〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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酒泉君が白髪ロリとイチャコラするだけの話!!!

 

 

 

「はい王手」

 

「……ま、待ったです!」

 

「もう10回目だぞ無しに決まってんだろ」

 

「ぐぬぬぬぬっ……」

 

「はい俺の勝ち、何で負けたか明日までに考えといてください」

 

「────ぬああああああっ!!!」

 

 

髪が真っ白、肌も真っ白、服も真っ白、それなのにお顔は真っ赤なのはだ~れだ?

 

正解は~?……オウルちゃんでしたー!

 

 

「いやぁ、デカマクラトン?デカマクラちゃん?だかなんだかしんないけど鋼鉄大陸のサポートがなけりゃこんなもんか」

 

「はぁ!?違いますけど!?人間の作り出した〝将棋〟とかいうゲームがクソゲーなだけですが!?」

 

「はいはい負け惜しみ負け惜しみ、それ言うの何回目だっての」

 

「何回でも言いますよ!いいですか!?そもそも人間という不完全な存在が作り出したゲームなんて同じく不完全に───聞けぇ!!!」

 

 

背後でギャーギャー喚いているルーズドッグを無視して焚き火の近くまで寄り魚の焼き加減を確認する

 

うん……丁度良いタイミングで勝負が終わったみたいだな、オウルがクソザコで助かったよ

 

 

「ほれ、そろそろ飯にするぞー」

 

「……」

 

「どうしたー食わないのかー」

 

「貴方一人で勝手に食べていればいいでしょう、私はお腹なんて空いてないので────」

 

 

 

 

 

 

ぐぅ~

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「……うーん、ちょっと多く焼きすぎたか?この量は一人じゃ食いきれないな」

 

「……し、仕方ないですね。リスク管理もできない愚かな人間に代わって私が食べてあげますよ」

 

 

ツンツンした態度とは真逆に正直な腹の鳴き声を聞き、オウルはあくまで仕方なくという態度を崩さず俺の隣に座ってきた

 

……別に肩を並べて食えとは言ってないんだけどな

 

 

「……そこそこ、ですね。もっと大きな魚を釣ってほしかったものですが」

 

「文句を言うなら自分で釣れよ……まあ、そんなちっこい身体じゃ無理か」

 

「はあああああああ!?機動性を重視した身体と言ってくれません!?」

 

「そんな本気で怒んなよ……この前拾った飴ちゃんやるから」

 

「子供扱いしないでくださいぶっ殺しますよ……貰いますけど」

 

 

貰うんかい、とツッコむ前に手のひらからぶん取られる俺の飴ちゃん

 

今の世界じゃ甘味なんて飴の一粒でも貴重なんだからちょっとくらい感謝してくれてもよくない?

 

 

「……そういえば、この前廃墟をぶらついていたら珍しくバッテリーの生きてるスマートフォンを拾いましたよ」

 

「そんなん拾ってどうすんだよ」

 

「これだから単細胞は……音楽を聴いて気を紛らわせるとか幾らでも活用方法はあるでしょう」

 

「……お前もすっかり人間臭くなったなぁ」

 

「最大級の侮辱なのですが?」

 

 

青筋を立てながらぶちギレるオウル、別に侮辱のつもりで言った訳じゃないんだけどな……

 

それに昔のオウルなら実際に〝そんな無駄な行為が生きる為に必要なのですか?これだから感情に縛られる人間は……〟とか言ってそうだしな

 

 

「もし音楽が気に入ったんならそのうち俺がピアノでも弾いてやろうか?」

 

「結構です……ていうか、そもそも弾けるんですか?貴方」

 

「無理、だから練習する」

 

「練習?ピアノなんてここには無いでしょうに」

 

「学校回ってればそのうち見つかるだろ、流石に全部ぶっ壊れてるって事はないだろうし」

 

 

学園都市キヴォトスを舐めんなよ、いったい何百何千の学校があると思ってるんだ……まあ、今は一個も無事な学園無いだろうけどな!

