「しってるかしゅせん」
「なんだ?」
「つぶあんとマーガリンをまぜてパンにぬるとすごくおいしくなるんだぞ」
「そっかぁ」
「……」
「……俺の分も食べるか?」
「たべる」
──────────
「しってるかしゅせん」
「なんだ?」
「クレーンゲームにきたいしすぎないほうがいい、そんすることになるぞ」
「そっかぁ」
「……ぐすん」
「……どれを取りたかったんだ?」
「あのくまさん……」
──────────
「しってるかしゅせん」
「なんだ?」
「のみものをまぜるとすごい色にかわるぞ」
「こら、ドリンクバーで遊ばないの」
「あっ……」
「罰としてこれは自分で飲み干しなさい」
「うっ……」グビー
「それでよし」
「……」
「……どうした?」
「……いがいとおいしい」
「そりゃあ、炭酸飲料ばっか混ぜてたらなぁ……」
──────────
「しってるかしゅせん」
「なんだ?」
「おんなのこはけっこんする時、しろいヒラヒラをきるんだぞ」
「ウェディングドレス?」
「そうだ」
「そっかぁ」
「……いいなぁ、きれいだなぁ」
「錠前さんだって大人になればいつかきっと着られるよ」
「ほんとか?」
「ああ、その時は好きな人の隣でブーケを持ちながら幸せそうに微笑んでるはずだ」
「すきなひと……しゅせんとかひめたちとかか?」
「……うーん、俺は含まれてないんじゃねえかなー。〝好き〟の方向性が違いそうだし」
──────────
「しってるかしゅせん」
「なんだ?」
「おんなのこはオシャレするとかわるらしいぞ」
「へー」
「ちょっとくちべにをぬったりつめにキラキラしたのをつけるだけでかわいくなれる……らしい」
「そっかぁ」
「………」
「……今日はおめかししてから出掛けるか」
「うん!」
──────────
「しってるかしゅせん、プリンにしょうゆをかけるとウニになるらしいぞ」
「あれ嘘だぞ」
「…………!?」
「子供の頃実際に試したけどクソ不味いプリンになっただけだったぞ」
「……そんな……」
「まあ、だから変な事は試さない方が……」
「ひめたちにたくさんウニをたべさせてあげられるとおもってたのに……」
「……いつか皆で回転寿司に行こっか、俺が本物のウニを食べさせてやるからさ」
「ほんとうか!?」
──────────
「しってるかしゅせん、スカルマンはかわいいぞ」
「わかる、めっちゃ可愛いよなあれ」
「もふもふでもちもちでふわふわしてるんだ」
「シマエナガくんといいスカルマンといい、俺はちっちゃくて可愛い生き物が好きなのかもしれない」
「……でも、スカルマンのとなりにいるへんなとりは目がこわかった」
「……わかる」
──────────
「しってるかしゅせん、人はうたれるといたいぞ」
「そっかぁ」
「それに、いっぱいうたれたらしんでしまうかもしれない」
「それに気づくなんて錠前さんは偉いなぁ」
「……しってるかしゅせん」
「……?」
「人にいたいおもいをさせちゃいけないんだぞ」
「……」
「……あのときはごめんなさい」
「……気にすんな、俺は気にしてない」
──────────
「しってるかしゅせん!このせかいには〝海〟というものがそんざいするんだぞ!」
「いきなりどうした?誰よりも自由を求めてるくせに自由に縛られてる巨人みたいなこと言い出して……」
「〝海〟ではみんなかわいいふくを着ておよぐ……らしい」
「そっかぁ」
「……」ワクワク
「……いつか白洲さんも含めたアリウススクワッド全員で遊びにいけるといいな」
「……?しゅせんはこないのか?」
「……俺、泳ぐの苦手だからさ」
「ならわたしがおしえよう!」
「いやー……遠慮しておこっかなー……」
「むぅ……」
(水着に着替えると背中にある調印式での傷痕が見られちゃうし……あんまこの人達には見せたくないんだよなぁ)
「……代わりといっちゃなんだが、錠前さん達が泳いでいる間に適当に焼きそばでも作っといてやるよ」
「やきそば?」
「おう、やきそば」
「……そばをやくのか?」
「……まあ、大体そんな感じ?」
──────────
「しってるかしゅせん、ヴァルキューレはいぬをかってるらしい」
「狂犬だな」
「ゲヘナもいぬをかってるらしい」
「痴犬だな」
「でもトリニティはゴリラをかってるらしい」
「ゴリラだな」
「……ずるい」
「……なにが?」
「わたしたちもいぬをかいたい」
「いるじゃん、大型犬」
「……?」
「槌永さん」
──────────
「しってるかしゅせん、ベアトリーチェはひどいやつだった」
「そうだな」
「でも、しゅせんはやさしい」
「……そうかぁ?」
「だって、私たちをいじめてたベアトリーチェとちがってしゅせんは私たちにやさしくしてくれるからな」
「……俺だって初対面の時は錠前さん達に結構酷いこと言ったけどな」
