〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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もしもクソボケがミニクソボケと出会ったら

 

 

 

「ぼけー!」

 

「ぼけぼけぇー!」

 

「誰がボケじゃクソボケェ!!!」

 

 

 

俺の一日はクソガキ共からの罵倒で始まる

 

ミニクソボケ、それは数年前突如キヴォトスに現れたデフォルメ謎生物

 

育った環境によって性格が大きく異なるこの生き物達だが、俺は何故かこのミニクソボケ達に絡まれやすい

 

 

 

「ぼけぇ!ぼけぇ!」

 

「ぼっけー!」

 

「やめろ!俺の身体で跳び跳ねるんじゃねえ!」

 

 

このミニクソボケ達だって別に俺が自分の意思で飼っているわけじゃなくて、雨の日も灼熱の日も台風の日もしつこく俺の家の前で待機し続けるから仕方なく家の中に入れてやってるだけだ

 

……コイツら、どうしてこんなに俺の元に集まってくるんだろうな。少ない日でも五人程、多い日には十人以上は集まってくる

 

今日は……八人か、面倒だな

 

 

「ぼけー?」

「ぼけー」

 

「ぼけっ!」

 

「わかったわかった、飯だろ?今作ってやっから大人しく待っとけ」

 

 

腹を叩きながら訴えてくるミニクソボケを適当に宥めつつ、シロコさんの寝室へ向かう

 

その時も後ろからミニクソボケがちょこちょこと付いてくるがスルー

 

 

「シロコさーん、朝だぞー……って、もう起きてたのか」

 

「ん……おはよう、酒泉」

 

「おう、おはよう……そっちももう起きてるか」

 

「ぼけっ」

 

 

既にベッドから上半身を起こしているシロコさん、そのベッドの頭上の棚上には小さなベッドが置かれている

 

その小さなベッドはシロコさんが飼っているミニクソボケ用なのだがそこには誰も寝ておらず、代わりに更にその隣に置かれているミニ自転車の上にミニクソボケが座っていた

 

 

「ぼけ?……ぼけっ」

 

 

スタンドを立ててカラカラと自転車を回すミニクソボケ、どうやら自転車の整備をしているらしい

 

 

「朝ご飯作るから二人とも顔洗っとけよー」

 

「ん……わかった」

 

「ぼけ」

 

 

ぽやぽやと目を擦りながら起き上がるシロコさん、ミニクソボケはその肩の上に乗る

 

シロコさんのミニクソボケは感情の起伏が乏しいタイプだが、根は動き回るのが大好きな運動っ子だ

 

つまり……ミニクソボケの中でも結構な大食いタイプでもある

 

 

「とりあえず朝は多めに作っておくか……」

 

 

ふらふらと顔を洗いにいった二人の背を見送り、そのまま厨房へ向かう……っと、その前に……

 

 

「プラナー、起きたぞー」

 

《……おはようございます、現在時刻は6時05分です》

 

「Zzz……ぼけ?………………ぼけぇ!?」

 

 

改めて俺の寝床に戻り、シッテムの箱を起動する

 

するともう一人の同居人のプラナが目を覚まし、シッテムの箱の前で眠っていたミニクソボケも慌てて飛び起きる

 

 

《本日は16時30分から当番としてシャーレに向かう予定があります、お忘れなく》

 

「おう、サンキュ」

 

「ぼけっ!ぼけぼけ!?ぼけー!」

 

「落ち着け落ち着け、まだ朝になったばっかだから寝坊じゃないぞ」

 

「ぼけぇ……」

 

 

慌てふためくミニクソボケにそう伝えると、ミニクソボケは安心した様に肩で息をした

 

このミニクソボケはよくプラナと一緒に行動しているのだが、どうやらプラナと同じく俺のサポートをしようとしているらしい……のだが少々ドジな一面もある為、ちょっと焦るとすぐに取り乱してしまう

 

「これで全員起きたか……よし、じゃあ飯にすっぞー」

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

 

「ぼけぇ!ぼけぇ!」

 

「ぼけー!」

 

「こらこら、喧嘩すんな……ほら、俺の分やっから」

 

「ぼっけー!」

 

 

 

一枚のトーストを取り合っている二人のミニクソボケ、仕方なく俺の分を一枚渡すと跳び跳ねて喜んでから食事を再開した

 

コイツら個体によって食う量とかも違うからなぁ……本当に面倒だ

 

 

 

「……酒泉、大丈夫なの?」

 

《朝食はしっかり摂らないと一日の活動に支障を来す場合があります》

 

「ん?ああ、大丈夫だ。どっかで適当に菓子パンでも買ってくよ」

 

「ぼけ!?ぼけぼけっ!」

 

「ぼけーぼけー!」

 

「ぼけっ!」

 

「誰がお前らの分つったよ、俺用のに決まってんだろ」

 

「ぼけー!」

 

「ぼけぼけー!」

 

「だーもう!喧しいわ!適当にコンビニスイーツでも買ってきてやるから大人しく飯食ってろ!」

 

「ぼっけー!」

 

 

菓子パンというワードに反応したミニクソボケ共を黙らせる為に仕方なく甘いものを買ってくると約束する

 

コイツらめちゃくちゃ糖分に反応するんだよな……まあ、俺も甘いものは好きだけどな、そこだけは理解するぞ

 

 

「ごちそうさまでした……んじゃ、ちょっと皿洗ったら軽く出掛けてくるわ」

 

「シャーレの当番以外に用事でもあるの?」

 

「おう、ちょっとトリニティの方にな……」

 

 

実は最近新しい和菓子店がオープンしたらしく、今日は朝イチでそこに向かう予定だ

 

糖分が絡むのであれば洋菓子も和菓子もどちらも好物、見逃すという選択はない

 