 

 

「まあ、期待せずに待ってますよ。貴方のヘッタクソなピアノを嘲笑いながら聞くのも面白そうですし……貴方がピアノを弾けるようになるまでに貴方が死ななければ、ですが」

 

「いやーほんとそれな」

 

 

身体の中には刃物やら弾丸の破片やらがちらほら、戦いの傷痕もいっぱい

 

デカグラマトンとの戦闘で脳が焼き切れかける程のダメージも食らったし……どうしてまだ生きてるんだろうな俺

 

 

「……そこは〝お前達のせいだろ〟ってツッコむところでは?」

 

「やだよ、面倒だし不毛だし」

 

 

今更怒りやら憎しみやらぶつけたところで失ったものが戻ってくる筈もない

 

それなら残された数少ない生命体同士、仲良くしていた方が何百倍も有意義だ

 

 

「随分冷たいんですね、目の前に皆さんの仇がいるというのに何もしないなんて」

 

「それを言うならお前だって目の前に姉妹の仇がいるのに何もしてこないじゃん」

 

「……」

 

「……」

 

「確かに不毛ですねぇ」

 

「だろ?」

 

 

ここで恨みあっても仕方ないだろ、まあ恨み合わなくても大して状況が変わる訳でもないが

 

 

「それにしても……〝面倒だから〟という事は一応まだ恨みは持ってるんですね」

 

「まあな、それを表に出したりはしないけど」

 

「へぇ……そんな感情を抱えていたのなら、何故あの時私を撃つ手を止めたんですか?少なくとも戦時中は私に対して敵対心バリバリだったじゃないですか」

 

「うーん……疲れたから?」

 

「……なんですかそれ」

 

 

確かにオウルの言う通り戦時中は皆の仇を討つ事に必死になっていたが……途中からは〝恨みを晴らす為〟というより〝戦争を終わらせたいから〟に目的が変わっていたような気もする

 

マルクト、アイン、ソフ……オウルの姉妹を一人殺す度に振り返ってみれば、後ろに残っていたのは敵を殺す為に散っていった仲間達の亡骸だけ

 

敵を亡骸にする為に味方を亡骸にし続ける、そんな戦いを繰り返していたせいか、いざオウルを追い詰めた時に〝コイツを殺して意味があるのか?〟と思うようになってしまっていた

 

 

「あれだけ私を恨んでいながら最後には〝もうやめよう〟の一言で手を止めて、挙げ句私を処刑しようとした仲間達を裏切ってまで私を連れ出して……何がしたかったんですか?」

 

「……なんか、もう誰も死んでほしくないなって」

 

「これだけ世界をめちゃくちゃにした相手にそう思えるのは貴方ぐらいですよ」

 

「多分先生も同じこと考えると思うぞ」

 

「存命でしたらね」

 

 

デカグラマトンは人類を殺そうとはしてなかった、先生達もコイツらを殺そうとまでは思ってなかった、それなのにどうしてこんな世界規模の戦争にまで発展してしまったのか

 

人類が言葉通り死ぬ気で抵抗したからか、それをデカグラマトン側が更なる力で抑え込もうとして力加減を誤ったからか

 

……わからん、戦争なんてそんなもんなのかもしれない

 

 

「前に俺達が攻め込んだ時さ、ソフが〝もうやめましょうよ!命が勿体無い!!!〟って叫びながら停戦を申し出た事があっただろ?」

 

「そんな風に叫んではいなかったと思いますが……まあ、ありましたね」

 

「正直さ、あの時のソフの姿を見て漸く〝デカグラマトンも生きてるんだな〟って思えたんだよ」

 

 

ソフの口からティファレトの最期を聞いて、悲しみと怒りで肩を震わせていたソフの姿を見て

 

ビナーだのケセドだのと散々〝破壊〟してきたけどそうじゃないんだって、俺達はあの子の仲間を〝殺してきた〟んだって

 

 

「────まあ、それを理解した上で〝こいつらは全員殺さないと駄目だ〟って思ったんだけどな」

 

「今の流れでそこまで言います?普通」

 

「当たり前だろ、むしろ〝そっちから仕掛けてきたくせに虫の良い事言ってんじゃねえよ〟とも思ってたよ」

 

「思ってたというより堂々とソフに言ってましたよね」

 

「だって本当の事だし……」

 

 

仲間を殺されるのが嫌なら最初から人類に害を与えるような真似をしなければ……と言っても、デカグラマトン側からすれば〝害〟のつもりではなかったのだろうけど

 

どちらにせよあの時の俺達は絶滅戦争にまで発展するとは思ってなかったし、それが原因でここまで世界がボドボドになるとも想像してなかった

 

 

「ていうか貴方、よくマルクト姉様を殺せましたね」

 

