〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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しばらくメインストーリー外です


色彩前にしっかりと休憩も出来ない奴いる?いねえよなあ!!?
〝パンデモ〟訪れるゾ!!!


 

 

 

 

 

ゲヘナ学園は他校と比べて好戦的な生徒が多く在学している

 

仮に好戦的でなかったとしても目的の為につい暴走してしまったり、結果的に問題事を起こしてしまう生徒達もいる

 

そしてその問題事の大半が銃火器や爆発物での戦闘によるものだ

 

 

「くそっ!何故私がこんな事をしなければならないのだ!」

 

 

現在、羽沼マコトはそんな仕事に追われていた

 

普段は風紀委員会に投げつけるような仕事だが、折川酒泉からのお願い事………もとい脅迫により万魔殿も動かざるを得なかった

 

 

「はぁ……早くイブキの顔が見たい……」

 

 

事件現場へ出向き、直接状況を確認して事が終わるまで人員を配置する

 

マコトはそれが出来ない程無能というわけではないが、今までその仕事を風紀委員会に押し付けてきたせいで、自分達のしわ寄せが一気に返ってきた

 

癒しを求めて、疲れた体を引きずりながら万魔殿の扉を開ける─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお……これは中々美味しいですね」

 

「このプリンすっごくおいしー!ありがとう酒泉!」

 

いやあ、トリニティまで買いに行った甲斐がありましたよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────マコトの表情が歪んだ

 

 

 

 

 

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「何故貴様がここに居る……折川酒泉ッ!」

 

お土産買って来たんですよ、お土産

 

「それだけが目的なはずないだろう!」

 

いや、ホントっすよ、前回突然押し掛けた時は何も用意してなかったんで、その時の分を渡しておこうかなって

 

……あとついでに風紀委員の仕事が少しだけ楽になったんでそのお礼も込みで

 

「どの口がっ……!」

 

でもゲヘナの為に働いてる羽沼さんはカッコいいっすよ、ねーイブキさん

 

「うん!最近のマコト先輩、いつもよりキリッとしててかっこよかった!」

 

「そ、そうか?キキキッ……そうかそうか……」

 

「先輩ちょろすぎません?」

 

まあ、最近も何も羽沼さんはいつもカッコいいですけどね、ねーイブキさん

 

「うん!」

 

「キキキキキッ!そうだろう!?」

 

「ずいぶん手慣れてますね……?」

 

ああいうタイプはある程度褒めておけば大人しくしてくれますから……

 

………毎回問題を起こす便利屋の社長の相手してて学びました

 

「ああ……」

 

 

イブキを抱きしめながらくるくると楽しそうに回るマコトを見て小声で会話する酒泉とイロハ

 

しかし会話を酒泉は会話を切り上げ、手荷物を纏め始める

 

 

 

「あれー?酒泉もう帰っちゃうのー?」

 

はは……まだ仕事が残ってるからさ、今度はロールケーキでも買ってくるよ

 

「ホント!?やったー!」

 

「あ、私はムースショコラでお願いします」

 

あったら買っときますねー

 

あ、羽沼さんは何がいいですか?

 

「ほう、献上品を用意する心構えは立派だが……貴様は結局何をしに来たんだ?」

 

いや、だから最初に言ったじゃないですか、風紀委員の仕事が楽になったお礼って

 

「……まさか本気で言っていたのか?」

 

えぇ……冗談だと思われてたんですか?

 

「………風紀委員にも腹の黒い奴が一人ぐらいは居るのかと思っていたが………まさかただの馬鹿だったとはな」

 

一応ほんの少しは感謝してるんで…………………まあ、元凶はアンタだけど

 

「キキキキッ!所詮は空崎ヒナの飼い犬か……だから貴様ら風紀委員共は甘いのだ!」

 

甘い……?空崎さんは敵には容赦ないですけど……

 

「そういう問題ではない、アイツは力の使い方がなっていない」

 

使い方?