 

「ぼけー……」

 

「ぼけ……」

 

 

……そんなジト目で睨んできても駄目だぞ、お前らにはコンビニスイーツがあるだろ

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

 

 

「はい、あーん」

 

「ぼけー!」

 

「……ふふっ」

 

「おおう……キャスパリーグが捕食者みたいな目をしてる……」

 

「カズサちゃん……」

 

「流石にそのサイズの子に欲情するのはないわよ……」

 

「は……はあ!?誰が欲情するか誰がぁ!?」

 

 

 

 

「はわわ……!ペロロ様の着ぐるみを着たミニクソボケさん……可愛いです……!」

 

「ぼけ?」

 

「ヒフミ、今度はスカルマンの着ぐるみを着せてみよう!」

 

「あの着ぐるみの下、もしかして全裸なのでは……♡」

 

「あ、アンタ……まさかあんなちっちゃい子にエッチなことするつもりじゃないでしょうね!?」

 

 

 

 

 

「むっ!?あんな所に具合の悪そうな方が……行きますよ!ミニクソボケ!救護の時間です!」

 

「ぼっけー!」

 

 

 

 

「……」

 

「……ぼけ?」

 

「……ケケケッ!」

 

(ツルギ先輩が無言で見つめあってる……)

 

 

 

 

 

 

 

「……いやー、人気だなー」

 

 

 

トリニティに到着すると早速ミニクソボケと戯れる人達の姿が見えてきた、しかも大半が生徒達

 

女の子はちっちゃくて可愛い生き物が大好きなのかもしれないが、だからといってこんな謎生物愛でたくなるか?普通

 

しかも最近だと先生まで飼い始めたって話も聞いたし……

 

確かに俺だってスカルマンとかは可愛いって思うけど、ミニクソボケに関しちゃ……なんていうか……その……顔とか雰囲気が何となく気に入らん

 

理由なんかねえよ、うるせえよ、黙れよ理由なんかねえよ

 

……いや、本当に何となく受け入れられないんよね

 

 

「ぼけ?ぼけぼけ?」

 

 

 

そんな事を考えていたらいつの間にか俺の足元にミニクソボケが立っていた、誰も回収しにきていないのを見るに野良の個体だろうか

 

そいつを両手でそっと拾い上げ、目線まで持ち上げる

 

 

 

「お前、本当にどっから来たんだ?」

 

「ぼけ?……ぼけっ!」

 

 

 

俺の質問を聞いたミニクソボケは首を傾げた後、デフォルメされた丸っこい手を俺の顔にビシッ!と向けてきた

 

 

 

「あん?俺がどうかしたか?」

 

「ぼけっ!ぼけっ!」

 

「ははっ、何言ってんのかわかんねーや」

 

「ぼけぇ……」

 

 

 

しょぼん、と落ち込むミニクソボケ

 

そんなやり取りをしている内に目的の店の開店時間が近づいている事に気付き、ミニクソボケを下ろして店まで向かおうとする

 

 

 

 

────ぐぅ~……

 

 

 

「ぼけっ……」

 

「……ん?」

 

 

 

しかし下ろす直前、どっかから腹の虫の鳴き声が聞こえてきた

 

少し視線を下げるとそこには自身の腹を見つめるミニクソボケの姿が

 

 

「……なんだ?お前、腹減ってんのか?」

 

「ぼけぇ……」

 

「……んじゃ、お前も一緒に和菓子食うか?」

 

「ぼけ!?ぼけぼけ!ぼけっ!」

 

「うおっ……はは、急に元気になったなコイツ」

 

 

 

俺の提案が魅力的だったのか、ぴょんと跳ねて抱きついてくるミニクソボケ

 

それを抱えて両腕でキャッチし、ゆっくりと腰を上げる

 

 

 

「よーし、じゃあ腹を空かせた食いしん坊もいる事だし、ダッシュで店まで向かうかー」

 

「ぼけー!」

 

「そうそう、しっかり掴まってろよ?じゃないと振り落とされるから……なっ!」

 

「ぼけっ……ぼけー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「ん……ホシノ先輩、そろそろ起きて。抱き枕にされてるミニクソボケが苦しんでる」

 

「ぼ、ぼけぇ……!」

 

「うへー……あと5分だけー……」

 

 

 

 

ミニクソボケ、それは不思議な生き物

 

 

 

 

「ぼけぼけぼけ!ぼけぼけ~!」

 

「見てくださいユウカ先輩!ミニクソボケがユウカ先輩の電卓を持ってユウカ先輩の真似してますよ!」

 

「あら、本当……とっても可愛いですね♪」

「……」

 

「ユウカちゃん?」

 

「……」カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

 

「ユウカ先輩が無言で写真を……」

 

 

 

 

ミニクソボケ、それは貴方の小さな隣人

 

 

 

「ぼけ……」

 

「どうした?まさか……私と射撃訓練で競うつもりか?」

 

「ぼけっ」

 

「ふっ、良いだろう……何度戦ったとしても勝つのは私だがな」

 

「監督官、またミニクソボケにムキになってるよ」

 

「大人げない~」

 

 

 

ミニクソボケ、それは貴方の小さなお友達

 

 

「ぼけっ!ぼけー!ぼけー!」

 

「あら……もしかしてこの筋肉が気に入ったのですか?」

 

「ぼけ!」

 

「うふふ……ではお気の済むまでお触わりになってもよろしいですわよ?」

 

「ぼけー!」

 

 

 

耳を澄ませて

 

気づけばそこに、いつの間にかそこに

 

きっと、貴方の近くにも

 

……ほら、聞こえてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼけー!」

 




意外と酒泉君視点が求められてたので書いてみました
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