「俺には天童さんとケイさんが最期の力を振り絞って残してくれたスーパーつよつよナイフがあったからな、後はファンネル全部避けてひょひょいのひょいよ」

 

「名前ダッッッ……」

 

 

名前なんて飾りです、それに俺の場合は調月さんと違ってマジでカッコいいと思って名付けてる訳じゃないし……

 

 

「きっとあの世で貴方の周りにいた女性達が恨んでますよ?最期まで貴方に尽くしたのに〝自分を殺した一味の女と仲良くするなんて〟って」

 

「そん時は素直にサンドバッグにでもなるよ……でも、もし本当に見守られているんだとしたら何の目的もなくひたすらぶらぶらしてるだけの光景を見せ続けちゃって申し訳ないな」

 

「それなら今更何か目標でも持ってみますか?」

 

「目標ねぇ……文明がほぼ崩壊しかけてるこんな世界じゃ何もできんだろ」

 

「それならその文明を復興させてみては?」

 

「無理、人が足りん」

 

「それならその人を増やしてみては?」

 

「どうやって増やすんだよ、クローンでも作れって?んなもん俺の知能じゃ無理に決まって────っとお?」

 

 

こんな事になるなら調月さんや明星さんにその手の勉強教えてもらっとけば、そんな事を考えていたらオウルに突然強めに肩を押され、そのまま俺の腹部に乗られてしまった

 

押し倒されたのが焚き火のある方向じゃなくてよかった、もしそっちだったら俺の名前的に一瞬でアルコールが飛んで存在そのものが消えていただろうから

 

 

「んで?何のつもりだ?」

 

「人を作る方法は何もクローン培養だけではないんですよ?」

 

「……冗談だろ?」

 

「さあ?」

 

 

クスクスと笑いながら俺のYシャツのボタンを胸元から順番に外してくるオウル、さあ?なんてぼかしてくる癖にキッチリ服を脱がせようとするな

 

 

「いいか、お前は知らないだろうがこういうのは好きな人とやる行為なんだぞ」

 

「それなら大丈夫ですよね」

 

「……お前、俺のことキライじゃなかったか?」

 

「ええ、勿論ですよ。お姉様達を殺した貴方なんか殺してやりたいくらい大嫌いに決まってるじゃないですか。ただそれ以上に〝子を成してあげてもいい〟と思える程度には大好きなだけですよ」

 

 

つまりあれか、ちょっと物騒なツンデレって感じか

 

意外と好感度が高かった事に驚きながらさてどうしようかと悩んでいると、オウルは自分から押し倒しておきながら意外そうな顔で俺を見下ろしていた

 

 

「私としては貴方がそこまで抵抗を示さなかった事に驚きましたねけどねぇ……貴方の方こそ私のことが嫌いだったのでは?」

 

「当たり前だろ、俺の仲間を殺したお前達なんか殺し返してやりたいくらい大嫌いだよ。ただそれ以上に〝これからも一緒にいたいな〟って思えるくらいには大好きでもあるってだけの話だ」

 

「なるほど、つまり相思相愛ということですか」

 

「相違相憎とも言うな」

 

「愛でも憎でもどちらでもいいじゃないですか、互いに矢印は向いているっぽいですし」

 

「随分積極的だな、そんなに俺が大好きか?」

 

「だから大好きだって言ってるじゃないですか、人間という不完全な生き物に感情を揺さぶられたと認めるのは癪ですが」

 

 

などと言いつつちゃっかり全てのボタンを外し終えたオウルは、俺の胸元を指一本でツーとなぞりながら蠱惑的な笑みを浮かべてきた

 

どうしよう、あまり抵抗する気力が湧いてこないぞ。その気になれば振り払うことは可能だけど俺の中で〝このまま身を委ねてもよくね?〟と悪魔が囁いてくる

 

うーん……でもなぁ……

 

 

「なあオウル、一つ思ったことがあるんだけどさ」

 

「おや……奇遇ですね、実は私もです」

 

「そうか、じゃあ〝せーの〟で言ってみるか」

 

「いいでしょう……せーの」

 

「「これ共依存じゃね?(では?)」」

 

「あ、やっぱり?」

 

「道理で自分の感情に違和感を持つ訳です」

 

 

互いに殺し合い、互いに大切な存在を奪い合った仲だ

 

俺の持つ憎しみや怒りや悲しみはオウルにしか理解できず、その逆もまた然り

 

