〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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脱出成功ギリギリのところでアロプラを途中で手放しちゃってそのまま行方不明的な


もしも酒泉君が最終編で行方不明になっていたら

 

 

 

名前、それは個を識別する為に与えられたもの

 

俺にとってはただの番号でしかないのだが、どうやら俺以外の人間にとっては大切な名称らしい

 

名前の一つ一つに意味が籠められ、そこには生みの親からの多くの感情が籠められているのだとか

 

 

「……何故だ」

 

 

どんな意味が籠められていたところで、その名前通りの人生を歩むとは限らないというのに

 

所詮は個体番号、そこに意味を籠める必要性など感じない

 

 

「……折川酒泉」

 

 

それが、俺に与えられた〝番号〟……らしい

 

〝らしい〟というのは、そもそも自分の名を知っていた頃の記憶が俺にはないからだ

 

さて、俺の名付けの親は何を籠めて〝酒泉〟と名付けたのだろうか。将来キヴォトスを支配するかもしれないであろう一味に協力している男に、人類の敵になるであろう男に、何を求めようとしたのか

 

 

「あ、あの……お兄、様……」

 

「……アインか」

 

 

ふと背後から気配を感じて振り向いてみる

 

竜の尾を想起させる尻尾、×が刻まれた黄色の瞳、顔の半分を覆っているガスマスク

 

そこに立っていたのは俺を拾った少女達の一人、アインだった

 

 

「どうした、時間か」

 

「い、いえ……姿が見当たらないなと思って……」

 

「……特に用も無いのに探しにきたのか?」

 

「め、迷惑でしたか……?」

 

 

思った言葉をそのまま正直に伝えるとアインがびくりと肩を身震わせる、特に責め立てるつもりはなかったが不必要に怯えさせてしまった

 

不安げに顔色を伺ってくる彼女を安心させる為、自分の隣をぽんと叩いてから手招きする

 

 

「来い」

 

「……!は、はい!」

 

「……追われてる訳でもないのに焦るな────落ちるぞ」

 

 

今、俺が遥か上から見下ろしているのは機械で作られた鋼鉄の都市

 

考え事をする度にこの景色を見にきてしまうのは自分に人間としての感情が残っているからか、それとも体が勝手に人間の真似事をしてるからなのか

 

 

「あの……お兄様?何か悩みでも……?」

 

「……何故それを問う」

 

「その、お兄様は何か悩み事が生まれる度にこの景色を見に外へ出掛けていたので……」

 

「……」

 

「わ、私でよければ力になりますよ……?」

 

「……〝折川酒泉〟について考えていた」

 

「は、はい……?」

 

 

意味が分からないと言いたげに首を傾げるアイン、しかし俺は何も間違った事は言っていない

 

俺は〝折川酒泉〟の事を何も知らない、この個体は記憶を失う前は何をしていたのか、どんな役割を与えられていたのか、何を成そうとしていたのか

 

〝折川酒泉〟を知る存在に出会えればそれを教えてもらえるかもしれない。だが、生憎とそれを許してくれるほど彼女達は親切ではない

 

 

「アイン、お前は折川酒泉がどんな存在だったのか知っているのか?」

 

「その……データ上でなら……」

 

「データで全てが理解できるのか?」

 

「そ、そうとは限りませんけど……」

 

「……やはり駄目か」

 

 

真の意味で折川酒泉を知るには人間の力が必要だ

 

他者の口から、他者の言葉で、折川酒泉の何を見てきたのか、折川酒泉が何をしたのか

 

 

「……ど、どうして急にそんな事を?」

 

「……夢を、見るんだ」

 

「夢……ですか?」

 

「大勢の人間が俺の名前を呼ぶんだ、酒泉、酒泉、帰ってこい、と。だが、夢の中に出てくるそいつらは全員顔が黒く塗り潰されていて誰が誰なのかも────」

 

「ゆ、夢はただの夢です!お兄様が気にする必要はありません!」

 

