〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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最終編前その8

 

 

 

試合開始のブザーと共に酒泉を置いてヒナ達が一斉に走り出す

 

イオリだけ皆より少し離れて先頭を走り、その後ろをチナツが追いかける

 

ヒナは周囲を警戒しつつアコを護れる位置で走り、アコは既に上空に偵察用ドローンを飛ばしている

 

ここまで何も起こっていないが、スタート地点からそこそこ離れた辺りでアコが動きを止める

 

「………委員長、偵察用ドローンが一つ破壊されました」

 

「……そう、なら敵も近いね」

 

「イオリ、ここからは作戦通りにお願いします」

 

了解、と返事をしたイオリは先程よりも速度を上げて一直線に突撃していく

 

すると、パアンッ!という破裂音と共にイオリの足元に弾が着弾する

 

「……やはりイオリに釣られましたね」

 

「チナツ、イオリの援護をお願い」

 

先に一人で突撃したイオリを背後から援護する為にチナツも走り出す

 

それからは大方の予想通り、イオリを中心に狙い撃つように弾丸が飛んで来る

 

しかしそれも作戦通り、敵がイオリに集中すればするほどアコが飛ばすドローンが気付かれにくくなる

 

先程破壊された偵察用ドローンが敵の姿を発見し、そのままバレにくい位置に隠れようとする

 

 

 

────が、それよりも前に何者かに撃ち抜かれる

 

 

再びアコにドローンを飛ばすように指示を出そうとしたヒナだが、アコが少し険しい表情で口を開く

 

「ヒナ委員長、敵の中に剣先ツルギの姿がありません。恐らくはこちらの予想通り攻撃部隊として行動しているのかと」

 

「それなら作戦通り────」

 

「………ですが、それ以外の全てのメンバーが防衛隊として残っています」

 

「────っ、剣先ツルギ以外の全員が?」

 

「はい……攻撃四人・防衛一人の此方とは逆に、向こうは攻撃一人・防衛四人の陣形で来てます」

 

「………剣先ツルギが攻撃隊に回るのは予想できたけど、まさか剣先ツルギ一人だけだなんて」

 

「……どうしますか?」

 

「何も変わらない、作戦通りにいくよ」

 

「……よろしいのですか?」

 

「うん、だって───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───酒泉は強いから」

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

「っと……またドローンですか」

 

「そんなに此方の様子を伺いたいんすかねぇ……」

 

破壊する度に再び飛んで来るドローンをマシロが何度も撃ち落とし、そんなマシロをイチカが護衛する

 

風紀委員側で直接戦闘が得意なのはヒナと酒泉とイオリの三人だけ、アコとチナツはサポートだろう……と正実は予想していた、しかし

 

「……まさかドローンを使ってまで戦闘に参加するなんて」

 

「攻め手が少ないことは向こうも自覚してる……だからこそ、あたし達の思い込みを利用したのかもしれないっすね」

 

此方の予想とは裏腹にアコもチナツも攻め込んできた、何を企んでいるのかと首を傾げていると……

 

「っ!狙撃!?近い……一体どこから……!」

 

突如真横に弾丸が飛んで来る、もし首を傾げていなかったら頭部に直撃していただろう

 

敵の居場所を探る為に弾が跳んできた方を見ると……

 

「見つけたぞ!規則違反者………じゃないけど覚悟しろ!」

 

少し離れた場所からスナイパーライフルを構えて突撃してくるイオリ

 

それを迎え撃つべくマシロも大きめのスナイパーライフルの銃口をイオリに向けようとし、その隙をカバーする様にイチカがイオリに銃口を向ける

 

「気合いたっぷりっすね!」

 

「ここまで堂々と突撃してくるなんて……!」

 

「これ以上好き勝手に撃たせないよ!」

 

そして三人は激突────

 

 

 

「………え?」

 

 

 

────することはなく、イオリが退いていく

 

 

 

「……っ!逃がしません!」

 

 

我に返ったマシロがイオリを狙撃しようとスコープを覗き込んだ瞬間、どこからか手榴弾が投げ込まれる

 

近くにいたイチカは咄嗟にマシロを引っ張ってそのまま後ろに退く

 

爆発の余波で多少吹き飛ばされるが、二人とも掠り傷程度で済んだ

 

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「大丈夫っすよ、軽症なんで……それにしても一体誰が……」

 

「……恐らくはチナツさんでしょう、イオリさんの退却を援護する為にずっと近くで行動していたんだと思います」

 

そう言いながら辺りを見渡そうと再びスコープを覗き込む

 

すると、草陰に隠れようとしているドローンを見つける

 

当然逃がすつもりはなく、一発でドローンを撃ち抜いたマシロはスコープから目を離す

 

「……やられました」

 

……が、その顔は険しかった

 