 

 

 

「あれだけ圧倒的な力を持っていながら〝風紀〟だの〝秩序〟だの下らない事を理由に自らの意思で自由に力を振る舞おうとしない!」

 

「面倒事が嫌ならば、その圧倒的な力で問題児共を最初から黙らせてやればいい!」

 

「アイツは自分の力を何一つ理解しちゃいない、そんな奴が風紀委員のトップに居たところで意味が無いだろう?」

 

「ゲヘナらしくないのだ、あの女は!」

 

この場にいないヒナに怒りをぶつけるマコト、そんな彼女を見た酒泉は驚いた様な表情で話しかける

 

 

 

……………驚きました

 

「何がだ」

 

羽沼さんって空崎さんの実力は認めてたんですね

 

「……何だと?」

 

だってめっちゃ褒めてたじゃないですか、〝圧倒的な力〟だとか

 

「私はただ正当な評価をしているだけだ」

 

分かってますよ、〝嫌う事〟と〝認める事〟は両立しますから

 

………羽沼さんに付いていく人がいる理由、何となく理解出来ました

 

敵だろうが憎んでいる相手だろうが認めるところは認める、だからこそ自身の本質をしっかりと見てくれる羽沼さんに皆付いていくんだ

 

「キキキッ!貴様もようやく私の偉大さに気づいたか?」

 

いや?羽沼さんの事は大っ嫌いですよ?

 

「だが〝嫌う事〟と〝認める事〟は両立するんだろう?」

 

………まあ、そうですけど……

 

「どうだ?今なら貴様を万魔殿に────」

 

 

 

 

「んん………ふぁあ……」

 

 

 

 

マコトが何かを言いかけた時、イブキが口を大きく開いて欠伸をする

 

眠たそうな目を擦ると、うつらうつらと揺れだした

 

 

 

「あらら……先輩が訳の分からない話をしてるせいでイブキが眠くなっちゃったじゃないですか」

 

「ムッ……すまないイブキ、今仮眠室に連れていってやる」

 

「じゃあ私は先に毛布の用意しておきますね」

 

 

 

話を中断したマコトはそのままイブキを抱き上げ、イロハと二人で部屋を出る

 

その様子を静かに見ていた酒泉は、少し後から部屋を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………イロハよ、あの男をどう思う?」

 

「どうって……さっき先輩が言ってた通り、事件の元凶である先輩にお礼をするなんて甘い人だなと……」

 

「ああ、私も概ね同意見だ。そのくせ報復はしっかりと行ってくる、どこまでも中途半端な男だ」

 

「それが一体どうしたんですか?何か気になる事でも────」

 

「────だが、あの男は〝中途半端〟を貫き通す意思を持っている」

 

「………はい?」

 

「どこまでも甘く、かといって敵に情けを掛けるだけでなくやるべき事はキッチリとやる、あいつはそんな男だ…………」

 

 

わざとらしく要領を得ない話し方をするマコトに、イロハが面倒そうに訪ねる

 

 

「〝中途半端〟を貫き通すって……ちょっと矛盾してません?」

 

「キキキッ……そんな事はない。あれをやりたい、だがこれもやりたい、その二つを意地でも成し遂げようとする、そんな精神をしている」

 

「はあ……」

「分かりやすく言えば〝究極の我儘〟だな、そういう意味ではどこまでもゲヘナらしい男だ、風紀委員会に置いておくには勿体ない」

 

「それで、何故そんな話を?」

 

「……面白い物は手元に置いておきたいだろう?」

 

「……まさか」

 

「イロハ、前に折川酒泉を籠絡しろと命令したがそれは忘れろ。籠絡出来なくても最悪万魔殿に入れさせればいい」

 

「正気ですか?」

 

「あの男を此方に引き入れる事が出来ればアリウススクワッドとの証拠を揉み消す事ができ、そして何より………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空崎ヒナへの嫌がらせになる!!!」

 

「どうせそんな事だろうと思いましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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風紀委員室への帰り道、折川酒泉は足早に歩きながら今後の行動について考える

 

 

 

 

 

 

 

───……まあ、脅した程度じゃ簡単に止まらないよなぁ……あの人は

 

何とか〝最終編〟までコントロールしてゲヘナとトリニティの会議を成立させないとな……まあ、その辺は先生が無事なら何とかなるだろうしあまり心配していない

 

………エデン条約編がカルバノグよりも早く起きてしまったせいで多少時系列に誤差が生じたけど………カルバノグもその後のパヴァーヌも直接的にゲマトリアが関わってくる事はないはずだから大して問題無いだろう

