〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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最終編直前

 

 

 

色彩やプレナパテスに関しての情報は知っている限り話した、それ以外の警戒すべき相手に関しても

 

天童さん達のリソース問題も解決策が見つかった

 

これは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝ったなぁ!?ガハハっ!!!

 

これはもう負けませんわ

 

今、俺の頭の中では〝EDFが調子に乗っている時のBGM〟が流れている

 

奴らに一発食らわせる、そうだろう?

 

 

来いよ色彩!徹底的に叩きのめしてやんよ!先生がなぁ!!!

 

 

 

 

「……何をニヤニヤしてるんですか、早く仕事に戻りなさい」

 

あっ、すいません天雨さん

 

「全く……まだまだ片付けなければならない書類が残ってるんですから、しっかりしてください」

 

 

 

 

判子を押しながらジト目で睨んでくる

 

少し気を抜きすぎていたかもしれない、集中集中っと……

 

……ん?そういやぁ、委員長達は?

 

 

 

「チナツとイオリは温泉テロリストを連行中、委員長は例のスカポンタヌキ共の所です」

 

………また何かやらかしたんですか?パンデモなんちゃらさん

 

「最近貴方にちょっかいを掛ける頻度が高くなってきたから釘を刺しに行ったんですよ」

 

 

 

うんざりした様な表情で溜め息を吐いたかと思えば、今度はビシッ!と此方に指を突きつけてくる

 

 

 

「酒泉、貴方も彼女達の戯言に惑わされないでくださいね?貴方は目を離すとすぐにあっちこっち駆け回るんですから」

 

そんな犬じゃないんですから……

 

「は?ヒナ委員長の犬は私ですが?」

 

なんなのこの人……

 

「とにかく!貴方はゲヘナの風紀委員だということをお忘れなく!」

 

分かってますよ、俺だってゲヘナを離れるつもりはありませんから

 

「私は別にどうでもいいですけど、貴方が居なくなるとヒナ委員長が悲しむので………………私は別にどうでもいいですけど!」

 

 

 

 

大事なことなので二回言いました的な?めっちゃ念押ししてくるじゃん

 

そんなに強調しなくても……

 

 

 

 

「全く、貴方はいつも勝手に動いて勝手に怪我して戻ってくるんですから………少しは自重してくださいよ?」

 

空崎さんと約束しましたし、今後は一人で突っ走るような真似はしませんよ

 

「そう言っておいて、どうせまた他校の事件に首を突っ込むんじゃないですか?」

 

むっ……いきなり約束を破るような真似はしませんよ……

 

「へえ?それなら賭けてみますか?貴方がまた勝手に行動するかどうか………もし貴方が勝てば─────」

 

あっ、それは遠慮しておきます

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ……恐ろしいですね、風紀委員長さん。最後の方なんて無言でマコト先輩のことを見つめていただけなのに背筋が凍りつきましたよ」

 

「…………」

 

「………余計なこと言うから」

 

 

冷や汗をダラダラと流しながら白目で立ち尽くす愚かな先輩に、イロハは呆れながら面倒そうに椅子に腰かける

 

始まりは酒泉を引き抜こうとする万魔殿にヒナが警告しに来たことだった

 

今までは直接会う機会があればちょくちょく酒泉のことを勧誘する程度に留まっていた………まあ、それでもヒナはイシュボシェってしまいそうになるのを必死に抑えていたが

 

しかしここ最近になって酒泉と絡む機会が増えてきている、万魔殿が直接ヒナに嫌がらせをしてる訳ではないから酒泉も特に突っぱねたりはしなかったが……

 

だが、ヒナのストレスは限界を迎えるギリギリだった。これ以上目の前の女が好き勝手しないように釘を刺そうとした………が

 

 

 

 

『キキキキッ!そんなにあの男が大切なら縛り付けておけばいいだろう?まあ、あの男が素直に束縛されるタイプだとは思えんがなぁ!?風紀委員に縛られないどころかゲヘナの枠を越えて他校で暴れるような奴だぞ?そんな奴を抑えるには力ずくしか方法は無いだろうがな!まあ、そんな事をすれば貴様は当然嫌われるだろうが………それで奴が風紀委員会に見切りをつけて此方側に来るのであれば、それはそれで─────』

 

 

 

 

────ヒナ、キレた!!

 

 

 

直接手を出したわけではないが、その時の彼女の纏うオーラはマコトですら思わず固まってしまう程の物だった

 

べらべらと煽ってくるマコトを無言で見つめ続けるだけで彼女は少しずつ勢いをなくし、最後には蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった

 

その後、黙り込んだマコトに対して

 

 

 

『また来るね』

 

 

 

と一言だけ残して去っていった

 

そう、一言………たったの一言だけであのマコトがヒナに対して怯えたのだ

 

恐らく相当ぶちギレていたのだろう

 

 

「どうするんですか……あの様子でまた来られたら堪ったもんじゃないですよ、今回は偶々イブキがいなかったから良かったものの……」

 

「チッ……また暫く大人しくしておくとしよう……バレない程度に接触するがな!」

 

「懲りないですね……」

 

 

