〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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未来に恐怖感じてる奴いる?いねえよなぁ!!?

 

 

この度は自分勝手な行動を取ってしまい本当に申し訳ございませんでした

 

「初手でいきなり土下座ですか」

 

「うん、とりあえず座ろっか、酒泉」

 

 

開幕で先生とヒマリに土下座をかます酒泉、彼は少し顔を上げると申し訳なさそうに椅子に座った

 

 

「それにしてもやはり説得は無理でしたか……」

 

いやホントすいません

 

「別に酒泉が悪いわけじゃないよ」

 

……先生は怒ってないんですか?

 

「それは何に対してかな?」

 

その……天童さんのこと……

 

「……私が直接リオと話した時も彼女の意思は変わらなかった、そんなリオから猶予を貰えたのなら酒泉に感謝こそすれど怒る道理はないよ」

 

……でも───

 

「───酒泉、私はね……悔しいんだ」

 

……悔しい?

 

「調印式の事件、ベアトリーチェとの戦い、そして今回のアリスの事、本来なら〝大人〟である私が向き合わなければならない〝責任〟なのに……まるでその全てを肩代わりさせてしまっている感覚でね……」

 

……元々俺の勝手な行動が原因なので

 

「でも最初は調印式で私やヒナの事を助けたらそれで終わるつもりだったんでしょ?」

 

それは……

 

「でもそこからベアトリーチェに目をつけられ、更に渦中の中に巻き込まれていった。その後は未来の事を私に教えてくれたりしたけど、酒泉から接触しなくても結局リオに目をつけられてしまった」

 

「……リオの頑固な性格には困ったものですよ」

 

 

やれやれと首を振るヒマリ、その横で何かを悔やむ様に目を伏せる先生、一瞬だけ見えたその表情はとても辛そうだった

 

 

「自分は他者にはなれないし他者も自分になることは出来ない、それは分かっているんだけどね………それでも、私が酒泉の代わりになれたらと思ってしまうよ」

 

……なら一つだけお願いしてもいいですか、先生

 

「……何かな?」

 

連絡した時にも二人には先に伝えましたが、もし最後の最後まで天童さんの暴走を抑える方法が見つからなかったら俺は天童さんを破壊するつもりです

 

「………」

 

「……本気ですか?」

 

はい、暴走を抑えられないという事は天童アリスという存在その物が死ぬという事です

 

ならキヴォトス全域に被害が広がる前に俺が物理的に殺します

 

「……私は─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────だから、もし俺が天童さんと敵対したら全力で俺の事を倒してほしいんです

 

「─────え?」

 

俺は調月さんとの約束を破るつもりはありません、調月さんがここまで譲歩してくれた以上、俺も彼女の覚悟に応えないといけません

 

でも天童さんに死んでほしくないのも事実です、ですから─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────本気で天童さんを殺そうとする俺の事を全力で倒してください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「酒泉……そこまで覚悟しているのですね」

 

天童さんを殺す事が決まった場合、俺は学校を辞めて全ての繋がりを絶ちます

 

そうなったら俺はもう先生の生徒ではなくなりますので………全力で潰しにきてください

 

「………」

 

でも俺は手を抜きませんからね………といっても、先生や明星さん、あとその仲間の力なら俺ごときなんて簡単に倒せそうですけどね

 

「……分かった、でもこれだけは言っておくよ」

 

はい?

 

「私は酒泉を倒す為じゃなく、酒泉とリオ……そしてアリスを止める為に戦う」

 

………お願いします

 

 

周囲に重苦しい空気が流れる、その流れを変えようと酒泉が咳払いをする

 

 

 

……まあ、これは解決策が見つからなかった場合の話ですから!そうなる前に解決策を見つければいいだけですよ!

