〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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先生の悪夢(?)

 

 

 

「くっ……!」

 

「ユーカユカユカユカ!キヴォトスは我々の物ユカよ!」

 

「ノーアノアノアノア!シャーレの命運もここまでノアねぇ!」

 

 

XXXX年、突如キヴォトスを襲った異世界からの来訪者

 

彼らは自分達の事を〝ミューター〟と名乗り、魔法と呼ばれる力を用いてキヴォトスの名だたる実力者達を次々に沈めていった

 

唯一対抗できる力を持っていた魔法少女まじかる☆スズミとまじかる☆レイサとまじかる☆シミコもまだ実装されていないのでその力を十分に発揮する事が出来ず完敗を喫した

 

 

(大人のカード……それにシッテムの箱の力を持ってしても歯が立たないなんて……)

 

「さあ!やるユカよ!ハッチャ兵共!」

 

「痛くない程度に痛め付けてやるノア!」

 

「「「「「ハッチャー!!!」」」」」

 

 

万事休す、それでもせめて生徒達だけでもと必死に逃す方法を探る先生

 

そんな絶体絶命の状況でも下を向くことなく顔を上げると、突如彼の目の前の空間が真っ白に光り出し、その中央に猫の様なシルエットが浮かび上がってきた

 

 

「ぐっ……!?」

 

「な、なにノア!?」

 

 

その眩しすぎる光はミューターの視界を潰す程の大きさに広がり、その猫の様なシルエットの正体がついに姿を現した

 

きゅるんとしたつぶらな瞳、真っ白な毛並みに大きな尻尾

 

まるでどこぞのアニメの邪悪なマスコットキャラクターみたいな見た目をした謎の生物は、未だに唖然と佇んでいる先生に向かって大きな声で叫んだ

 

 

「ワイと契約して魔法少女になってくれや!」

 

「パチモンだあああああ!?」

 

 

明らかにどこぞのアニメからパクったような謎の生物が明らかにどこぞのアニメからパクったような台詞を吐くと、先生は権利とかその他諸々に触れてないか心配になりながら大声で叫んだ

 

すると謎の生物は〝うるさいなぁ……〟と権利なんざ関係ねぇ!!!とばかりに呑気な態度で呆れ果てた

 

 

「ワイのどこがパチモンやねん!喋り方だって本家本元とはまったくちゃうやろ!」

 

「いや本家本元を知ってる時点で間違いなく意識してるよね!?」

 

「もー細かい事は気にせんでええやろー、それより今はあのミューター共をどうにかせんといかんのちゃうか?折角その為の力を貸してやろう思たのに」

 

「そ、それはそうだけど……ん?力を貸すって?」

 

「だーかーらー、ワイがアンタに……あ、そういや自己紹介まだやったな。ワイの名前はぎゅうべぇ!西の名マスコットって呼ばれてるんや!」

 

「もしかして別の作品からもパクってるの?」

 

 

某体が子供で頭脳が大人な作品からもパクってきたような設定を引っ提げてきたマスコットは先生のツッコミを一切聞き入れず、水色の球体を宙に浮かばせた

 

その球体は先生の胸元まで勝手に近づくとピタリと止まり、まるで先生の存在自体に反応しているかの様に光り始めた

 

 

「これは……」

 

「これは埋め込んだ者が持つ魔力を完全に目覚めさせる球体や!それを使えばミューターを倒す事が出来るでぇ!」

 

「……魔力」

 

 

魔法だの魔力だのとフィクションの中でしか聞いた事の無い言葉が次々と投げ掛けられる先生

 

しかし色彩だの黄昏等と言った不思議存在を認知していたお陰か、先生は意外にも困惑する事なくあっさりとその球体を手に取った

 

ただ問題は───目の前の生物

 

見ず知らずの自分を助ける理由、魔力を目覚めさせるアイテムなんて都合の良い物を都合の良いタイミングで持ってきた理由、敵なのか味方なのか

 

 

「よく分からないけど……構わず行くユカ!」

 

「あの小さなのごとやるノアよ!」

 

「ハッチャ!」

 

「ハチャー!」

 

「ハチャチャー!」

 

 

 

 

 

「……ぎゅうべぇ、これはどうやって埋め込めばいいの?」

 

「よう言うた!そいつは魔力を持つ者なら胸元にくっつけるだけで自然と体に入っていく筈や!」

 

 