「……」

 

「あ……ご、ごめんなさい……」

 

「……いや、気にするな」

 

 

アインにしては珍しく声を荒げるので驚いてしまい、つい口を開けたまま言葉を止めてしまった

 

するとアインは直後に焦ったかの様に両手を振り、此方がまだ何も言っていないにも関わらず頭を下げて謝罪の言葉を口にした

 

互いの間に気まずい空気が流れる中、アインはまた不安そうな表情で俺に問いかけてきた

 

 

「お、お兄様……お兄様は記憶を取り戻した後も私のお兄様で居てくれますか……?」

 

「お前がそれを求めるのならそれを受け入れよう、ただ────オウルが認めてくれるとは思えないがな」

 

「そ、その時は私がオウルを説得します……!」

 

「……どうだろうな、あいつに可愛がられてるお前でもそれは難しいと思うぞ」

 

 

〝人間〟のサンプルが欲しいから────彼女達が俺を拾った理由はたったそれだけ

 

敵を倒す為に敵を理解する事から始めるというのは至極真っ当な行為であり、俺はその恩恵で生かされているだけに過ぎない

 

サンプルデータを取り終えれば最早俺は用済みだろう、適当に放り出されるのかもきっちり始末されるのかも分からない

 

……もし、もし殺されるのだとしたらその前にもう一度だけ

 

 

(貴女に会いたい────■崎さ■)

 

 

「……ん?」

 

「お、お兄様?どうかしましたか?」

 

「……いや、なんでも」

 

今のは誰の名前だろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「そ、それでこことここの回路を繋げれば故障しちゃったこの子も……はい」

 

「こんなに早く直すなんて……流石はアインだな」

 

「えへへ……」

 

「このロリコンがぁ!!!」

 

「いたっ」

 

「あ……」

 

 

銃器を修理し終えたアインを酒泉が優しく撫でると、その背後から黒い目隠しをした少女が現れて酒泉の頭を強めにひっぱたく

 

すると撫でる手を止めた酒泉は寂しげな表情を浮かべるアインに気づかずに背後からの襲撃者を睨み付ける

 

 

「……何をする」

 

「なーに然り気無くアインの頭を撫でてやがるんですか!?いやそもそもなんでアインを膝の上に乗せてんですか!?」

 

「オ、オウル!これは私がお願いしたことだから……だ、だから……!」

 

「私だってアインを撫でたかった!!!私だってアインを膝に乗せてくんかくんかしたりすーはーすーはーしたりしたかった!!!でも私は……折川酒泉みたいにはなれない────」

 

「ふんっ!!!」

 

「メメタァ!?」

 

 

ねじ曲がった矛先を酒泉にぶつけようとするオウル、そんな彼女の腰回りを掴んでパイルドライバーを決めたソフはそのまま呆れ顔でオウルを見下した

 

その光景にあわあわと慌てふためくアイン、一方で酒泉は見慣れた光景だとばかりに無表情を貫き通す

 

 

「ソ、ソフ……貴女はこのままでいいんですか……!?純真無垢なアインがこんな人間に寝取られるなんて……!」

 

「寝てもいないのに何言ってるのさ……」

 

「足音を立てないように歩きながら毎晩遅くこの男の部屋に行ってるアインの姿を見ても同じことが言えるんですか!?」

 

「ああ、それならアインが自分から酒泉の部屋に行ってるだけだよ。私も実際にその場に居たし間違いないよ」

 

「なっ……」

 

 

驚く素振りも見せず平然と答えるソフに唖然とするオウル、知らなかったのは自分だけかと怒りを抱きながらある懸念を口にする

 

 

「……酒泉、貴方まさかアインに懐かれてるのを良い事に変なことはさせてないですよね?」

 

「変な事とはなんだ」

 

「酒泉、それ聞くとオウルがハッキリと△△△ピーとか×××ピーの事ですよ!!!」……ほら、言っちゃった」

 