イロハは自身もまた巻き込まれるであろうことを想像してしまい、嫌気が差す

 

 

「……でも、どうして突然また彼の勧誘に精を出し始めたんですか?」

 

「……奴の人脈がトリニティだけに留まらず、ミレニアムにまで広がっているのは知っているな?」

 

「ええ……まさか、そんな彼を籠絡すれば両校を支配できるとでも?」

 

「分かっているじゃないか……そう、あの男さえ手に入れればゲヘナをキヴォトスの頂点に────」

 

「あの……」

 

「───ん?どうした?」

 

「酒泉と深い関係にあるであろう調月リオも聖園ミカもどっちも自身の立場を捨ててますよ?彼一人籠絡したところで、彼女達の独断で学園規模を動かすのは不可能だと思いますが……」

 

「………………」

 

「あ、なんならアリウススクワッドのリーダーである錠前サオリも既にETO所属ですし、現状の立場だけ見たらトップの人達は全員権力のない一般生徒みたいになってますね」

 

「………………」

 

「……先輩?」

 

「………と、いうのは冗談でだな……本当の目的はヒナに対する嫌がらせ、ただそれだけだ」

 

「うわぁ……」

 

 

明らかに気づいていなかったであろう反応を見せるマコト

 

それでも引き返そうとしないのはただの強がりだけでなく、本当にヒナに対する対抗心もあるのだろう

 

「……まあ、他の学園が手に入らなくても奴を籠絡する理由は他にもある」

 

「へえー」

 

「なんだその反応は……言っておくが本当に理由があるんだぞ」

 

「……一応聞いておきますけどなんですか?」

 

「奴の情報網が気にならないか?」

 

「……まあ、確かに不自然な事が多いですよね。いつの間に風紀委員長と入れ替わって巡航ミサイルの着弾点にいたり、アリウスのことも調印式前から知ってたっぽいですからね」

 

「更には各学園のトップ勢とも繋がってるときた、新たに情報を得ることも奴にとっては容易だろう………いや、態々聞かなくてもとっくに知っている情報もあるかもしれないな」

 

「ああ……だからですか」

 

マコトは目をキッと鋭く光らせると、帽子を深く被り直した

 

 

「イロハ、折川酒泉の籠絡計画は進んでいるか?」

 

「いやぁ……全然駄目ですね、何度誘っても全く頷きません」

 

「やはりか……奴も頑固だな」

 

「断られる度に落ち込んだりして良心に訴えてみたりしたんですけど………普通にスルーされましたね、あれは相当風紀委員会にベッタリしてますよ」

 

「なるべく早めに取り込んでおきたいな……私と同じ考えの者が他の組織にいないとも限らんからな」

 

「他校との面倒な争いに発展する前に手元に置ければ、それに越したことはないですもんね」

 

「何も他校とは限らんぞ?」

 

「……はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何処の学園とも関係のない、全く別の第三者に狙われてもおかしくないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

 

 

「……思ってたより時間が掛かっちゃった」

 

 

少々不機嫌そうに廊下を歩くヒナ、その様子を遠目に見ていたゲヘナの不良達が全員怯えながら教室に戻っていく

 

 

(……他校の連中を警戒してたら、今度はゲヘナ内からも酒泉を狙う奴等が)

 

 

外からも内からも敵が現れる状況に苛々しながら、さっさと執務室に戻る為に足を早める

 

……勿論、理由は仕事を終わらせる為だけではない

 

 

(………早く会いたいな)

 

 

今日は仕事の前に万魔殿に寄ったせいで、未だに酒泉の顔を見ていなかった

 

余計なちょっかいを掛けてくる彼女達の姿を思い出してしまったせいで再びイラついてくるが、こんな姿を酒泉に見せるわけにはいくまいとすぐに普段通りの表情に戻る

 

 

 

────!──っ!

 

「────!」

 

 

(これは……酒泉とアコの声?)

 

 

既に集まっていた二人を待たせてしまったことに若干の申し訳なさを感じるが、自身もすぐに仕事に取り掛かろうと部屋に入る

 

 

「ごめん、二人とも………遅れちゃって─────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だーかーらっ!賭けなんてしないって言ってるでしょ!?スロットの目押しぐらいしかやりませんよ俺は!

 

「何が不満なんですか!首輪でも手錠でも何でもあるというのに!………そういうことですか!負けるのが怖いんですね!?」

 

なんつーもん用意してんだよ!?風紀委員が風紀を乱してんじゃねえっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……二人とも、何してるの?」

 

あっ

 

「あっ」

 

 

 

 

 

 

 

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「………心配するな、与えられた仕事はキッチリとこなすさ」

 

「……またその話か、我々の実力を信用できないのなら他の組織に声を掛ければいいだろう?」

 

「カイザーの軍事力を舐めてもらっては困る、準備ならとっくに終えているさ」

 

「………安心しろ、私は相手の実力を見誤って敗北するような間抜けとは違うからな」

 

「例え敵がたった一人の男子生徒だったとしても、決して油断はしない」

 

「ふむ……意外と心配性なのだな────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────超人殿は」

 

 

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