見るにケイさんだって後から復活出来たかもしれない……が、そもそも滅亡エンドを完全に避けられたかも分からないし、実はまだ脅威は残ってるなんて事も考えられる

 

まあ、なんだ……つまり────

 

「……その主人公が居てもキヴォトスが滅びる未来に繋がる可能性があったんだから仕方無いだろ。それに先生だって〝主人公〟である前に一人の〝人間〟だ、完璧な存在じゃないんだから何でもかんでも背負わせて俺達子供は知らんぷりって訳にもいかないだろ。あの人の役目が大人として責任を負う事なら、俺の役目は責任を背負ってるあの人を支える事だ」

 

「……じゃあ、私達の事も支えてくださいよ。先輩が居なくなってからずっと折れそうな心で毎日を生きていた私達を……助けてください」

 

「…………」

 

「……お願いします、私達は誰よりも先輩を望んでいるんです」

 

毒舌で冷たくてツンツンしてて、そんで俺より頭が良くて度々冷めた眼を向けてくる俺の後輩

 

そんな関係性でもこいつとの仲は良好だと、そうでなくとも嫌われてるという事はないだろうと思ってた……だが、実際にはそれ以上に好意を持たれていた(もちろんラブではなくライクの方だが)

 

自分が考えていた以上に心を許されている事実を嬉しく思いながらもそれに応えてやる事が出来ないのがもどかしくて仕方無い、そんなやり場のない感情から逃げ出すように強引に話を切り上げる

 

「やだよ、なんで女の子だらけの素敵な世界抜け出さなきゃいけないんだよ……こんなハーレム、自分から捨てるなんて勿体無いだろ?」

 

「っ……先輩、私は真面目に話して……!」

 

「ほら、さっさと自分の部屋に戻れ。俺はこれから着替えなきゃいけないの……それともなんだ?そんなに先輩の裸が見たいのか?」

 

 

しっしと手で追い払いながら美咲を廊下に追いやるが、十秒も経たぬ内に扉を開けて顔を覗き込ませてきた

 

その顔はむっと眉を寄せており、美咲が納得していないであろう事が窺えた……まだまだ説得が続きそうだな

 

「先に言っておきますが、再びポータルが開いたとしても先輩が一緒じゃないと私は────」

 

「……私は?」

 

「…………」

 

「おーい、何を呆けて……あ、さては俺の裸に見惚れてたな?」

 

 

美咲を追い払ってからすぐ着替えようと行動したもんで、俺が服を脱いだタイミングで美咲がすぐ扉を開けてしまった

 

何秒か無言を貫いてから美咲は場の空気を整え直すかの様に咳払いをし、凍てつく視線とあとついでに凍てつく波動を俺に食らわせてきた

 

 

「馬鹿な事言わないでください、なんで私が先輩のだらしない肉体ごときに興味を持たないといけないんですか」

 

「いやだらしなくは無いだろ!?どっからどう見ても無駄肉無しのスーパーボディだろうが!」

 

「冗談です、相変わらず羨ましい身体付きしてますよ……あんなに高カロリーなスイーツばかり食べてるくせに」

 

「最後言う必要あるか?」

 

 

からかいに対するカウンターを食らったのはともかく、その後の一言には個人的な恨みが籠められているような気がしたが多分気のせいではないだろう

 

まるで糖分を取り込む為だけに作られたような構造をしているこの身体を見る度に、俺はきっと産まれる前から神に祝福されていたのだろうと勝手に想像してしまう

 

スイーツを好きなだけ食べてもそこまで太らないつよつよボディですまない、(ダイエットをする人達の気持ちなど)理解できぬ

 

 

「あ、そうだ。伝え忘れてたけど明日は夕方ぐらいまで家にいないから訓練は無しな」

 

「……休日なのに仕事ですか?」

 

「違うって、シロコさんとプラナ連れて連邦生徒会に行くんだよ」

 

 

シロコさんの健康が心身共に良い状態か、それをカウンセリングついでに連邦生徒会に伝える

 

敵対する理由なんてとっくに失くなっているが、それでもキヴォトスを滅ぼしかけた張本人である事には変わりないので一応こうして〝安全です〟アピールを定期的にしに行かなければならない

 

ちなみにプラナを連れていく理由は先生やアロナさんに会わせたいから、話し相手はちょっとでも多い方が良いからな

 

 

「それだけなのに夕方まで掛かるんですか?」

 

「その後はトリニティに行かないといけないからな」

 

「トリニティ……何をしに?」

 

「蒼森さん……ていうか救護騎士団の人達に手土産持ってくんだよ、美咲の事で色々世話になったからな」

 

美咲がこっちに来たばっかの時はドタバタしてて礼らしい礼がちゃんと出来なかったが、そろそろ事件も落ち着いてきたし忘れぬ内に行った方が良いだろう

 

手土産はゲヘナ産のスイーツを持っていくつもりだ、トリニティの生徒ならトリニティ産スイーツなんて見飽きてるかもしれないだろうしな

 

 

「それなら私も一緒に行きます、ミネさんにも改めてお礼を言いたいですし……」

 

「そうか?じゃあ俺が連邦生徒会に行って帰ってきてから二人で出掛けるか」

 

「はい……あの」

 

「ん?なんだ?」

 

 

これで話は終わり……かと思いきや美咲はまたまた何かを喋ろうと口を開ける

 

しかしそこから声が発せられる事はなく、何か言いたげにしつつも結局一言も呟かず口が閉ざされた

 

 

「……さっきからどうした?俺とお前の仲なんだし言いたい事があれば遠慮せず言ってくれてもいいんだぞ?」

 

「…………いえ、大丈夫です」

 

「あ、おい!……行っちまった」

 

 

何を言いたかったんだろうか……まさか本当に俺の裸に見惚れてたとか!?

 

 

「……いや、無いな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なん、ですか……あの傷の……量……」

 

 




ばにたすばにたす……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。