〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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テロリs……〝ビショクケン〟捕まえるゾ!!!

 

 

「え!?それじゃあ、その世界一のお医者さんを目指している魔王は悪いラスボスに恋人を人質に取られてたから主人公と敵対したんですか!?」

 

そうそう

 

「それなのに最後は仲間の命を救う方を選ぶなんて……かっこいいです!」

 

ちなみにこのお医者さんは最終的に魔王と勇者の力を二つとも手に入れるよ

 

「おぉ……無敵の力です!これなら誰にも負けません!」

 

いや、ムテキはその仲間の方っていうか……

 

「?」

 

 

 

この日、酒泉は天童アリスに呼び出されて前回出会ったミレニアムの近くのゲームセンターに来ていた

 

酒泉は一体何の用かと気になったが、特に断る理由も無かったのでそのまま了承した

 

 

 

……そういえば天童さん、今日は何で俺を呼んだんだ?話が聞きたいだけなら電話越しでも良かったと思うんだけど……

 

「それは酒泉とゲームがしたかったからです!」

 

俺と?

 

「はい!前回酒泉をスニーキングしていた時、酒泉が色んなゲームで無双しているのを見ました!」

 

成る程、要するに俺の腕前を直接見たいと

 

「はい!」

 

……いいだろう、かかってきなさい!

 

「勇者は負けません!」

 

 

勢い良く立ち上がった二人はそのまま堂々とゲームの筐体に向かっていった

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

ハネックブーン

 

「むむ……」

 

ハネックブーン

 

「……ここです!」

 

ほいサマソ

 

「そんなっ!?」

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

「ああ!?また被弾しました!」

 

あそーれ、あそーれ

 

「うぅ……こうなったら攻勢に出ます!」

 

ほい誘導切り

 

「うわあん!攻撃が当たりません!」

 

 

 

 

 

─────────

 

 

「目が回りますー……」

 

どうしたっ!天童さんっ!早く踊らないとっ!ゲームがっ!終わっちまうぜっ!

 

「だ、駄目です……追い付けないです……」

 

フッ!ハッ!アリス!何故踊らない!

 

 

 

─────────

 

 

 

 

「次はあのパンチングマシーンで勝負しましょう!」

 

ごめん天童さん、俺の負けでいいからあれは止めておこうね?

 

「ええ!?戦う前から決めちゃうんですか!?」

 

あ、あっちにシューティングゲームあるからあれでスコア勝負しようぜ!

 

「何か誤魔化された様な感じがしますけど……分かりました!」

 

あっぶねー……天童さんが本気でぶん殴ったらマシーンが壊れるどころか壁ごとぶち抜く可能性があるからな……

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああん!ほとんど勝てませんでした!」

 

やばい……ボコしすぎた……

 

あらゆる対戦ゲームで引き撃ちだの待ちゲーだのしすぎたせいで途中から天童さんが涙目になってた……

 

「うぅ……グスン」

 

ごめんて……ほら、アイス何味がいい?

 

「チョコがいいです……」

はいよ、乾電池ね

 

「アリス、乾電池は食べません!」

 

冗談冗談、お詫びに好きなの買ってあげるから

 

「いいんですか!?それならアリスは三段アイスを全部別の味で食べたいです!」

 

 

 

酒泉は店員にお代を渡し、少しレジの横に移動して待機する

 

アイスコーンの上に様々な種類のアイスが重ねられていくのを見て目を輝かせるアリス、酒泉はそれを微笑ましそうな表情で見つめた

 

 

 

「ありがとうございます、酒泉!ゲームに付き合ってもらっただけでなく、アイスまでご馳走していただいて!」

 

 

屈託のない笑顔を向けるアリス、そんなアリスに「どういたしまして」と軽く返事をすると酒泉は何かを考え込む

 

 

 

こんな明るい子が曇らされるんだもんなぁ……パヴァーヌ編

 

出来ればこのまま何も起きずに進んでほしいんだけど………いや、そしたらケイさんも生まれないしなぁ……

 

……でも結局ケイさんって最終編で消えちゃうんだよなぁ

 

敵の本拠地───アトラ・ハシースの箱舟が展開する多次元バリアを破壊する為に、その身を削って

 

いや、それならスーパーノヴァの出力調整を行えば何とか……

 

