〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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ヒナに堕ちろ!折川酒泉!

 

 

 

「空崎さーん、この書類なんですけどー……っと」

 

「……」

 

 

空崎さんのサインが必要な書類を持って執務室に行くと、そこでは空崎さんがデスクでうつ伏せになって寝ていた

 

此方の気配に気付く素振りもなくすーすー寝息を立てているところを見るに相当疲れが溜まっていたのだろう

 

 

「そろりそろり……」

 

 

空崎さんを起こさないように完全に気配を遮断して接近する、この状態でも少しでも敵意や攻撃の意思を出したら即座に飛び起きてしまうだろう。まあ、俺が空崎さんと敵対するなんて百有り得ないけど

 

この細やかな睡眠時間が途絶えない様にと足音物音一つ立てずデスクの上に必要書類だけ置いて帰る……前に〝いつもお疲れ様です〟と超小声で労う

 

 

「……気持ち良さそうに寝てんな」

 

 

完全に消えてるヘイロー、枕代わりの腕にモチっと張り付く柔肌、静かな呼吸音

仮眠中の姿を見た事はあれど、仕事中にここまで見事な熟睡は一度も見た事がないのでちょっぴり新鮮な気分だ

 

 

(……本当はもっと休みたいだろうに)

 

 

幾ら仕事を分担しようと組織の長である以上はどうしても他の部員より仕事量が多くなってしまう。それでも逃げ出すまいと誰よりも懸命に働き続け、ゲヘナの治安維持に貢献し続けてきた

 

空崎さんは十二分に頑張ってる、そんな彼女に何の報酬も無いなんて不公平すぎる

 

 

(……もっとだ、もっと強くならないと)

 

 

だから、せめて卒業までの残りの学園生活くらいは平穏に送らせてあげたい

 

その為に今よりも強くなり、今よりも早く問題児共を倒せるようにならないと

 

具体的な強化案は既に思い付いてる、それは俺が〝シロコさんと戦った時の状態〟にいつでも成れる様にする事

 

この眼には最強に至れるだけのポテンシャルが秘められている、ただ俺がそれを使いこなせていないだけの話だ

 

そのポテンシャルを解放するにはあの時と同じくらい集中する様な状況……つまり格上との戦闘経験が必要だ、だから休日は時々シロコさんに模擬戦の相手を頼んでいたりする

 

……が、やはりと言うべきか。そう簡単にあの状態には至れていない

 

 

(待っててくださいね、空崎さん……すぐに貴女を越えてみせますから)

 

 

そして、その小さな身体に背負ってる物全てひっぺがしてあげますから

 

そんな決意を固めながら、俺は空崎さんの頬を突っついた

 

 

「……ん?」

 

 

ふにょ、と指先に伝わる柔らかい感触

 

視線を下げると俺の指が空崎さんの頬に……ほお……に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(な、なにイィィィィィィィ────ッ!?)

 

 

馬鹿な!?何故俺の指が空崎さんの頬に埋まっている!?どうして今の流れでこうなる!?理解できぬ!貴様のやってる事は何一つ理解できぬ!

 

ま、まるで時が跳んだかの様に気付かぬ内に一瞬で────はっ!?ま、まさかこれは……!?

 

 

(スタンド攻撃を受けている!?)

 

 

そうだ!それしか考えられん!他に思い浮かぶとしても俺が空崎さんの柔らか頬っぺたを見てその誘惑に負けた可能性しか────いやどう考えてもそっちの方が有り得るよね!うん!

 

お、俺はなんて事を……空崎さんが寝ているのをいい事に、無防備な空崎さんを攻撃(弱)してしまうなんて……!

 

 

(そ、空崎さんすまねぇ……こ…こ…こんなはずじゃなかった……!)

 

 

罪悪感に駆られて咄嗟に指を離し、それでも尚起こさない様に無言で頭を下げると同時に己の指に八つ当たりする

 

何やってんだ俺の右手の人差し指ィ!てめぇ兄貴の大好きなケジメ案件になっても文句を言えないであろう失態だぞゴルァ!

 

それをこんなっ、こんなもちもちほっぺの誘惑に負けて……まけ……て……

 

 

(…………れ、冷静に考えたらそこまで遠慮する事は無いんじゃないか?)

 

 

ほら、なんていうかさ……空崎さんだって俺に触れてくる事はあるんだしそこまで気に病む必要は無いんじゃないか?

 

あまり過剰に遠慮しすぎると空崎さんだって萎縮されてると思わせちゃうかもしれないしさ……

 

そう!これはスキンシップ!あくまでスキンシップです!決して俺が空崎さんのもちもちほっぺに触れる為の言い訳をしているわけではありません!

 

 

(だ、だからあとちょっとだけ……)

 

 

俺は悪くねえ!と心の中で叫びながら再び空崎さんのほっぺを人差し指で優しくつつく

 

 

 

 

──ぷにょ──

 

 

(ふ……ふおぉおおお……!!!)

 

 

するとなんという事でしょう、改めて意識した事で先程以上の柔らかな感触が指先に伝わってくるではありませんか

 

肌はすべすべ、中はもちもち、なんだこの今まで出会ったことのない感触は……触れる者全てを魅了するこのほっぺは!?

