〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝アリウス〟潰せなかったゾ!!!

 

 

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「退却命令だ!引け!引けぇ!」

 

便利屋の参戦により戦況がこちらに寄りだしたところで敵が引きはじめる、彼女達の上にいるものはなるべく兵力を温存しておきたいみたいだ

 

こちらから下手に追う必要はない、まずは状況を把握し色々立て直さなければならない

 

それに………

 

「酒泉………」

 

ようやく彼の所へ向かえる

 

今すぐ足を進めようと走り出した瞬間、通信機から声が届いた

 

「どうしたの?アコ」

 

「………たった今正義実現委員会の方から情報が届きました」

 

彼女の声がやけに暗い

 

「………何かあったの?」

 

「………取り乱さずに落ち着いて聞いてください、酒泉が………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………………………は?」

 

 

 

 

 

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本来ゲヘナとは険悪な関係であるトリニティ、そこに似合わないゲヘナの車が到着する

 

ドアが開いた瞬間、その小さな身体には似合わない強者の風格を纏う少女を確認すると、羽川ハスミは彼女を向かえるべく歩みだした

 

「お待ちしてました、ゲヘナの風紀委員長、空崎ヒ「酒泉はどこ」…………」

 

「彼はどこかと聞いているの」

 

「現在集中治療室で治療中です、とても会える状況ではありません」

 

彼の容態を説明するとヒナは眼を見開き、明らかに動揺しだした

 

あとから車から出てきた先生もこちらの会話が聞こえていたのだろう、深刻な表情で拳を強く握りしめた

 

「………申し訳ありません、我々の警戒がもっと強固なものであれば分断されることも彼を一人にしてしまうことも………」

 

「そんなことはどうでもいい」

 

「………はい?」

 

「誰がやったの」

 

「……………それは」

 

「誰が酒泉を痛めつけたのかを聞いているの」

 

ヒナの動揺した表情に殺意が混じる

 

「………私達が何とか合流できた頃にはすでにアリウススクワッドの四人が彼の周りにいました」

 

「アリウススクワッド………そう………」

 

その言葉を聞くと彼女は再び車のほうへと戻ろうとし────

 

「待って、ヒナ」

 

先生に静止させられた

 

「止めないで」

 

「敵が何処に逃げたのかも分からないのに無闇に探し回るのは危険だよ、それに一旦装備や戦力の立て直し、情報の共有もしないと」

 

「…………」

 

「それになにより、酒泉のそばに居てあげないと」

 

「………!」

 

「情報はこっちでアコ達と纏めておくから、ヒナは酒泉の帰りを待ってあげて」

 

「分かった………ごめんなさい先生、少し取り乱したわ」

「こんな状況だし仕方ないよ、それに………大切な人だもんね?」

 

「………うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

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〝手術中〟のランプが消え、中から彼の治療をしてくれたであろうトリニティの生徒達やトリニティの担当である医師が出てくる

 

酒泉の安否が気になり、彼女達が口を開くよりも先に問いかける

 

「酒泉は!?酒泉はどうなったの!?」

 

「落ち着いてください………とりあえず今は大丈夫です」

 

よかった……本当によかった………っ!

 

「ですが、あくまで〝とりあえず〟です」

 

………え?

 

「できることは全てやりましたが………はっきり言いますが元々の容態があまりにも酷かったもので、もしかしたらこのまま目を覚まさないどころか、再び危険な状態に陥るかもしれません」

 

「そんな………」

 

医師の言葉を聞き、膝から崩れ落ちる

 

「気休めにしか聞こえないかもしれませんが、私の前で命は絶対に失わせないので安心してください」

 

私を気遣って掛けてくれたであろう言葉も今の私の耳には聞こえなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

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折川酒泉、私の大切な人

 

私を気に掛けてくれた人

 

年上の私をいつも褒めてくれた人

 

私の負担を少しでも軽減しようと強くなって一緒に戦ってくれた人

 

私の時間を増やそうと私が出掛けてる間に書類仕事を終わらせてくれた人

 

いつも何かを抱えながら生きてきた私を初めて甘えさせてくれた人

 

私のことを支えてくれた人

 

これからも支えてほしいという私のわがままを聞いてゲヘナに入学してくれた人

 

私がずっと一緒にいたい人

 

これからも一緒に居られると思っていた、また私を甘えさせてくれて、また一緒に仕事をして………

 

そう………思っていたのに………

 

「やだ………」

 

なんで………

 

「いやだ………!」

 

どうして………

 

「死なないで、酒泉………!」

 

なんで彼がこんな目にあわないといけないの……?

 

「いっしょにいてよぉ………!」

 

誰のせい?

 

「…………」

 

誰が彼を傷つけた?

 

「…………アリウス」

 

アリウスだ

 

「…………アリウスのせいだ」

 

あいつらが悪いんだ

 

「アリウススクワッド………!」

 

待っててね酒泉、酒泉が起きる前に全部終わらせてくるから

 

そしたら………

 

「ずっと一緒にいようね」

 

今度はずっとまもるから

 

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