先生達が使う事になるだろう船───ウトナピシュティムの本船のリソースも考慮してケイさんや天童さんが消滅せず、尚且つアトラ・ハシースの箱舟のバリアをギリギリ破壊出来るほどの出力調整をぶっつけ本番で行う

 

………無理では?ウトナピシュティムの本船自体の調整も行わないといけないし、それを考えるとスーパーノヴァを調整する時間だって一秒も無いかもしれない

 

色彩が来るよりも前にウトナピシュティムの本船を手に入れる事が出来れば、事前に調整とか出来るかもしれないけど……

 

あれってカイザーが発掘中だしなー

 

………一応原作でも復活フラグは立っていたけど、出来ることなら何とかしてあげたいな

 

 

 

 

「………酒泉?どうかしたんですか?」

 

 

思考を巡らせる酒泉にアリスが話しかける

 

 

 

……んー、いや、何でもない

 

「何か悩んでいそうでしたけど……」

 

ちょっと今日の夕飯で悩んでいただけだから気にしないでくれ、それよりもこの後はどうする?どっか行く?

 

まあ、俺この辺の土地のこと何も知らないから何処にも案内出来ないけど……

 

「………でしたら!アリスがミレニアムを案内します!」

 

ミレニアムを?

 

「はい!酒泉のことも皆さんに紹介したいですし……」

 

そうだな、それじゃ────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────ん?

 

「……?どうしました?」

 

………いや、やっぱり予定変更だ、一緒にゲヘナに行かないか?

 

「ゲヘナですか?」

 

ああ、物騒………じゃなくて、刺激的なイベントがいっぱい起こるぞ?

 

天童さんも楽しめると思うんだ

 

「イベントがいっぱい………経験値が沢山入りそうです!」

 

よし、そうと決まれば早速行こうか!

 

「え?もう行くんですか?」

 

ああ、何か買いたい物があるならゲヘナのショッピングセンターを案内するぞ?

 

「了解です!アリス、次の街に行きます!」

 

ついでにゲヘナ学園の中にも入ってみるか?

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしますかリオ様、気づかれた可能性がありますが」

 

『……今日はここまでにしましょう。お疲れ様、トキ』

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、ここがゲヘナ学園……、道中ですらあっちこっちでバトルイベントが発生していたのに、学園の内部はどれ程荒れているのでしょうか……」

 

今日は休みだしそんなに荒れてない………といいなぁ

 

「酒泉!今グラウンドの方から爆発音が聞こえました!」

 

早いって

 

 

 

酒泉の期待を一瞬で破壊するかの様にトラブルが発生する

 

更にはそれに連鎖するように様々な場所から怒号が聞こえる

 

 

「誰だ!『グラウンドに温泉が埋まっている』なんてデマを温泉開発部に流した奴は!」

「おい!また美食研の奴らが脱走したぞ!」

 

「ヒナ委員長は!?」

 

「エデン条約絡みの事でトリニティにアコ行政官と出張中だ!」

 

「なら酒泉は!?」

 

「今連絡しています!」

 

 

………あ、本当だ、着信来た

 

 

「イオリさんとチナツにも連絡を!」

 

「その二人なら今は別の問題の対処をしてる!」

 

「くそっ!何でこんな日に限って私達みたいな一年生の風紀委員ばかり残ってるんだ!」

 

 

 

……しゃーない、ちょっと待っててくれるか、天童さん

 

あ、巻き込まれない所でな

 

「ア、アリスも戦います!」

 

他校の生徒を戦闘に巻き込む訳にはいかないでしょ、とりあえずすぐに………とは行かないだろうけど、なるべく早めに終わらせるからさ

 

「あ、待ってください!」

 

 

 

そう言うと酒泉はアリスの制止を聞かずに風紀委員達の方へ走り出した

 

 

 

「酒泉!?丁度いいところに来たな!」

 

状況は!?

 

「例の温泉狂いの奴等の騒ぎに乗じて、捕縛していた美食研の奴等が脱走した!」

 

「美食と温泉、一応どちらにも人員は向かっているが………如何せん一年生が多くてな」

 

なら先輩方は温泉開発部の所へ!自称美食家のテロリスト共は俺と既に現場に居る一年で対処します!

 

「お前も一年………いや、悔しいが実力に関してはそこらの三年より上だな………よし、頼んだぞ!」

 

はい!

