〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

425 / 514
速攻でフラグ回収する奴いる?いねえよなぁ!?

 

 

 

電車から降りた瞬間、足を必死に走らせる

 

周りからは非難の目を向けられるがそんな事を気にしている場合ではない

 

……先程、天童さんからの不在着信に折り返し電話を掛けたのだが、一切反応が無かったのだ

 

それだけならここまで慌てる必要はないのだが、その直後に調月さんから連絡が来た

 

「アリスとケイが暴走した」と

 

幸いにも被害が完全に広がり切る前にC&Cの皆が戦闘を、そして調月さんを筆頭にヴェリタスの人達が避難誘導を担当しているため、天童さんの暴走は誰にも見られていない……らしい

 

……っと、あそこか

 

ミレニアム学園に近づくにつれて銃声や爆発音が少しずつ大きくなっていく

 

周りには生徒が集まってきているものの、おそらく調月さんかエンジニア部が手配したであろう警備ドローンがそこら中をウロウロしているため誰も近付こうとはしない

 

『やあ酒泉、聞こえているかい?』

 

その警備ドローンの一台が俺に並走しながら声を掛けてくる

 

………この声、白石さんか?

 

『その通りだ、単刀直入に言わせてもらうけどこの先の警備ドローンは全部侵入止めに使っているから戦力に回せないよ』

 

それで良いっすよ!天童さんの正体を他人に見られる訳にはいかないですから!

 

で!?今の状況は!?

 

『ネルとアスナが暴走状態のアリスとその取り巻きと戦闘中、カリンとアカネが〝不可解な軍隊Divi:Sion〟の軍団と戦闘中』

 

場所は!?

 

『そのままドンパチ聞こえる方に進むだけでいい』

 

了解!

 

『では頼んだよ!』

 

 

会話が終わると、並走していた警備ドローンが後ろに戻っていく

 

くそっ……何でよりによって先生が他校に出張してる時に問題が起こるんだ……!

 

 

暫く走っていると例のポンコツマシーン共が暴れまわっているのが見える

 

そいつらに背後からスナイパーライフルを食らわせ、こちらに注意を向けさせる

 

この一発だけで仕留められた訳ではないが、今はそれで構わない

 

 

 

 

────という訳で、頼みましたよ美甘さん!一之瀬さん!

 

「はっ!先輩をこき使おうとは生意気じゃねーか!」

 

「まっかせて~!」

 

その隙に美甘さんが此方を向いて背中を見せたロボットをサブマシンガンで破壊し、一之瀬さんがスライディングで敵の真正面に滑り込みながらロボットを破壊した

 

……いや、真正面に来るなら俺が敵の視線を逸らさせた意味無いんだけど

 

「ナイスアシスト~!」

 

いや、俺のアシスト意味無かったですよね?

 

「?」

 

そんなキョトンとされても……

 

「お喋りしてる暇はねえぞ………ほら、あいつだ」

 

 

美甘さんに言われるがまま視線を奥の方へ向ける

 

そこには眼を赤く光らせて〝不可解な軍隊Divi:Sion〟を従えている天童さんがいた

 

 

「それで?今度はどうやって元に戻すんだ?」

 

……ケイさんは?

 

「リオによればアリスと意識が繋がったことでケイまで暴走してる可能性があるってよ」

 

なら暴力っすね、前の実験で使ったスタンガンは?

 

「ちゃんと持ってきてるぜ……やっぱ気が乗らねえけど」

 

痛みもなく一瞬で気絶させるならそれしかないっすよ

 

「分かってるっつーの……アタシが前に出る!二人共頼んだぞ!」

 

「オッケー!」

 

 

 

天童さんに突っ込んでいく美甘さんとその後を続く一之瀬さん

 

その二人の前に壁の様にロボットが立ち塞がるが、発射口を開くと同時に右手のスナイパーライフルで敵の内部を破壊し、左手のアサルトライフルで残りの敵の銃口を無理矢理逸らさせる

 

二人はがら空きになった道を突き進むが、横から突然現れた敵の増援の攻撃を避けて一度距離を取る

 

 

「もー!数だけは無駄に多いなー!」

 

「……つっても、あのチビ本人の戦闘能力はそんな高くねーみたいだぜ?」

 

……いや、多分時間を掛ければ掛けるほど面倒になりますよ?