 

「うん………あと、退学するにしても一度私に話を通さないといけない事も忘れないでね?もちろん止めるけど

 

圧が強いです先生

 

「……そもそも本当にアリスを暴走させないといけないのですか?貴方の知識があれば他の方法を───」

 

……俺の知っている未来は〝天童さんともう一人の力でこれから先の脅威に対抗する未来〟と〝天童さんが暴走して全てを破壊する未来〟の二つだけです

 

「……最初から前者の方を選ぶ事はできないのかな?」

 

その未来も結局は天童さんが暴走を経験したからこそ繋がった未来ですからね……

 

「そう、か……」

 

まあ、でも大丈夫ですよ

 

だって天童さん、めちゃくちゃ強いですもん

 

「……うん、アリスの強さを信じよう」

 

「まあどれ程難しい問題でもこの超天才清楚系───」

 

はいはい全知全知

 

「ふふん!それほどでもあります!」

 

「それでいいの……?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風紀委員どもおおおお!肉が食いたいかあああ!?

 

「「「「「おおおおおおおお!!!」」」」」

 

肉汁を口の中で暴れさせたいかあああ!?

 

「「「「「おおおおおおおお!!!」」」」」

 

何もかも忘れて欲望のままにがっつきたいかあああ!?

 

「「「「「おおおおおおおお!!!」」」」」

 

明日乗る体重計に日和ってる奴いる?いねえよなぁ!!?

 

よろしい!その欲望、解放しろ!

 

では………

 

不定期開催!風紀委員による風紀委員の為のバーベキューを開始する!

 

「「「「「っしゃああああああ!!!」」」」」

 

辺りが暗くなる中、全員が叫び出す

 

そこそこの広さを持つ貸し切り会場の為、多少は騒いでも問題ない

 

酒泉の開始の宣言と同時に各々が網の上で肉を焼き出す、学年も立場も年齢も関係なく全員が目を輝かせている

 

酒泉も肉を焼こうと網に近づくが、そこにヒナが近づいてくる

 

 

 

「……本当にこんな事してていいのかな」

 

多分大丈夫ですよ、いつも問題を起こす便利屋にはパトロールの依頼を、美食研には焼き肉セットを、そして学園の仕事は万魔殿に任せて脅してきたんで

 

「……便利屋に?」

 

依頼料弾むって言ったら喜んで引き受けてくれましたよ………まあ、風紀委員として便利屋に頼ってもいいのかって問題はありますけど

 

「………大丈夫?」

 

ここ最近怪我ばっかで金使う機会なかったんで余裕っす

 

「……私が出す」

 

駄目です、俺がバーベキューしたいって言い出したんですから俺が出します

 

「でも……」

 

じゃあ、俺からのプレゼントだと思ってくれませんか?まあ食材に関しては皆で買ったやつですけど

 

「プレゼント?」

 

はい、俺が入院してた時やアリウス自治区に行った時に色々とお世話になったんで、そのお礼ってことで何卒

 

「……分かった、ありがとう────」

 

 

 

 

「委員長!こちら良い感じの焼き加減です!」

 

 

二人の会話中に突然アコが割り込んでくる

 

「……アコちゃん空気読もうよ」

「ヒナ委員長、凄い真顔になってますよ」

「酒泉、絶対に良い雰囲気なんかにはさせませんよ……!」

 

 

「……アコ」

 

「はい!何でしょう───」

 

「あっちで肉でも焼いてて」

 

「……………」

「あ、固まった」

 

「これに関しては自業自得ですね」

 

 

まるで石像の様にピクリとも動かなくなるアコを無視してヒナは酒泉に話しかける

 

 

「……そういえば、どうして突然バーベキューを?」

 

んー……今のうちにゲヘナでの思い出を増やしておこっかなって

 

「……本当にいきなりだね」

 

まあ、大して深い理由もないですよ………あ、これどうぞ空崎さん

 

「ありがとう……あーん」

 

………え?これトングですよ?