 

「………それと怪我するなよ?委員長が帰って来た時が怖いからな」

 

………はい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

先程まで鳴り響いていた爆発音や銃声が鳴りやむ、その場には軽症を負った風紀委員達と、縄で縛られ両手を手錠で拘束された美食研究会の生徒達が残った

 

 

 

 

オラァ!委員長の仕事増やすんじゃねえ!

 

「くっ……あと少しでしたのに……!」

 

「……ていうか、何か前より強くなってない?」

 

あ、やっぱりぃ?

 

いやぁ、アリウス自治区での戦いから何故かやけに強くなった気がするんですよぉ!

 

心身共に研ぎ澄まされた的なぁ~?

 

「チョロいですね☆」

 

………なんてな!俺を煽てても無駄ですよ!

 

「遅くない……?」

 

赤司さんの縄だけきつく縛っといてくれ

 

「何で私だけっ!?」

 

 

 

酒泉はギャーギャーと騒ぐ美食研究会を呆れた様に見る

 

 

つーかよぉ、ただ暴れるだけならまだしも………いや、それも困るんですけど

 

「……何が言いたいんですか?」

 

だからさぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎回毎回当然のように愛清さん巻き込んでんじゃねーよ!?

 

「今回もありがとう酒泉………何度も助けさせてごめんね?」

 

 

然も当然かの様に縛られているゲヘナ学園給食部の部長・愛清フウカの縄をほどきながら酒泉は叫ぶ

 

 

 

「失礼な、巻き込んでるつもりはありませんわ」

 

いやどう考えても巻き込んでるでしょ

 

「捕まりっぱなしでお腹が空いたので、脱獄がてら少々食事を済ませようとしただけですわ!」

 

だったら尚更縄で縛る意味ねーだろ

 

「………いつもの癖?」

 

………愛清さん、前に話してた〝アレ〟やりましょうか?

 

「オーケー」

 

じゃあ……また後で

 

「うん、腕に縒りをかけて作るね」

 

「………一体何の話をしてるんですか?」

 

「ちょっ………そんな事より私の縄緩めてよ!」

 

「何か食べるの?私にもちょーだい!」

 

いつも食ってるハンバーガーで我慢してください

 

「……それで結局、一体何を……」

 

「ちなみに酒泉は何が食べたい?」

 

え?俺が選んで良いんですか?

 

「うん、酒泉が助けてくれるようになってから仕事がかなりスムーズに進むようになったし、そのお礼よ」

 

 

 

自分達を置いて話を進める二人に困惑する美食研究会

 

 

 

じゃあカツカレーがいいです、確か今日の学食でありましたよね?

 

……あ、でも数が限定されてるんでしたっけ?

 

「ふふっ、特別よ?」

 

お、ラッキー!ありがとうございます!

 

「待ってください、話が見えてきませんわ」

 

あ……あと出来ればチーズもトッピングしてほしいなー、なんて……

 

「確か明日使う予定のがあったはず……うん、大丈夫」

 

おお……本当にありがとうございます!

 

「チーズ?カツカレー?何を……」

 

……何をって、そんなの決まってるじゃないですか────

 

 

 

 

────アンタ等をガッチリと拘束した後、サックサクのカツとトロットロのチーズが乗ったカレーを目の前で見せつける様に堪能するんですよ

 

 

 

 

「あ……悪魔がいますわ……!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

……やべえ、そこそこ時間が掛かっちまった

 

早く天童さんの所に戻らないと……

「あ!酒泉が帰ってきました!」

 

あれ?天童さん、どうしてここに?

 

もしかして迎えに来てくれたのか?

 

「はい!」

 

そっか……悪いな、待たせちゃって……

 

それじゃ、早速校内の案内を─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しようとしたところで、酒泉のスマホが鳴り出す

 

 

 

 

 

 

 

─────……っと、あー……悪い天童さん、もう少しだけ待っててくれ

 

「分かりました!」

 

 

ビシッと両手を伸ばして立つアリスに軽く笑みを浮かべながら酒泉はスマホを見る

 

先程事件を解決したばかりだからか、風紀委員の誰かからの連絡だと思ったが、実際には非通知からの連絡だった

 

若干怪しみながらもゆっくりと通話ボタンをタップする

 

 

 

 

………えっと、もしもし、どちら様で?

 

『突然のご連絡、申し訳ありません。私は………』

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ミレニアム最高の天才にして清楚系病弱美少女の─────』

 

あっ、大体分かったんで別にもういいです

 

 

 

 

 

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