 

「分かってるって、雑魚共が集まってくるからだろ?」

 

それだけじゃないです

 

「あ?」

 

あの状態の天童さんは……というよりもケイさんは周囲の設備からリソースを確保する能力を持っているんです

 

もしあの周りのロボットもリソースとして使えるのなら、集まれば集まるほどさらに厄介なことになります

「……要するにさっさと決着つけろって事だろ?」

 

まあ、そうなりますね

 

「それならやることはさっきと何も変わらねえなあ!」

 

そう言って再び天童さんに突っ込んでいく美甘さん、敵もさっきと同じ様に壁のように展開されるが───

 

 

 

「それは見飽きたんだよぉ!」

 

 

 

───先頭のロボットを踏み台に跳ね飛び、敵を飛び超えながら奥の天童さんに弾丸を放つ

 

 

【……ダメージ予測完了、回避します】

 

 

それを横に移動して回避する天童さん、そして先程飛び超えたロボット達の銃口も背後の美甘さんに向く

 

「リーダーの邪魔はさせないよっ!」

 

しかし一之瀬さんがロボットのコードの様な物を引っ張って隣のロボットも巻き込み投げ飛ばす

 

………随分とパワフルだな、やっぱ羨ましいなキヴォトス人

 

一之瀬さんが道を作ってくれたお陰で俺も突っ込める、敵が集まる前に天童さんの元へ向かう

 

「こいつで終わりだあ!」

 

【防御行動に移行、同時に武装のチャージを開始します】

 

スタンガンを持って接近する美甘さん、しかしそれを真正面から防御しようと天童さんが構える

 

あのスタンガンは天童さんの人工肌の部分に直接押し当てなければあまり効果を発揮しない、このままでは防がれるだろう

 

………そしてそれを何とかするのが俺の仕事だ

 

スナイパーライフルを構え、天童さんの足首を狙う

 

自慢の〝眼〟でタイミングを見計らい、美甘さんの足に向けて銃弾を放つ

 

自分には当たらないと判断したのか、天童さんはそのまま美甘さんの攻撃を防ぐことだけに集中し────

 

 

 

【……っ!?】

 

 

 

────俺の放った銃弾は美甘さんの両足の間を潜り抜けて天童さんの足にヒットする

 

しかし流石は機械の身体と言うべきか、僅かに態勢を崩すだけに留まる、が

 

「オラァ!フラついてんじゃねえかあ!」

 

戦闘のプロである美甘さんがそれを見逃すはずもなく天童さんに足払いを仕掛けて完全に態勢を崩させる

 

天童さんも倒れた後に横に転がることで美甘さんの踏みつけを回避する、そして再び立ち上がりレールガンを構える

 

が、その隙に近付いた俺が天童さんの回避先に先回りしてスタンガンを構える………実は接近中に美甘さんに投げ渡されていたのだ

 

【………っ、チャージ中止、緊急発射します】

 

天童さんがレールガンを発射しようとしてるがそんな事は関係無い、おそらくフルパワーの半分すらチャージ出来ていないだろう

 

それなら遠距離までビームが届く心配はない、銃口の先から何百メートル先までの被害を考えなくても良いのだ

 

よっぽど至近距離に人が居ない限りおそらく人的被害は出ないだろう

 

雑兵共は一之瀬さんが抑えている、天童さんのレールガンはまもなく発射されるが銃口が向いている方に美甘さんはいない、とっくに避難済みだ

 

これで勝ち─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリスッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────なんて油断してしまったのがいけなかったのだろう

 

天童さんの銃口が向いている方からモモイさんが現れる

 

………そうだった、あまりにも上手く行きすぎてたせいですっかり忘れていた

 

これまで重要な事件を一度でも未然に防げたことがあったか?

