〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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ミニクソボケとは別の世界線のお話です


???「みどもっ!」酒泉「は?」

 

 

「みどもっ!」

 

「なんだこいつ……」

 

 

休日の早朝にランニングでもしようかと玄関を開けたら両手両足がない顔だけの謎の生き物がいた

 

髪の毛は紫、顔は何でこんな元気なんだってぐらい笑顔、なんだこのゆっ○りみてーな饅頭は……

 

 

「みどみど!」

 

「うおっ!?なんだなんだ!?」

 

 

謎生物は俺の周りをくるくると飛び跳ね回ると急にピタリと着地した

 

 

「みども!みどみど!」

 

「ミドモモ?」

 

「みどっ!みども!」

 

「日本語でおk」

 

 

駄目だ、何を言ってるのか一つも理解できない

 

みどもとは一体何を示しているのか、その謎を解明すべく我々はアマゾンの奥地へと向かった、ア゛マ゛ソ゛ン゛ッ゛!!!

 

 

「……いや、マジでみどもってなんだ?」

 

 

答えその一・ミドモモ、王道カップリングである

 

答えその二・人類を〝ごみども〟と舌足らずに罵っている

 

答えその三・みども=身共……つまり自分の事を差している

 

さあどれだ!

 

 

「みどっ……」

 

 

なーんて考えてたら目の前の饅頭生物の腹からぐぅ~っと音がなった、もしかして腹でも減ったのか?……腹どこだ?

 

 

「みどぉ……」

 

「……ん?なんだ?」

 

 

みどもちゃん(仮称)がジッと見つめてきたのは俺がランニング前に軽く何か食っておこうと用意してたうんめえ棒チョコミント味

 

右手に握るそれをみどもちゃんが涎を垂らしながら見てくる

 

 

「……やらんぞ」

 

「みどもぉ……」ぐぅ~

 

「駄目だ、そんな顔で見てもやらん」

 

「みど……」ぐぅ~

 

「……」

 

「みどぉ……」ぐぐぐぐぐぐぐぅ─────

 

「だああああああもう!分かったよ!一本だけだからな!?」

 

「みどっ!みどみどー!」

 

 

とりあえずよく分からんものには関わらないようにしよう、そんな思いでスルーしようとしたがそのつぶらな瞳に負けてうんめえ棒を一本差し出す

 

するとみどもちゃんはどうやって出しているのか分からない超跳躍力で跳び跳ね、全身で感情を表現しているかのように喜んだ

 

 

「ほら、あーん」

 

「みどー……みど!」

 

 

お気に召したのかみどもちゃんは一口食べて一度表情を明るくし、それからはサクサクと素早く口に含んでいった

 

ほう……チョコミント味を気に入るとは、貴様〝素質〟があるな?素晴らしい提案をしよう、お前もチョコミン党に入らないか?

 

 

「……もう一本食うか?」

 

「みどー!みどみど!」

 

「ふふっ……そうかそうか、美味いか」

 

 

ここまで気持ちよく食ってくれると……その……なんか……めちゃくちゃ可愛く見えてきた

 

気分的には小動物に餌を与えてる感じだ、実際はただの不思議生物なのだが

 

 

「……いや、本当に不思議だな」

 

「みど?……みどどどどどどど……」

 

「こら動くな、口拭いてやるから」

 

 

口元に付着している食べカスをハンカチで拭き取る……ついでにみどもちゃんを持ち上げてみる

 

排出器官らしきものは見当たらない、お尻も穴も何もない、ただの饅頭の底って感じだ

 

重さは……バスケットボールくらいか?

 

 

「そこまで重くは無いんだな……中身はあんま入ってないのか?だとしたら体内に入った食べ物はカスすら残らず完全に消滅してるって事に────」

 

「みっ……みどぉ!」

 

「うおっ!?」

 

 

じっくり観察していたらみどもちゃんは顔を赤くしてじたばたと暴れ始めた

 

頬もぷっくりと膨らんでおり、それは人間で例えるなら怒っている時の表情そっくりだった

 

 

「なんだ?怒ってるのか?」

 

「みどぉ……!」

 

「……もしかして恥ずかしがってるのか?」

 

「みどっ!」

 

 

俺の言葉が図星だったのかみどもちゃんはそっぽを向いてしまった

 

これは驚いた、人間以外の生き物にも感情があるのは当然だけど、まさかここまで感情表現が得意な奴が存在してるなんて

 

 

「なあ、うんめえ棒あげるから許してくれないか?」

 

「みど……」

 

「……他にも色んな味があるぞ?コンポタとか明太とか」

 

「みどっ!?」

 

「最近発売した〝モッツァレラチーズ味〟とかもな」

 

「み、みどぉ……」

 

「ほーれほれ、食わないなら俺が代わりに食って────」

 

「みどお!」

 

「うおっ……はは、急に元気になったな」

 

 

目の前でうんめえ棒の袋を開けてゆらゆらと揺らしてみる、するとみどもちゃんは猫じゃらしに惹かれた猫の様に飛び付いてきた

 

パクっとうんめえ棒を口に入れると、途中で口から離す事なくそのまま丸ごと一本飲み込んでしまった

 

 

「おまっ……そんな食べ方すると喉を詰まらせ────」

 

「んぐぐぐぐ……みど!」

 

「ええ……普通に飲み込みやがった……」

 

 

果たしてそれで味を感じ取れるのだろうか……感じ取れるんだろうな、めっちゃ幸せそうな顔してるし

 