「つまり性的行為の事か?安心しろ、ただ寝る前に少し雑談したりそのまま一緒に眠ったりしてるだけだ」

 

「酒泉も酒泉でハッキリと答えなくていいから!?」

 

「さて、どうでしょう?人間の中には〝ロリコン〟と呼ばれる個体も存在しますからね」

 

 

オウルはゴミを見る様な視線で酒泉を睨むも、肝心な酒泉の方は何の事やらと首を傾げるばかり

 

何か疑問に思う事があったのか、酒泉は隣に立っているソフに目配せをして説明を求めた

 

 

「ソフ、ロリコンとはなんだ?何を意味する?」

 

「えっ!?私に聞くの!?え、えっと……まあ、簡単に説明すると歳の離れたちっちゃい女の子に欲情する変態の事かな……」

 

「欲情、か……ふむ……」

 

「……何のつもりですか、急に此方をジロジロと見つめるなんて」

 

 

ソフから説明を受けた酒泉は突如オウルから一歩退いてその全体像を視界に収める

 

顔を、身体を、足を、爪先までしっかりと、その全てを記憶を失う前から持っていたであろうご自慢の視力で目に焼き付け───

 

 

「安心しろオウル、今お前の身体を注視してみたが性的興奮も性的魅力も一切感じなかった」

 

「は?????」

 

「つまり俺はロリコンではないという事だ、どうだ?これで安心したか?」

 

 

無表情のまま伝える酒泉、次の瞬間にはオウルが右の拳を握りしめて駆け出していた

 

 

「殺します、絶対に殺します、人間は管理対象ですが貴方だけはここで殺します」

 

「オ、オウル!落ち着こ?ね?」

 

「大丈夫ですよアイン、私はこれまでに類を見ないレベルで落ち着いています。だって目の前の男を殺す為の手段が無限に思い付いてしまうほど冷静なんですから」

 

「それ殺意に飲まれてるって言わない?」

 

「何故オウルは怒っているんだ?俺はただお前からは魅力を感じないと伝えただけなのに」

 

「ゲブラ!聞こえますか!貴方の冷凍ビームで今すぐこの男を文字通り氷山の一角にしてあげなさい!……聞いているのですか!?ゲブラァ!!!」

 

「えっと……ゲブラちゃん曰く〝管轄外〟らしいです……」

 

「ていうかそんな事の為に呼び出そうとしないでよ……」

 

 

酒泉には記憶が無い、故に乙女心といったものを理解する為の情緒がまだ育ち切っていない(無論、記憶を失う前から乙女心が理解できない男だった可能性も存在するが)

 

彼の発言には悪意など籠められていない、彼はただノンデリなだけである、頭では一応それを理解しているオウルは渋々と……ボソボソと文句を呟きながらほんっっっっっっっとうに渋々と引き下がった

 

 

「……ふん、まあいいでしょう。貴方との生活も〝お姉様〟が目覚めるまでの間だけです、その時が来れば小生意気な貴方ともおさらばですから」

 

「オ、オウル……その事なんだけど……お姉様が目覚めた後もお兄様と一緒に暮らすっていうのは出来ないのかな……?」

 

「何を言っているのですか、記憶を失っているとはいえこの男はこれから私達が敵対するかもしれない者達の〝同種〟なんですよ?そんな危険な存在、お姉様の側に置くわけにはいかないでしょう?」

 

「で、でも!もしここでお兄様が〝絶対に裏切らない〟って約束してくれるならそれを信じてみても────」

 

「駄目ですよアイン、人間は約束という契りを簡単に裏切る生き物なんですから。それに……仮に〝今の酒泉〟が本心から私達の仲間になる事を誓ったとしても〝記憶を取り戻した後の酒泉〟が同じ選択をするとは限らないのですから」

 

「そ、それは……そうだけど……」

 

「アイン、無理して庇わなくていい……俺は気にしていない」

 

 

