「おい酒泉、おはよう構え」
────挨拶ついでに要求押し付けんじゃ……ん?
「どうした」
────……いや、なんでも……
「お前はご自慢の眼で私を見た時にこう思った筈だ……〝あれ?コイツ胸いつもより大きくね?〟と」
────勝手に代弁すんな
「理由は単純だ、今日はサラシを着けずに登校したからだ。それと今後着ける予定もない」
────……まあ、いいんじゃね?俺には関係ないし
「なんだとぉ……Eだぞ興味持て、それと構え」
────やだよ、セクハラになんじゃん
「じゃあ私が許可してやるから興味持て」
────世間が許してくれないんだよ
「……けち!!!」
────えぇ……
──────────
「……おい、馬鹿」
────……はい
「お前今度はミレニアムで怪我したのか」
────は、はい……
「…………」グリグリグリグリ
────痛たたたたたた……頼むから後頭部を身体に押し付けないでくれ、傷口が開く痛たたたたたたた
「……嘘つき酒泉め」
────待ってくれ、今回の件に関しては本当に事故なんだ。決して誰かに命を狙われたとかそういうアレではなくてだな……
「……」
────だから……その……
「……」
────えっと……
「……」グスン
────……悪い
「だめだ、早く治さないとゆるさん」
──────────
「……」ムギュ
────おいやめろ無言で背中に寄り掛かんな、それかせめてサラシ着けてから寄り掛かってくれ
「なんでだ」
────……なんでもだ
「……酒泉」
────あん?
「お前告白されたのか」
────……おお
「付き合うのか」
────…………いや、断った
「本当か?」
────ああ
「……本当の本当にか?」
────何度も言わせんなって、本当だよ
「……そうか、そうかそうか」
────……?
「むふふふふふ……つまりこれからも変わらず私を構い続けると……」
────なんだお前、そんなこと気にしてたのか……別に誰かと付き合う事になったとしても友達付き合いはやめないっての
「ふへへへへへへ」
────おい、聞いてんのか?……おーい?
「酒泉」
────あ、戻ってきた……なんだ?
「これからもずっと一緒だからな」
────おお
「にへへへへへへ」
────あ、またトリップした
──────────
────あ゛ー……くっそ……マジで強すぎんだろあの人……
「酒泉、おはよう」
────おう、おはよう
「戦術対抗戦見てたぞ、惜しかったな」
────……いや、多分惜しくなかったぞ。剣先さんの方はまだ余力を残してそうだったしな
「でも食らいついてたろ」
────辛うじてな……はぁ
「……えい」ムギュ
────……なんだよ
「知ってるか、ハグには心を落ち着かせたりストレスを軽減させたりと色んな効果があるらしい」
────…………ありがとよ
「気にするな」
────でもサラシは巻こうな
「なんでだ」
────いや、その……何でもない
「さては胸の感触を楽しんでるな?」
────気づいてんじゃねえか!?
「そうか、楽しんでる事は否定しないんだな」
────…………楽しんでません!!!
──────────
「…………」ムギュ
「前にも言ったが寄り掛かる時はサラシを巻け」
「……おい、酒泉」
「なんだ」
「女連れ込んでるって本当か」
「同居人だ、誤解を生むような聞き方をするんじゃない」
「……ずるい」
「え?」
「私も一緒に住ませろ」
「何言ってんだよ、お前は自分の寮部屋があるだろ?」
「やだ、お前と一緒の方が楽しい」
「……駄目だ」
「やだ」
「駄目」
「やだやだやだやだやだやだやだやだやだ!!!」
「駄々を捏ねても無駄だぞ、俺は絶対に頷かんからな」
「私と一緒だと毎日遊べるぞ」
「風紀委員の仕事があるんで普通に無理」
「有象無象の貧乳共では絶対に届かないEの光景を毎朝拝むことができるぞ」
「興味ないね」
「……まさか、あの噂は本当なのか!?」
「……噂?」
「最強のケモミミばいんばいん美女を手籠めにしたって噂は……だからもう私の胸には興味が無くなったというのか!?」
「ちげーよ!?つーか元々お前の胸にも興味ねーからな!?」
「なんだ、じゃあホモか」
「よし、表出ろこの野郎」
「……でだ、私と一緒に暮らすことのメリットについてだが……」
「急に話戻すなよ……何言われても絶対に頷かんからな」
「毎日私のクッキーが食えるぞ」
「……っ、そ……それでも流石に……い、いや……ありっちゃありか?……で、でも……くそっ……ど、どうすれば…………!」
「マジか、めっちゃ悩むじゃん」
──────────
