〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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逆襲のアコ~びよんど・ざ・横乳~

 

 

 

「……何故拒否するのかしら?」

 

 

調月リオは先生に向ける視線を強める、しかし先生もその視線から逃げずに真正面から見つめる

 

 

「逆に聞くけど、酒泉の身柄を引き渡したらその後はどうするつもりなのかな?」

 

「特に危害を加えるつもりはないわ、丁重に扱うつもりよ」

 

「それだったら身柄を渡さなくてもいいんじゃない?酒泉から直接情報を聞き出したいなら私が立ち会うよ?」

 

「……余程渡したくないようね」

 

「そりゃあ……ね」

 

 

リオは面倒そうに一息吐く

 

 

「危害を加えるつもりは無いのは本当よ……彼が怪しい動きをしなければね」

 

「……怪しい動き?」

 

「ゲヘナやトリニティの上層部と繋がりのある〝未来の記憶を持つ者〟、そんな人物が〝名もなき神々の王女〟と接触した、それだけでも十分怪しいと思うけど?」

 

「うーん……酒泉はそんなつもり無いと思うけど……」

 

「未来の記憶があるという事は〝名もなき神々の王女〟を支配する方法を知っているかもしれない」

 

「……そこまで具体的に未来を見れるのならとっくに行動に移しているはずだよ」

 

「〝名もなき神々の王女〟を捕獲する為の戦力を集めているとも考えられるわ、現に彼はアリウススクワッドや聖園ミカといった実力者達と接触しているでしょ?」

 

「……勝手な行動はヒナが止めるはずだよ」

 

「空崎ヒナも彼に従っているかもしれないわ」

 

 

互いに譲らぬ問答を続けた後、先生は悲しそうな目でリオを見る

 

 

「酒泉の言っていた言葉の意味が分かったよ………リオ、君はずっと誰かを信じる事が出来なかったんだね」

 

「……折川酒泉が?」

 

「リオは悪い事をしようとしてるんじゃなく、ただ自分の手を汚してでもキヴォトスを護りたいだけなんだって、そう教えられてね」

 

「……一度も会った事がないのに何故」

 

「それこそリオが一番理解しているんじゃない?」

 

「………そう、彼はこれから私がやろうとしている事も知っているのね」

 

 

リオは一瞬だけ顔をしかめるが、直後に冷静な表情に戻る

 

 

「なら尚更野放しには出来ないわね、こちらの打つ手が幾つかバレてしまっているのなら厄介な事になるわ」

 

「……酒泉はリオのことを心配していたよ」

 

「それは私の計画に関係のある話かしら?」

 

「………どうしても意思を変える気はないんだね」

 

「それは先生も同じでしょう」

 

「………」

 

「………」

 

 

互いの間に沈黙が流れ、しばらくしてから二人同時に立ち上がる

 

 

「本日は忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました」

 

「……また来るよ」

 

「……その時にはもう遅いかもしれないわね」

 

 

そう言うと、リオはもう用はないと言わんばかりに後ろを向く

 

先生にはそんなリオの後ろ姿が孤独を抱えている様に見えた

 

 

 

 

 

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皆さんこんにちは、この世で最もヒナ委員長に近い女、天雨アコです

 

自称ではないです、本当です

 

それはさておき、今日の朝からずっとヒナ委員長の様子がおかしいです

 

……いえ、別に悪い意味ではないです

 

むしろツヤツヤしてるというか……

 

 

「………アコ、どうしたの?さっきから私の方を見てるけど」

 

「い、いえ!?何でもありません!」

 

 

……露骨すぎましたかね

 

けど丁度良いのでここらで少し質問してみましょうか

 

 

「あの……ヒナ委員長?今日はやけに上機嫌ですけど、何か良いことでもあったのですか?」

 

「………そんなに態度に出てた?」

 

 

少し恥ずかしそうに笑う委員長

 

………かっっっっっっっっわ!

 

バチクソに可愛いんですけど、そんなに私の理性を破壊したいんですか?

 

 

「実はね………」

 

 

ああもう!何でこの人は自分の可愛さを自覚してないんですか!

 

 

「昨日、酒泉と一緒にクレープ屋に行ったんだけど……そのクレープ屋、酒泉は誰かと一緒に行ったの初めてなんだって」

 

 

これはもう私の事を誘っているのでは?そういうことですよねヒナ委員長?

 

 

「酒泉の初めて………ふふっ」

 

 

それでは、いただき────

 

 

「……アコ、聞いてる?」

 

「………は、はい!?」

 

……危ないところでした、理性が爆発するかと思いましたよ

 

「えっと……何の話でしたっけ?」

 

「だ……だから、その……酒泉の〝初めて〟の………」

 

 

何やらゴニョゴニョしてるヒナ委員長

 

………へ?初めて?

 

 

「……や、やっぱり何でもない」

 

 

はじ、めて?

 

 

「さ、先に行ってるから」

 

 

はじめて?だれの?

 

ひないいんちょうの?

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

はよざーっす

 

「あ、おはよう酒泉……昨日はありがとう」

 

いえ、俺も楽しかったですし───

 

 

 

 

 

 

「あ……ああ……」

 

 

 

 

 

 

───……なんかゾンビ居ません?

 

「……何故か知らないけど、この部屋に入ってからずっとあんな感じ」

 

 

心なしか天雨さんがめっちゃ窶れてる様に見える、それと何故か俺の方をハイライトの消えた目で睨んでくる

 

 

 

 

 

「かえして……いいんちょうをかえしてください……」

 

「アコ行政官、何があったんでしょうか……」

 

「どうせまた酒泉に脳でも破壊されたんでしょ」

 

「いいんちょうのはじめて……かえして……」

 

「……本当に何があったんですかね」

 

「……さあ?」

 

 

……あれどうします?