「……何があったんすか?」

 

「先程の戦いの間にドローンを隠された可能性があります」

 

「撹乱兼陽動……っすか」

 

「今すぐ旗の所まで戻りますか?」

 

「いや……さっきの人達もまだそんな遠くに離れていないはずっす、下手に戻る様子を見せたら後ろからズドン!………かもしれないっすね」

 

「……それならハスミ先輩達に連絡して私達はここで待機しますか?」

 

「それが良い……って、早速言った通りになっちゃったっすね」

 

話を中断したイチカが正面を睨み付けると、その向こうには銀髪を揺らしながら再び突撃してくるイオリの姿が見えた

 

「……もう一人がいませんね」

 

「……多分私達を警戒させる為っすね」

 

「それなら……」

 

 

 

 

 

 

 

「ここで二人とも迎え撃ちます!」

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

「………っ!コハル、来ますよ!」

 

「は、はいっ!」

 

 

旗の周囲を防衛していたハスミとコハルに無数の弾丸が襲いかかる

 

それぞれが回避行動を取る中、真ん中を突っ切る陰が一つ

 

 

「……っ!ゲヘナの風紀委員長……!」

 

 

旗に向かって一直線に突き進むヒナ、それを迎撃しようとコハルとハスミは銃を構える

 

……しかし次の瞬間、草陰から突如ドローンが飛び出してきた

 

「なっ……いつの間に……!」

 

「そんな……マシロが見逃すなんて……」

 

爆弾の様な物が取り付けられているのを視認した二人は咄嗟に距離を取る

 

そのまま爆弾は爆発────することはなく、代わりに大量の煙を撒き散らした

 

 

「スモーク………コハル!旗の方へ!」

 

「わ、分かりました!」

 

 

敵の狙いを妨げようと旗を護りに向かう二人、しかし煙の外から大量の弾丸が再び襲いかかる

 

 

「悪いけど、ここは通さない」

 

「風紀委員長……?旗のスイッチを押しに行ったのでは………まさか!」

 

 

 

『委員長、スイッチを押しました!』

 

「ありがとう、アコ……あとはスイッチを押させないようにするだけだね」

 

『はい、この後は作戦通りに酒泉の元にドローンを送ります。………この日の為に何とか備えられた付け焼き刃の技術で、どこまで援護できるか分かりませんが』

 

「大丈夫、アコならやれるよ。………だって私の右腕なんでしょ?」

 

『い、委員長!…………ちなみに酒泉は?』

 

「心臓」

 

『………………』

 

 

 

黙り込んでしまうアコを無視してヒナの愛銃・デストロイヤーの掃射が始まる

 

弾丸の一発一発が強力なその猛攻にコハルは成す術無く、ただ必死に耐えることしかできない

 

一方でハスミもかなりの傷を負うものの、戦闘経験の差なのかコハルよりは軽症で済んでいる

 

 

「コハル!」

 

「ま、まだ大丈夫です……!」

 

「……私が前に立ちます、あまり無茶しないでくださいね」

 

「っ!はい!」

 

 

ハスミがスナイパーライフルを構え、ヒナに弾丸を放つ

 

ヒナはそれを羽で防いだ

 

 

「……っ」

 

 

……が、そこらの物より威力の高い弾丸はヒナの顔をほんの少しだけしかめさせる

 

そしてその上から丸い物体がヒナに向かって落下してくる

 

(あれは……手榴弾?それにしては形が……)

 

念のため後ろに大きく飛び退くと、通常の手榴弾よりも広い範囲の爆発が起きた

 

(予想よりも範囲が広い……っ)

 

敵の火力面の高さに警戒心を高めるヒナ、しかし実力差はそれでもヒナの方が上だ

 

「まだいけますか、コハル!」

 

「だ、大丈夫です!ハスミ先輩の足は引っ張りませんから!」

 

しかしそれでも立ち向かわなければならない、自分達の委員長の期待に応えるためにも

 

そして二人は圧倒的強者の風格を纏う少女に戦いを挑んだ

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

早い、あまりにも早すぎる

 

道中で空崎さん達に出会さなかったとしてもそれでも早すぎる

 

「キハハハハッ!壊れろおおおお!」

 

味方の時は頼もしかった叫び声が、今では俺を追い詰めてくる

 

敵は容赦なくこちらにショットガンを向けてくる……が、ここはキヴォトスだ。仮に当たってしまったとしても避けられない奴が悪い

 

射線上に入らないように立ち回りながら、隙があればアサルトライフルの弾丸を叩き込む………が、剣先さんは当然止まらない

 

ショットガンを乱射しながら突撃してきたことで危機を感じ、横に飛び退く

 

しかしそれが狙いだったのだろう、剣先さんはそのまま俺の後ろにあった旗のスイッチを押す……前に今度はスナイパーライフルで剣先さんの指を狙撃する

 