「……今でもキライか?」
「いーや、そんな事はないさ」
「そっか……ふふっ」
──────────
「しってるかしゅせん、かみなりがなるとへそをとられるらしい」
「そっかぁ」
「だが、わたしはつよいからもんだいない」ドヤァ
「おーすごいなー」ナデナデ
「むふふ……」
「……でも、風邪引いちゃうから早く秤さん達の所に帰ろうな?」
「だいじょうぶだ、わたしはつよい」
「違う違う……錠前さんが雷からアリウススクワッドの皆を守ってあげないといけないんだよ、だから帰るんだ」
「……!それならしかたない!わたしはお姉ちゃんだからな!」
──────────
「しってるかしゅせん、やくそくというのはまもらないといけないんだぞ」
「……すまん」
「……うそつき」
「わ、悪かったって!便利屋が……問題児がまた面倒事起こしたせいで仕事が入っちゃったんだって!」
「……ゆうえんち、いっしょにいくっていってたのに」
「また来週!その日こそ絶対に空けておくから!なっ!?」
「……」
「そ、そうだ!この前コスメとか目を輝かせながら見てただろ!?あれ買ってあげるから!」
「……っ、……そ、そんなものにわたしはつられたりなんか……」
「洋服も買ってあげるから!白いヒラヒラしたやつ!」
「……こんかいはゆるしてやろう」
「ほっ……」
──────────
「しってるかしゅせん、ドーナッツはどれだけたべてもゼロカロリーだからふとらないんだ」
「……誰がそんな事を?」
「せいじつのデカいひとがいってたぞ」
「……?」
「だからダイエットにてきしたたべものらしい」
「デカい人……ダイエット……あっ(察し)」
「わたしもふとらないようにドーナッツをしゅしょくにしたほうがいいのかもしれないな」
「……やめといた方がいいぞ、多分その人後で体重計見たら絶望する事になるから」
──────────
「しってるかしゅせん、トリニティはみずぎであるいていいらしい」
「……」
「なつばとかすずしそうだな」
「駄目」
「……なぜだ」
「世間一般では変質者扱いされるから」
「じゃあどうしてトリニティにはみずぎではいかいしているせいとがいるんだ」
「その人は多分……まあ……色々と解放したくなったんじゃね?」
「かいほう?なにをだ?」
「何も知らない他者に押し付けられてきたものだろ」
「……?」
──────────
「しってるかしゅせん、このチューインガムはおいしいぞ」
「……」
「しゅせんにもひとつやろう」
(……これどう見てもアレだよな)
「どうした?たべないのか?」
「……じゃあ、遠慮なく」
「……」ワクワク
「いただきま────」
ばちんっ!
「……やっぱパッチンガムか」
「ふふん、ゆだんしたな。ひとにあたえられたものをむやみに食べようとしてはいけないんだぞ、どくがはいってるかもしれないからな!」
「………」
「けいかいはつねにしておくべきだ、しゅせんもまだまだだな」ドヤァ
「………」
「……しゅせん?」
「………」
「ど、どうしてなにもいわないんだ?まさか……おこったのか?」
「つーん」
「……あぅ」
「………」
「……ご、ごめんなさい……あやまるからきらわないで……ください」
「……冗談さ、怒ってないよ。ちょっと意地悪し返したかっただけだからさ」
「ほ、ほんとうか?ほんとうにおこってないのか?」
「本当本当、この程度で怒るわけないだろ?」
「……きらってない?」
「嫌ってない」
「……すき?」
「好き」
「えへへ……」
──────────
「しってるかしゅせん、このせかいはむなしくなんかないぞ」
「そっかぁ」
「おいしいものもたのしいこともいっぱいあふれてるんだ」
「ああ」
「ここにはいたみもきょうふもない……だからおびえなくていいんだ」
「だな」
「もうにどとアリウスみたいなかんきょうにたえなくていいんだ」
「そうだな」
「だから……これから、は……しゅせんや……ひめたちと……いろんな……こと……を……」ウトウト
「……おう」
「……で、ベアトリーチェの旧拠点の調査中にヒヨリがうっかり棚に身体をぶつけたせいで棚上から落ちてきた変な薬からヒヨリを庇って心身共に幼児化しちゃったサッちゃん?元に戻る前に酒泉に沢山甘えることができてよかったね?」
「やめろ……殺してくれ……頼む……!」
「な、なんかすみませんねぇ……私のせいで……」
「ヒヨリはいいよね、会う度に甘えさせてもらってるから」
「ひ、姫ちゃん?もしかして怒ってます……?」
「……怒ってない」
「…………」
「……ミサキ?どこに行くの?」
「……別に、散歩だけど」
「あの薬ならとっくにトリニティ生が回収した後だよ」
「………………あっそ」
「違うんだ酒泉……本来の私はあんなではないんだ……!」