「おいクソボケ」
「違います、酒泉です」
「お前最近色んな学校の知り合い増えたよな」
「まあな」
「噂によればアリウスと仲良くしてたり、元ティーパーティーとか元セミナー会長とかとも仲良くしてたらしいし」
「おう……それがどうかしたか?」
「別にさ、お前がどこのお偉いさんと仲良くなろうが私は構わないけどさ」
「……」
「でも私のこともちゃんと構えよ、寂しいから」
「寂しいのか」
「うん、寂しい」
「……」
「……寂しい」
「……悪い、最近事件続きでちゃんと構えてなかったよな」
「分かればよろしい、でもめっちゃ寂しかったからその分構え褒めろ撫でろ」
「はいよー」ナデナデ
「ふふん」
──────────
「なあ」
「どうした酒泉」
「今日暇?」
「めっちゃ暇だ」
「じゃあさ、久々にゲーセン行かね?」
「珍しいな、お前から誘ってくるなんて……仕事はいいのか?」
「昨日全部終わらせた」
「不良共のせいでめっちゃ書類溜まってるって言ってただろ」
「自宅に持ち帰って終わらせたからな」
「……時間掛かっただろ」
「おう、徹夜した」
「なんでそんな面倒な事をした」
「いや、だってお前いつだか〝私のこともちゃんと構えよ〟って言ってただろ」
「……その為だけに?」
「それ以外無いだろ」
「……酒泉、お前良いやつだな」
「そうか?」
「好きだぞ」
「そうか────は?」
「?」
「お前……今……」
「どうした?」
「いや、だって……」
「ほら、ゲーセン行くんだろ……早くしろ」
「お、おう……(本人は気にしてなさそうだし……友達としてとかそういうのか?)」
「……?(私、さっきなんて言ったんだ?)」
──────────
「おい見ろ酒泉、これに見覚えはないか」
「そ、それはまさか!?……なんだそれ?」
「そういや見せたことなかったわ」
「なんだァ?てめェ……」
「この日記は私がまだ万魔殿に所属していた時に書いていた日記だ」
「おお、なんかそんな前でもないのに何故か懐かしく感じるな……んで?今日はそれを見せる為に持ってきたのか?」
「いいや、見せん。何故かお前にだけは見せたくない」
「なんだそれ、俺なんかしたか?」
「わからん」
「わからんのかい」
「まあ中身読み返しても万魔殿時代のろくでもない事しか書いてなかったし読まなくても問題ないと思うぞ」
「……なあ、一つ聞いていいか?」
「なんだ」
「お前なんで万魔殿辞めたんだ?」
「だってお前に嫌がらせしたくなかったし」
「……さんきゅ」
「どうだ、私は良い女だろう、惚れたか?」
「そういうところが無ければ惚れてたかもしれんな」
「マジか」
「マジだ」
「じゃあ治す」
「なんだお前、俺に惚れられたいのか?」
「ああ」
「……マジ?」
「どっちだと思う?」
「……お前の場合マジなのか冗談なのか分かりづらいんだよな」
「ちなみに私とそういう関係になった場合は毎日五十個はチーズ入りミートボール作ってもらうからな」
「別にいいけどその代わりお前には毎日百個ぐらいクッキー焼いてもらうからな」
「不公平だ、私の負担だけ大きすぎるぞ」
「俺だって負担でけえよ」
「あ、デカいで思い出した」
「ん?どした?」
「酒泉、私の胸を見て何か気付かないか?」
「……いや、なんで女性の胸を凝視しなきゃいけねんだよ」
「なんと私」
「言わなくていい」
「EからFになってました、ぶいっ」
「言わなくていいつったよなぁ!?」
──────────
○月×日 天気・今日も構ってもらえた
懐かしい物を見つけたので久しぶりに日記を書くことにした、多分もう書かないだろうみたいな事を言った記憶があるけど細かいことは気にするな
それにこの日記は今までの酒泉への嫌がらせ記録日記とは違う、これからは酒泉との日常を書き残す〝構え日記〟として書くことにした
ちなみに今日は暇だったのでひたすら酒泉の机に私の消しカスを飛ばし続ける遊びをした、あとついでに練り消しを酒泉の机の裏にはっつけてやった
あとあと、勝手に彫刻刀で私の名前を酒泉の机に刻んだりしてやった、これに関しては〝来年この机を使うであろう新入生のことも考えろよ〟って割と真面目に怒られた
でもちょっといじけたらすぐに構ってくれたのでアイツはちょろくて甘くて優しい
あとあとあと……なんだ、何か書こうとしたけど思い出せん
まあいいや、また明日
PS・思い出した、私酒泉好きだわ
今回で終わりです、以下オマケ
~もしパンデモブちゃんルートに突入したら~
「おい酒泉、抱け」
「はいはい、構えだろ?分かってるって────ん?今なんて?」
「抱け」
「……?」
「…………だけ、ばか」