 

となれば問題はやっぱり最終編だけど………そろそろ先生にも未来の話を伝えておこうかな

 

でもこの後メインストーリーで二つの事件を控えている先生にいきなり情報を渡すのもな………カルバノグでの先生自身の危機は所確幸ぐらいだし、カルバノグが終わった辺りに話すか

 

パヴァーヌは最終的にゲーム開発部の友情パワーで何とかなりそうだからあまり心配していない

 

……おそらく最終編で俺は大して力になれないだろう、シロコテラーとは赤の他人だし直接敵の本拠地に乗り込むのも俺ではない

 

結局の所、プレ先やプラナやシロコテラーを救えるのはこっちの先生しかいないのだ

 

けどまあ、予めカイザーや超人(笑)に備えておけば何とかなるだろう

 

色彩襲来まで準備をしつつ、適度に休んでいこう

 

俺が関わる可能性のあるイベントなんて特にもう無いはずだし…………あ、一応聖園さんの聴聞会があるか

 

………けどこれもティーパーティーや先生で何とかできる問題だしなぁ

 

適当にトリニティ関連のネットニュースを調べる程度でいっか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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独房とは違うミカ専用の謹慎部屋、現在ミカはそこで非常に退屈していた

 

その原因は謹慎中なのもあるが一番の要因はやはり────

 

 

 

 

 

「ですからミカ様!謹慎が解けたら再び我々でトリニティを支配しましょう!」

 

 

 

 

 

────目の前にいるパテル分派の少女だろう

 

 

 

 

 

「そんな事言われてもなぁ………今更何の意味があるの?」

 

「そんなの決まってます、ゲヘナを潰すんですよ!あんな学園と手を結ぶなんてナギサ様もセイア様も考えが甘いんです!」

 

「潰すっていっても具体的にどうやるの?その方法は?」

 

「そ、それは……今はまだ方法はありませんが……ですがミカ様が戻ってくれば必ず何か新たな方法が生まれるはずです!」

 

 

己を祭り上げようとする少女に目もくれず前髪の毛先を弄るミカに、少女が更に食い下がる

 

 

「お願いしますミカ様!数々の根回しを行ってきてようやくこうして謹慎中のミカ様と会う事ができたんです!」

 

「ふーん……私が戻ったところでそう都合よくいかないと思うけどなぁ」

 

「それならシャーレの先生を利用するのは……!あの人は生徒に甘いと聞いています!」

 

「そんな事したら色んな学校に目をつけられて一瞬でトリニティが崩壊すると思うけど?」

 

「ぐっ……!それでしたら折川酒泉は!?」

 

 

酒泉の名前が出た瞬間、露骨に嫌そうな顔になるミカ

 

 

「あの男はアリウス自治区での戦いでミカ様と協力したと聞きました、あの男なら再び手を貸してくれるかもしれません!」

 

「あはは!無理無理☆ゲヘナの彼が手を貸してくれるはずないじゃん」

 

「ミカ様に助力したのには何か理由があるはずです!それさえ分かれば此方に引き込めるはずです!」

 

「私彼の事大っ嫌いだし関わりたくもないんだけど?」

 

「少し我慢すれば都合のいい駒が手に入るのですよ!?」

 

「彼と手を組むくらいならこのままこの部屋に居た方がマシかなー?」

 

 

絶対にお断り、と切り捨てるミカに少女は勢いよく言い放つ

 

 

「な……なら用が済んだら捨てましょう!」

 

 

 

 

「ミカ様があの男の事を嫌っているのは分かりました、それなら使えるだけこき使ってやればいいんですよ!」

 

「相手は野蛮で薄汚いゲヘナ!何も遠慮などする必要ありません!」

 

「元よりゲヘナを潰すつもりなら彼ごとやりましょう!」

 

 

 

「あんな野蛮な男など、利用できるだけ利用した後、適当に使い潰してしまえばいいのです!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………はあ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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お、早速トリニティのニュース記事上がってんじゃん、流石クロノス

 

何々………謹慎中の聖園ミカが突然壁をぶっ壊した?

 

 

 

 

……………何やってんだあの人

 

 

 

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