指をピンポイントで撃たれると思っていなかったのか、一瞬だけ動きが止まった剣先さんを横から蹴り飛ばして態勢を立て直す

 

危なかった………さっきまでの戦いは俺が何とか攻撃が当たらないように立ち回れていたんじゃない、全て旗の前から退かざるを得ない状況を作る為だったんだ

 

どうせダメージを無視するなら最初から旗だけを狙えば良いだろう………と思っていたが、俺からの反撃を警戒していたのかもしれない

 

たくっ……剣先さんといい聖園さんといい、どうして力任せに見える人ほど技術や策を弄してくるんだ

 

心の中でそう愚痴ってみるものの、相手は気など遣ってくれない

 

先程とは比べ物にならない速度で接近され、二丁の銃口を向けられる

 

片方を蹴り上げ、もう片方を引き金を引く直前に横から剣先さんの腕ごとアサルトライフルで連続射撃することで銃口を逸らさせる

 

……が、無防備になった俺の腹をそのまま蹴り飛ばされる

 

態勢が崩れていたお陰で完全に力を出し切れなかったのか、激痛程度のダメージで済んだ………いや、十分おかしいだろ

 

「消え失せろおおおお!」

 

剣先さんはそのまま動きが取れなくなった俺を踏みつけようと大きく跳んでくるが、何とか身体を転がして回避する

 

「………ケヒヒッ!」

 

しかし回避先に既に銃口を向けていた剣先さんは恐ろしい笑みを浮かべながら指に力を込める

 

……やばい、打つ手が無くなった

 

アサルトライフルは蹴り飛ばされた時に少し離れた場所へ手放してしまった

 

スナイパーライフルは近くに落ちているが、銃口側が此方を向いており引き金を引くには間に合わない

 

懐のナイフも多分間に合わない、手榴弾に関しては絶対に間に合わない

 

そして俺は────

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

────スナイパーライフルの銃口を持って剣先さんの放った弾丸をバットで振り払うかの様に防いだ

 

銃身が射線上から外れないようにしっかりと〝視て〟防ぐと、剣先さんは予想もしない防がれ方をされたせいか目を見開く

 

その隙に片手打ちで鍛えてきたそこそこ自慢の筋力でスナイパーライフルを剣先さんの顔面目掛けて全力で投げつけてから走り出すと、スナイパーライフルを軽く片手で振り払われる………キヴォトス人との力の差が悲しい

 

しかし、お陰で無防備になった剣先さんに接近することができた

 

懐まで潜り込んだ俺はそのまま拳を握りしめて剣先さんにアッパーカットを食らわせた……が、当然大して効いていないだろう

 

多少後ろに仰け反るが、すぐに元の態勢に戻る剣先さん

 

そのまま拳を振ってくるが、後ろに跳んで回避する

 

当然その隙を追撃しようとしてくるが………

 

 

 

 

 

「っ!邪魔だあああっ!」

 

 

 

 

爆弾が括り付けられたドローンがいつの間にか剣先さんの背後に急接近していた………天雨さんか!

 

その気配に気づいた剣先さんはショットガンを捨ててそのドローンを掴んでそのまま地面に叩きつけて破壊するが、その隙に先程蹴り飛ばされた時に手放してしまったアサルトライフルを拾う

 

破片を握り潰して俺を睨み付けてくる剣先さんもショットガンを拾い上げ、此方に向かってくる

 

目が回る様な速さの猛攻を掛けられ、回避に徹することしかできない

 

………が、もう〝眼が慣れた〟

 

攻撃のタイミング

 

リロードの隙

 

次の身体の動き

 

それら全てを見切った瞬間、一気に剣先さんの懐に潜り込み────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────かつて聖園さんにダメージを与えた時と同じように、ゼロ距離でアサルトライフルを放った

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

折川酒泉はこれまで何度も実力者達との戦いで負けてきた

 

調印式前は訓練でヒナに負けた

 

調印式では多勢に無勢とはいえ、アリウススクワッドに負けた

 

アリウス自治区では酒泉個人としてはミカに負けた

 

何度も敗北を経験し、何度も死にかけ、何度も己の無力感に押し潰されてきた酒泉

 

しかし度重なる敗北と戦いの記憶が酒泉をここまで押し上げた

 

………折川酒泉は剣先ツルギの足首を掴んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、折川酒泉は確かに各学園最強クラスの生徒達と同じ〝領域〟に足を一歩踏み入れたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこの後本気を出したツルギにボコボコにされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「まさかこんな結果で終わるとは……」

 

「引き分け……か……」

 

 

酒泉がツルギに蹂躙されてスイッチを押されてしまい、ヒナがハスミ達を圧倒している途中で両チームの旗が互いの学園のエンブレムに同時に染まった

 