 

制御下から離れた様に俺の指が空崎さんの頬に吸い寄せられるこの吸引力、まさにブラックホール!ブラックホール!!ブラックホール!!!

 

あーゆーれでぃ!?(理性が持たないかもしれないので)駄目です!!!

 

 

──ふに、ふにょん──

 

 

(だ、駄目だ……指が止まらん……!)

 

 

そのほっぺをつんつんする度にもにゅもにゅと指が埋め込まれ、俺をより深く魅了してくる。この相手を依存させる原理は恐らくヒナニウムの分泌によるものだろう

 

ヒナニウムというのは空崎さんから発される成分で、これを摂取すると暫く頭の中が空崎さんでいっぱいにされて頭ハッピーになってしまうという恐ろしすぎる成分だ

 

ちなみに空崎さん曰く俺からはシュセニウムという空崎さんが生きる上で必要な成分が出ているらしい、つまり互いに摂取し続ければ永遠にハッピーになれるのでは?

 

 

(……いや、本当に綺麗な肌だなおい)

 

 

立場上ストレスで荒れててもおかしくない筈なのに、その真っ白な肌は驚異のすべすべ具合を誇っていた

 

もちもち、ぷにぷに、すべすべ、果たしてこれに勝てる肌は存在するのか、空崎さんの柔らか頬っぺたこそキヴォトス最高の神秘だろ

 

 

「んぅ……」

 

「あ、やば───」

 

 

身動ぐ空崎さんを前に〝流石にやりすぎたか〟と反省していると、空崎さんの顔の位置がずれた事により俺の人差し指が空崎さんの唇に触れてしまう

 

マズイ、このままではただのセクハラ野郎に────そのアラートは、空崎さんが取った次の行動にかき消された

 

 

「んっ」

 

「…………ふぁっ!!?!?!!?」

 

 

唇と人差し指が触れ合った瞬間、なんと空崎さんの小さな口が俺の人差し指を捕らえてしまった

 

そしてそのままちうちうと哺乳瓶でミルクを飲もうとする赤ん坊の様に俺の指を吸い始めた

 

 

「ん……」

 

 

──ちゅー──

 

 

「あばばばばばばばばば……」

 

 

なんだ、コレは

 

俺はただ空崎さんのほっぺを突っついてただけなのに、どうしてこんな特殊なプレイみたいな真似を────はっ!?そ、そうだ!早く離れないと!

 

 

「んー……」

 

「くっ……!?だ、駄目だ……動かん……!?」

 

 

そっと指を離そうとしても空崎さんの口は逃がそうとしてくれず、かといって力一杯引っ張ってしまうと空崎さんを起こしてしまうのでそれもできない

 

おそらくこれは神が俺に与えた天罰なのだろう、無防備でいたいけな少女に手を出してしまった愚かな男へのな……

 

 

「ん……」

 

 

──ちゅぽん──

 

 

「うお……っと」

 

 

なんて考えていたら満足してくれたであろう空崎さんが俺の指を解放してくれた、危ない危ない……あと少しで母性に目覚めるところだったぜ

 

次からは適度に突っつかないとな……え?お前まだやるつもりなのかって?当然だろ、まだ試してない事があるんだから

 

 

「……」

 

 

ごくり、と喉を鳴らしながら改めて空崎さんのほっぺを見つめる

 

今からやる事は空崎さんに対する最低の裏切りとも言える行為だろう、さっき〝空崎さんと敵対する事はない〟みたい発言をしておきながらもうこの有り様である

 

でもしょうがないだろ?一度空崎さんのほっぺに魅了された者は二度と正気に戻れないのだから

 

 

(だから、仕方ない)

 

 

そんな言い訳と共に俺は両手で空崎さんの両頬を掴み、そして───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むにょ~ん

 

 

 

 

 

(おっ……おおおおおおおおおっ!?)

 

 

伸びる!こいつ、伸びるぞ!

 

 

 

──むにゅ、むにー、むにょん──

 

「ふっ……ふふ……ふふふふふ……!」

 

 

力を込めずほんのちょっと、本当にほんのちょっとだけ指を動かすと伸びたり縮んだりして……こう、癖になるな……

 

真っ白な肌が伸びるその様はまるで雪見だいふく、睡眠状態のぽやぽやした雰囲気も相まってよりキュートな感じに、頭に浮かんでいるヘイローなんか空崎さんのギャップを際立たせるのに一役買って────

 

 

「……ん?ヘイロー?」

 

 

おかしい、どうしてヘイローが浮かんでいるのだろうか

 

意識が無い状態だとヘイローは消えているはず、実際にさっきまでは消えていた

 

それなのになんで……

 

 

「……」

 

「……あ」

 

 

両頬をつまんだ状態のまま、空崎さんと目が合った

 

 

「……」

 

「……」

 

「えっと……おはようございます……?」

 

「おひゃよう」

 

「……」

 

「……」

 

「そこの書類にサインお願いできます?」

 

「それで誤魔化せると本気で思ってるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だーもう!温泉開発部の奴らまた落とし穴掘りまくって……!」

 

「悪い銀鏡さん!遅れた!」

 

「酒泉!いや、助か───なんか頬っぺた赤くない?」

 

「オモチャにされました」

 

「?」

 

 




これで付き合ってないってマジ?
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