物静かなアインにしては珍しく食い下がるものの、オウルが彼女の提案を受け入れる事は決してない

 

記憶無き空っぽの少年が正真正銘の〝折川酒泉〟に戻ったとして、アイン達と交わした約束よりその時に思い出した大切な人達の方を優先する選択をした場合────彼は間違いなく裏切るだろう

 

だから決して心の底から彼を受け入れてはならない、たとえアインとソフが絆されてしまっても、自分の心も彼の存在を受け入れかけている事を自覚してしまっても、最後の一線まで越えさせてはならない

 

故に、オウルは酒泉の存在をただの観察対象としてしか認めない、認めようとはしない

 

「……まあ、こういう暗い話はお姉様が目覚めてからでも遅くはないんじゃない?なんならお姉様本人にも意見を尋ねてみるとかさ」

 

「う、うん……そうだよね……」

 

「あまりお姉様には近づけたくないのですが……一先ずこの話は先送りという事で」

 

 

ソフの提案を受けて話を中断させるオウル、酒泉がアインに手を出しているという疑惑から始まった話がこんな気まずい終わり方を迎えるなどと想像していなかった彼女はどっと疲れたようにため息を吐きながら───ある事を思い出す

 

 

「ん?………そういえばソフ、アインが酒泉の部屋に毎晩行ってると先程伝えた時、貴女は〝その場に居た〟と言いましたね?」

 

「言ったけど……それがどうかしたの?」

「……どうして貴女まで夜遅くその男の部屋に────」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「────はっ!?わ、私はいつの間に睡眠を……?」

 

「お、起きたか」

 

「……折川酒泉」

 

 

オウルが目を覚ましてから一番に視界に映り込んできたのは自らがサンプルに選んだ人間の顔だった

 

不快そうな表情を隠そうともせずオウルは酒泉の額を押し退けると、謎の痛みを感じる後頭部を押さえながらのそのそと起き上がった

 

 

「誰がここまで近付く事を許可したのですか、さっさと離れてください」

 

「悪い、相当キツそうな一撃を食らわされていたもんでな……起きるか心配でつい覗き込んでしまった」

 

「はい?何の話を───痛っ……そういえばこの痛みは一体……」

 

「……思い出さない方が良い、またソフに殴られるぞ」

 

 

ソフの名前を出されたところでそういえば他の二人はどうしたのだろうかと辺りをキョロキョロと見渡す

 

しかし機械的な部屋に残されたのは酒泉とオウルの二人だけ、周囲からは足音一つ聞こえてこない

 

 

「アイツらなら〝お姉様〟とやらの様子を見に行ったぞ」

 

「それは安心しました」

 

「安心した?」

 

「私が眠っている間に貴方がお姉様に近寄らなかった事に対してですよ」

 

「……そうか」

 

「おや?何か言いたそうですね……別に気を遣う必要はないんですよ?貴方にそんな殊勝な心掛けは期待していませんから」

 

 

嫌味を吐かれても特に言い返すこともなく酒泉はただ一言返すのみ、その様子を見たオウルは眉間に皺を寄せながら一瞬言葉を詰まらせた酒泉に追い討ちをかける

 

にも関わらず酒泉は逆に笑みを浮かべながら心底安心した様に頬を口元を緩ませた

 

 

「いや、俺もお前になら安心して任せられると思ってな」

 

「……任せる?……酒泉、貴方は自分の立場を理解できて───」

 

「オウル、もし俺が少しでも裏切るような素振りを見せたらその時はすぐに俺を殺してくれ」

 

「………………は?」

 

 

瞬間、オウルの思考が止まる

 

今、目の前の男は何と言った、殺してくれ?誰が?誰を?

