〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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ヒナちゃんの悪夢

 

 

 

 

────おはようございます、空崎さん

 

 

 

「……うん、おはよう」

 

見慣れているけどずっと見ていられる、そんな彼の顔に朝から出会えた

 

たったそれだけのことで胸が高鳴ってしまうなんて、我ながら簡単な女だと思ってしまう

 

でも、それも仕方の無いこと。だってそれほど彼のことが大好き……ううん、愛しているのだから

 

 

「今日の仕事は近々行われる合同演習の会議から始めるね」

 

了解っす……まあ、厄介な奴等が暴れなければの話ですけどね……

 

「昨日は温泉開発部を捕らえたけど……便利屋や美食研が妙に静かなのが気になる」

 

何も企んでなければいいんですけど……

 

「……一応、風紀委員全体に警戒しておくように伝えておくから」

 

了解です……あっ、そういえば空崎さんに伝えたい事があるんでした

 

「伝えたい事?」

 

 

そう言うと、酒泉は私の両肩を掴んで真剣な表情で……えっ?も、もしかしてこれって……

 

 

 

「まっ……待って、酒泉。気持ちは嬉しいけど、こんな公の場で……」

 

空崎さん……

 

「そ、それとも周りの目が気にならないほど真剣ってこと?それなら私も……」

 

実は……俺……

 

「……………は、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人と結婚することになりました!

 

「……………………………………は?」

 

 

 

 

彼がそう言うと、突然どこからともなく一人の女性が現れる

 

 

「初めまして……ではないわね。私は調月リオ、セミナーの元会長で……現・酒泉の妻よ」

 

それでこの子達が……俺達の娘です!

 

「娘じゃありません!アリスが妻ポジションです!」

 

【王女よ、貴女にあの男は相応しくありません。ここは仕方無く私が………】

 

「私は折川家のメイドです、ぴーす」

 

 

また突然人が現れた、しかも三人も

 

 

「そして私が酒泉の妾だ、身体だけでも役に立てるのならそれで……」

 

「………それは道具である私の役目だから、サオリ姉さんは引っ込んでて」

 

「ふふっ……二人には悪いけど、私のロイヤルブラッドの血にはもう、彼の一部が溶け込んでるから」

 

「……それはどういう意味だ?」

 

「……は?どういうこと?聞いてないんだけど?」

 

「わ、私は酒泉さんとずっと一緒に居られればそれで……えへへ」

 

 

今度はアリウススクワッドが現れる、何故かすぐに仲間割れしたけど

 

 

「ちょっ……ちょっと待ったああああ!私のことも忘れてもらっちゃ困るよ!」

 

「君達だけではすぐに暴走する可能性がある、ここは私も参加するとしよう」

 

「むぅ……酒泉には私のことだけ見てほしかったけど……これで皆が幸せになれるならそれで……」

 

 

またまた人が突然現れる、今度は……才羽モモイに百合園セイア、そして白洲アズサ

 

 

「酒泉、どうするの?貴女は誰を一番愛しているの?」

 

 

酒泉に顔を近づける調月リオ、いつもならすぐに止めに入ったけど今回ばかりは身体が……というよりも脳が働かない

 

 

 

「…………」

 

えー?誰を一番愛してるかって?そんなの決まってるじゃないっすか……全員幸せにしてやんよお!

 

『いええええい!』

 

 

酒泉はそんなこと言わないしそんな顔しない

 

酒泉は女性に顔を近づけられたら少し恥ずかしそうに視線を逸らすはずだ、こんなの酒泉じゃない

 

 

 

 

「では、新郎新婦と新婦と新婦と新婦と新婦と新婦と…………以下略前へ」

 

 

 

なんて考えていると今度は突然空間が変わる、ここは……式場!?

 

中央には何故か牧師の格好をしてる先生が居た

 

 

 

「折川酒泉、貴方はここにいる全員を健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオンッ!

 

 

 

 

そこまで言った瞬間、突如天井が崩れ落ちる

 

瓦礫が降り注ぐ中、よく真上を見てみるとそこには─────

 

 

 

「ウホオオオオオッッッ!!!」

 

 

 

 

─────ウェディングドレスを着た巨大なゴリラがいた、なんで?

 

 

「くっ……!ついにここを嗅ぎ付けたか!」

 

「あと少しだったのに……!」

 

……アイツは俺に任せてください

 

「酒泉!?何をするつもりだ!?」

 

 

 

錠前サオリや戒野ミサキの制止を振り払いながら酒泉はゴリラに近づき、腕をあげる。そして────

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が行く!

 

 

 

 

 

 

 

────今度は巨大化した、だからなんで?

 

 

「ウルァァァァ!フルォォォォォ!」

 

「ウホオオオオオッッッ!」

 

 

 

そのまま取っ組み合いを始める二人……じゃなくて一人と一匹

 

周りの人は酒泉に声援を送っていて、声援を送られた酒泉が何だか金ぴかに輝きだしたけどそんな事はどうでもいい

 

何がどうなってるの?何で酒泉が結婚してるの?何で他の女の子達を侍らせてるの?

 

……そっか、これは全部悪い夢なんだ。それなら────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────壊しちゃってもいいよね

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おはようございます、ヒナ委……どうしたんですかその顔!?」

 

「おはよう、アコ…………ちょっと夢見が悪くて」

 

「きょ、今日はお休みした方がいいのでは?」

 

「そうはいかない、皆が働いている中でいきなり休むのは申し訳ないし、それに………酒泉の顔が見たい」

 

「駄目ですよ、無理しては!ここで委員長が倒れたらその酒泉だって心配しますよ!?」

 

「………確かに」

 

「それに……酒泉に会いたいのなら、いつでも私達の家に来ればいいだけじゃないですか」

 

「うん、そうだね………え?」

 

「?」

 

「……ねえ、それってどういう意味?何でアコの家に行くと酒泉に会えるの?」

 

「そんなの決まってるじゃないですか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、私と酒泉が………一つ屋根の下で共に愛し合っているからですよ……///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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