 

エデン条約の調印式は結局襲撃された、秤アツコは結局誘拐されたし聖園ミカの襲撃も起きた、だとすれば才羽モモイが重傷を負うというイベントも起きるはずだ

 

それを俺は勘違いしていたんだ、〝最初に行った天童さんを暴走させる実験でそのイベントはとっくに通りすぎた〟と

 

違うんだ、今、やっとそのイベントが発生したんだ

 

……モモイさんは悪気があってここにやって来た訳じゃない、ただ純粋に天童さんのことが心配だったのだろう

 

これは俺の責任────確率論もバタフライエフェクトも軽んじ、調子に乗って全て上手くいくと油断した俺の責任だ

 

ならやるべき事は一つ

 

 

 

 

 

スタンガンを天童さんの首元に押し付け、電流を流す

 

痛みを感じる暇も無く一瞬で意識を失った天童さん、無抵抗になった彼女の腕を無理やり下に向けさせる

 

その際にレールガンの銃口も斜め下を向き、光が溢れ出す

 

そのまま誰もいない数メートル先の地面に向けて光が発射されて激しい爆発と衝撃波が発生し、俺はそれが到達するよりも少し前に天童さんを抱きしめて態勢を入れ換える

 

これならモモイさんへの被害を抑えた上で天童さんも護れる、成すべき事を成し遂げて安堵した俺は天童さんに覆い被さったまま吹き飛ばされ─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

モモイは呆然と立ち尽くしていた

 

突如ミレニアム学園で発令された避難勧告、そして鳴り響く爆発音

 

明らかに異常な事態、本来ならば大人しく避難勧告に従うべきなのだが……

 

(あの爆発って……アリスの向かった方……?)

 

彼女の仲間思いな性格がそれを許さなかったのだ

 

………更に運が悪いことに、この時モモイは一人だった

 

周りにミドリかユズが居ればもう少し冷静に行動出来たかもしれないのだ

 

だがそんな〝たられば〟の話をしても意味がない、いざ現場にたどり着いた時にモモイの目に映った光景は機械の集団を従えるアリスと戦闘中の酒泉達、そして────

 

 

 

 

(………え?)

 

 

 

 

────此方を向いている光り輝くレールガンの銃口だった

 

その後の事はハッキリと思い出せる

 

酒泉が此方に向いていたレールガンの銃口を地面に逸らし、更にはアリスを庇って爆風と衝撃波で吹き飛ばされたことを

 

 

「うそ……」

 

モモイの脚から力が抜け、ペタリと座り込む

 

「そんなのって……」

 

モモイは理解していた

 

あんな爆発を至近距離で食らってしまえば、ヘイローを持たぬ普通の人間など一瞬で死に至ることを

 

……ただし、それは酒泉が何も抵抗していなかった場合の話だ

 

酒泉はあの時爆発の直撃を食らったのではなく、レールガンが地面に直撃した時の爆風と衝撃波で吹き飛ばされたのだ

 

つまり─────

 

 

 

 

「………っ!しゅ、酒泉!?」

 

「………落ち着け、まだ死んじゃいねーよ」

 

「結構危ないけど……ね!」

 

 

 

 

─────この男はしぶとかった

 

瓦礫の中からネルとアスナが出てくる

 

ネルは酒泉を、アスナはアリスを支えていた

 

「よ、良かった……無事で───」

 

安堵するモモイ、しかしネルはそんなモモイに残酷な真実を告げる

 

「無事ではねえよ、よく見てみろ」

 

「────え?」

 

瓦礫を完全に退かし、酒泉の身体がハッキリと見えてようやく気づいた

 

 

 

今にも千切れそうなほどボロボロになった腕を

 

今にも穴が空きそうなほど抉れている身体を

 

そして今にも干からびそうなほど大量に流れ出る真っ赤な血を

 

 

 

「……………ぁ………」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「リオ様、片付け終わりました」

『ありがとう、トキ………こんな廃墟だけでも二十体もいるなんて』

 

「今すぐミレニアム学園のサポートに戻りますか?」

 

『ええ……そうして────っ待って、C&Cから連絡が来たわ』

 

「了解です、リオ様からの命令が下るまで待機しています」

『ええ、お願い………もしもし、ネル?そっちはどう?』

 

 

 

『………そう、アリスの制圧は成功したのね』

 

『目撃者は?………それなら良いわ、ご苦労様』

 

『それで、被害は?』

 

『………ごめんなさい、もう一度言ってもらえないかしら』

 

『……………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………………そう』





対抗戦に水着シロコが増えてきましたね

まあ僕も持ってるんですけどね!(隙自語)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。