……そう、つまり引き分けたのだ

 

両校の生徒もまさか一秒の差もなく全く同じタイミングで旗が染まるとは思っていなかったため、今回の訓練はそのまま引き分けで終わった

 

作戦に時間を掛けて確実に攻めたゲヘナ、攻撃を完全にツルギ一人に任せて速攻を仕掛けたトリニティ、酒泉の足止めがあったとしてもスイッチを押したのは同時だった

 

 

「ですが、結果的にはこれが一番平和に収まるかもしれませんね」

 

「そうですね……トリニティとゲヘナ、両校の面子が保たれたまま終わったのですからね」

 

「………まあ、約一名はそうでもないかもしれないけど」

 

 

そう言ってイオリは視線を少し離れた場所に向ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなのきたいにこたえられなくてごめんなさい、ぼくはざこです

 

「酒泉は頑張った、あの剣先ツルギ相手に持ちこたえられただけでも十分に凄い」

 

ばにたすばにたす

 

 

そこにはヒナに頭を撫でられながら励まされている酒泉がいた

 

膝を抱えながら俯き、とんでもなく暗い声で自虐している

 

 

ごめんなさいそらさきさん、あといちびょうたえられなくて

 

「そんなに落ち込まないで………よしよし」

 

 

 

……かと思えばいきなり顔を上げて泣き出した

 

 

 

 

俺だって頑張った!各学園最強の人達と同じぐらい強くなりたくて……必死に努力して……!けど俺は、大事なところで……!

 

「ガチ泣きしてる……」

 

「凄い勢いで涙流してます……」

 

俺も皆に頼られたかった!褒められたかった!

 

「な……なんかシナシナになってませんか?」

 

作戦前にあれだけ自信満々な態度を取っておきながら、あと一秒を持ちこたえられなかったことへの悔しさが酒泉の心を抉った

 

この戦い、酒泉は戦闘中に油断していた訳ではない

 

むしろ全力でツルギを止める為に戦った………ただ単純に相手がそれ以上に強かっただけなのだ

 

しかしヒナとの特訓で強くなれたと思っていた酒泉は、自分を鍛えてくれたヒナや自分を信じてくれた仲間達からの期待に応えられなかった罪悪感で押し潰された

 

「酒泉は十分期待に応えてくれた……それに、まだまだ伸び代あるから」

 

ごめんなさい……

 

「大丈夫だから、ね?」

 

うぅ……空崎さん……

 

「いい子いい子………ふふっ」

 

少し妖しい………怪しい微笑みを浮かべながら酒泉の頭を未だに撫で続けるヒナ

 

 

「いやぁ……やっぱり勝てなかったね☆」

 

 

しかし背後に何者かの気配を感じ取ると、途端に不機嫌になる

 

「……聖園ミカ」

 

「やっほー☆酒泉君が落ち込んでるって聞いて見にきたよー!」

 

……どうせ俺はよわよわですよーだ

 

「酒泉を煽りに来ただけなら帰って」

 

 

ミカを睨み付けながら殺気を飛ばすヒナ、しかしミカはそれを無視して酒泉に話しかける

 

 

「一人で剣先ツルギの相手をするなんて無謀だとは思わなかったの?」

 

………そこまで考える頭が無かっただけですよー

 

「うわぁ……なんにも言い返してこないなんて、本気で落ち込んでるじゃん」

 

…………

 

「……なんかつまんないなぁ」

 

何を言っても反応を返してこない酒泉を見て、ミカはつまらなさそうに来た道を戻り始める

 

しかし少しだけ立ち止まると、未だに膝を抱えている酒泉に再び話しかけた

 

 

「……まあ、結局剣先ツルギには勝てなかったけどさー」

 

………

 

「一般生徒の中であそこまで渡り合える子なんて貴方ぐらいじゃない?」

 

……え?

 

「だから、その………結構頑張ってた……と思うよ?」

 

 

それだけ言い残すと、ミカはすぐに帰ろうとした………が、酒泉がミカを呼び止める

 

 

「……何かな?」

 

その……ありがとうございます

 

「……え?」

 

いや、何度も俺のことを負かしたアンタに褒められたら……その……ちょっとだけ元気出た

 

「……そう」

 

 

 

それ以上何も言葉を交わすことなく、今度こそミカは帰っていった

 

 

「……酒泉?何で私の言葉じゃなくてあの女の言葉で立ち直るの?」

 

 

……その場に修羅場を残して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ……最初から素直に接すればよかっただけじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

別の日

 

 

 

 

「久しぶりー!あの情けない落ち込み顔もすっかり元に戻っちゃったねー!面白かったからもう一度見てみたいな☆」

 

アンタって人はああああああ!

 

 

 

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