そしてある程度堪能し終えると〝次は次は!?〟とおねだりする子供の様に他のうんめえ棒を見つめてくる

 

 

「分かった分かった、まだあるから一本ずつな」

 

「みどぉ!みどぉ!」

 

「本当にどうやって跳び跳ねてんだか……ほれ、次はコンポタな」

 

「みっどぉ!」

 

 

ちょっと上からコンポタ味を垂らしてみると、みどもちゃんは魚の様に餌に食いついた

 

どうやらこの生物は見た目以上にスペックが高いらしい

 

 

「んぐっ……みど!」

 

「また丸ごと行きやがった……ほい、明太」

 

「みどみょ!」

 

「納豆」

 

「みーど!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みどぉ……」

 

「……おやつのつもりで持っていくつもりだったのに全部使っちまった」

 

 

けぷっ、と目を閉じながらだらしない姿を晒しているみどもちゃん

 

まさか不思議生物の餌やりにここまで夢中にされてしまうとは……魔性の生き物だなみどもちゃんは

 

まあ、そこまで腹が減ってるわけでもないしうんめえ棒が無くなった程度で落ち込む程俺は豆腐メンタルじゃない

 

無いならないでこのままランニングに行けば────

 

 

「みど!みーど!」

 

「ん?……なんだ?うんめえ棒はもう無いぞ?」

 

「みどみど!」

 

 

まだ足りないのか食いしん坊ちゃん……って思ったが首を横に振っているみどもちゃんの反応的にどうも違うらしい

 

みどもちゃんはおれより数歩先にぽんぽんと跳び跳ねてから〝みどっ!〟と鳴いた

 

そして、その行動を何度も繰り返す……なんだ?ついてこいってか?

 

 

「みどー!みどー!」

 

 

しゃーない……ついていってやるか、ランニングは中止だ

 

俺自身、この不思議生物が気になり始めているところもあったのでここは素直に従おう

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「みどっ!みどっ!」

 

「……そんなに跳び跳ねてるのによく疲れないな」

 

 

懸命に跳ねてる……って訳でもなく普通に楽しそうに進んでいるみどもちゃんの後をついていく

 

すると、とある森林公園に辿り着く。そこはランニング中に俺が通りかかるコースでもあった

 

 

「みど!」

 

「ここが目的地か?」

 

「みどもっ!」

 

 

ある程度俺から離れた位置で着地し、ピタリと立ち止まる(立っていると表現していいのかは分からないが)みどもちゃん

 

そしてみどもちゃんはそこから人間の足数歩分の距離を跳ねて移動し、今度は木々が深く生い茂っている場所の前で立ち止まる

 

 

「みどーーーーーー!!!」

 

「うおっ!?びっくりしたぁ……」

 

 

すぅーっと大きく息を吸ったかと思えばみどもちゃんが突然叫び出す

 

何事かと思いみどもちゃんに話しかけようとする────前に、木々の方からガサガサと音が聞こえはじめる

 

 

「……なんだ?」

 

 

野良犬だったらみどもちゃんが危ない、そんな考えから咄嗟にみどもちゃんの身体を抱き抱えて後ろに下がる

 

警戒心を高めたまま草木の揺れを見続ける────出た、動物の尻尾だ……尻尾……だけど……

 

 

「野良犬じゃないな……この尻尾は────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やきとりっ」

 

「へどっ」

 

「せいしゅんっ!」

 

 

 

猫か、そう呟く前に三つの物体が飛び出してきた

 

それはみどもちゃんと同じ、饅頭の様な生き物だった

 

上から順に白髪の饅頭……やきとりちゃん

 

猫又の様な尻尾を持つ黒髪の饅頭……へどちゃん

 

一本角が額に生えている赤髪の饅頭……せいしゅんちゃんと仮称付けよう

 

 

「みどぉ!」

 

「せいしゅんっ!せい!せい!」

 

「やきとりぃ……」

 

「みどみど!みど────みどぉ!?」

 

「……へど」

 

 

俺の腕からぴょん!と飛び降り、不思議生物軍団の前にその身体を晒すみどもちゃん

 

するとみどもちゃんは自分を囲う仲間達に楽しそうに何かを語り出した────かと思えばへどちゃんに咎められるかのように尻尾でぺちんと叩かれていた

 

 

「へどへど、へど」

 

「みどっ……みどぉ……」

 

「へど」

 

「みどぉ!」

 

「とり、やきとり」

 

「せいしゅんっ!」

 

 

落ち込んでしまったみどもちゃん、しかしへどちゃんに何かを囁かれた数秒後にはすぐ元気を取り戻し、他の不思議生物ちゃん達と一緒に俺の方を向き直る

 

それから全員俺に何かを伝えてから同時に頭を下げる……謝られてる?いや、礼を言われてるのか?

 

 

「みども!」

 

 

もしかしてみどもちゃんは俺にお友達を紹介したかったのだろうか……だとすればかなり人間に友好的な生き物だな

 

そんな生き物が何故今日まで存在を確認されていなかったのか、この生物に関する謎が益々深まった

 

 

「みどお!みどみど!みーど!」

 

「へどっ、へっど」

 

「みどぉ……」

 

「やきとり?とりとり」

 

「しゅん?せいしゅん!みども、せいしゅん!」

 

 

……まあ、この子達がどんな秘密を抱えてようが、きっと人間の善き隣人にはなってくれるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てまえっ!てまえてまえ!」

 

 

 

そんな不思議な出会いをした次の日の朝、今度は頬にガーゼを張った不思議生物と玄関で出会いました

 

 

 

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