それを見極める時間は無い、覚悟を決めた先生は後ろで倒れ伏している生徒達を救う為にその球体を勢いよく胸元に押し込んだ

 

すると次の瞬間、先生の全身が光に包まれる

 

 

「ハチャッ!?」

 

「ハッチャ!?」

 

 

突然の事態に攻撃を仕掛けようとしていたハッチャ兵の動きが止まり、その間にも先生のシルエットが変化していく

 

白いシャーレのコートはひらひらした純白のフリル付きの洋服に、黒色のズボンは水色のふわふわしたスカートに

 

茶髪は長髪に、頭には白いリボン、手に持っていたシッテムの箱は杖の様な形に変化していく

 

 

「さあ!こっから反撃開始やでぇ!」

 

 

他の世界を侵略する悪しき軍団〝ミューター〟

 

奴等を滅する為に最強の魔法少女がここに誕生した、その名も

 

 

「魔法少女!まじかる☆シャーレの誕生や!!!」

 

 

魔の力、ここに顕現────

 

 

「……ん?魔法〝少女〟?」

 

 

ぎゅうべぇの放った言葉に、そして自分の身体に違和感を覚える先生

 

まずは手足を確認し、次に肌の質と髪の長さを確かめる

 

そしてその次は己の股間に手を当て───最後に、胸部に付いた二つのお山にふよんとタッチした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「女性になってる!!?」

 

そう、誕生したのは魔法〝少女〟である

 

魔法少年でも魔法使いでもなく明確に魔法〝少女〟と宣言されている

 

 

「ぎゅうべぇ!これどういう事!?私こんな話聞かされてないんだけど!?」

 

「いやだから最初登場した時に〝ワイと契約して魔法少女になってくれや!〟って言ったやろ!」

 

「あれ本当だったの!?てっきり他所から台詞をパクってきただけなのかとばかり……!」

 

「あーもう!どうせ戦闘が終わったら変身解除して男に戻るんやから文句言うなや!!」

 

「ほ、本当!?その言葉、信じるからね!?」

 

「つべこべ言わずつべこべぇ!」

 

「ああもう!どうにでもなれええええええええ!!!」

 

「……ふ、ふん!そんな魅力的な姿になっても手加減してやらないユカよ!」

 

「そうノア!すぐにノックアウトしてじっくり撮影……げふん!戦闘データを記録してやるノア!」

 

 

あたふたと慌てふためきながらギャーギャー言い争う二人、しかしこのまま口論を続けても埒が開かないと判断した先生は慣れないファイティングポーズをとってから杖を持ってハッチャ兵に駆け出す

 

一直線に駆け寄る先生、彼女の額に向けて放たれたハッチャ兵の拳

 

しかしライダー作品で例えるならショ○カーの戦闘員程度でしかないハッチャ兵の一撃など、魔法少女まじかる☆シャーレの前では────

 

 

「ぶべっ」

 

「ハチャ?」

 

 

ペチン、と音が鳴ると同時にまじかる☆シャーレが数メートル程吹き飛ばされた

 

情けない声を上げてしまったまじかる☆シャーレは赤くなった額を押さえながら起き上がり、直ぐ様振り向いて涙目でぎゅうべぇを睨んだ

 

 

「強くなってないじゃん!!!」

 

「そらそうやろ、あの珠の効果は〝埋め込んだら魔力が目覚めるだけ〟やしな」

 

 

思っていた展開と違う目に遇わされた先生はついつい大人らしからぬ反応を見せてしまうが、ぎゅうべぇはそれに淡々と答えるだけ

 

結局事態の好転には至らず、全てが振り出しに戻ったと思った先生は〝ならどうすれば〟と弱音を吐く

 

そんな先生に対してぎゅうべぇがニヤリと笑いながら語りかける

 

 

「まあ落ち着きや兄ちゃん……いや、嬢ちゃん。アンタはまだ〝魔法〟に目覚めていないだけや」

 

「魔法?」

 

「魔法を扱う為の魔力には目覚めた、後は……魔法の使い方を覚えるだけやぁ!」

 

「覚えるって言ったって……そんな時間は────」

 

「安心せぇ!〝ある条件〟を満たせば一瞬で覚えられるでぇ!」

 

「ある条件……それは何!?何をすれば私は強くなれるの!?」

 

 

生徒を救う為ならばとぎゅうべぇの言葉に食い付く先生、必死な様子の彼女にぎゅうべぇは淡々と言い放った

 