 

「アコの奇行は今に始まったことじゃない」

 

じゃあほっときましょうか

 

「うん、また自然と治ると思うから」

 

 

 

そう言うと天雨さん以外全員が机に向かい合って仕事を始める

 

天雨さんって何故か定期的にぶっ壊れるから皆慣れっこなのだ

 

「……シテ……コロシテ……」

 

 

本当に大丈夫か?

 

……まあ、多分大丈夫だろ

 

 

「……待ってください、委員長の初めてを奪った酒泉から更に奪えば……実質私が委員長とチョメチョメしたことになるのでは?」

 

 

………何故か嫌な予感がするけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事開始から数時間経った頃、天雨さんが立ち上がり空崎さんの所へ歩きだした

 

 

「あの……ヒナ委員長、少し宜しいでしょうか?」

 

「どうしたの?」

 

「実は羽沼マコトから『折川酒泉を万魔殿に寄越せ!』と何度か文書が届いているのですが……」

 

「……何で?」

 

「多分ヒナ委員長に対する嫌がらせ以外の意味は無いかと……」

 

「……断っておいて」

 

「それが何度も断っているのですが、懲りずにすぐに文書を送ってくるんですよ」

 

あー……俺が直接行ってきましょうか?

 

「…………待って、私が行く」

 

 

そう言うと空崎さんは何やら恐ろしい空気を纏いながら部屋を出ていった

 

 

「……それとチナツ、またテロリスt……美食研究会の方達が食堂でやらかしたらしいので被害状況を確認してきてもらえますか?」

 

「分かりました、丁度こちらの仕事が片付いたところなのですぐに向かいますね」

 

「ありがとうございます、それと戦闘要員として一応イオリも共に向かってください」

 

「了解!」

 

 

天雨さんの指示を受けた二人も出ていく

 

 

 

………あの、天雨さん、俺も向かい────

 

 

 

 

 

 

ガチャッ!

 

 

 

 

 

 

────ガチャ?

 

 

何の音か気になり、音のした方を見てみると天雨さんが部屋に鍵を掛けていた

 

 

 

……あの、天雨さん?何で鍵を掛けたんですか?この後皆が戻ってくるんですよ?

 

「……んですか?」

 

……すいません、聞こえませんでした

 

「………したんですか?」

 

……何を?

 

「ヒナ委員長の秘密のバシリカで二人だけのエデン条約を結んだんですか?」

 

ごめんちょっと何言ってるか分からない

 

 

 

突然グロンギ語以上にわけワカメな事を言い出す天雨さんに脳が混乱する

 

 

「誤魔化さないでください!ヒナ委員長とチョメチョメしたんでしょ!?あれをああしてああなったんでしょ!?」

 

はぁ!?俺が空崎さんとぉ!?

 

「今更嘘をついても無駄ですよ!ヒナ委員長自身の口から聞いたんですから!」

 

いやいやいや!!何かの間違いですよ!!絶対に誤解ですって!!

 

「委員長のエデンはもう戻らない!こうなったら貴方から奪い返します!」

 

ちょ……落ち着いて!

 

「問答無用です!」

 

 

突然俺に飛びかかってきた天雨さん、俺の事を押し倒すとそのまま服やズボンを脱がそうとしてくる

 

 

「大人しくしなさい!」

 

やめろ!あんた正気か!?

 

「これしか……これしか無いんです!」

 

こんなところ誰かに見られてみろ!お互いに破滅するぞ!?

 

「いいからさっさと脱ぎなさいっ!」

 

ちょ……本当にやめ……っ!

 

 

 

必死に抵抗していると、突然鍵の掛かっていたドアが蹴破られる

 

その奥から空崎さんが入ってきて─────

 

 

 

 

 

 

「酒泉!大丈夫────」

 

 

 

 

「観念して大人しく襲われなさいっ!天井のシミでも数えていたら終わりますから!!!」←酒泉を無理矢理襲っている

 

や、やば………らめ、らめえええええ!!!←服がはだけて涙目になっている

 

 

 

 

 

 

「────………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

うぅ……グス、そしたら天雨さんが突然俺を……ヒッグ……

 

「よしよし、怖かったね酒泉、もう大丈夫だからね」

 

うぅ……空崎さん……

 

「……部屋に忘れ物して良かった」

 

本当にありがとうございます……やっぱり空崎さんの近くは安心するなぁ……

 

「………だったら一緒に住m──」

 

「あの、ヒナ委員長………私はいつまで胸に重りを乗せたまま正座していれば……」

 

「………あと三時間追加」

 

「そんなっ!?」

 

「酒泉、一緒に帰ろ?」

 

はい……

 

「手、繋いでいこ?」

 

はい……ありがとうございます……

 

「あの、委員長?本当に置いていくおつもりですか?」

 

「……ねえ、帰りに何処かで食事でもしない?」

 

………あ、それなら俺んちで食べていきませんか?

 

「酒泉の家で?」

 

はい、丁度食材を買って帰ろうと思ってたんで

 

「……いいの?」

 

さっきのお礼って事で

 

……ついでに明日の分の弁当も二人で作っちゃいます?

 

「………うん、うん!」

 

「あの、委員長?」

 

じゃあ……行きましょうか

 

「……ねえ酒泉」

 

はい

 

「ありがとう」

 

……はい

 

「ふふっ」

 

「え?ホントに置いてくんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?本当に?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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