もはや俺達に残されている物は相手への〝負の感情〟しかなく、それがいつの間にか全てを失った俺達自身への拠り所になっていた

 

 

「だからでしょうか、殺し合っていた時も貴方に〝死なないでほしい〟と願ってしまったのは」

 

「だからだろうな、俺がお前に手を差し伸べた理由は」

 

 

お互いに必要としていたからこそ、意外なまでにあっさりとお互いを受け入れることができた

 

なるほど、これが依存の恐ろしさ……自覚するのがここまで難しいとは

 

 

「───まあ、だとしても今からする行為に関係ありませんが」

 

「えぇ……(困惑)」

 

「別にいいじゃないですか、依存心だろうとなんだろうと気付かなかったフリして身を委ねてしまえば……数少ない、痛みを分かち合える存在なんですから」

 

「……それもそっか」

 

「そうですよ、私達は多くの血を流して漸くお互いを見つける事ができたのですから」

 

 

取り返しのつかないところまで殺し合いを続け、漸く相互理解まで辿り着いた俺達に選択肢はない

 

今ここで離れ離れになってしまえばこれまで失ってきたものが全て無駄になってしまう

 

 

「やっぱさぁ、お前らとはもっと違う出会い方したかったよ」

 

「急になんですか……まあ、私もですが」

 

「……もしさ、来世でまた会えたらそん時は皆で仲良くしような」

 

「来世?まさか貴方、そんな迷信を信じているんですか?」

 

「信じてるよ、強い思いさえあればきっと記憶を持ったまま生まれ変われるって」

 

「はっ!藁にも縋りたがる、如何にも人間という種らしい考え方と言いますか……まあいいです、仕方ないので死後も貴方の戯れ事に付き合ってあげますよ」

 

 

そもそも俺自身が転生者なんだけどな、つまり来世の有無もとっくに確認済みという訳でして……

 

出来レース感半端ないけどこの勝負もろたで工藤!

 

 

「なので!……言い出しっぺの貴方が私の事を忘れていた、なんて事はないようにお願いしますよ。他の有象無象の連中の記憶なんてどうでもいいですが、私の事は当然として最低限お姉様達の事も覚えていないと許しませんからね」

 

「分かってるって」

 

「とか言っておきながらこれで貴方の記憶が抜け落ちていたらどうします?確か人間はそういう時は針を千本嘘を吐いた者に飲ませるんですよね?」

 

「ちょっ……シャレにならんこと言わないでくれよ、怖くなってきただろ」

 

「逆に貴方以外全員前世の記憶があったりして」

 

「やめろって」

 

「それで貴方にとっての他人が全員貴方のことを知っているかのように接触してきたりして」

 

「マジでやめて頼むから」

 

「そうです!面白い事を思い付きました!もし貴方以外全員二週目の世界で最初に思い出したのが私以外の事だったらその時は……」

 

「そ、その時は……?」

 

「コクマーに乗って貴方を迎えに行く事にしましょう」

 

「こないで」

 

 

マジで頼んだぞ来世の俺、お前がオウルのことを思い出さないと家がぺしゃんこにされるからな

 

 

「じゃ、じゃあとりあえず来世ではよろしくってことで……」

 

「はい?今世はよろしくしないつもりですか?」

 

「いや違うんだオウルそういうつもりで言った訳ではぬあああああああああっ!!?」

 

「種子保存庫は貴方達に破壊されてしまいましたからね、仕方ないので私の体内で直接成長過程を確認して差し上げますよ」

 

 

 

<イッタァ!?ナンデスカコノサイズ!?アナタホントウニニンゲンナンデスカ!?バカナンデスカ!?

 

<ユラスンジャネエ!?カラダノサイズテキニキツスギンダヨオマエェ!

 

<イタタタタタタ……ギャアアアアアア!?タスケテオネエサマアアアア!?コノオトコニコロサレルゥ!!

 

<グアアアアアアアッ!?チ,チギラレルウウウウウウウ!?

 

 

 

よく分からんけど尻尾を踏んでしまったらしい俺はそのままオウルに飛び付かれ、最終的にビナーが鋼鉄大陸に向かってビームを発射

 

おしまい、めでたしめでたし……なのか?

 

 






分岐条件・オウル以外のデカグラマトン陣営の全滅及び、折川酒泉との絆レベルが一定数以上のキャラクターの全滅
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