〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝ベアおば〟潰しにいくゾ!!!

 

 

 

 

『錠前サオリと接触したって………どういう事?』

 

空崎さんの声が震えている

………当然だろう、ついこの間殺しあった相手と一緒にいるなんて言われたら俺だって同じ反応をする

 

『ここ最近酒泉はほとんど私と一緒に行動していた………酒泉が錠前サオリの居場所を知ってるはずがない』

 

俺が退院した後も空崎さんは俺が無茶しないように常に俺を見張っていた

 

 

 

 

『まさか………錠前サオリの方から接触してきたの!?』

 

それは………

 

『何の為に………もしかして、また酒泉を傷つけようと………』

 

………っ…………いえ、その

 

『………酒泉が図星を突かれた時は何か言い訳をしようとして分かりやすく言い淀む』

 

…………

 

『錠前サオリに襲われたのね………』

 

………はい

 

でも聞いてください!錠前さんは────

 

『今どこにいるの』

 

………

 

『早く教えて』

………聞いてどうするつもりですか?

 

『決まってる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今度こそ錠前サオリを…………いえ、アリウスを潰す』

 

 

 

 

 

…………待ってください、彼女達の力は必ず必要になるはずです

 

『………なんでそんなにアリウスを庇うの?』

 

え………?

 

『酒泉はいつもそう、自分がどれだけ傷付いても………どれだけ死にかけても肝心な事は何も教えてくれない………』

 

…………

 

『………私よりも酒泉の事を殺そうとした奴らの方が大事なの?』

 

違います!そういう訳じゃ───

 

『─────そんなに私は役に立たない?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電話越しに嗚咽の混じった声が聞こえる、その声は今まで聞いてきたどの声よりも悲しそうで────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苦しそうだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……俺はなんて馬鹿なんだ、空崎さんを頼ろうとしても結局彼女を悲しませてしまってるじゃないか

 

本当なら俺が支えないといけないのに………なんで俺が空崎さんの悲しみの原因になっているんだ

 

一人で無理せずにちゃんと皆に頼ろうと決めたのに………

 

……………そうか

 

俺、怖かったんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────俺が頼ったせいでその人が傷つくのが

 

 

 

 

 

 

 

この世界が〝ブルーアーカイブ〟の世界だと気づいた時は、自分がこの世界に来た理由を考えていた

 

でも何も分からなかった、だから自分のやりたい事をやろうと決めた

 

空崎ヒナという〝キャラクター〟に安らぎを与えたかった、それはまだこの世界をゲームの世界だと思い込んでいる証拠だった

 

でも実際に触れあう内にこの世界が現実の世界だと思い知った

 

ゲームでは名前のない〝モブキャラクター〟達にもこの世界では一人一人に名前があった、確かに生きてる〝人間〟だった

 

普段から暴れている〝敵キャラクター〟達にもそれぞれ理由があり、そこには〝ゲームのストーリー〟ではなく確かな〝人生〟があった

 

風紀委員の一人一人がそれぞれ思いを抱えて生きていて、彼女達と共に戦う内にゲヘナの皆が大切になっていった

 

────だから俺はエデン条約編の事件を止めたかった

 

空崎ヒナという〝キャラクター〟を幸せにしたい、その願いは

 

空崎ヒナという〝人間〟を幸せにしたい、確かにそう変わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………〝キャラクター〟なんかじゃない大切な〝人間〟、そう思ったから皆が傷つくのが怖くなったんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………空崎さん、聞いてほしい事があります

 

『………っ駄目、とにかく早く戻ってきて───』

 

────俺、未来を知ってるんです

 

『…………っ、え?』

 

 

 

 

百合園さんの噂は聞いたことありますよね?

 

『………予知夢の事?』

 

はい、予知夢とは違いますけど俺も似たような力があるんです

 

『…………もしかして調印式の時の行動も』

 

羽沼さんが何か企んでいる事もアリウスが襲ってくる事も全部分かっていました

 

………そしてこの後、マダムの計画を阻止しなければ悲惨な未来になってしまう事も

 

『……………』

 

さっき秤アツコを助けるのはアリウスの為じゃないって言いましたよね

 

あれは嘘ではないです、俺の大切な人達に〝何か〟起こるのが嫌だから戦いに行くんです

 

………マダムを見逃したせいで空崎さん達が傷つくのは嫌なんです

 

『…………酒泉の言葉、信じるわ』

 

………!

 

『酒泉が未来を知ってるっていう言葉は信じる』

 

『でも駄目、戦うのは許可出来ない』

 

…………

 

『だって………未来を変える為にまた無茶をするんでしょ………っ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『また私達の為に傷つくんでしょ!?』

 

『貴方は未来の為に戦うって言った!!』

 

『〝何か〟が起きて私達が傷つくのが嫌だからって!!』

 

『けど、例え未来が良い方に変わってもっ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

『その〝未来〟には酒泉もいないと私は生きる意味が無いっ………!』

 

 

 

 

 

 

 

 

………空崎さん

 

『………っ………お願いだから………っ、もう戦わないで………!』

 

空崎さん

 

『もし私達を護る為に戦いに行くのなら………』

 

空崎さん、聞いてください

 

『私は自分で自分の身体を───』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空崎さん、俺を護ってくれませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………え?』

 

俺は空崎さんも含めた皆を護ります、先生も風紀委員の皆もゲヘナ学園の皆もそれ以外の友達も

 

当然ボロボロになる事だってあります、死にかける事だって

 

『…………』

 

だからそんな情けない俺を助けてくれませんか?

 

『酒泉………』

 

俺が空崎さんを護ります、だから空崎さんには俺の事を護ってほしいんです

 

『………………』

 

お願いします、空崎さん────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────一緒に戦ってください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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…………すいません、お待たせしました

 

「いや、構わない。お前の事を襲った上に都合の良い事を言ったのは私の方だ」

 

………錠前さん、二つ約束してほしい事がある

 

「ああ、何だってしよう」

 

まず、この戦いが終わったら罪を償ってくれ

 

「もちろんそのつもり───」

 

──────四人で

 

「………っ!待ってくれ、皆は私が〝闇の世界〟に引きずり込んでしまったんだ!全ての罪は私が………!」

 

アンタ一人の責任じゃない、しっかりと皆で罪を分かち合ってもらう

 

これが最低条件だ

 

「………わかった」

 

そしてもう一つ…………この戦いが終わったらアリウススクワッドは全員一発ずつぶん殴る

 

…………だから全員生き残ってもらう

 

「お前………」

 

………いいな?

 

「………ああ、約束しよう!」

 

…………そんじゃ、行きますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〝ベアおば〟潰すゾ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………すまない、〝ベアおば〟とは誰の事だ?」

 

気にしないでください

 

 

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