〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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ヒナちゃ(の太もも)に狂わされる酒泉

 

 

 

 

 

ふよんっ、と

 

意識が覚醒すると同時に後頭部に柔らかい何かが当たっているような感触が走る

 

そっと目を開けてみると、俺とは反対に目を閉じてすぅすぅと眠っている空崎さんの顔が視界に入ってきた

 

 

「……えっ?」

 

 

突然の出来事に困惑し、焦ったようにキョロキョロと周囲を見渡す

 

今、空崎さんが座っているのは風紀委員会のソファ

 

そしてそんな空崎さんに膝枕されてるのはこの俺、折川酒泉

 

 

「……いや、何で膝枕されて────っ」

 

 

思わずこの状況にツッコミそうになってしまったが、空崎さんが寝ている事を思い出して咄嗟に口を閉じる

 

……さて、どうしてこんな事になった?

 

確か今日はゲヘナのあちこちで事件が起きて、出張中の空崎さんが帰ってくる前に解決しようとめちゃくちゃ頑張って……

 

で、それで全部解決し終えた頃にはクタクタになって……ソファで休憩してたら眠くなってきて……

 

「……で、帰ってきた空崎さんが膝枕をしてくれたと?」

 

 

俺が寝違えて首を痛めないように固定してくれた……とか?

 

……いや、理由は何にせよこれ以上空崎さんのお世話になる訳にはいかないな、さっさと離れないと

 

身体を起こして空崎さんの太ももから後頭部を離れさせる

 

さーて、仕事仕事……空崎さんの時間を潰してしまった分だけ頑張らないとなー

 

えっと……まずは今日の事件の報告書から片付けるか

 

紙とペンを持ってと……あれれー?おかしいぞー?いつまで経ってもペンを取りに行けないぞー?

 

どうしてだろうなー、全く距離が縮まらないなー?

 

 

(当たり前だろ?だってお前の身体は動いてないんだからなぁ!)

 

 

……なんだ?この声……?

 

 

(俺はお前の欲望から生み出された半身……名は下川酒泉だ)

 

 

下川酒泉?なんだそりゃ……いや、そんな事よりも俺の身体が動いてないってのはどういう事だ?

 

 

(言葉通りの意味さ、お前の身体はこの場から動くことを拒んでるんだよ)

 

 

……ったく、そんなに疲れてんのか?俺の身体はよぉ

 

ちょっと働いただけだってのに情けねえなぁ……

 

 

(……違うな、理由はそれじゃない)

 

 

……あ?

 

 

(本当は気づいてるんだろう?お前の身体が動こうとしないのは空崎さんの膝に……いや────空崎さんの太ももに夢中になってるからだって事に)

 

 

……何、言ってやがる……俺が……空崎さんの太ももに夢中だと?

 

馬鹿な事を言うなっ!!俺が空崎さんにそんな邪な感情を抱くわけねぇだろ!!

 

 

(本当にそうか?)

 

 

………っ!

 

 

(確かに空崎さんの身体は小柄だし一見太もものサイズはそこまでに見える……が!太ももとは大きさだけが全てではない!)

 

(見ろ!あの健康的な太ももを!真っ白で!すべすべしてて!あの小柄にしては意外と程好くムチッとしている!太ももの中の太ももを!太もも・オブ・ザ・太ももーズ・オブ・ザ・太ももーズを!)

 

 

太ももーズ・オブ・太もも……え?なんて?モモミーズ?

 

 

(太もも・オブ・ザ・太ももーズ・オブ・ザ・太ももーズだ!)

 

 

言いづらいなそれ……

 

 

(今はそんなことはどうでもいい!とにかく!お前は自分の欲望を誤魔化してるって事が言いたいんだよ俺は!)

 

 

べ、別に誤魔化してなんか……!

 

 

(素直になれよ!お前はあの太ももから離れるのを惜しんでるんだよ!だからいつまで経っても太ももから離れようとしねえんだよ!)

 

 

う……うるさい!黙れ!消えろ雑念!

 

俺は太ももフェチじゃねえ!俺は太ももフェチじゃねえ!

 

 

(……ああ、そうだな……確かにお前は太ももフェチじゃねえ……お前は下半身フェチだあ!!!)

 

 

なっ……!?

 

 

(お前が好きなのは太ももだけじゃねえ!下半身のパーツ全てだ!)

 

 

な、なんて事を言いやがる!?人を変態みたいに言いやがってよぉ!?

 

 

(ならお前はその目で何度も直接見てきたのに何も感じた事がないのか!?)

 

 

何が!?

 

 

(銀鏡さんの褐色生脚を!火宮さんのピッチリ赤タイツを!天雨さんの程好く肉付いた太ももを!)

 

 

いや天雨さんに関しては上の格好の方がヤバいので……

 

 

(あ、それは俺も同意するわ)

 

 

……と、とにかく!俺はあの人達の脚をそんなジロジロ見たことなんてないし、イヤらしい目で見た事だって一度足りともない!

 

それに!これから先の人生でも風紀委員の皆に邪な気持ちをぶつけることなんて一生!そして絶対あり得ない!俺なんかの汚い視線を皆に飛ばす訳にはいかないからな!

 

 

(おいおい、何をカッコつけてんだ?お前の欲望なんて男子高校生なら持ってて至極当然のもんだぜ?)

 

うるさい!とにかく俺は空崎さんから離れるぞ!これ以上空崎さんの世話になる訳にはいかない!

 

 

(……ふーん、そうか……本当にそれでいいんだな?)

 

 

……な、なんだよ!そうやって意味深に聞いてきても無駄だぞ!騙されんからな!

 

 

(……お前、空崎さんが自分から人に膝枕するような積極的な性格してると思うか?)

 

 

……え?

 

 

(いいから答えろ)

 

 

……あ、あまり思わない……けど……

 

 

(そんな空崎さんがお前に膝枕してるって事は……それほどまでにお前のことを労ってやりたかったんじゃないのか?)

 

 

────っ!

 

 

(ここで空崎さんの太ももから逃げる、それはつまり空崎さんの思いを蔑ろにするのと同じ事だ……それでもお前はここから動くのか?)

 

 

……俺、は……

 

 

(だからさ、今日ぐらいは自分の欲望に素直になってもいいんじゃないか?この眠り心地の良い、最高最善の太ももに頭を預けてよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の幻聴が聞こえなくなってから俺は何分1人で思考を巡らせたのだろうか

 

あの幻聴の言葉のせいで意識は空崎さんの太ももに向かうようになってしまい、さっきまで自覚していなかった邪な気持ちがハッキリと分かりやすく浮かび上がってきてしまった

 

そんな気持ちで膝枕されるなんてのは間違いなく最低野郎の所業だ、でも……

 

 

「……空崎さんの気持ちを無駄にするのは、もっと最低だ」

 

 

言い訳のようにそう呟き、俺は再び空崎さんの太ももに頭を預けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、目を覚ますと今度は空崎さんに抱き枕にされていた

 

 

 

 

 




今の私は余裕があるので!なんと!二本も投稿しちゃいます!
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