 

 

 

酒泉は焼き終わったヒナの皿に肉を渡そうとトングを出すが、何故かヒナは口を開ける

 

 

 

「………?………っ!?」

 

あ、無意識だったんですね

 

「……忘れて」

 

 

 

顔を赤くして俯くヒナ、恥ずかしそうにするヒナを見て「サポートしなければ」と思った酒泉が口を開く

 

 

 

「…………」

 

空崎さん

 

「ごめん、本当に気にしなくていいから───」

 

………あ~、実は俺、女の子に「あーん」ってやるやつ憧れてたんですよねー

 

「───え?」

 

誰かやらせてくれないかなー、一度だけでもいいから青春させてくれないかなー

 

「……な、なら私がっ」

 

 

 

焦った様に口を開けて酒泉に近づくヒナ

 

そんなヒナの口に箸で掴んだ肉を近づけ、そして───

 

 

 

 

 

「いただきますっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

───またもやアコが割り込んできた

 

 

 

なはなはいいやひはへんれふよ、しゅへん中々良い焼き加減ですよ、酒泉

「アコちゃんさぁ……」

「だから相手にされないのでは……?」

 

「………アコ」

 

「はい!なんれふか!」

 

「嫌い」

 

「」

 

「あ、死んだ」

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

バーベキューはまだまだ続いているが、少し離れた場所で酒泉とヒナが休憩している

 

麦茶を身体の中に流し込みながら座り込む

 

 

 

「……たまにはこういうのも良いよね」

 

っすね、ゲヘナは滅茶苦茶治安が悪いですから時々こうして息抜きしとかないと

 

「ねえ、いつもありがとう酒泉………酒泉が居なかったらとっくに限界を迎えていたかも、私」

 

 

 

少しだけ口籠りながら、「だから」と続けるヒナ

 

 

「これからも……私が卒業した後も支えてくれる?」

 

 

ゆっくりと酒泉を見上げるが、あまり浮かない顔をする酒泉に不安になってしまう

 

 

「……酒泉?もしかして……その、嫌───」

 

───空崎さん、一つだけ聞いてもいいですか?

 

「……な、何?」

 

……もし、もしも俺が他の学園の生徒に恨まれたら俺の事を切り捨ててくれますか?

 

「………それは、またアリウスの時みたいに酒泉が狙われるってこと?」

 

いえ、その時とは違って完全に俺が加害者だったらの話です

 

俺のせいで他校との争いの火種が生まれるとしたら………どうします?

 

「………」

 

 

 

突然の質問にヒナは言葉を詰まらせる、しばらく黙り込んだ後、こう答えた

 

 

 

「────そうなったら、酒泉を退学させるわ」

 

………ですよね───

 

「その後、私もゲヘナ学園を退学して酒泉についていく」

 

───はい?

 

「……?何かおかしいこと言った?」

 

いや、後半が明らかにおかしいんですけど……

 

「そう?」

 

だって争いの火種になるような人間なんですよ?そんな奴についていくなんて……

 

「だって……酒泉は何の理由もなく争う様な人じゃないから」

 

っ……

 

「争いの火種になるって事は酒泉を狙う奴だって出てくるはず、だから私が酒泉を護るの」

 

 

 

ヒナの言葉を聞いた酒泉は少し考え込んでから喋り始めた

 

 

 

……空崎さん、俺はこれまで何度も空崎さんに心配掛けてきました

 

「うん」

 

俺の立場上、これからも心配を掛けてしまう事があるかもしれません

 

「………うん」

 

でも─────最後には必ずゲヘナに……空崎さんの所へ戻ってきます

 

ですから、これからもいっぱい迷惑をお掛けしてもいいですか?

 

「うん、むしろ嬉しい」

 

 

 

微笑みながら頷くヒナ、それから少しして「あっ」と何かを思い出したかの様な声をあげる

 

 

 

「そういえばさ、その……そろそろいいと思うの」

 

……えっと、何がですか?

 

「だから、その………名前で呼ぶの………」

 

……?

 

「だ、だからっ!な、名前─────」

 

 

 

 

 

 

「委員長おおお!!!デザートお持ちしましたあああ!!!」

 

あ、いつの間にか復活してたんだ天雨さん

 

「…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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