 

「それはな、心の底から一番信頼出来る生徒とキスする事や」

 

「…………ほえ?」

 

「せやからキスや、キース!」

 

 

傷、鱚、木須、金須、帰す

 

聞き違いかと思ってあらゆる似てる言葉を思い浮かべるものの、それら全てを打ち砕くかのようにぎゅうべぇが改めて伝えてきた

 

 

「……じょ、冗談……だよね?」

 

「こんな状況で冗談なんか言うかいな工藤!」

 

「工藤じゃないです……え?本気で言ってるの?私にキスをしろって?」

 

「本気や!本気で生徒を守りたいならワイの言葉も本気やと思ってくれへんと!」

 

「で、でも……!」

 

 

羞恥心やら抵抗感やら、そもそもそれ以前に自分が一番信頼している生徒とは誰なのか、先生にとってはそれが何よりの問題だった

 

財布の紐を管理してくれる生徒、いつの間にか背後に現れるけど健康を気遣ってくれる生徒、お時間を頂きにきてくれる親しい生徒

 

生徒全員の事が大好きな先生は自分でも〝時間の掛かりそうな問いだ〟と思いながら必死に頭を抱える

 

 

「……酒泉」

 

 

────かと思いきや、先生は自分でも驚くほどあっさりと〝一番信頼できる生徒〟の候補にゲヘナで暮らす少年の名前を挙げた

 

 

 

「はいっ!!!そしてその酒泉君が偶々あそこで気絶していたのでここまで連れてきちゃいましたドーン!!!」

 

「酒泉!?」

 

 

謎の怪力で酒泉を持ち上げたぎゅうべぇは彼の身体をおもいっきり先生の前に投げつけた

 

その身を案じた先生は咄嗟に酒泉の身体に触れて〝大丈夫!?〟と呼び掛けるが、そんな事などお構い無しにぎゅうべぇが先生の背中を押して急かす

 

 

「ほら!さっさとキスせんかい!ぶっちゅーと!おもっきし!」

 

「い……いやいやいや!何言ってるの!?相手は生徒だよ!?しかも意識の無い相手にキスするなんて……!」

 

「(男同士だからとは言わないんやな……)だーもう!その大切な生徒を守る為なんやから仕方ないやろ!?それが嫌ならもう自分だけの力で戦ったらええわ!お母さんもう知りませんから!」

 

「うぐっ……そ、それは……!」

 

 

ぎゅうべぇの言うことは尤もだと言葉を詰まらせる先生

 

一応他に方法は無いのか探る為に彼───ではなく彼女は再び敵を観察する

 

 

「ユーカユカユカユカ!なんか突然力が湧いてきたユカァ!これはもう酒泉君とキスをしてパワーアップした先生以外に負ける気がしないユカねぇ!!!」

 

「ノーアノアノアノア!ついでにディープな方のキスを見せつけられたら唖然と立ち尽くして隙だらけになってしまうかもしれないノアねぇ!!!」

 

 

あ、駄目だこりゃ

 

何故か気の昂ってる二人を見て諦めモードに入った先生

 

彼女は気絶しているというよりかはスヤスヤ眠っている様に見える酒泉を前にごくりと生唾を飲む

 

 

(ごめん……ほんっっっっっっっっっとうにごめん!!!)

 

 

眠っている間にファースト……かは知らないが彼の唇を奪う事を、彼自身と彼に思いを寄せている少女達に謝罪しながら

 

その口を────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んー……ふぁ……」

 

「……ん?ああ、もう朝なんだ……」

 

「時間は……もう十時か、昨日久しぶりの休日だったからってつい飲み過ぎちゃったかな?」

 

「とりあえず顔を洗って遅めの朝食を───いや、その前に確認しておこっか」

 

「……」

 

「…………」

 

「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかったああああああああああああああ!!!ちゃんと付いてたああああああああああ!!!」

 





第36話「激突!魔法少女みさき♡ばにたすvsキヴォトス仮面!」

第38話「黒幕!魔法少女うわキツ・ベアトリーチェ」

第42話「両手に華!?キヴォトス仮面と自警団!」

第45話「スキャンダル!折川酒泉とまじかる☆シャーレ」

第47話「ソコに悪意がある限り」


魔法少女自警団も魔法少女(?)シミコもめちゃくちゃ可愛くてすこすこすこすこすこ



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