バルバラのガトリングから無数の赤黒い弾が散蒔かれる
実弾とは明らかに違う攻撃は、唯でさえ壊れかけている建物を更に破壊していく
「さっきより確実に強くなってる……っ!それでもっ!」
身を低くしながらバルバラに突っ込むヒナ
バルバラのガトリングの銃身より内側まで接近すると、バルバラの腕にデストロイヤーを放つ
「………っ、硬い………!」
しかし以前の戦闘と違いバルバラの腕には軽く痕が残る程度で、バルバラは少し後ろに下がりヒナに反撃しようとするが、
「さ………下がってください!」
ヒヨリのアイデンティティの弾がバルバラの腕に直撃する
その強烈な威力に、バルバラの纏う血のドレスが一瞬飛び散り────
────そして一瞬で再びバルバラを纏う
「再生能力まで………!」
バルバラが腕を払いながら掃射してくるのを、頭の上を飛び越える事で回避するヒナ
今度は着地したヒナと入れ替わる様にツルギとサオリが前に飛び出す
「キヘヘヘヘヘヘ!!!粉々にしてやる!!!」
「完全に壊し切れば……!」
バルバラの動きを封じようと右脚に狙いを定め、集中砲火する
二人の攻撃はバルバラの纏う血を剥ぎ取り、肉体を消し飛ばす
「………っ!離れて!」
しかし消し飛ばされた肉体すらも再生し、再び血を纏う
バルバラの行動を引き付ける為にアツコがバルバラの頭部をスコルピウスで攻撃し、ミサキがミサイルの雨を降らせる
バルバラの意識が二人の攻撃に逸れた瞬間、ツルギとサオリは大きく跳び退き、バルバラから距離を取る
ミサイルはバルバラの周囲を囲む様に爆発し、中央にも一発着弾する
爆煙が立ち込める中、全員が着弾点を注視している
この程度で倒せる相手ではない事を全員が理解していた
そしてその予測通り、爆煙の中からバルバラが走り抜けて来た
─────ミカが抱えている酒泉に向かって
「ああもうっ!貸し一つだからね!」
酒泉を抱えていない方の腕でバルバラの拳を防ぐミカ
「………っ何なの、この馬鹿力……!」
強化されているバルバラの腕力に押されるミカ、しかし横からヒナがデストロイヤーを放ちバルバラを攻撃する
「酒泉に触るな!!!」
ヒナはそのままバルバラに跳び蹴りし、バルバラが離れた隙にミカが通路側に移動しようとする
「………っ!また貴女達?他に芸が無いのかな?」
しかし通路を塞ぐ様に赤く染まったユスティナ聖徒会が出現する
「でもあのユスティナ……今まで戦ってきたのと何か違いませんか?」
「あの色……バルバラと同様に強化されているのかもしれない、気を付けろ!」
ユスティナの集団から二体がサオリ達に向かってくる
ミカと酒泉の為に逃げ道を作ろうとヒヨリとサオリが援護を行う、
「っ!?」
「な、何か速くないですか!?」
しかし一体はサオリの銃撃を腕で防ぎ、もう一体はヒヨリの狙撃をスライディングで回避した
「近づかせない……!」
「サッちゃん!ヒヨリ!」
サオリ達に接近するユスティナを迎撃しようとミサキがハンドガンを、アツコがサブマシンガンを放つ
弾丸はユスティナ達に命中し、その隙にサオリ達も追撃を行うが────
「立ち上がってくるか……!」
────攻撃を食らい、一度倒れたユスティナ達が起き上がり銃を構える
「邪魔なんだけ………っど!」
再度襲い来るユスティナを殴り飛ばし、強行突破しようとミカが走り出した瞬間、
「全員避けろ!!!」
サオリの声が響くと同時にその方向を見るとバルバラの手にエネルギーが溜まっていた
(あの攻撃は……!)
その光景に見覚えがあった
ベアトリーチェがエネルギーを球体にしていた時と同じ───しかしバルバラの作り出す物はそれより遥かに大きかった
そしてバルバラはそれを全員の居る中心部に投げ付け─────
─────敵も味方も巻き添えにし、爆発した
「う……ぐ……」
爆発に巻き込まれる直前、各々が回避行動を取った事で辛うじて戦闘不能状態に陥るのは免れた
しかし全員がその余波で吹き飛ばされた事で、ミカは酒泉を離してしまっていた
ミカから離れた所で倒れている酒泉、そこに赤いユスティナが再び出現する
「………っ!」
「酒泉!」
ミカとヒナはそれぞれ駆け付けようとするが、何度も生み出されるユスティナに妨害される
サオリ達もバルバラの猛攻を防ぐので手一杯になっている
最早酒泉を護る者は居らず、ユスティナ達の手が酒泉に近づき─────
ダダダンッ!
─────ユスティナ達の頭部に弾丸が当たる
強化されたユスティナはその程度では倒れない、しかし意識を逸らすのには十分
襲撃者の方へ視線を向けるユスティナ達、その先の人物を視認すると………
「なっ!?あれは一体何処から……!?」
何もない空間から突如攻撃用ドローンが出現し、驚愕するミサキ
ドローンはそのままユスティナ達を撃ち抜く
「………間に合ってよかった、酒泉には借りを返したかったから」
「生徒達が命掛けで戦っているのに私がのんびりしている訳にはいかないからね」
二人の人物は酒泉の前に立つ
片方はサオリ達アリウススクワッドにとっては仲間だった存在、もう片方はサオリ達にとっては殺さなければいけなかった存在
「………また皆に会えて良かった」
「アズサ………それにシャーレの先生………」
「ど、どうしてここに来れたんですか?外は今頃ユスティナとアリウス生達がいっぱい居たんじゃ……それにアンブロジウスも」
「外に居た敵戦力は大体倒した………と思っていたんだけど、突然赤色のユスティナが出て来て嫌な予感がしてね。そっちの方はゲヘナやトリニティの子達にお願いしてここまで駆け付けて来たんだ…………出来れば予感が的中しないでほしかったけど」
そう言うと先生は酒泉の方へ歩み寄り、その身体を起こし抱える
「さて………何故こんな事になっているのかは分からない、貴女が何者なのかもベアトリーチェが何処に居るのかも」
アズサはアサルトライフルを構え、先生は手に持っている〝大人のカード〟を頭上に上げる
「ただこれだけはハッキリと言わせてもらうよ」
そして二人はバルバラを睨み付ける
「よくも私の大切な生徒達を傷付けてくれたね?」
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「この世界の運命は複雑に絡み合っています」
…………
「何かを救えばその穴を埋める様に別の事件が起き、それを解決しても更にまた悲劇が襲いくる」
はあ……そっすか……
「幾つもの可能性の中からハッピーエンドだけを掬い上げるのは非常に難しいです」
つまりどういう事だってばよ…………
「絡まりあった糸を解くには他の糸にも触れなければならない様に」
大体分かった、この世界を破壊する(思考停止)
「何処かで必ず世界に影響を及ぼす出来事が起きてしまいます」
えーっと………あのー………
「ですがこの世界には完全にイレギュラーな存在である貴方がいます、何故この世界線にだけ現れたのかは────」
あの!!!
「……………」
この電車って特急ですかね?何処か近くの駅に降りたり出来ませんかね?
………連邦生徒会長