 

困惑と衝撃がオウルの中で入り交じり、それが収まるのも待たず酒泉は言葉を続ける

 

 

「俺が記憶を取り戻したとして、その時の〝折川酒泉〟がお前達を裏切らないとは限らない。だが、今の俺は少なくともそんな事は望んではいない。だから……頼む、お前が俺を殺してくれ。俺がお前達を裏切る前に、俺がお前達を傷付ける前に」

 

「……それ、本気で言ってるんですか?」

 

「〝人間〟のデータなんてもう十分に集め終えただろう?なら俺が居なくなっても問題無いだろ……それに、お姉様とやらが目覚めたらどの道俺を殺すつもりなんだろ?」

 

「なっ……べ、別にそこまでするとは言って────」

 

「まあ、何にせよ俺自身が死を望んでいるんだ。お前達を裏切るくらいなら俺は〝折川酒泉〟に戻らなくても……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会いたいです、■崎さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?今、何か言ったか?」

 

「……は?いや、貴方の方から急に変な事を口走りだしたのでしょう?」

 

「……気のせいか?」

 

 

 

 

 

 

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酒泉、酒泉、と

 

誰かが俺を呼んでいる

 

俺を取り囲んでいる奴等の口から発されている声はそれぞれ違っていて、唯一の男の声以外は全て女の声だった

 

背丈も容姿も全てが違うのに顔だけは真っ黒く念入りに塗りつぶされているそいつらは全員が俺に手を差し伸べてくる、そして決まってこう言うんだ

 

 

〝帰ってきて〟と

 

 

誰の手を握ろうかと悩んでいたところでまず最初に目を奪われるのが白髪の小さな少女の手だった

 

顔が見えないのに、名前も知らないのに、俺はこの夢を見る度に真っ先にこの少女の手を握り返そうとしてしまう

 

この後の展開も決まって同じだ、俺がこの少女の手に触れようとした瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────お兄……様……────

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、そうだ

 

いつも決まってこの声で目が覚める

 

ごめんなさい、また貴女の手を取る事ができませんでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そ■さきさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……だから、誰だよ」

 

 

見知らぬ誰かの顔を思い浮かべようとするが、思い浮かぶのは相も変わらず顔が真っ黒な誰かさんの姿のみ

 

害を被ってる訳ではないので悪夢とは言い切れないが、それでも同じ夢ばかり視ていると何かあるのではと変に勘繰ってしまう

 

 

「おにい、さま……んぅ……」

 

 

俺に与えられた無機質な部屋、そこに置かれた真っ白なベッド

 

ふと視線を横に向ければそのベッドの上……俺の隣でアインがすぅすぅと静かに眠っていた

 

……彼女に睡眠は必要なのだろうか。いや、そもそもこれは〝睡眠〟なのだろうか?まあ、そんな事を気にする必要はないか

 

アインが何者だろうと、俺とアインの種族が違おうと、アインが望む限り俺はアインの〝お兄様〟なのだから

 

 

「お兄……様……」

 

「……寝言か?」

 

「どこにも……いか……ないで……」

 

「……当たり前だ」

 

 

もしかしたらアインは……彼女達は〝折川酒泉〟の敵なのかもしれない

 

〝折川酒泉〟の大切な人達を守る為に倒さなければならない存在なのかもしれないし、そうでなくともそもそも〝人間〟とは共存する事ができない生き物なのかもしれない

 

だとしても、俺が〝折川酒泉〟ではなく〝俺〟で居る限りは────

 

 

 

 

「絶対に置いて行かないさ……ずっと一緒だ、アイン」

 

 

 

 

 

 

 






で、この後記憶を取り戻してヒナちゃ達のところに戻ろうとする酒泉君がアインちゃんに〝嘘つき、お兄様の嘘つき、嘘つき嘘つきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつき〟って言われちゃったり〝冷静に考えてみてよ、戦力的に人間側に勝ち目があるわけないでしょ?だからさ……ほら、戻ってきなよ〟ってソフに何度も説得されたりオウルに〝…………やはり人間は約束を破る生き物でしたね〟とめっっっっっちゃ色んな感情が籠められてそうな間を開けられながら責められる訳ですね
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